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OCRとは?データ入力の手間を省く技術のこと【おすすめアプリ紹介】

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最終更新日: 2022年11月02日

「OCRってどんな技術?」「どうやって活用するの?」といった疑問をお持ちではないでしょうか。

OCRとは印刷物や手書きの文字を読み取って、電子的なテキストデータに変換する技術のことです。

多くのOCRソフトがリリースされており、帳票のデータ入力や資料の作成・管理などさまざまな場面で活用できます。

文字認識の仕組みや活用例の観点から「OCRとは何か」についてわかりやすく解説します。

OCRとは「文字を自動認識してデータ化する技術」のこと

OCRは文字を認識してデータ化する技術
手書きの文字もデータ化できる!

OCRは「Optical Character Recognition (光学的な文字認識)」の頭文字を取った略語であり「オー・シー・アール」と読みます。

日本語では「光学文字認識」や「文字認識」と呼ばれますが「OCR」の表記を用いるケースが多いです。簡単に言うと、文字を自動認識してテキストデータに変換する技術です。

これまで紙の書類のデータ化といえば、人が1文字ずつ打ち込むのが主流でした。手動のデータ入力は手間も時間もかかるうえに、書類の量が増えれば増えるほどその負担は大きなものとなります。

そこでOCRを利用すれば、わざわざ文字を打ち込む必要はありません。書類をスキャナやスマホで読み込むだけで文字をテキストデータに変換できるので、データ入力や文書管理の効率化が実現します。

OCRが注目される背景

OCRが注目を多く集めている理由には次の2つが挙げられます。

  • 生産性向上の必要性
  • RPAツールの普及

生産性向上の必要性

企業の人出不足が進む中でも従来と同じもの、あるいはそれ以上のものを生み出すために生産性の向上が必要となっています。

日本では少子高齢化が進んでいるため、生産年齢の人口が減ってきています。だからといって生産力を低下させてはいけません。

限られた人員でも作業を効率化させることが人手不足の対策となっているのです。

そこでOCRを活用すれば、人手で行っていた作業を自動化できるので生産性向上に役立ちます。

RPAツールの普及

OCRが注目される背景には、定型作業を自動化するツールである「RPA」の普及が影響しています。

RPAは「Robotic Process Automation」の略称で、認知技術を活用して人間だけが可能とされてきた高度な技術を代行・代替する取り組みのことです。

従来は人の手で行ってきた作業を自動化させる動きが強まっているため、データ入力作業を代替してくれるOCRも注目されているのです。

OCRの文字認識の仕組み

OCR 仕組み

OCRが行う変換までの1連のプロセスは次の通りです。

  1. 書類のスキャン
  2. レイアウト解析
  3. 文字認識
  4. フォーマット出力

まずは全体を読み取った後に、小さくブロックに分けて細かく解析していくことで「どの文字が書かれているか」を認識・判断するのです。

①書類のスキャン(画像データに変換)

