BIツールは企業の多様な経営データを整理・分析するのに欠かせない存在です。特に「Tableau」と「Power BI」の人気は高く、多くの企業が積極的に導入しています。両ツールの機能や料金などを比較してみましょう。
TableauとMicrosoft Power BIの概要を比較
BIツールといえば、昨今はさまざまなベンダーが高機能の製品・サービスをリリースしています。その中でも特に「Tableau」と、Microsoft社の「Power BI」は人気のBIツールで、導入する企業が増え続けています。
Tableau(タブロー)とは
「Tableau(タブロー)」は表現力と、操作性の高さに定評のあるBIツールで、小規模のチームから大企業まで幅広く導入されています。
データの専門家でなくても、企業のさまざまなデータを効率的に収集・加工・分析が可能です。豊富な機能とカスタマイズ性の高さにより、BIツール市場でトップクラスの人気を誇っています。
アメリカのシアトル発の分析ツールですが、日本法人も設立されており、日本のベンダーから導入・運用サポートを受けられます。特に高度なビジュアライズ機能が人気で、BIツールといえばTableauを想起する人も少なくありません。
Microsoft Power BIとは
「Microsoft Power BI」はその名の通り、Microsoft社が開発・提供しているBIツールです。プログラミングの知識がなくても、データの収集や抽出や分析、加工からレポートの作成まで一貫して実行でき、意思決定の迅速化・効率化に寄与します。
同社の製品である、ExcelやWordなどのデータをはじめ、さまざまな種類のデータを連携でき、直感的で分かりやすいレポートを作成できるのが特徴です。
世界中の大手企業に導入されており、日本でもトヨタ自動車のような、有名企業で利用されています。
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TableauとPower BIの機能
両ツールの概要を理解したところで、TableauとPower BIの主な特徴や、機能を押さえておきましょう。まずはTableauの機能から紹介します。
Tableauの機能や特徴
Tableauには主に次の機能が実装されています。
- データのインポート
- ダッシュボード
- 視覚化(ビジュアライゼーション)
- データベースとの接続
- データ分析
- レポーティング
- 各種管理機能
データのインポートと変換、セグメンテーションから分析まで幅広く対応でき、情報をダッシュボードにまとめることで、深い洞察を得られます。
多様なチャートタイプによってデータを視覚化でき、プレゼンテーションのレポート作成に活用が可能です。さらに自社の環境に合わせて、機能をカスタマイズできます。
アクセス権限の管理をはじめ、セキュリティに関する機能も実装されています。
Power BIの機能や特徴
Power BIには主に以下の機能が実装されています。
- データのインポート
- データの分析
- ダッシュボード
- 視覚化(ビジュアライゼーション)
- レポーティング
- アクセス権限管理
Power BIは120種類以上のデータソースに接続できるのが特徴で、高い分析機能と視覚化機能を有しています。
デフォルトで実装されているチャートタイプに加え、拡張機能としてカスタムチャートの導入が可能です。Tableauと同様、詳細なアクセス権限管理が可能なので、安全にツールを運用できます。
主な機能の比較
両ツールの機能を比較してみましょう。BIツールに必要な機能は、「レポートティング」「OLAP分析」「データマイニング」「プランニング」のカテゴリーに分けられます。
ツール | レポーティング | OLAP分析 | データマイニング | プランニング |
Tableau | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Power BI | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
どちらのツールも必要な機能が網羅されており、データの収集から分析、レポートティングやプランニングまで、一貫して対応できます。営業やマーケティングに役立つ情報を得られるので、企業全体の業務生産性の向上を、実現できるでしょう。
両者ともBIツールとして、十分な機能を備えています。どちらが自社の環境に合っているか、使い勝手や料金プラン、サポート体制などで、判断するとよいでしょう。
TableauとPower BIの料金
