店舗を開業する際、「オンラインでの商取引をスムーズに進めたい」という希望を持ちながら、導入時になるべく費用の負担を減らしたいですよね。
費用を抑えたい事業者に向け、初期費用をかけずに決済代行を利用できるサービスがあります。導入することで、多様なキャッシュレス決済への対応が可能になり、現金管理の手間も削減できるでしょう。
初期費用が無料で利用できる決済代行サービスについて、料金体系や選び方を含めて紹介します。
オンライン決済代行サービスの料金体系と相場
オンライン決済代行サービスの料金は、主に3つの要素で構成されています。固定費となる「初期費用・月額費用」、売上に応じて変動する「決済手数料」、振込手数料をはじめとした「その他の費用」です。
初期費用と月額費用
個人事業主や中小企業向けの多くのサービスでは、原則として初期費用と月額費用が無料です。ただし、サービスによっては月額3,000円〜5,000円の固定費や、導入時に数万円の初期費用がかかるところがあります。
固定費がかかる場合でも、決済手数料が割安になっている場合があります。事業が拡大し、毎月の決済額が大きくなったタイミングで、固定費ありプランへの乗り換えを検討するのが効率的です。
決済手数料
決済手数料は、顧客が決済を行うたびに発生する費用で、売上の中からサービス提供会社へ支払われます。利用する決済手段によって手数料率が異なり、具体的には以下のとおりです。
| 決済手段 | 手数料率 |
|---|---|
| クレジットカード決済 | 3.24% 〜 3.74% |
| QRコード決済 | 1.98% 〜 3.24% |
| コンビニ決済 | 1件あたり150円〜 |
その他の費用
決済代行会社によっては、振込手数料やトランザクション料、売上取消/返金手数料がかかるところがあります。これらの費用は公式サイトの料金ページでは目立たない場所に記載されていることが多いため、契約前に利用規約や重要事項説明書を必ず確認しましょう。
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初期費用無料のオンライン決済代行サービスのメリット
初期費用が無料のオンライン決済代行サービスを導入すると、事業運営の効率化や成長を加速させる点で以下のようなメリットがあります。
事業立ち上げのリスクを最小化できる
事業の固定費をかけず、キャッシュレス決済環境を構築できる点です。通常はシステムの導入時に初期費用が、利用時には月額費用がかかります。
これらの費用が無料になることで、金銭的なリスクを負うことなくビジネスを始められます。
申し込みから最短当日で導入できる
初期費用が無料の決済代行サービスの多くは、Webサイトから申し込んだ後、スピーディーに審査を完結できるのもメリットのひとつです。
煩雑な書類手続きや長い審査期間を待つ必要はなく、販売機会の損失を確実に防げます。
売上金の入金を早め、キャッシュフローを改善できる
初期費用が無料の決済代行サービスを利用すると、手元資金に余裕が生まれます。これにより、仕入れや経費の支払いがスムーズになり、黒字倒産のようなリスクを回避しやすくなるでしょう。
入金サイクルはサービスによって異なります。最短翌営業日に入金される会社もあるため、自社の資金繰りに適したサイクルを提供しているサービスを選ぶことが重要です。
初期費用無料のオンライン決済代行サービスの選び方
初期費用が無料のオンライン決済代行サービスを選ぶにあたって、下記のポイントを踏まえて選ぶことが大切です。
決決済手数料・振込手数料を含めた「総コスト」で比較する
初期費用が不要である一方、サービスによっては決済手数料や振込手数料が高額となり、予想していたより利益が残らないケースが多く見られます。実際に手元に残る利益を正確に把握するためには、決済手数料率の確認や振込手数料を含めた計算が必要です。
また、決済端末の購入費用やレンタル費用についても、事前に確認しましょう。
ターゲット顧客が使う「決済手段」を網羅できているか
導入を検討している決済代行サービスでは、QRコード決済やクレジットカードをはじめとした、自社の顧客層が日常的に利用する決済手段が使用できるか確認しましょう。自社の顧客像を明確にした上で、その顧客が普段から使っている支払い方法を優先して導入することが大切です。
また、近隣の競合店がどのような決済手段に対応しているかを調査することも、効果的なアプローチといえます。
事業を守る「セキュリティ」と困った時の「サポート体制」
万が一決済時にトラブルが発生したり、情報が漏えいしたりした場合、顧客からの信用を一瞬で失います。クレジットカードの国際的なセキュリティ基準への対応状況や、サポート窓口の設置有無を必ず確認することが重要です。