書類のスキャン

まずはデータ化したい書類をスキャンして、画像データとして取り込みます。OCRリーダーと、OCRソフトを用いて文字の解析を進めていきます。

【OCRリーダーの例】

  • 複合機
  • スマートフォン
  • ハンディ・スキャナ

この段階で高い解像度でスキャンすれば、認識の制度を高めることもできるんです。

しかし、スキャンの速度が遅くなるので大量の書類を処理する際には注意が必要でしょう。

②レイアウト解析

文字の部分と画像部分で区分を行い「文字のかたまり」を認識します。

スキャンした書類には文字だけでなく、図や表も混在しているため、これらを分けて認識しなければなりません。

「文字のかたまり」の配置を解析することで、どの順番で文字を認識するか自動的に決めていくのです。

文字領域を検出することが、書類の文書をデータ化する第一歩となるのです。

③文字認識

文字認識

レイアウト解析によって認識された文字領域を1行に分解し、その後に1文字ずつさらに分解していきます。

切り取った文字の特徴を把握して特徴を抽出。ソフトが事前に記憶しているフォントと、書類の文字の特徴を照らし合わせて文字の候補を探し出すのです。

文字認識の最後の段階で、前後の文脈や単語情報と照合させて最終的な文字が決定します。

④フォーマット出力

最終的に確定した文字をテキストデータとして処理し、外部データとして再利用できるように様々なファイル形式で出力が可能です。

元のレイアウトを再現しつつ、PDFやWord、Excelへ変換することで後にデータとして活用できます。

OCR活用の3つのメリット

ビジネスネットワーク

OCRの活用にはさまざまなメリットがあります。

  • データ入力作業の手間と時間を削減
  • データの管理・検索・活用がスムーズに
  • 書類の収納スペース削減

データ入力作業の手間と時間を削減

タイピングして人が書類をデータ化するには時間がかかります。そこで、OCRを使えばスキャナーで取り込むだけのため、作業にかかる時間を大幅に短縮可能です。

これまでデータ化を担当していた人材に、他のより生産性の高い仕事を任せられるのもポイントといえます。組織全体の生産性向上にも役立つ技術なのです。

データの管理・検索・活用がスムーズに

OCRを活用すれば紙の書類をデータ化できるため、管理や検索がしやすくなります。また、データを活用しやすいのもOCRのメリットです。

中身を見るまで内容が分からない書類や画像データと比較して、使い勝手がよいでしょう。データの編集が簡単にできるのも魅力です。

書類のまま保存していると、データを使うときにデータを入力しなければいけません。

しかしデータで書類を保存すれば、表計算ソフトやワープロソフトでもデータをすぐに活用できます。入力の手間がない分、資料作成がスムーズに進むでしょう。

書類の収納スペース削減

紙の書類の管理には物理的なスペースが必要ですが、OCRで書類をデータ化してしまえば収納スペースを減らすことができます。

データで保管しておけば必要な時に印刷も可能なので、原本の保管が義務付けられている書類を除けば破棄しても大丈夫です。

また、データとして保存されていれば、経年劣化によって書類がボロボロになることも、書類と書類の間で行方不明になることもありません。

PCの使用メモリ節約にも

OCRを使って取り込んだデータは、スキャンした画像データと比べてメモリ容量を1/700ほどしか使いません。PCの使用メモリ節約にも効果を発揮します。

そのため「大量の書類を電子化したい」場合でも、保存容量を気にすることなくデータ化できます。

OCRの活用例【入力業務・ファイル編集の効率化】

資料のデータをパソコンに入力する様子

OCRソフトを活用すれば、経理・会計業務における伝票入力を効率化したり、PDFや画像ファイルをテキストに変換して再編集したりすることができます。

近年のOCRは読み取り精度の精度やPCのスペック向上により、さまざまなシーンに活用の幅を広げています。

経理・会計業務における伝票入力の効率化

OCRソフトが帳票に記載されたデータを自動でデータ化するので、伝票入力の手間や時間が減るだけでなく、入力ミスを防ぐ効果も期待できるでしょう。

業務量や人件費の削減にもつながり、そのぶん他の業務に労力や人手を費やせるようになります。

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PDFや画像ファイルをテキストに変換して再編集

PDFや画像ファイルなど文字を直接編集できないデータでも、テキストデータに変換すれば再編集が可能です。

PDF化する前の元データが見つからない場合や、文書をスキャンして画像化している場合、内容を変えたくても修正することはできません。

しかし、OCRを使えばPDFのテキストを認識してword形式に変換したり、画像のレイアウトを保ったままデータ化したりできます。

会議に必要な資料を用意するときや、先方とのメールで文書をやり取りする際などの「修正したいけどできない…」といった課題も解消できます。

名刺をデータに変換して一括管理

OCR機能を搭載した名刺管理ソフトやアプリを使えば、名刺をデータに変換して一括管理可能です。

名刺の解析・認識もスキャナやスマホで簡単に操作できます。

名刺をデジタルデータに変換すればチーム内や部署間における情報共有が容易になり、商談機会の創出や取引先の動向把握にも役立ちます。

OCRソフトを選ぶ際の2つのポイント

ビジネスシーン

OCRはさまざまなツールがありますが、文字認識の精度や連携機能に違いがあります。また大切なデータが記載された書類を扱うケースも想定されるため、セキュリティ要件もあわせてチェックしておきましょう。

文字認識・連携機能をチェック

まずは「文字認識」の機能を確認しましょう。古い書類がたくさんあり手書きが多いなら、手書きに対応していることも重要です。ルビ付きに対応しているかも確認します。

中には定型の書類にしか対応していないツールもある点に注意しましょう。

縦書きを含めさまざまな形式の書類があるなら、非定型でも認識できるツールを選ぶのがポイントです。

効率アップを目指してOCRを導入するなら、自社で導入しているシステムと連携できるものから選びましょう。自社システムと統合して利用することで、入力業務のさらなる効率化が可能です。

