顧客管理をするうえで重要な名寄せ。名寄せを行うだけで、社内の労働生産性が格段に上がることがあります。
しかし、いざ名寄せをしようと思っても「やり方がわからない」「何に注意したら」など疑問も多く手をつけられない方も多いのではないでしょうか?
本記事では名寄せの基本や手順、おすすめツールを紹介します。
名寄せとは
名寄せとは、複数のデータベースから顧客情報をひとつにまとめることです。複数に分散された情報の共通項を洗い出してデータを統合することで、データ管理がしやすくなります。
名寄せは顧客ごとにIDを設定して、「顧客名」「住所」「メールアドレス」「電話番号」などの各属性が一致しているかどうかを調べ、同一の存在と識別されたデータをまとめるプロセスで行われます。
名寄せの方法はエクセルを利用した手作業と、専用ツール活用の2種類に大きく分けられます。
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名寄せをするべき3つの理由
名寄せはある程度の手間がかかります。
それでも名寄せをした方が良いのは、コスト削減を実施できるとともに、顧客に合わせたアプローチができるからです。加えて企業の信用を守る働きも期待できます。
無駄なコストの削減
名寄せにより顧客情報の重複を解消すると「コスト削減」につながります。保有している顧客情報をもとに、DMの送付や架電を実施するとき、重複した情報があると同じアプローチを複数回してしまうかもしれません。
はがきを使いDMを発送する場合、1通につき63円の通信費がかかります。加えてDMの印刷代も必要です。重複して送付すると、その分のコストが無駄となるでしょう。
複数の担当者が別々にアプローチしていた場合、営業にかかった時間分の人件費も余計に必要です。名寄せであらかじめ情報をまとめていれば、コストの無駄は発生しません。
顧客への適切なアプローチが可能に
顧客へ適切なアプローチをするためにも、名寄せが役立ちます。ただし正しく把握しきれていない情報では、適切なタイミングでアプローチできません。
特にプッシュ型のアプローチを実施するときには注意が必要です。登録情報が重複したままでは、同一人物に何度もプッシュ型のアプローチをしてしまう可能性があるでしょう。
例えばAさんが電話をかけた後に、Bさんが再度かけてしまいクレームにつながった、などが考えられます。
これでは有効なアプローチをしているつもりが顧客に嫌がられてしまい、成果につながらないのです。情報が正しく統合されていれば、このような事態が防げ、適切なアプローチのみを実施できます。
会社の信用を守る
データに重複や誤りがあるまま顧客へメールやDMを送ると、氏名や社名を間違えて送ることや、住所に誤りがあり届かないことがあります。名寄せでは情報の誤りも修正するため、このようなミスをなくせるはずです。
誤りを修正しないまま送信すれば、顧客の信頼を失うかもしれません。大切な書類が不備により届かないとなると、セキュリティやコンプライアンスを問われる事態を招く可能性もあります。
名寄せは企業の信用を守ることにもつながる作業です。
名寄せのやり方【4ステップで解説】
名寄せの手順にはデータの「調査」「抽出」「クレンジング」「マッチング」の4つのステップがあります。
対象データの調査
名寄せを実施するときには、まず対象となるデータについて調べます。どこからデータを集めている?どのような入力方法か?検索する方法は?などの現状を把握しましょう。
それらの情報をもとに最終的にどのような形に統一するのか方針を決定するのです。
この時点で方針を明確にすることで、必要な項目や情報の整え方がはっきりします。IDの付け方といった法則も決めておくと、使いやすいデータにできるはずです。
データ抽出
調査で必要な項目を明確にしたら、必要なデータの抽出を行います。複数のデータベースから項目を抽出するときには、現状では項目名が違うかもしれません。
例えばデータベースAでは「住所」となっているのに対し、データベースBでは「所在地」となっているという違いです。項目名だけでなく、データが同一かも確認しなければいけません。
同じ住所が入力されていたとしても、一方は県名から番地まで一つの欄に記入されているのに対し、もう一方は都道府県・市区町村・町名・番地などに分かれている可能性があります。
データクレンジング
データの抽出が完了したらデータクレンジングです。「データスクラビング」や「データクリーニング」とも呼ばれます。名称から連想できる通り、データの不備を直す作業と考えるとよいでしょう。
具体的には表記ゆれの修正の他、入力ミスや文字化け・欠落の修正などを行う工程です。抽出したデータをより活用しやすくなるよう、品質を高める作業といえます。
機械学習を実施するツールを用いる場合、破損や異常値を含むデータを修正する処理もデータクレンジングと呼ばれるケースが一般的です。
データのマッチング
最後の工程がデータのマッチングです。抽出し整えやすいよう修正したデータの中から、同一のものを検索します。
