「商用ERPはライセンス費だけで数百万円、稟議が通らず導入が止まっている」
「ソースコードを自社管理し、ベンダーロックインを避けたい」
オープンソースERPなら、ライセンス料ゼロで導入でき、改変も自由です。日本の商習慣に標準対応した製品もあり、JavaやPythonの開発経験があれば自社でカスタマイズできます。
この記事では、おすすめの無料オープンソースERPを比較し、選び方のポイントを解説します。
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無料で使えるERPおすすめTOP3
7つのオープンソースERPの中から、導入実績・サポート体制・日本企業との親和性の観点で注目すべき3製品をピックアップしました。基本機能を備えており、自社の技術リソースや運用体制に応じて選べます。
| 製品名 | 財務会計 | 販売管理 | 在庫管理 | 日本語対応 | サポート体制 |
|---|---|---|---|---|---|
| iDempiere | ○ | ○ | ○ | ○ | 国内ベンダーの有償支援、有料コンサル、コミュニティ(英語) |
| ADempiere | ○ | ○ | ○ | ― | コミュニティ(英語) |
| JPiere | ○ | ○ | ○ | ○ 標準搭載 | 無料オンライン相談会、有料コンサル、サポーター制度 |
○=対応あり ×=対応なし ―=公式サイトに情報なし
iDempiereはCompiereを源流とするオープンソースERPで、ADempiereの後継として開発が進められている製品です。基幹業務からCRMまでひと通りカバーし、複数の言語や通貨を切り替えて運用できる設計です。JPiereの母体でもあり、柔軟なプラグイン構造により、国内企業でもカスタマイズを経て導入されるケースが増えています。
ADempiereはWebUIを備え、「Active Data Dictionary」という独自の辞書機能でプログラミングなしにデータベース定義を変更し、画面やレポートを柔軟にカスタマイズできます。サポートはコミュニティベースのため、ドキュメントやフォーラムを活用できる技術力のある企業に向いています。
JPiereはiDempiereを日本の商習慣にあわせて再設計された派生パッケージです。消費税処理や契約管理など国内業務に必要な機能が標準搭載されており、日本語でのサポートも受けられます。
iDempiere

「iDempiere」はADempiereの後継として登場したERPです。複数の言語や通貨に初期状態から対応しており、グローバル展開にも備えられます。
業務アプリケーション開発のベースとなる機能はデフォルトで搭載されています。ユーザーはビジネスロジックのコーディングに集中でき、開発がスムーズに進む点も特長です。
ADempiere

「ADempiere」は販売・購買管理・会計管理から生産管理まで、あらゆる基幹業務を一元管理できるERPです。経営部門・営業部門・工場部門がシームレスにつながり、部門横断でデータを共有しながら業務を回せます。
WebUIを備えた高機能なオープンソースERPは比較的珍しく、世界でも高い評価を得ています。
モデル駆動アーキテクチャを採用しており、プログラミングなしでアプリケーション辞書を用いて柔軟にカスタマイズできます。
売掛金や買掛金の管理機能を標準で備えており、基幹会計業務を追加開発なしでカバーできる設計です。
JPiere(株式会社オープンソース・イーアールピー・ソリューションズ)

「JPiere」は日本仕様に最適化されたiDempiereのパッケージです。海外製であるiDempiereを日本企業に導入する際のギャップを埋めるため、日本の商習慣にあわせたカスタマイズが数多く施されています。
JPiereならではのカスタマイズとしては「契約管理機能」があります。これを利用すれば、販売や購買に関する各種伝票を簡単に作成することが可能です。
また消費税処理機能は、複雑な消費税処理をスムーズにするために加えられました。このほかに見積専用伝票が搭載されており、受注伝票から見積もりを分離して管理できます。
ただしパッケージツールという特性上、標準化された機能が中心です。導入に際しては、システムインテグレーター(SIer)に依頼してカスタマイズする方法のほか、ユーザー企業が主体となって導入を進めるパターンも提示されています。
無料で使えるERPおすすめ4選
ERP5(Nexedi SA〔フランス〕)

「ERP5」はPythonで書かれたオープンソースのERPです。ベースとなる型を自由にカスタマイズすることで、既製品にはない柔軟で自由なプラットフォームを設計できます。汎用性の高さから、銀行・病院・自動車産業や地方自治体・アパレル産業など、幅広い業界で導入されているERPです。
ERP5の構成要素はアプリに至るまで、オープンソースで提供されています。個別のアプリケーションコンポーネントをインストールすれば、自社ニーズに特化したERPの構築も可能です。
柔軟なカスタマイズ性により、特殊な業種や独自の業務プロセスを持つ企業に適合します。
ERPNext(Frappe Technologies Pvt. Ltd.)