また、運営会社の導入実績や事業継続年数についても調査することをお勧めします。これらの情報は、サービスの安定性や信頼性を判断する上で貴重な指標となるからです。
初期費用無料のオンライン決済代行サービスおすすめ8選
初期費用無料で利用できる代表的な決済代行サービスを見ていきましょう。Square、STORES、BASE、Pay.jp、Stripeなど、おすすめのサービスをピックアップし、それぞれの特徴を比較します。
| サービス名 | 月額費用 | 決済手数料 |
|---|---|---|
| Stripe(ストライプジャパン株式会社) | 0円 | 3.6%~ |
| クレジットカード決済代行(GMOイプシロン株式会社) | 2,980円~ | 2.79%~ |
| Square(Square株式会社) | 0円 | 3.6%~ |
| PAY.JP(PAY 株式会社) | 0円 | 約2.59%~ |
| OMISE(OPN Holdings Co., Ltd.) | 0円 | 2.95%~ |
| KOMOJU(株式会社 DEGICA) | 0円 | 3.25%~ |
| ZEUS(株式会社ゼウス) | 3,000円 | ~3.5% |
| ekaiin.com(ウェルネット株式会社) | 0円 | 4.3%+110円 |
tripe(ストライプジャパン株式会社)
「Stripe」は、世界数百万社以上で利用されている、オンライン決済のグローバルスタンダードです。スタートアップから大企業まで、あらゆるビジネス規模の成長を支える強力な決済プラットフォームとして知られています。
月額費用は無料で、決済手数料は3.6%です。主にAPIを利用する開発者向けサービスですが、Payment LinksやHosted Checkoutなどのノーコードソリューションもあるため、技術者不在の事業者でも導入できます。
| 月額費用 | 0円 |
| 決済手数料 | 3.6%~ |
| クレジットカード決済 | ◯ |
| コンビニ決済 | ◯ |
| 銀行振込決済 | ◯ |
| 口座振替決済 | ‐ |
| キャリア決済 | ‐ |
クレジットカード決済代行(GMOイプシロン株式会社)
GMOイプシロンの「クレジットカード決済代行」は、クレジットカードから後払い決済まで幅広い決済手段を一つの契約で導入できる点が最大の強みです。中小規模のEC事業者から個人商店まで幅広く利用されており、ビギナープランの場合、月額2,980円から利用できます。
主要な決済手段は一通り網羅しており、スマホキャリア決済や口座振替にも対応しています。決済手数料はプランによって異なりますが、クレジットカード決済手数料は2.79%〜です。
| 月額費用 | 2,980円~ |
| 決済手数料 | 2.79%~ |
| クレジットカード決済 | ◯ |
| コンビニ決済 | ◯ |
| 銀行振込決済 | ◯ |
| 口座振替決済 | ◯ |
| キャリア決済 | ◯ |
Square(Square株式会社)
Squareは、実店舗向けの決済システムで培った実績を背景に、オンライン決済にも対応するサービスです。登録やアカウント開設は無料で、月額費用も一切発生しません。
主要なクレジットカード(Visa、Mastercard、JCB、AMEX等)に対応し、オンライン決済手数料は概ね約3.6%程度と、シンプルな料金体系が魅力です。
| 月額費用 | 0円 |
| 決済手数料 | 3.6%~ |
| クレジットカード決済 | ◯ |
| コンビニ決済 | ‐ |
| 銀行振込決済 | ‐ |
| 口座振替決済 | ‐ |
| キャリア決済 | ‐ |
PAY.JP(PAY 株式会社)
PAY.JPは、カード決済に特化したAPI型の決済代行サービスで、初期費用・月額費用ともに一切不要なシンプルな料金体系が特徴です。主要なクレジットカード(Visa、Mastercard、JCBなど)に加え、Apple Payにも対応しており、スマートフォンユーザーにも利便性を提供します。
決済手数料はプランやカード会社によって異なりますが、約2.59%〜です。初期投資を抑えながら効率的な決済環境を構築できます。
| 月額費用 | 0円 |
| 決済手数料 | 2.59%~ |
| クレジットカード決済 | ◯ |
| コンビニ決済 | ‐ |
| 銀行振込決済 | ‐ |
| 口座振替決済 | ‐ |
| キャリア決済 | ‐ |
OMISE(OPN Holdings Co., Ltd.)
