メールの一斉配信や効果測定に対応し、配信効率を上げられるメール配信システム。中には費用のイメージが湧かず、導入に踏み切れない担当者の方もいるかもしれません。
そこで本記事では、メール配信システムの費用相場やその内訳について詳しく解説。メール配信システムの料金に差が生じる理由や、費用を抑えて導入するコツなどを紹介しています。ぜひ、導入を検討する際の参考にしてください。
メール配信システムの費用相場

メール配信システムの費用相場はクラウド型がひと月あたり1〜2万円前後、オンプレミス型が買い切りで150万~500万円前後です。
クラウド型メール配信システムは、インターネット上のクラウドサーバーを通じて利用できる比較的安価なサービスです。
クラウド型メール配信システムは初期費用数万円と月額数千円を用意できれば導入できる製品が多く、バージョンアップ設定やセキュリティ対策の実施なども定額でベンダーに任せられます。
一方オンプレミス型メール配信システムは自社内部のサーバー上に構築して運用するタイプで、サーバーのレンタル費用が月額5000円前後ほどかかります。加えて初期費用に数百万円程度のライセンス契約料金が発生する製品もあります。
外部のネットワークに接続しないぶん堅牢で、個人情報をクラウド上に預けられない企業や、自社に合ったセキュリティ要件を求めている企業に導入されることが多いです。アップデートやメンテナスは自社で費用を負担をして行わなければなりません。
【費用相場の早見表】
| 種類 | 初期費用 | 月額 | ライセンス料 |
| クラウド型 | 1万~5万円 | 2,000~1万5,000円 | 不要 |
| オンプレミス型 | 3,000~1万円 | 2,000~5,000円 | 150万~500万円 |
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クラウド型メール配信システムの費用内訳

クラウド型メール配信システムの費用内訳について解説します。
初期費用:1万~5万円
クラウド型メール配信システムに新規登録する場合、アカウント発行をはじめ、配信環境を構築するための初期費用が1万~5万円ほど発生します。
初期費用は初回のみ発生する料金で、サービスの契約更新時などに再度発生することは一般的にありません。
クラウド型メール配信システムの中には、初期費用無料で利用できる製品も多くあります。その場合は数千円の月額費用のみでメール配信システムを導入可能です。
月額費用:2,000~1万5,000円/月
クラウド型メール配信システムには月額費用が発生します。月額費用は「月々に配信できる件数」または「登録できる送信先アドレスの件数」に基づく従量課金制が一般的です。
月間配信数と登録アドレス件数どちらによる課金でも、数量割引が適用されるメール配信システムが多く存在します。
具体的に月間配信数による課金制の製品は、配信数3,000通あたり月額2,000円前後、3万通あたり月額1万5,000円前後が相場となります。
一方登録アドレス件数の上限による課金制の製品は、アドレス登録上限2,000件あたり月額5,000円前後、上限1万件あたり月額2万円前後が相場です。
オンプレミス型メール配信システムの費用内訳

オンプレミス型メール配信システムの費用内訳について解説します。
ライセンス料:150万~500万円
オンプレミス型は買い切りで提供されており、初期費用として150万~500万円のライセンス契約料金が発生します。
ライセンス料には主にハードウェアおよびソフトウェアの品質維持や機能拡張といった、ベンダーのサービス提供に必要なコストが設定されています。
またサーバーを購入する場合、費用は数十万円程度が目安となっており、ライセンス料金と一緒に初期費用に含まれることが多いです。
月額費用:2,000~5,000円/月
自社サーバーを購入せずにオンプレミス型メール配信システムを利用する場合、サーバーレンタル費用が毎月発生します。こちらが月額費用にあたり、目安は月額2,000~5,000円程度です。
サーバーをレンタルをするにあたって、初期費用が別途3,000~1万円程度かかる場合もあります。
その他費用:3万~5万円
買い切り型であるオンプレミス型の場合、製品アップデートなどがあった際は30,000円~50,000円程度で追加購入費用が発生します。メンテナスやセキュリティー対策のための保守費用も自社負担です。
