紙のタイムカードの集計作業や、高価な専用タイムレコーダーの導入コストにお悩みではありませんか。もし社内に使われていないiPadや安価なAndroidタブレットがあるなら、それが最も効率的なタイムレコーダーになるかもしれません。
タブレット対応の勤怠管理システムは、既存の端末を打刻機として活用できるため、導入コストを劇的に抑えつつ、リアルタイムでの労働時間把握と月末の集計作業の自動化を両立します。しかし、単に「アプリが動く」という理由だけで選んでしまうと、「給与ソフトと連携できず手作業が残る」といった失敗も少なくありません。
この記事では、タブレットで使える勤怠管理システムの導入で失敗しないための「明確な選び方」と、無料プランを含むおすすめの10製品を、中小企業の総務・人事担当者の視点で徹底解説します。
タブレット対応の勤怠管理システムおすすめ10選比較表
本記事で紹介するタブレット対応の勤怠管理システム10選の比較一覧表です。自社の規模や課題と照らし合わせながら、全体像を把握してください。
| 製品名 | 料金(月額) | 無料プラン | 対応OS (タブレット) | 強み・特徴 |
| タブレット タイムレコーダー | 買い切り: 11,800円/10人~ | あり | iPad専用 | 買い切り型、小規模向け、月額コストゼロ |
| HRMOS勤怠 | 100円/人〜 | あり | iPad / Android | 30名以下無料、シンプルUI、Slack連携 |
| スマレジ・タイムカード | 2,420円/10人~ | あり | iPad/ Android | スマレジPOS連携、飲食店・小売業に強み |
| ジョブカン勤怠管理 | 200円/人〜 | あり | iPad / Android | 機能のカスタマイズ性、必要な機能から選べる |
| KING OF TIME | 300円/人 | なし | iPad / Android | シェアNo.1級、信頼性、多機能 |
| ジンジャー勤怠 | 400円/人〜 | なし | iPad / Android | 人事DB連携、バックオフィス統一 |
| マネーフォワード クラウド勤怠 | 6,480円~ | なし | iPad / Android | MFクラウド会計/給与とのシームレス連携 |
| CLOUZA | 200円/人〜 | なし | iPad / Android | アマノ提供、シンプル、低コスト |
| キンタイミライ | 要問い合わせ | なし | iPad | 大企業・複雑な要件向け |
| USEN TIMECARD | 要問い合わせ | なし | iPad / Android | USENレジ連携、飲食店向け |
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タブレット対応の勤怠管理システムの選び方

タブレット勤怠管理で失敗しないためには、自社の課題を解決する機能、料金体系、対応OS、そしてサポート体制の4つの鉄則を確認する必要があります。
機能:「自社の勤怠課題」を解決できるか
システム導入で最も避けたい失敗は、導入したにもかかわらず「給与ソフトと連携できず、結局CSVでの手動インポート作業が残る」事態です。導入後に負担軽減を実感できていない最大の理由が、この「システム連携の不備」です。
したがって、選定時に最優先で確認すべき機能は、現在使用している給与計算ソフトと自動で連携できるかどうかです。これが実現できなければ、月末の工数削減と転記ミスの防止という最大の目的を達成できません。
次に、法令遵守の観点から「リアルタイム集計」と「アラート機能」が重要です。打刻漏れの即時通知はもちろん、残業時間が上限規制に抵触しそうになった際、本人と管理者に自動でアラートが飛ぶ機能は、コンプライアンス体制の構築に不可欠です。
料金体系:自社に合う課金形態かどうか
「無料プラン」は非常に魅力的ですが、多くの場合「30名まで」のように従業員数の上限が設けられています。従業員50名〜150名規模の企業にとっては、無料プランはの範囲に留まることがほとんどです。
注目すべきは、自社に合う課金形態です。「1人あたり月額300円」といった単純なID課金制が分かりやすいですが、「マネーフォワード クラウド勤怠」のように「最低利用料+従量課金」という体系もあります。
自社の従業員数でシミュレーションし、総額コストを比較することが重要です。また、買い切り型は月額費用がかからない一方、法改正時のアップデート対応などを確認する必要があります。
対応OS:iPad専用か? Androidタブレットでも使えるか
「社内に余っているiPadを活用したい」という動機は、導入コストを抑える上で非常に合理的です。実際に、既存のタブレットを活用して顔認証打刻を実現している企業事例もあります。
しかし、システムによっては「タブレット タイムレコーダー」のようにiPad専用のアプリもあれば、「HRMOS勤怠」のように両方のOSに対応しているサービスもあります。現在保有している資産を活用できるか、また将来的に異なるOSのタブレットを導入する可能性があるかを見据えて、対応OSを確認してください。