次に両ツールの料金プランを確認しましょう。利用できる機能や人数によって、料金が異なるので、自社の環境に合ったプランを選択する必要があります。
Tableauの料金プラン
Tableauの料金プランは次のように設定されています。
プラン | Creator | Explorer | Viewer |
Tableau Cloud | 月額8,400円
※請求は年単位(100,800円) |
月額5,040円
※請求は年単位(60,480円) |
月額1,080円
※請求は年単位(21,600円) |
Tableau Server | 月額8,400円
※請求は年単位(100,800円) |
月額4,200円
※請求は年単位(50,400円) |
月額1,440円
※請求は年単位(17,280円) |
クラウド環境で利用する「Tableau Cloud」と、オンプレミス型の「Tableau Server」の二つの形態が提供されており、それぞれ機能をフルで使える「Creator」と視覚化機能を一部利用できる「Explorer」、閲覧専用の「Viewer」の3種類があります。
導入するためには、最低でも一つの「Creator」ライセンス購入が必要です。
Power BIの料金プラン
Power Biの料金プランは以下の通りです。
プラン | 月額料金 | 備考 |
Power Bi Pro | 1,090円(1ユーザー) | ・ダッシュボードおよびレポートでデータを視覚化 |
Power Bi Premium(ユーザー単位) | 2,170円(1ユーザー) | ・高度なAIによるインサイト取得の促進
・エンタープライズ規模のデータ管理やアクセスの簡素化など |
Power Bi Premium(容量単位) | 543,030円~(容量/月単位) | ・組織にライセンスを付与(機能はユーザー単位のプランと同じ) |
Power Biは無料版もあり、データ分析やレポート機能が使えます。無料版を検討した後、さらに機能が必要な場合に、有料版を検討するとよいでしょう。
有料版は「Power Bi Pro」と「Power Bi Premium」に分かれており、後者は高度な分析機能(機械学習)が利用可能で、ユーザー単位あるいは容量単位で提供されています。自社の組織の規模に合った方を選びましょう。
TableauとPower BIのサポート体制
TableauとPower BIのサポート体制も紹介します。それぞれどのような支援が受けられるのか、具体的なサポート内容を確認しましょう。
Tableauのユーザーサポート
Tableauのユーザーサポートは、次の三つのプログラムから選択できます。
- 標準サポート:サブスクリプションサービスを購入すると誰でも利用でき、ベンダーの営業時間内にサポートを受けられる。
- 拡張サポート:サポートの応答時間が短縮され、重大な問題に対しては、週末を含む24時間の支援を受けられる。
- プレミアムサポート:24時間365日、最速で包括的なサポートを受けられる。
いずれのサポートもオンライン対応が基本ですが、プレミアムサポートのみ、電話での支援も受けられます。詳しくはベンダーのサポートページで確認しましょう。
Tableau テクニカルサポートプログラム
Power BIのユーザーサポート
Power BIのユーザーサポートは、オンラインでの問い合わせが基本です。
公式サイトからセルフヘルプソリューションも利用できるので、まずは自己解決を試みて、難しい場合はサポートに問い合わせましょう。サービスの提供に問題が生じている場合は、ダッシュボードに通知が来る仕様です。
ベンダーによる統合サポートを受けられる契約をしておけば、通常のサポートに加えて、アカウントの管理や正常性チェック、リスク評価といった特典を得られます。詳しくはベンダーの公式サイトを確認しましょう。
Power BI ProとPower BI Premium のサポートオプション – Power BI
TableauとPower BIのユーザー評価
既存ユーザーからの評価も重要な選択ポイントです。TableauとPower BIそれぞれのユーザーからの、評価を確認しましょう。
Tableauのユーザーからの評判は?
TableauはBIツールの中でも特に知名度が高く、ビジュアライズのしやすさと、ユーザビリティの高さから、安定したユーザー評価を得ています。
複数のファイルにあるデータを統合・加工し、誰にでも分かりやすいグラフなどにまとめられるため、社内での説明やプレゼンに便利です。
特にプログラミングの知識がなくても、直感的なデータ分析ができる点を評価する声が多く、Excelとの連携のしやすさも、高評価である理由の一つといえます。
Power BIのユーザーからの評判は?