属性や種類によって同一人物や同一企業と認識できるよう、同じIDを付与して結び付ける工程です。マッチングの実施によってデータの重複がなくなります。
スムーズにデータを扱えるようになるため、同じアプローチを複数回行うといったミスが起こらないよう運用可能です。
名寄せに使えるおすすめツール
件数が少なければ手動でもできる名寄せですが、数千件以上の大量のデータを手動で名寄せするのは至難の業です。大量のデータを確実に名寄せするなら、ツールを使うとスピーディーで確実に仕上げられます。便利なおすすめツールをチェックしましょう。
FORCAS
法人向けのビジネスに特化している「FORCAS」は、顧客分析により受注率の高いターゲットを定められるツールです。FORCASは独自の企業データベースを利用できるのが特徴といえます。
データベースは名寄せ機能にも利用可能です。名寄せに必要な準備は、Excelへ企業名やURLドメインなど、企業を特定する最低限の情報を記入するだけです。
Excelファイルをアップロードすれば、正式な企業名や法人番号をリスト化できます。さらにFORCASのデータベースから、業界区分・シナリオ・スコアなどの企業属性もプラスして一覧を作れる仕組みです。
企業情報を最新のものに更新もできるため、常に最新の売上や従業員数などを把握できます。
Sansan Data Hub
「Sansan Data Hub」は独自のAI技術を用いた営業DXサービスです。
社内顧客データの正規化や統合を通じて、SalesforceやMarketoなどのCRM・SFA・MAツールにおけるデータの二重登録を防止。名寄せやデータクレンジングの工数を削減します。
スキャンした名刺データや、メールの署名データをSansan Data Hubを通じて自動処理することで、現場に負担をかけずに顧客データ基盤を構築します。
顧客情報をベースにしたリスト作成やメールの一括配信機能、タグ付けによる顧客情報のグルーピングなど、データの利活用機能が搭載されているのも特徴です。
DataStage
「DataStage」はデータの抽出・加工・ロードの処理に特化したツールです。データベースから必要なデータを取り出し、表記ゆれを調整するといった、名寄せに必須のプロセスを手間なく実施できます。
形式や文字コードの異なるデータも扱えるため、複数のシステムで管理しているデータベースを統合するのにも役立つツールです。表記ゆれが多岐にわたる場合でも、以下に挙げる四つの機能によって名寄せできます。
- データの傾向分析:単語の出現頻度やパターンなどを分析
- 標準化:統一的な表記への変換
- データの関連付け:類似性を得点付けし、高得点のものを重複データとしてひも付け
- 最適データの選択:残すデータの選定
視覚的に分かりやすく、操作しやすいデザインで作られている点もポイントといえます。
TRILLIUM
辞書を用いたデータクレンジングが特徴の「TRILLIUM」を使うと、表記ゆれの効果的な解消が可能です。名寄せを実施するときに欠かせない表記ゆれの解消により、活用しやすいデータベースを作れます。
名寄せの条件を自由に選定できるのも特徴です。同じ名寄せであっても、業務内容によって求められる条件は異なります。利用シーンに合わせ選定すると、より使いやすいデータベースの構築がかないます。
新たに登録された情報も、常にデータクレンジングされた状態を実現可能です。コールセンターといったフロント業務で得た情報を、すぐに使える形にできるのは、TRILLIUMのメリットといえます。
Excel
できるだけコストを抑えて名寄せをするなら「Excel」を使うとよいでしょう。Excelはもとから使っている企業も多いソフトウエアのため、名寄せのために新たにツールを導入する必要がありません。
日ごろから使っているため、操作に慣れており利用しやすいのもポイントです。関数についてある程度の知識がある担当者がいれば、すぐにでも名寄せに取りかかれます。
具体的には「TRIM関数」や「DATEVALUE関数」を組み合わせると、表記ゆれの修正や重複データの統合が可能です。ただし関数の扱いに慣れている担当者がいない場合、知識のインプットから行わなければいけません。
作業を行う人員のスキルによって、向き不向きが分かれるツールです。
名寄せによりデータ活用をスムーズに
企業では個人や企業などの顧客情報を保有しています。情報があればその中から最適な営業先を見つけ出し、効果的なアプローチが可能です。
データベースをもとに効果的なアプローチをするには、名寄せが欠かせません。データの中には重複するものもあるでしょう。その重複を見つけ情報を統合する作業をさします。
名寄せをする上で問題になりやすいのが表記ゆれです。表記が違えばコンピューターは異なるデータとして扱うため、名寄せが思うように進みません。
スムーズに名寄せをするには、ツールを使うと便利です。単に表記を合わせるだけでなく、独自の情報をプラスできるものもあります。使い勝手のよいツールを選択し、データを存分に活用しましょう。
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