サポート体制:導入時と運用時の「困った」を解決できるか
IT専門の担当者がいない中小企業にとって、サポート体制は生命線です。導入の失敗は、複雑な就業規則やシフト体系をシステムに正しく設定できない「初期設定」の段階で起こりがちです。
導入時の設定サポートの有無、電話、チャット、メールなど運用開始後の問い合わせ窓口の対応時間などを必ず確認してください。業務の属人化を防ぎ、システムを全社に定着させるためには、信頼できるサポートの存在が不可欠です。
タブレット対応の勤怠管理システムおすすめ10選
選び方の4つの鉄則を踏まえ、タブレット対応の勤怠管理システム10選を紹介します。自社の課題をどう解決できるかの視点で確認してください。
タブレット タイムレコーダー【3名まで無料】
タブレット タイムレコーダーは、iPad専用の「買い切り型」勤怠管理アプリです。最大の強みは、一度ライセンスを購入すれば月額費用が一切かからない点にあります。10人までのライセンスが11,800円(税込)で、3名までなら全機能を完全無料で利用可能です。
従業員が10名以下の店舗や事業所で、とにかく初期費用と月額コストを抑えてタイムレコーダー機能だけを導入したい場合に最適です。ただし、買い切り型のため、クラウドでの複数拠点の一元管理や、他システムとのシームレスな自動連携を重視する場合は、機能要件を慎重に確認する必要があります。
HRMOS勤怠【30名まで無料】
HRMOS勤怠は、従業員30名以下であれば基本機能が無料で利用できる、コストパフォーマンスに優れたシステムです。iPad、Androidの両方に対応しています。
導入企業からは「シンプルなUI設計で、初めて勤怠管理システムを導入する企業にも適している」と評価されています。また、勤怠管理にかかる工数を9割削減した事例や、単なる工数削減に留まらず「従業員の勤怠への意識改革にもつながった」という報告もあり、操作性と導入効果の両面で期待できます。30名を超える場合は1人100円から利用可能です。
スマレジ・タイムカード【60日間無料】
スマレジ・タイムカードは、POSレジ「スマレジ」との連携に強みを持つ勤怠管理システムです。すでにスマレジを導入している、または導入を検討している飲食店・小売業にとっては、勤怠データと売上データを一元管理できるため、非常に強力な選択肢となります。
基本機能は無料で利用でき、有料プランの機能も最長2ヶ月間の無料体験が可能です。iPadは専用アプリが提供されていますが、Androidタブレットの場合はブラウザ経由での利用が基本となります。スマレジとの連携を前提に、業務全体の効率化を図りたい企業向けです。
ジョブカン勤怠管理【導入実績多数】
ジョブカン勤怠管理は、機能のカスタマイズ性の高さが特徴のシステムです。iPad、Androidの両方に対応し、無料プランも提供されています。
このシステムの最大の強みは、必要な機能だけを選んでスモールスタートできる点です。実際に、従業員100〜300名規模の小売サービス企業が導入し、「丸1日かかっていた毎月の締め作業が約1時間に短縮!」という劇的な工数削減を実現した事例が報告されています。将来的に労務管理や給与計算も同シリーズで統一したい企業におすすめです。
KING OF TIME【導入実績多数】
KING OF TIMEは、利用者数420万人以上(※)という圧倒的な導入実績を誇る、市場で最も信頼されている勤怠管理システムのひとつです。
月額300円(税抜)で、顔認証やICカードなど多彩な打刻方法と豊富な機能を利用できます。特に、変形労働時間制や複雑なシフト管理が求められる介護・製造業など、ペルソナがターゲットとする業種での導入実績が豊富です。iPad、Androidの両方に対応しており、導入実績と信頼性を最重視する企業にとって、まず検討すべき選択肢です。
※※富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2025年版」勤怠管理ソフトSaaS/PaaS市場 利用ID数 2024年度実績 ベンダーシェア
ジンジャー勤怠【人事DBと連携】
ジンジャー勤怠は、人事労務、給与など「ジンジャー」シリーズの他製品とデータベースレベルで連携することに強みを持つシステムです。
「連携不足による失敗」を、システム基盤・データベースから解決するアプローチが特徴です。バックオフィス業務全体を「ジンジャー」で統一し、データの二重入力を徹底的になくしたい企業向けのソリューションです。iPad、Androidの両方に対応しています。
マネーフォワード クラウド勤怠【MFクラウドと連携】
マネーフォワード クラウド勤怠は、すでに「マネーフォワード クラウド会計」や「給与」を利用している企業にとって、連携の手間が最も少ない選択肢です。iPad、Androidに対応しています。
料金体系が特徴的で、ビジネスプランの場合「月額6,480円+ 6名以上は1人300円/月(税抜)」となります。50〜150名規模で利用する場合、単純なID課金制の他社製品との総額コストを比較検討する必要があります。