またオンプレミス型メール配信ソフトでは、自社独自のカスタマイズを依頼する場合に追加費用が必要になります。
おすすめのクラウド型メール配信システム5選と費用
以下で、クラウド型メール配信システム5選の費用を比較しました。
| 製品名 | 無料プラン・トライアルの有無 | 月額料金(税込) | その他費用・特徴 |
| SendGrid | 無料プランあり | 無料プラン: 0円 / 100件まで/月Essentials: $19.95~(約3,200円~) Pro: $89.95~(約14,000円~) |
従量課金制あり。大量送信時はボリュームディスカウント。日本語サポートは上位プランに付随。 |
| WEBCAS(クラウド・SaaS) | トライアルあり(14日間) | 55,000円~/月(上限配信件数による) | 初期費用: 55,000円〜、オプション機能は別途。配信数による従量制。 |
| Benchmark Email | 無料プランあり | 無料:500通/月(配信リスト500件まで) 有料:1,800円/月(500件)〜 |
従量課金プランもあり。リスト数増加に伴い価格上昇。 |
| Amazon SES | 無料枠あり(条件付き) | 従量課金制:1,000通ごとに0.10 USD(約15円) | 無料枠: AWS EC2から送信時、月62,000通まで無料。API利用、外部サーバから送信は有料。サポートは通常有償。 |
| Cuenote FC | トライアルあり(条件付き) | 月額 10,000円〜(5,000通程度まで) | 初期費用:30,000円〜。配信件数、オプションにより変動。問合わせが必要。 |
SendGrid
特徴
- 大量配信に強いインフラ
世界中の企業が利用している大手クラウドメール配信サービス。到達率を高める仕組みやグローバルでの実績が豊富。 - API連携が容易
開発者向けドキュメントが充実しており、独自のシステムやMAツールとの連携もしやすい。
料金
- 無料プランあり(1日あたり100通まで)
- 月額定額プラン、従量課金プランなど複数形態が用意されている
こんな企業におすすめ
- 大量配信や海外宛メールを想定している企業
- API連携を重視し、自社開発との統合を行いたい中〜大規模企業
WEBCAS(クラウド版 / SaaS版)
特徴
- 国産ベンダーによる充実サポート
導入支援から運用コンサルまで、日本語で手厚いサポートが受けられる。 - 高い到達率と多機能性
大量配信やステップメール、セグメント配信など幅広い機能を備える。大手企業や自治体 などの導入実績も多い。
料金
- 初期費用・月額費用の体系は要問い合わせ(導入規模に応じてカスタマイズ可能)
こんな企業におすすめ
- 国産サービスを重視する企業
- 官公庁や金融機関などセキュリティ要件が厳しい組織
Benchmark Email
特徴
- 日本語対応したUIとサポート
管理画面は日本語で提供され、操作ガイドやヘルプ記事も充実しており、初心者でも導入しやすい。 - デザインテンプレートが豊富
直感的なエディタでHTMLメールを作成でき、レスポンシブ対応テンプレートも多数用意。 - 無料プランあり
条件付きで無料利用が可能なので、まずはテスト運用したい企業に向いている。
料金
- 無料プラン(登録リスト数や配信数に上限あり)
- 有料プランは配信リスト数や機能に応じた従量課金・月額料金
こんな企業におすすめ
- 日本語UI+無料プランで手軽に始めたい中小企業・個人事業主
- デザイン重視でメルマガを作成したい企業
- 使いやすいエディタや運用サポートを求めるチーム
Amazon SES (Simple Email Service)
特徴
- コストパフォーマンスが高い
大量配信を想定している場合も比較的安価で運用できるのが最大の強み。AWSの従量課金モデルで必要に応じてコストを最適化しやすい。 - 拡張性・スケーラビリティに優れる
AWSの他サービス(Amazon EC2, Lambda, S3など)とスムーズに連携でき、大量配信やシステム運用を一元管理しやすい。
料金
- 従量課金制(1,000通あたりの送信コストが設定されており、使った分だけ支払う仕組み)
こんな企業におすすめ
- AWSを既に利用していて、一括管理したい企業
- 大量配信を安価に抑えたいBtoB/BtoC事業者