「ERPNext」は複数の言語や通貨をあらかじめ備えたオープンソースERPです。会計、CRM、販売、在庫、製造、人事など幅広いモジュールをひとつのプラットフォームで管理できます。
機能は必要に応じて追加できるため、スモールスタートも可能です。少人数のチームから数百名規模まで幅広く対応できるため、ERP導入が初めての中小企業にも適しています。
Axelor(Axelor[フランス])

「Axelor」はシンプルで使いやすいUIを備えたオープンソースERPです。CRM、BPM(ビジネスプロセスマネジメント)ツールの役割も果たし、顧客管理や業務管理の流れを定型化・最適化します。
Axelorの魅力は個々のニーズや課題に応じて、必要なモジュールを簡単に追加できる点です。プラットフォームへの機能の追加は、ドラッグ&ドロップのみで完了します。コードを書く必要がないため、プログラミング言語の知識がない人でも、戸惑うことはないでしょう。
プラットフォームは完全にWebベースで動作するため、デバイスを問わずアクセスできます。
※クラウド版(SaaS)を利用すれば、インフラ保守の手間を省けます。
Apache OFBiz(Apache Software Foundation)

「Apache OFBiz」はJavaベースで開発された、スケーラビリティの高いERPです。ウィジェットを組み合わせて画面を構築するUI設計を採用しており、Webアプリケーションのプロトタイプを素早く立ち上げられます。搭載されているカスタム機能を使えば、フレームワークの拡張や強化も内製化が可能です。
すぐに利用できるコアモジュールとしては会計、CRM、注文管理、eコマースのほか、倉庫や在庫管理、製造、MRPなどがあります。製造業や小売業、流通業に必要な機能がそろっています。
フレームワークを活用してみたい場合はオンラインデモの活用がおすすめです。eコマースのウェブストアとバックエンド ERP アプリケーションから、自社ニーズに合うものを試せます。
無料で使えるERPの選び方
オープンソースERPは「ダウンロードすれば即使える」製品ではありません。自社の技術リソースや業務要件との適合度を見極めたうえで選定する必要があります。確認すべき4つの観点を整理します。
技術スタックとセルフホスト前提の確認
オープンソースERPの開発言語は大きくJava系とPython系に分かれます。iDempiere、ADempiere、JPiere、Apache OFBizはJavaベースで動作し、ERP5とERPNextはPythonベースです。社内エンジニアが得意とする言語の製品を選ぶと、カスタマイズや障害対応の負荷を抑えられます。
データベース要件は製品の系譜によって明確に異なります。iDempiere、ADempiere、JPiereはPostgreSQLを前提とし、JPiereはPostgreSQL専用設計です。一方、ERPNextとERP5はMariaDBを標準としており、ERPNextではPostgreSQLの商用運用は公式にサポートされていません。Apache OFBizは独自のエンティティエンジンにより特定のDBに依存しない設計で、Derby、MariaDB、PostgreSQLなど複数のDBに対応します。既存の社内インフラとの整合性を事前に確認しましょう。
いずれの製品もセルフホストが基本です。Linuxサーバーの構築から運用監視までを自社で担える体制があるかどうかが、導入可否の分岐点になります。
日本の商習慣対応
海外発のオープンソースERPは、日本のインボイス制度や消費税の端数処理、請求書の帳票レイアウトに標準では対応していないケースが大半です。
JPiereはiDempiereのコアを改変(フォーク)せずに、OSGiプラグインで日本の商習慣対応を実現したディストリビューションです。本家iDempiereの最新アップデートにそのまま追従できるため、保守負荷を抑えられます。消費税処理や契約管理機能が標準搭載されています。
ほかの製品を選ぶ場合は、アドオン開発を自社でおこなうか、SIerに依頼する費用を見積もっておく必要があります。インボイス対応の改修だけでも相応の工数がかかるため、導入前の試算が欠かせません。
サポート体制とコミュニティの健全性
オープンソースERPのサポートはコミュニティが中心です。アドオンの不具合やバージョンアップ時のトラブルは、原則として自力で解決する前提になります。
製品選定では、コミュニティが活発に開発を続けているかを確認しましょう。Compiere から ADempiere、さらに iDempiere へと派生してきた経緯が示すように、開発が停滞するとプロジェクトがフォークされ、ユーザーが移行を迫られる場合があります。GitHubのコミット頻度やIssueへの対応状況は、プロジェクトの健全性を測る手がかりです。
日本語での有償サポートが必要な場合は、国内ベンダーが支援しているJPiereのような製品を優先するとよいでしょう。
想定規模との適合
同じオープンソースERPでも、想定する利用規模や業種によって適合度が変わります。製造業や小売業のように業務フローを細かく作り込みたい場合は、モジュール構造が柔軟なiDempiereやApache OFBizが候補になります。ITやサービス業でスモールスタートを切りたい場合は、Webブラウザから直感的に操作できるERPNextが向いています。
将来の事業拡大やグローバル展開を見据えるなら、多言語や多通貨に対応しているかも選定基準に加えましょう。導入時点の規模だけでなく、3年から5年先の成長計画と照らしあわせて判断することが重要です。
無料で使えるERPの注意点
ライセンス無料のオープンソースERPにも、導入前に把握しておくべきリスクがあります。技術力のある情シス担当者でも見落としやすい2つのポイントを解説します。
セキュリティパッチの自主運用が必要
オープンソースERPでは、脆弱性が発見された際のパッチ適用を自社の責任でおこないます。商用製品のように自動アップデートが配信されるわけではなく、コミュニティが公開するパッチを自ら検証し、本番環境へ適用する運用体制を組まなければなりません。
パッチ適用の遅れは、既知の脆弱性を突かれるリスクに直結します。セキュリティ担当者のアサインと、定期的なパッチ監視の仕組みを導入計画に含めておきましょう。
ライセンス無料でも総費用はゼロではない
オープンソースERPのライセンス料はゼロですが、運用にかかる総費用はゼロではありません。サーバーのハードウェア費またはクラウドインスタンス費、構築と保守を担うエンジニアの人件費、日本の商習慣にあわせるカスタマイズ工数が発生します。
導入前に総費用を試算し、商用クラウド型ERPの月額料金と比較してみましょう。規模や運用体制によっては、有償製品のほうがトータルで安くなるケースも珍しくありません。
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