グループウェアは社員間の円滑なコミュニケーションをサポートする、重要なツールです。既存のツールから乗り換える際のグループウェアの選び方や、乗り換え時の確認事項を解説します。新たなグループウェアを効果的に活用するコツも把握しましょう。
グループウェアの比較ポイント
自社の環境に最もマッチしたグループウェアを探すためには、どのようなポイントに注目すればよいのでしょうか。新しいグループウェアを選ぶ際の比較ポイントを三つ紹介します。
必要な機能を備えているか
グループウェアはサービスによって搭載されている機能が異なります。利用する目的に応じて、必要な機能を備えているグループウェアを選ぶようにしましょう。
例えばメールよりも気軽にやり取りができる「チャット機能」は、コミュニケーションの活性化に効果的です。ほかにもファイル共有機能、アラート機能、勤怠・経費精算機能など、シチュエーションごとに重宝する便利な機能があります。
ただし機能が増えると基本的に料金が上がるため注意が必要です。大前提として押さえておきたいのが、既存ツールで頻繁に使っている機能でしょう。類似機能がないグループウェアを選ぶと、利便性が下がってしまう可能性があります。
クラウド型かオンプレミス型か
オンラインで完結する「クラウド型」か、システムをインストールする「オンプレミス型」かも重要な比較ポイントです。
「クラウド型」は保守運用やメンテナンスを自社で行う必要がなく、人的リソースがかからないというメリットがあります。また導入費用が安く済むのも利点です。
一方「オンプレミス型」のメリットは、カスタマイズ性の高さとセキュリティの堅牢性です。人的リソースや予算に余裕があるなら検討するのも一つの手でしょう。
組織体制や業務フローにマッチしているか
メール、チャット、掲示板などコミュニケーションに用いる手段には、組織の個性が出ます。どれだけ便利なグループウェアでも、従来のコミュニケーションに合っていなければ使い勝手が悪く感じられてしまうでしょう。
また組織の規模感に合わせて、メールボックスなどの容量を確認するのも重要です。規模拡大を見据えるなら、料金プランやオプションが豊富に用意されたグループウェアを選びます。
もちろん自社の業務フローという観点も忘れてはいけません。実際の業務を想定しながら、最も円滑に利用できるグループウェアを見極めましょう。
グループウェア乗り換え時の確認事項
グループウェアの乗り換えによるトラブルを回避するためには、どのような点を確認すればよいのでしょうか。グループウェア乗り換え時の確認事項を紹介します。
既存のデータを移行できるか
新たに乗り換えるグループウェアに、既存ツールのデータを移行できるか確認しましょう。ツールごとに出力・入力できるデータが限られていたり、引き継ぎにコストや時間がかかったりするケースもあるため注意です。
すべてのデータの移行が難しい場合は、優先度を決めて一部のデータのみを移行するといった対応が必要になります。移行できないデータはバックアップを取る、参照用として移行元システムを残すといった方法で対処しましょう。
使い勝手が悪くならないか
グループウェアの乗り換えにより既存ツールの問題が解消されても、別の問題が発生する可能性は十分に考えられます。
使い勝手が変わったことに対して、現場から不満の声が上がるケースも少なくありません。ITに苦手意識を抱えている社員にとって、操作が難しいツールは大きな負担になるでしょう。
そのため乗り換えを検討する際には、既存ツールと同等かより簡単に利用できるかという視点を重視します。
また乗り換えが必要な理由や、新規ツールの操作方法を説明するための場を設けるのも一案です。現場からの理解を得て、不満や業務効率の低下を回避しましょう。
グループウェアを効果的に活用するコツ
どのような運用を心がければ、グループウェアを効果的に活用できるのでしょうか。グループウェアを効果的に活用するためのコツを紹介します。
利用目的を明確にし運用ルールを定める
グループウェアを利用する上で、利用シーンや禁止事項などの運用ルールを定めておくと効果を引き出しやすくなります。このようなルールがないと、社内全体にツールが浸透しない、機密情報を漏洩してしまうといった事態につながりかねません。
ルール策定の前にまずは何のためにグループウェアを利用するのか、改めて目的を明確にしましょう。この目的に合わせて最適なルールを考えます。
明確化した目的やルールを社内全体に周知するプロセスも重要です。社員の理解を得られれば、円滑な利用が可能になるでしょう。
積極的に利用するよう促す
導入したばかりのグループウェアは、社員に定着するまで時間がかかるケースも少なくありません。
特に初期段階では利用のメリットを伝える、説明会を開く、利用事例を紹介するなどの利用を促す工夫が不可欠です。同時に問い合わせ先や担当者を明確にして、不明点や疑問について気軽に質問できる環境を整えます。
積極的な利用者が一定数を超えると途端に定着するケースもあるため、数名の社員に先導者になってもらうのも一案でしょう。
利用しやすいグループウェアを選ぼう
グループウェアを乗り換える際は、自社の環境にマッチしたツールを厳選しましょう。特に利用シーンに合う機能が備わっているか、クラウド型かオンプレミス型か、組織体制にマッチしているかは重要なポイントです。
乗り換える前に既存ツールのデータを移行できるかという点を、チェックしておきましょう。移行が難しい場合はバックアップを取るなどの対処が必要です。また現場の社員にとって使い勝手がよいツールかどうかも吟味しましょう。
導入後は運用ルールを策定して、グループウェアの目的とともに周知すると、円滑な利用ができます。同時に利用促進策を講じて、ツールを組織に定着させましょう。