テレアポ営業を成功させるにはトークスクリプトの作成が有効です。トークスクリプトに盛り込む内容を精査することで、よいトークスクリプトを作れるでしょう。トークスクリプト作成時の注意点や盛り込む内容、作成するためのツールを解説します。
トークスクリプトは営業や顧客対応の「台本」
トークスクリプトは営業や顧客対応をする際の会話台本です。トークスクリプトを作成することで、業務の助けとなるでしょう。
テレアポ営業でのマニュアルに
テレアポ営業のマニュアルとしてトークスクリプトの作成がおすすめです。トークスクリプトを作成する際は、どのように話を進めるのか、顧客の反応を想定して作成します。
トークスクリプトを持っておくことで言葉がスムーズに出るようになり、営業に対する不安も軽減されるでしょう。
具体的には顧客のニーズを掘り下げることから始めます。数をこなすうちにいくつかのパターンに分けられるでしょう。顧客側の視点に立ち顧客の課題や要望を想定します。
パターンごとにトークスクリプトを作成できれば、さまざまな顧客のニーズや反応を見ながら、その場に適した営業トークが行えるでしょう。
コールセンターで顧客対応の手引きに
トークスクリプトを作成しておけば、コールセンターで働くオペレーター向けの顧客対応マニュアルとしても使用できます。トークスクリプトを共有することで、オペレーターの応対品質を均一化できるでしょう。
顧客がコールセンターに電話をかける理由は多種多様です。電話をかける理由をいくつか想定し、具体的にどのように対応するのかをトークスクリプトに盛り込みましょう。
経験が浅いオペレーターに対してのサポートや、オペレーターごとに対応の差が出ることを防ぐためにも使えます。
トークスクリプトを使うメリット
トークスクリプトは仕事において、どのようなメリットを発揮するか解説します。作成する手間はありますが、下準備を上回る効果が期待できるでしょう。
トークの基準ができる
トークスクリプトを活用することでトークの基準を作れる点はメリットです。基準がないと営業マンごとの知識や経験の有無により、話の進め方に差が出てしまいます。
トークスクリプトを用いることで各営業マンのアピールポイントのズレがなくなり、商品に関する知識や情報を統一化できるのです。
テレアポ業務に携わる営業マンが同じ基準で営業を行うことで、成約につながるアプローチの仕方を分析して見直しができます。
結果的に会社全体の業績に大きく影響することでしょう。
自信を持って業務に臨める
テレアポ業務に自信を持てるという点もメリットに挙げられます。トークスクリプトを用いることで迷いがなくなるためです。
テレアポ業務の中で効果のあった言い回しや伝え方を、トークスクリプトに蓄積しておきます。蓄積を続けることで、どのようにすれば成果を出せるのかが見えてくるはずです。
新人のうちは自信を持つことは難しいかもしれません。しかしトークスクリプトがあれば、自信を持って臨み成果を出すことも可能でしょう。
新人の早期戦力化
初めてテレアポ業務を行う新入社員は「何を話したらよいかわからない」といった悩みを抱えるでしょう。トークスクリプトを使うことで、入社したばかりの新入社員を戦力として早急に育てることが可能になります。
テレアポのノウハウが蓄積されたトークスクリプトを新入社員が読むことで、一から独学で学ぶよりも成果を出しやすいでしょう。
どのように教育すれば新入社員がいち早く戦力として活躍できるのかというのは、多くの会社が抱えている課題です。課題解決のためにトークスクリプトを活用し、新入社員教育に役立てましょう。
トークのコツ
トークスクリプトを作成しても顧客に伝いたいことが伝わらなければ、宝の持ち腐れです。話し方のコツを解説します。
ゆっくりと話す
話し方のコツとしては落ち着いてゆっくりと話すことがポイントです。顧客に対して自社の商品を説明する際、商品に自信を持っている場合には熱く語ってしまうかもしれません。
限られた時間の中で商品について説明しようとすると、内容を詰め込み過ぎてしまい早口になります。しかしそれでは会話のキャッチボールができず、顧客側も話を聞こうとは思わないでしょう。
