日々の業務を進めて行く中で欠かせない「稟議」と「決裁」。しかし、これらの違いや流れを明確に理解している方は意外と多くないのではないでしょうか。
この記事では「稟議」と「決裁」について、それぞれの違いや進め方の観点からわかりやすく解説します。それぞれのポイントを押さえて、業務を確実かつ円滑に進めていきましょう。
稟議と決裁の違いは承認手続きの段階
稟議と決裁の違いは承認手続きの段階です。稟議は申請者が起案した事項に対して、上長や上層部など複数の承認者から承認を得るために依頼する手続きのことです。一方で、決裁は管理職や役員などの決裁者が提出案の可否を最終的に判断し、承認する行為そのもののことを指します。
稟議を行う際に案を取りまとめて提出・回覧する書類を「稟議書」と呼ぶのに対し、決裁者から直接の承認を得るために起案事項をまとめた書類は「決裁書」と呼ばれます。
【承認手続き(ワークフロー)における一連の流れ】
起案 | 草案を稟議書にまとめて作成・提出する |
稟議 | 起案に対する上長や上層部の承認を得るために依頼する |
承認 | 稟議が回ってきた起案に上長や上層部が同意する |
決裁 | 決裁者が起案に対して最終的な意思決定を行う |
「稟議」とは上長や上層部から承認を得るために依頼すること
稟議とは、重要事項の承認を上長や上層部から得るために依頼する手続きのことです。備品の購入や出張の可否など、自分では決められないことを、複数の承認者への回覧を通じて判断してもらいます。
会議を開く手間を省けることが大きな特徴です。一般的には承認を得たい人が稟議書を紙で作成し、権限の低い人から高い人に向けて文書を回覧してもらいます。
言葉の使い方は、「契約稟議」「購買稟議」「採用稟議」のように、承認する対象となるものと合わせて使うのが基本です。また、稟議で承認を求めることを「稟議にかける」や「稟議を上げる」と言い、承認されたことを「稟議が通る」「稟議が下りる」と呼びます。
起案を取りまとめて提出・回覧する書類が「稟議書」
上長や上層部からの承認を求めるために、起案事項を書類にまとめたものが「稟議書」です。稟議書は多くの関係者が目を通す書類で、上位者の承認と回覧を通じて最終的な意思決定者である決裁者の元へと届きます。
「決裁」とは決裁者が起案の可否を最終的に判断すること
決裁とは、上長や役員などの決裁者が起案の可否を最終的に判断することです。許可(合意)もしくは不許可(却下)の意思決定を通じて、起案内容を進めていくかどうかを決定します。つまり、決裁は意思決定プロセスの最終フェーズだといえます。
稟議を経て決裁に至ることもあれば、起案事項の重要性や組織規模によっては決裁が直接行われるケースも少なくありません。たとえば勤怠の承認や有給休暇の申請、出張申請、備品の購入などは直属の上長承認のみで完結するケースもあります。このような場合はいわゆる「稟議」ではなく「決裁」に該当します。
決裁で許可が取れたことを「決裁が下りる」「決裁を得る」などと表し、決裁者に意思決定の判断を促すことを「決裁を仰ぐ」と言います。
決裁者の承認を直接得るために作成する書類が「決裁書」
決裁者の承認を直接得るために、起案事項をまとめて作成する書類が「決裁書」です。たとえば備品の購入などで直属の上長から承認を得る場合に作成する書類などが該当します。
記載内容自体は稟議書とほとんど変わりませんが、決裁欄を置く場合は決裁者の1名分のみでかまいません。決裁書は素早い意思決定を必要とする場合などで活用されます。
「決裁」と「決済」は全く意味が異なる
読み方が同じ言葉である「決裁」と「決済」は、意味が全く違います。決済とは商品やサービスの購入時に、お金を支払って取引を完了させることです。
【決済の使用例】
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会社で決裁と書くケースで、決済としないように気を付けましょう。
稟議の一般的な流れ
稟議はどのように進めていくものなのか、一般的な流れについて解説します。文書の書き方やポイントも押さえておきましょう。
稟議の承認までの流れ
紙の文書で行う稟議では、最初に起案者が稟議書を作成します。文書は役職の低い順に回覧してもらい、全ての権限者に認められたら完了です。
途中で却下や取り消しの判断が行われた場合は、文書の内容を変更して再申請を行わなければなりません。最終的に承認が下されることを決裁という場合もあります。
結果がどうであれ、回覧された文書は書庫に保管する必要があります。後から文書を確認すれば、フローの過程を見直すことが可能です。
稟議書の作成方法やポイント
稟議書に最低限記載すべき項目は「件名」「概要」「内容」「目的」「申請理由」「メリット」「デメリット」です。それぞれを簡潔にまとめて記載します。
内容を書く際は、結論を先に書き、申請理由やメリットなどを続けるのがポイントです。デメリットを記載する場合は、マイナス要素をカバーできる代替案を示しましょう。
数値などの具体的なデータを提示し、分かりやすい説明を意識することも重要です。費用が発生するなら、具体的な予算額も記載する必要があります。
稟議書をメールで送るケースもある
企業によっては、稟議書をメールで送信できるケースがあります。何らかの理由で書類を移動できない場合や、書類よりデータを送ったほうが分かりやすい場合は、メールを使うと便利です。
メールで文書を作成する場合は、より簡潔に内容をまとめる必要があります。各項目を箇条書きで並べるのが一般的です。
記載すべき項目や書き方のポイントは、一般的な稟議書と変わりません。読みやすさを重視し、具体的かつ簡潔にまとめることを意識しましょう。
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