退職者から給与明細の再発行を依頼されるケースは多くみられます。Web給与明細を導入していれば、退職後もWeb上で給与明細を確認できるため、退職者も担当者も手間が省けます。給与明細の再発行や保存の義務、保存期間について、把握しておきましょう。
退職後の給与明細再発行の対応は義務ではない
現職の従業員に対しての給与明細発行は、所得税法第231条で会社に義務付けられています。しかし退職者から「給与明細を再発行してほしい」と依頼された場合の再発行は、義務付けられていません。
退職者が給与明細を必要とする場面には、雇用保険の基本手当や再就職手当を受け取る際などがあります。このような場合、給与明細だけでなく、源泉徴収票や離職票もハローワークに提出可能です。そのため、これらの書類を用意して対応することが望ましいでしょう。
なお厚生年金に加入していた時期や、未納期間を確認するために、給与明細が必要になることも考えられます。
退職後の給与明細再発行は義務ではないので、会社によって対応が異なりますが、再発行に応じている会社が多くみられます。
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会社側の給与や勤怠関連情報の保存義務
給与明細や勤怠関連情報の書類には、さまざまな決まりがあります。保存義務の有無や、書類によって異なる保存期間について、理解しておきましょう。
給与明細に保存義務はない
従業員に求められても、会社は給与明細を再発行する義務がないのと同様に、発行済みの給与明細を保存しておく義務もありません。
退職者だけでなく従業員からも、住宅ローンを契約するときや、健康保険の被扶養者認定の認定時など、給与明細の再発行を求められるケースが発生します。企業として再発行の義務はなくても、対応した方が、従業員の信頼につながるでしょう。
退職者や従業員からの再発行依頼に備え、発行済みの給与明細を保存しておくと、スムーズに対応できます。
なお給与明細は、残業代などのトラブルで、従業員から「未払い賃金請求」をされた際に、給与を支払った証拠書類になります。「労働基準法114条」では未払い賃金の請求は過去5年間(当分の間は3年)までさかのぼれるので、給与明細は5年間保存しておくとよいでしょう。
給与明細の保存の注意点
給与明細には従業員の個人情報が記載されているため、保存に注意が必要です。紙の場合は紛失、電子の場合は情報漏えいにつながらないように保存しましょう。
給与明細を紙で保存する場合は、従業員に配布する際に、保存用も発行するとよいでしょう。
個人ごとや年度ごとで仕分けし、ファイルやバインダーに収めます。ファイリングする内容を記したラベルを貼っておくと、探しやすくなります。書類が劣化しないように、直射日光が入らず、温度・湿度が変化しない場所に保管しましょう。
紙で発行している給与明細を電子で保存する場合は、給与明細をスキャンして電子化するか、作成データを保管します。
再発行が必要なとき、データを探しやすいように、保管場所にルールを決めておきましょう。作成データを保管する際は、「賃金台帳」を電子で保管するルールを守っておくと安心です。
Web給与明細システムを導入すると、保管場所が不要だったり、スキャンする手間が省けたりと、発行済給与明細の保存や検索、再発行などを簡便化できます。
給与明細関連の業務効率化を考えているなら、Web給与明細システムの導入を検討するとよいでしょう。
給与明細の保存方法
給与明細の保存方法について期間に分けて紹介します。
保存義務が5年間の書類
給与や勤怠関連情報の書類は、5年間の保存が会社に義務付けられています。
- 従業員に給与をいくら支払ったかを記入する「賃金台帳」
- 昇給や減給など、賃金の決定に関する書類
- 出勤簿やタイムカードなど、労働に関する書類
上記の他にも、履歴書や雇用契約書、解雇など雇用に関する書類や、労災適用時の災害補償関連の書類など、雇用に関する書類にも、5年間の保存義務があります。給与明細を保存する場合は、これらの書類と一緒にしておくと分かりやすいでしょう。
なお賃金台帳と「源泉徴収簿」を兼用している場合は、税金が関わる書類に当たるため、保存期間は7年間になります。源泉徴収簿については後述します。
保存義務が7年間の書類
保存期間が5年間の給与や勤怠関連情報の書類などに対し、税金に関わる書類は、7年間の保存義務があります。
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