セキュリティ性も確認

自社の大切なデータを扱うツールは「セキュリティ」が基準を満たしているかも確認しなければいけません。

一定以上のセキュリティ対策ができていると示す「Pマーク」や「ISMS」を取得している事業者なら安心です。

他に情報セキュリティ認定「ISO27001」「ISO27017」を受けている事業者のサービスも、信頼性が高いといえます。

導入前にいま一度、セキュリティ面の安全性を確かめてみましょう。

【無料で使える!】おすすめOCRソフト・アプリを紹介

無料ソフト紹介

「OCRを試してみたいけどお金はかけたくない…」という方のためにも、無料で使えるOCRソフト・アプリを3つ紹介します。

  • Googleドライブ「OCR文字抽出機能」
  • Microsoft「OneNote」
  • EzOCR

無料版のもので試してみてから、有償ソフトの導入を考えてみるのもよいでしょう。

Googleドライブ「OCR文字抽出機能」

Google Drive
Google Drive

Googleアカウントさえあれば、無料でOCR機能を使えます。Googleが提供するオンラインストレージサービス「Googleドライブ」にOCR機能が搭載されているんです。

Googleドライブはデータの保存・管理のために使われることが多いですがOCR機能以外も、Googleユーザー間での共有やファイル形式の変換もできます。

【GoogleドライブのOCR機能の使い方】

  1. 「マイドライブ」にデータ化したい画像ファイルをアップロード
  2. ファイル名を右クリックし「Googleドキュメント」を選択

Microsoft「OneNote」

Microsoft「OneNote」
Microsoft「OneNote」

OneNoteは、Microsoftのアカウントさえあれば無料で利用できるデジタルノートアプリです。

OneNoteの基本機能はノートをとることですが画像を挿入したり、その画像をテキストに変換したりできる便利なアプリなんです。

【OneNoteでのOCR機能の使い方】

  1. データ化したい画像をノートに貼付・挿入(スクリーンショットも可)
  2. 画像を右クリックして「画像からテキストをコピー」を選択

EzOCR

EzOCRホームページ
EzOCR

EzOCRはブラウザから使用できる、無料のOCRサイトです。ユーザー登録不要で、サイトに接続さえすればログインなしで利用できるのが特徴です。

ファイル内の一部を範囲指定してデータ化できたり、スキャンしたPDFをExcelで出力できたりもします。

より高精度な読み取りができる「AI OCR」も増えている!

AI OCRとは

近年ではOCRへのAI(人工知能)導入により、100%に近い文字認識が実現するようになりました。AIが搭載されているOCRを「AI-OCR」と呼び、システム数は増加の一途をたどっています。

AIを搭載したOCRは、1文字単位ではなく「前後の文字列」を読み取って文字を判断します。

例えば「工事現場」といった単語を読み取ったとしましょう。このとき1文字単位で読み取っていると「工事」の「工」の字が漢字なのかカタカナなのかがわかりません。

文字列単位で読み取れば、前後に「事」という漢字や「現場」といった単語が並んでいることから「工事現場」として判断でき、漢字表記であるのが正しいとわかります。

このように、AIを搭載したOCRは深層学習(ディープラーニング)のデータに基づいて、人間の脳と同様にシミュレーションを行いながら文字を高精度で認識します。

手書き文字やフォーマットに制限されない文書の認識ができるようになり、ビジネス書類への活用や業務の自動化といったさまざまな恩恵がもたらされました。

データ処理の効率化で生産性の向上を

街角のビジネスウーマン

書類の文字を認識しテキストデータにするOCRは、業務効率化に役立つ技術です。データ入力や文書管理の効率化による時間削減で、担当者にはより生産性の高い仕事を任せられます。

テキストデータにすると、必要な情報をキーワードで検索可能です。情報を生かすためにも役立つ技術といえます。

AIの搭載による自動学習など、今後ますます進化を遂げていくOCR。文書の電子化やペーパーレス化の動きが広がっている今こそ、OCRを取り入れてビジネスをさらに加速させてみてはいかがでしょうか。

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