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マンション売却で税金がかからない場合とは?赤字の繰越や3,000万円控除はどう適用される?

最終更新日: 2024年04月10日

マンションの売却では高額な金額が動くので、税金が高くならないか心配になる人も多いでしょう。マンションの売却に関する税金には、必ずかかるものとケースによってかからないものがあります。知らないと損をする控除も紹介するので、チェックしましょう。

マンション売却で税金がかからないケースは?

マンション

マンションの売却においては、場合によってはかからない税金があります。マイホームを売却する多くの人に当てはまるポイントなので、しっかり理解しましょう。

利益が発生しなかった場合、譲渡所得税はかからない

マンションの売却において重い負担となるのが、譲渡所得税です。しかし譲渡所得税は『所得税』のため、売却によって利益(所得)が発生しなければ課税されません

この場合の利益とは、売却額から取得費用と売却にかかった費用を差し引いて手元に残るお金のことです。よほど好立地のタワーマンションなどでない限り、物件の価格は時間とともに減少していくケースがほとんどです。

そのためマイホームの売却で利益が出るのはまれであり、後述する控除を利用すれば、譲渡所得税は多くのケースでかからないと考えてよいでしょう。

控除の適用で譲渡所得税が0円になることもある

マイホームの売却にはさまざまな控除が用意されており、活用することで譲渡所得税を0円にすることも可能です

中でも押さえておくべき代表的な控除は、『居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例』です。マイホームの売却では、譲渡所得から3,000万円の控除を受けられます。

つまりマンションを売却して3,000万円以上の利益が出なければ、譲渡所得税はかからないことになります。この特例によりほとんどの場合で、マンション売却による譲渡所得税を0円にできるのです。

マンション売却時に必ずかかる税金

マンションを売却するときには、印紙税と登録免許税が必ず発生します印紙税は売買契約書の作成時に納める税金です。マンションを売却する際には契約書を結ぶため、必ずかかります。

登録免許税は不動産の登記にまつわる税金です。登録免許税は売却によって住宅ローンを完済したときに、抵当権を抹消するために必要です。

また仲介で売買契約を成立させると、不動産会社に支払う仲介手数料が発生します。仲介手数料には消費税が発生するので、税金という意味では消費税も含まれるでしょう。

印紙税

印紙税の金額は契約金額によって異なります。具体的には以下の通りです。

契約金額 印紙税額
100万円超~500万円以下 1,000円
500万円超~1,000万円以下 5,000円
1,000万円超~5,000万円以下 1万円
5,000万円超~1億円以下 3万円
1億円超~5億円以下 6万円
記載なし 200円

なお上記は2024年3月31日までの作成分の金額であり、通常より軽減されています。軽減措置のない本来の印紙税額は以下の通りです。

契約金額 印紙税額
100万円超~500万円以下 2,000円
500万円超~1,000万円以下 1万円
1,000万円超~5,000万円以下 2万円
5,000万円超~1億円以下 6万円
1億円超~5億円以下 10万円
記載なし 200円

印紙税の節約という観点からは、2024年3月31日までに契約を成立させるのがおすすめです。

登録免許税

不動産の売却にまつわる登録免許税の税額は、不動産1個につき1,000円です。マンションでは建物と土地それぞれに権利が割り当てられるのが通常のため、2,000円かかると思っておいた方がよいでしょう。

抵当権抹消登記は司法書士に依頼する場合がほとんどのため、登録免許税は司法書士に報酬と一緒に支払うのが通常です。

なお抵当権とは住宅ローンを組むときに、金融機関が物件を担保として設定する権利です。返済が滞った場合、金融機関は物件を差し押さえる権利を持ちます。

マンション売却時に利用できる税金控除

前述の3,000万円の控除以外にも、マンションの売却時に利用できる控除制度がいくつかあります。節税対策を望む人は要チェックです。

所有期間が10年を超える際の軽減税率

所有期間が10年以上の物件を売却すると、税率の軽減が受けられます。通常、譲渡所得税の税率は所有期間が5年以下か5年超かで分かれており、税率はそれぞれ以下の通りです。

所有期間 譲渡所得税率 住民税率
5年以内 30.0% 9.0%
5年超 15.0% 5.0%

さらに所有期間が10年を超えていると、譲渡所得6,000万円以下の部分に対して譲渡所得税率が10.0%になります。さらに住民税は4%に軽減されます。

この制度は3,000万円の特別控除と併用が可能なので、10年以上住んでいるマンションを売却する場合には、より税金を抑えられるでしょう。

ただし税率の軽減がされてもされなくても、譲渡所得税に対して2.1%の復興特別所得税がかかります。

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続によって取得したマンションを売却する際は、取得時に支払った相続税の一部を取得額に含めて計上できます。つまり譲渡所得を計算する際に、売却額から差し引ける金額(経費)が大きくなるため、節税につながります。

取得費に加算できる金額の計算式は、以下の通りです。

  • 相続税額×譲渡したマンションの相続税評価額÷(相続財産の総額+相続時の精算課税適用財産額の価額+純資産価格に加算される暦年課税分の贈与財産の価額)

マンションを含む一連の資産を相続した際に支払った相続税のうち、マンションと土地に対する部分の金額を経費に計上できるというイメージです。

譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

マンションを売って損失が発生した場合は、給与所得や事業所得から損失分を差し引けます。これを損益通算といいます。

該当するケースとして、ローンの返済額と仲介手数料などの諸費用が、売却額を上回った場合が考えられるでしょう。

さらに損益通算をしても余った損失は、翌年以降3年にわたって繰り越せます。ただし損益通算と繰越控除を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 譲渡する年の1月1日時点で所有期間が5年を超える
  • 所得が3,000万円以下
  • 譲渡する年の前年1月1日から売却した翌年の12月31日までに新居に住むこと
  • 10年以上の住宅ローンを組んで新居を購入すること
  • 新居の大きさが50㎡以上

マンション売却で赤字が出た際は、忘れずに確定申告をしましょう。

マンション売却で所得税がかからなくても確定申告すべき?

確定申告は所得税の申告・納税の手続きのため、所得税が発生しなければ原則的には不要です。しかし各種控除や特例を適用させたいというケースが、ほとんどではないでしょうか。

控除や特例を利用するためには、確定申告を行う必要があります。たとえば譲渡損失が発生して損益通算を適用すると、給与収入から天引きされた所得税の還付が受けられる可能性が高くなります。赤字額が大きいなら、翌年以降の税金負担の軽減も可能です。

確定申告の時期は毎年2月16日~3月15日なので、忘れずに行いましょう。

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マンションの売却では印紙税と登録免許税が必ずかかります。利益が発生した場合は、金額に応じて譲渡所得税も納めなければなりません。

しかし住宅ローンの返済もあるため、マイホームの売却において利益が出るケースは少ないと考えられるでしょう。さらに3,000万円の控除をはじめとするさまざまな税制優遇を受けられるため、ほとんどの場合において譲渡所得税は抑えられます。

ただし個別の事情を確認するには、不動産会社や税理士への相談がおすすめです。制度を上手に活用し、賢く節税対策を選びましょう。

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