- グローバル対応が必要で、AWSのセキュリティや実績を重視する企業
Cuenote FC
特徴
- 国内導入実績多数、幅広い業種・業態に対応
EC、金融、製造業、官公庁など、様々な事例があり、機能面・配信性能ともに高い評価を得ている。 - カスタマイズ性が高く、多彩な配信機能
ステップメール、トリガーメール、ABテストなどを完備し、大量配信にも対応。
料金
- 月額料金・従量課金の各プランを用意
- 導入規模やカスタマイズ要件により見積もり
こんな企業におすすめ
- 国内ベンダーの日本語サポートを重視する中〜大規模事業者
- セグメントメール・分析を強化したいECサイトや会員制ビジネス
- 大規模配信に耐えつつ、運用サポートが充実しているサービスを探している企業
おすすめのオンプレミス型メール配信システム3選と費用
以下で、オンプレミス型メール配信システム3選の費用を比較しました。
| 製品名 | 無料プラン・トライアルの有無 | 初期導入費用(目安) | 年間保守費用(目安) | 備考 |
| Cuenote FC | あり(要問合せ/条件付き) | 100万円~ | 20万円~50万円 | サーバ構築・運用費用は別途必要。費用は最小構成時のもので、大規模時は追加機能で加算。 |
| WEBCAS e-mail | あり(要問合せ/デモ対応) | 100万円~300万円 | 20万円~60万円 | サーバ費等は別途必要。費用は標準構成時のもので、件数・機能数で加算。 |
| MailPublisher | あり(要問合せ/デモ対応) | 120万円~350万円 | 20万円~60万円 | オプションで追加費用あり、サーバ費用別途必要。構成規模・カスタマイズで加算 |
Cuenote FC
特徴
- 数百万通規模の一斉配信にも対応できる高い処理性能
- オンプレミス導入向けにセキュリティや拡張性を重視した設計
- 配信状況の詳細なログ管理や、独自カスタマイズにも柔軟に対応可能
こんな企業におすすめ
- 大規模なメール配信を安定して行いたい
- 独自の認証やセキュリティ要件を組み込みたい
WEBCAS e-mail
特徴
- オンプレミス/クラウドの両方に対応しているが、オンプレミスの導入実績も豊富
- 豊富なステップメール・ターゲティング配信機能を搭載
- 日本語サポートやセキュリティ面のカスタマイズも手厚く、国内企業に導入しやすい
こんな企業におすすめ
- マーケティング施策との連携(ステップメール等)を重視したい
- 国産ソフトウェアでのサポート体制を重視する
MailPublisher
特徴
- 基本的にはクラウド型での提供が中心だが、必要に応じてオンプレミスやハイブリッド構成にも対応可能な場合あり
- シンプルな管理画面とスケーラビリティの高さが特徴
- オプション機能やアドオンを組み合わせやすく、大量配信にも耐えられる設計
こんな企業におすすめ
- クラウド利用が前提だが、セキュリティや業務要件によってオンプレミス(もしくはハイブリッド)を検討したい
- シンプルなUIで運用負荷を減らしつつ、大量配信にも対応したい
- 大手企業や官公庁レベルの導入実績を重視する企業
メール配信システムの料金に差が生じる理由

メール配信システムの料金に差が生じる理由は「導入形態」や「配信件数やアドレス登録数」「機能やサポートの充実度」の違いにあります。
導入形態
メール配信システムの料金は、オンプレミス型かクラウド型かによって大きく費用相場が異なります。
オンプレミス型は高いセキュリティ要件を満たせて拡張性がある分、費用相場は150万~500万円前後と高価格なのが一般的です。クラウド型はインターネット環境さえあれば手軽にはじめられ、月々数千円前後で済む製品もあります。
オンプレミス型を選んでもクラウド型を選んでも、ひとつ1つの機能面に差が生まれることは基本的にありません。自社の予算に適した料金で運用を続けるためにも、自社に合った形態のメール配信システムを選ぶことが大切です。
配信件数やアドレス登録数
配信できるメールの件数や登録できる送信先アドレスの数が増えるほど、メール配信システムの費用は高くなるのが一般的です。同一のサービスを利用していても、配信件数や登録するアドレス数によってプラン料金が変わります。
メール配信システムの料金を比較する際は、最低利用料金ではなく、自社の配信件数やアドレス登録数をもとに見積もりしてもらうことが大切です。