- 源泉徴収簿
「源泉徴収簿」とは年末調整に必要な「源泉徴収票」を、正確に作成するための帳簿です。源泉徴収簿の作成や提出に義務はありませんが、年末調整の根拠にした場合は、7年間の保存が義務付けられています。また国税庁に提出を求められた際は、応じなければなりません。
上記の理由から、5年の保存義務である賃金台帳を源泉徴収簿と兼用する場合は、7年間の保存が必要になります。ただし、保存期間は「事業年度の確定申告の提出期限の翌日から7年間」なので、納品書の発行日から7年ではない点には注意しましょう。
Web給与明細を導入するメリット
紙の給与明細からWeb給与明細に切り替えると、退職者に対する給与明細の再発行以外にも、さまざまな業務が簡略化されます。Web給与明細を導入した場合に得られるメリットを紹介します。
退職者が自分で給料明細を確認できる
Web給与明細を導入していると、退職者が会社に申請しなくても、自分で給与明細を確認できるため、再発行の手間がかかりません。
Web給与明細のサービスごとに設定は異なりますが、退職者のアカウントでマイページにログインできる状態にしておけば、自分で給与明細を取得できるシステムが多い傾向です。
ユーザーごとに課金されるシステムの場合、退職者のステータスで利用する際に、課金されるケースとされないケースがあります。また退職日の翌日から、退職者がマイページにログインできなくなるシステムも存在します。
状況によって、一定期間を置いて退職者がログインできなくなるようにし、それまでに確認するように依頼しましょう。
なお、Web給与明細なら書式とデータが残るので、管理者がPDFにしてメールか郵送する方法もあります。
場所や時間を問わず給与明細を確認できる
Web給与明細を導入すると、Web上で給与明細が閲覧可能になり、社外でも確認できます。
必要なときにどこからでも給与明細を確認できるので、退職者は再発行依頼・返信待ちをする手間と時間がかかりません。また担当者は、給与明細作成や発送など、対応する労力が省けます。
退職者がマイページにログインできる期間に、期限を設けている場合は、期日までに確認し、ダウンロードするように案内しておきましょう。
従業員からも、住宅ローンの契約や健康保険の被扶養者認定の認定、確定申告が必要な際に、給与明細の再発行を依頼されるケースがあります。場所や時間を問わず給与明細を確認できると、退職者だけでなく、従業員にとってもメリットになります。
給与明細のペーパーレス化が実現する
システム上で給与明細の発行から確認、保管までできるWeb給与明細なら、ペーパーレス化が実現可能です。
Web上で給与明細が閲覧できれば、紙の給与明細にかかっていた用紙代、インク代、封筒代が不要になります。また紙の給与明細の作成や配布にかかっていた担当者の手間もカットでき、業務負担の軽減につながるでしょう。
紙の給与明細を5年間保存する場合、保存する場所が必要な上、紛失の恐れがある、探すときに時間がかかるなどのデメリットがあります。
しかしWeb給与明細なら、電子データで保管するため、ファイリングの手間がかからず、保管場所が不要で、探す際はデータ検索するだけです。
担当者の業務負担軽減につながる
紙の給与明細の場合、給与計算の後に印刷・封入・配布の作業があり、担当者の負担になっています。リモートワークでは対応できない作業なので、担当者が出社しなければなりません。
Web給与明細を導入すると従業員がWeb上で確認できるので、作成や配布の必要がなくなり、担当者がリモートワークでも対応できます。
また給与計算システムと連携できるWeb給与明細システムなら、データを取り込み、給与明細を簡単に作成可能です。給与の締め日から支払日までの短い日数の中で、大幅な業務効率化が実現します。
Web給与明細なら退職者への対応もスムーズ
退職者や従業員から「給与明細を再発行してほしい」と依頼されても、会社には対応する義務はありません。しかし多くの会社が再発行に対応しているのが現状です。
紙の給与明細を退職者に対して再発行する場合、印刷や郵送などの手間がかかります。Web給与明細なら、Web上から退職者自身で確認・発行ができるため、退職者にとっても担当者にとっても便利です。
退職者への対応がスムーズになる以外にも、場所や時間を問わずに確認できるWeb給与明細は、従業員や担当者にも多くのメリットをもたらします。
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