Power BIもノンプログラミングでデータ分析が可能な使いやすさと、多様なデータに接続可能な汎用性、互換性の高さが評価されています。
複数のデータソースから必要なデータをまとめ、分かりやすくレポーティングが可能なので、発表の場で重宝している、という声が見受けられます。
完全に使いこなすには相応の知識が必要なため、素人には難しいという意見もありますが、テンプレートが充実しているため、うまく利用すれば効率的なデータ分析ができるといった評価です。
結局、どちらのツールがおすすめ?
TableauとPower BIの機能や、料金について紹介してきましたが、結局どちらのBIツールがおすすめなのでしょうか?
いずれもBIツールとして十分な機能を備えているため、自社の環境やビジネス規模、重視したい機能に合った方を、選択することが大事です。それぞれのツールがマッチすると考えられる企業を、簡単に紹介します。
Tableauがおすすめの企業
Tableauは数あるBIツールの中でも、特に高機能でビジュアル表現に定評のある製品です、多少コストがかかっても、機能性とビジュアル化を重視する企業におすすめです。
シンプルな設計で使いやすく、さまざまな視覚化表現が可能なので、定期レポートやプレゼン資料などを作成する機会が多い企業に、役立つでしょう。
ライセンス費用は他のツールに比べて高めですが、多くの機能を利用でき、他のツールとの連携性も高いので、さまざまな業界で活用できます。
Power BIがおすすめの企業
Power BIは無料版もあり、比較的低コストで導入できるので、小規模なチームにもおすすめできるBIツールです。ある程度コストを抑えて導入でき、優れた分析機能を使いたい企業にも向いています。
Excelの延長線で利用できる部分も多く、社内にExcelを使っている社員が多いなら、よりスムーズに導入できるはずです。Premiumプランはユーザー単位・容量単位から選択できるので、規模に合わせて最適な導入方法を考えましょう。
その他おすすめのBIツール
最後にその他のBIツールもいくつか紹介します。TableauとPower BI以外にも、多くの優れたBIツールがリリースされているので、自社に合った製品はないか確認しましょう。
MotionBoard
MotionBoardは各所に散在しているデータを統合し、営業やマーケティングに役立つ情報として、ビジュアライズ化できるツールです。
データを一部の担当者が利用するだけでなく、全社的に活用できる情報として共有できる環境を構築し、組織全体のパフォーマンスを大幅に向上できます。
経営部門をはじめ営業・マーケティング、製造や人事など、さまざまな部門の生産性アップに役立つでしょう。
Looker
Lookerは企業の合理的な意思決定に必要なデータの、探索・共有・洞察を実現するためのBI機能を有した、データプラットフォームです。
多種多様なデータベースから、必要な情報をクラウドに取り込み、データそのものは移動することなく、分析や可視化ができます。ブラウザ上でデータの取り扱いが可能です。
分かりやすいインターフェースで、分析結果やダッシュボードを作成できます。
Qlik Sense Cloud
Qlik Sense Cloudはドラッグ&ドロップの基本操作によって、複数のデータソースの取り込みや、分析ができるBIツールです。
AI(人工知能)を活用したデータ分析が可能で、人間の認知バイアスを、最小限に抑えた深い洞察を得られます。
インタラクティブなダッシュボードと、モバイル機能を備えているので、場所を選ばず高度なデータ分析と、活用が可能です。オンプレミス型のサービスも提供されています。
自社に合ったBIツールを導入しよう
「Tableau」と「Power BI」の特徴や機能、料金プランなどを紹介しました。いずれもBIツールとして十分な機能を備えていますが、料金や機能には若干の差があります。両者の強みや特性を理解した上で、どちらを選ぶか検討しましょう。
ツールを選択する基準は企業によって異なりますが、例えばコストパフォーマンスにこだわるならばPower BI、機能の充実度や、ビジュアル機能の豊富さを重視するならTableauがおすすめです。
両製品以外にもさまざまなBIツールがあるので、自社のビジネス規模や、業務環境にマッチしたものを選択しましょう。
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