最初は難しいかもしれません。営業をする際は相手の反応を見て、自然な早さで会話ができるように練習しましょう。
一方的な会話にしない
テレアポ業務はその性質上、電話で営業をします。商品を売り込みたい一心から、自分ばかり話をしがちです。顧客は一方的に話を聞かされていると疲れてしまいます。
一方的な会話を防ぐ方法は相手に「興味を持つ」ことや「何を考えているのか読み取る努力をする」ことです。ほかにも顧客の「話すペースに合わせる」ことを意識して会話をしましょう。
電話で顧客と話す場合も会話のキャッチボールが大切です。自然な会話ができるように、トークスクリプトを活用しましょう。
トークスクリプトに盛り込む内容
トークスクリプトを作成する場合は、「挨拶」「導入」「メイントーク」「質問」「クロージング」という流れを中心に考えるとよいでしょう。
挨拶
テレアポ業務では最初に挨拶や自己紹介をします。名乗らずに話を進めると相手は不審に思うでしょう。挨拶と自己紹介はどの相手に対しても同様に行うものなので、定型文としてトークスクリプトに記載しておきます。
- 挨拶:「お世話になっております」「お忙しいところ、失礼いたします」
- 自己紹介:「株式会社◯○と申します」「○○というサービスを提供しております。△△会社の□□です」
電話や対面での挨拶は、第一印象を決める大切なシーンです。なるべく好印象を与えられるよう、声は明るいトーンでハキハキと話すことを心掛けましょう。
導入
挨拶や自己紹介が終わった後は、導入部分であるつかみを考えます。テレアポ業務では顧客と会話を開始してから、最初の10秒が大切です。顧客が興味を持つかどうかは、つかみにかかっています。
参考例を挙げます。
- 「御社の売上をアップさせる○○についてお電話を差し上げました」
- 「会社の売上を上げるための方法がありますが、お時間をいただけませんか?」
- 「御社の新規開拓をお手伝いできます」
顧客に自分と関係のある話だと認識してもらえるようなつかみを盛り込みましょう。つかみを考える上でのポイントとして「わかりやすく」「端的に」伝えるということを意識します。
メイントーク
顧客が自社の製品に対して興味を持ったことがわかれば、メイントークを展開します。強引に会話の流れを変えることなくメイントークに移ることが大切です。
メイントークを展開する際には顧客からヒアリングした情報を元に、顧客の課題や要望が解決する提案を投げかけましょう。
また顧客の要望に対する認識が間違っていないか、繰り返し確認しましょう。
質問
メイントークをうまく展開するためには、顧客に対して質問することが肝要です。顧客に対して質問ができるように、事前に想定される質問をトークスクリプトに盛り込みます。具体的には次の通りです。
- ○○(自社で扱っている商品や類似した商品など)についてお話を聞かれた経験はございますか?
- 現在お使いの○○(自社製品または類似商品など)で、ご不満なところはございませんでしょうか?
顧客に対する質問を適度にはさみつつ、自社商品に興味を持ってもらえるようにメイントークを展開します。
クロージング
クロージングとは顧客との契約締結や次の商談の約束など、商談を終わらせるための手続きを指します。
クロージングとして盛り込む内容は反応テストです。反応テストをすることで、説明した商品の内容が顧客に伝わっているか、購買意欲はあるのか、商品に対して不安を感じていないかを確認します。
反応テストをするために、以下の内容をトークスクリプトに組み込んでおきましょう。
- 「ここまで弊社の○○について説明いたしました。よろしければ○○を使用してみませんか?」
- 「購入するにあたり、何かご不明なところはありますか?」
反応テスト結果によって適切なクロージングへの道筋を組み立てられます。
おすすめのトークスクリプト作成ツール
トークスクリプトを作成する際の補助ツールを紹介します。自分に合ったツールを選ぶとで、トークスクリプトの作成効率が上がるでしょう。
NetReal!