加えて配信件数とアドレス数のどちらを基準にする場合でも、自社に適した上限数のプランを探すことが重要になります。上限いっぱいまでは一律の料金プランであるサービスが多いため、できるだけ上限まで使い切れるプランを選択しましょう。
機能やサポートの充実度
メール配信システムは、製品によって搭載している機能数が異なります。メール作成支援機能や分析機能など、多くの機能を搭載したシステムは高額になりがちです。
なるべく低コストでシステムを導入したいときは、あらかじめ必要な機能をリストアップしてから製品選びやプラン選びを行うとよいでしょう。
またカスタマーサポートや導入サポートを利用すると、その分の料金もプランに追加されます。サポートの内容や費用はサービスによって異なるため、自社の担当者のスキルや経験に合わせて過不足なく付けることが大切です。
メール配信システムの費用を抑えるコツ

メール配信システムの費用を抑えるためには自社に合った課金体系で選ぶことや目標を明確にして選ぶこと、連携機能を活用することなどがコツです。
自社に合った課金体系で選ぶ
「月々に配信できる件数」と「登録できる送信先アドレスの件数」のうち、自社に合った基準による従量課金制のメール配信システムを選びましょう。自社に適した上限数のプランを選ぶことで、最低限のコストに抑えた運用が可能です。
月間配信数で課金制となる製品は、例えば月3,520円で月間1万通送れる「AutoBiz」や月2,300円で月間4万通配信できる「SendGrid」などがあります。
月間配信数による課金制のサービスは、月3,000円で3,000件までアドレスを登録できる「blastmail」や、月額5,000円で2,000アドレスまで登録できる「Cuenote FC」などがあります。
メール配信システム選びを始める前に、あらかじめ現在所持している配信先アドレス数と月間に送っているメール件数を割り出しておくことがおすすめです。各製品の料金見積もりを出す際にスムーズに進みます。
以下の記事では上記製品を含めたメール配信システムを、各サービスの料金や特徴で比較しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。
目標を明確にして選ぶ
メール配信システムの導入目標を明確にして、自社に合った機能を搭載した製品の中で低コストなものを選びましょう。
例えば100万通以上の大量配信をする場合、メール処理能力の高さは譲れない点です。メルマガなどの運用改善を目標とするなら多少コストがかかっても、効果測定のできるメール配信システムの方が、結果的にコストパフォーマンスが向上します。
目標を明確にしておくことで、無駄なオプション機能を付けることがなくなるのも節約につながるポイントです。オプション追加費用が少ないことから、安い月額費用での運用継続が実現します。
連携機能を活用する
連携機能を活用することも、メール配信システムの費用を抑えるために重要な点です。
例えばメール配信システムと顧客管理システムをデータ連携を行うことで、担当者が行っているデータ入力や転記業務を大幅に効率化できます。人件費削減につながり、メール配信システムの運用コストを節約可能です。
とにかくメール配信システムの費用を抑えて導入したいとお考えの場合は、以下の記事もぜひ参考にしてください。初期費用無料かつ月額料金2,000円以内で導入できる4製品を厳選して紹介しています。
まとめ

メール配信システムについて、メール配信システムの費用相場や各製品の料金に差が生じる理由などの観点から解説しました。
【メール配信システムの費用について覚えておきたい3つのポイント】
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メール配信システムには企業規模や業種、予算にあわせて、さまざまな種類のサービスがあります。自社に合ったメール配信システムを活用して、売上向上や業務効率化の実現を目指してみてはいかがでしょうか。
以下の記事ではおすすめのメール配信システムを、各サービスの特徴や料金で比較しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。
| 関連記事:【2024年】メール配信システムおすすめ25選!導入メリットや製品を比較|ミツモア |
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