OMISEは、技術志向のスタートアップからも注目される次世代型の決済プラットフォームです。初期費用・月額費用などの固定費は一切かからず、決済が発生したときの手数料のみで利用できます。
クレジットカード決済手数料は2.95%〜で、コンビニ決済やPay-easy(ペイジー)/ネットバンク決済、スマホ決済(例:PayPay)などにも対応しています。
| 月額費用 | 0円 |
| 決済手数料 | 2.95%~ |
| クレジットカード決済 | ◯ |
| コンビニ決済 | ◯ |
| 銀行振込決済 | ◯ |
| 口座振替決済 | ‐ |
| キャリア決済 | ‐ |
KOMOJU(株式会社 DEGICA)
KOMOJU(コモジュ)は、株式会社DEGICAが提供する初期費用・月額費用が無料の決済プラットフォームです。取引が発生した際の決済手数料(例:クレジットカード決済料率3.25%)のみで利用でき、固定費が一切かからないため小規模EC事業者でも導入しやすくなっています。
クレジットカード、コンビニ決済、銀行振込など国内の基本決済に幅広く対応し、さらにPayPayやLINE Payなどのスマホ決済、後払い決済、キャリア決済まで1つの契約でまとめて導入できるのが強みです。
| 月額費用 | 0円 |
| 決済手数料 | 3.25% |
| クレジットカード決済 | ◯ |
| コンビニ決済 | ◯ |
| 銀行振込決済 | ◯ |
| 口座振替決済 | ‐ |
| キャリア決済 | ◯ |
ZEUS(株式会社ゼウス)
Zeus(ゼウス)はSBIグループの老舗決済代行会社で、25年以上の実績を持ち上場企業を含む14,000サイト以上で導入されてきた信頼性の高いサービスです。初期導入費用はオンラインクレジットカード決済を含むプランの場合0円となっており、月額費用3,000円で主要なオンライン決済を一括利用できます。
クレジットカード決済、コンビニ決済、銀行振込決済はZeusの「セットプラン」で初期費用0円・月額3,000円(税別)から導入可能で、カード決済手数料は3.5%前後、売上処理料30円/件と業界平均的な水準です。
| 月額費用 | 3,000円 |
| 決済手数料 | ~3.5% |
| クレジットカード決済 | ◯ |
| コンビニ決済 | ◯ |
| 銀行振込決済 | ◯ |
| 口座振替決済 | ◯ |
| キャリア決済 | ◯ |
ekaiin.com(ウェルネット株式会社)
kaiin.com(イーカイイン・ドットコム)はウェルネット株式会社が提供するクラウド型の集金代行サービスです。他の決済代行が「決済手段の提供」に特化するのに対し、ekaiin.comは会員管理や請求書発行などの機能も一体となった総合的なオンライン集金プラットフォームとなっています。
初期費用・月額費用は0円で利用でき、発生した決済ごとに手数料4.3%+ 110円を支払うシンプルな料金体系です。対応する決済手段も幅広く、クレジットカード、コンビニ決済、ネットバンク振込などに対応しています。
| 月額費用 | 0円 |
| 決済手数料 | 4.3%+ 110円 |
| クレジットカード決済 | ◯ |
| コンビニ決済 | ◯ |
| 銀行振込決済 | ◯ |
| 口座振替決済 | ◯ |
| キャリア決済 | ‐ |
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