トークスクリプトを作成ツールとして「NetReal!」を使うことで、トークスクリプトを一から作る手間を軽減できます。
トークスクリプトを使用するためには会員ページにログインします。ログイン前に会員登録をしておきましょう。
「電話営業」を選択し「スクリプト作成ツール」にアクセスすれば、次の画面からトークスクリプトを作れます。スクリプト作成は「コール条件指定」「編集」「予備知識登録」「確認」「完了」の5ステップで完了します。
NetReal!で作成したトークスクリプトは、後から編集や複製が可能です。
NetReal株式会社 – サービスサイト
Cacoo
トークスクリプト作成ツールとしては「Cacoo」もおすすめです。Cacooはクラウド上で使えるフローチャート作成ツールで、トークスクリプトの作成を複数人で行えます。
社内の1人がトークスクリプトを作成したと仮定しましょう。トークスクリプトをブラッシュアップするためには、さまざまな視点が必要です。Cacooはクラウド上で作業できるため、社内の複数人で共有できリアルタイムに加筆修正ができます。
インターネットがあればCacooを通して、いつでもどこでもチームでつながることができます。ツールを活用してトークスクリプトを磨きあげましょう。
フローチャートやワイヤーフレーム、プレゼン資料まで作れる _ Cacoo(カクー)
Visio
「Visio」は図形描画のために作られたソフトです。しかしVisioを応用すればトークスクリプトを作成することも可能です。
テンプレートが用意されていて使いやすく、効率よくフローチャート形のトークスクリプトを作成でき、時間の短縮に貢献します。
Visioで作成した図はほかのソフトに貼り付けもできます。VisioはMicrosoft社の製品であるため、特にWordやExcelと相性がよいでしょう。
扱いが難しいと感じるかもしれませんが、基本操作をマスターすればトークスクリプトの作成に役立つことでしょう。
Microsoft Visio _ 本格的なフローチャートと図面を簡単に作成
「よいトークスクリプト」とは?
優れたトークスクリプトは顧客に伝えたい内容が明確に伝わります。大事なのは顧客の立場を考慮することです。
主題がわかりやすい
よいトークスクリプトを作成するためには、ペルソナを明確にしてテレアポの目的を設定しましょう。どんな人に向かって何をしたいのかが明確ではないと、トークスクリプトに適切な内容を盛り込めません。
ペルソナとはトークスクリプトを伝えたいターゲットのことです。「年代」「性別」などを想定します。
目的は会社によって異なり「自社の商品を売りたいのか?」「顧客の情報を獲得したいのか?」など、設定する内容はさまざまです。
ペルソナや目的に合わせたトークスクリプトを作成しましょう。
相手の立場を考えた内容
トークスクリプトを考える際には相手の立場を尊重して内容を考えましょう。
相手の視点で考えてみると、いきなり電話がかかってきて商品の話をされても、話を聞く気にならないことがわかります。長々とした話や曖昧な言い回しは避けて、難しい専門用語は使わないようにするべきです。
トークスクリプトを活用することで顧客の興味や関心をかき立て、詳しく話を聞きたいと顧客から思われるようなトークスクリプトを作成しましょう。
トークスクリプトで営業に価値を
トークスクリプトの作り方や作成時の注意点について解説しました。トークスクリプトは営業や顧客対応を行う際の手引きとして役立ちます。トークスクリプトを作成することで、営業が苦手な人でも会話をスムーズに進められるでしょう。
トークスクリプトを作成するメリットとして、自信を持って営業ができる点や新入社員を早期に戦力として育てられる点があります。
トークスクリプトに盛り込む内容は具体的にしておきましょう。誰に何を伝えたいのか、はっきりとさせる必要があります。
テレアポ業務による成果を向上させるためにも、魅力的なトークスクリプトを作りましょう。