CLOUZA【シンプル操作】
CLOUZA(クラウザ)は、タイムレコーダーの老舗メーカー「アマノ」が提供するクラウド勤怠管理サービスです。月額200円(税抜)からという低コストと、信頼できるメーカーが開発したシンプルな操作性が強みです。
iPad、Androidの両方に対応しており、多機能は不要で、とにかく「信頼できるメーカーのシンプルな勤怠管理」を低コストで導入したい企業に適しています。複雑な機能による導入の失敗を避けたい場合や、まずは基本的な打刻と集計から始めたい場合に有力な選択肢となります。
キンタイミライ【大企業向け】
キンタイミライは高度な要件に対応する勤怠管理システムです。主に大企業や、非常に複雑な就業規則・勤務体系を持つ企業向けに設計されている点が特徴です。
iPadに対応した打刻機能に加え、残業時間の予測、有給取得の年間計画支援、勤務間インターバルの管理といった、コンプライアンス遵守と業務効率化を両立させるための高度なカスタマイズ機能を備えています。料金は要問い合わせとなっており、企業の個別のニーズに合わせた導入が前提とされています。
USEN TIMECARD【USENレジと連携】
USEN TIMECARDは、「USENレジ」を導入している飲食店向けの勤怠管理システムです。iPadとAndroidの両方に対応しています。
スマレジ・タイムカードと同様に、特定のPOSレジとの連携に特化しており、該当する「USENレジ」ユーザーにとっては、導入がスムーズな選択肢となります。料金は問い合わせが必要ですが、USENレジを利用している飲食店であれば、併せて検討する価値があります。
タブレットで勤怠管理を行うメリットとデメリット

タブレット勤怠管理の導入は、業務効率化と法令遵守の両面で大きなメリットをもたらします。一方で、導入前に知っておくべき注意点も存在します。
メリット1:月末の「集計作業」が劇的に短縮される
最大のメリットは、ペルソナの最大の課題である「月末の集計作業」からの解放です。システムが打刻データを自動で集計し、給与計算ソフトに直接連携させることで、これまで2〜3日かかっていた作業が劇的に短縮されます。
「丸1日が約1時間に短縮」「工数を9割削減」といった具体的な成果も導入ユーザーからは報告されています。これは、転記ミスや計算ミスといったヒューマンエラーのリスクをゼロにし、給与計算のプレッシャーから担当者を解放することを意味します。
メリット2:打刻漏れや残業時間を「リアルタイム」に把握できる
紙のタイムカードでは、締め作業が終わるまで正確な労働時間を把握できませんでした。タブレット勤怠管理を導入し、リアルタイムで労働時間を可視化することは、単なる効率化ではなく、法的な「義務」を果たすことにつながります。
2019年の法改正により、企業は管理監督者を含む全従業員の労働時間を「客観的な方法」で把握することが義務化されました。タブレットによるデジタル打刻は、厚生労働省が求める「客観的な記録」そのものです。
さらに、2024年4月からは残業上限規制が全業種に適用され、違反した場合は罰則(6ヶ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)の対象となります。「月末に発覚」するのではなく「しきい値を超えそうな瞬間にアラートが出る」体制を築くことは、企業を罰則リスクから守る経営判断です。
メリット3:タイムカードやレコーダーが不要になる
物理的なタイムカード、インク、カードラック、そして高価な専用タイムレコーダー本体が一切不要になります。これらの備品コストや、レコーダーのメンテナンスコストを削減できるのは、直接的なメリットです。
さらに、「余っていたタブレットで顔認証打刻している」というケースもあるように、iPadやAndroidタブレットなど社内の既存資産を流用できれば、導入時の初期費用を最小限に抑えることが可能です。出入り口の壁にホルダーで設置すれば、スペースも節約できます。
導入前に知っておくべきデメリットと対策
導入を決定する前に、システム提供元へ確認すべきチェックポイントが3つあります。
第一に、オフライン時の打刻です。インターネット接続が不安定な場所でも打刻データが保存され、オンライン復帰時に自動で同期される機能があるかを確認してください。
第二に、OSアップデートへの対応です。タブレットのOSがアップデートされた際に、勤怠管理アプリが一時的に動作しなくなるリスクがあります。クラウド型システムであれば、提供元が迅速に対応しますが、その間の運用ポリシーは確認が必要です。
第三に、セキュリティポリシーです。従業員の私物タブレットの利用を許可するのか、会社支給の端末に限定するのかなど、セキュリティポリシーとシステムの機能が噛み合っているかを確認する必要があります。
タブレット設置に役立つ便利グッズ
タブレットを打刻機として設置する際は、操作性を高める「スタンド」や「ホルダー」、そして「盗難防止策」を併せて検討することが実用的です。
見やすく操作しやすい「タブレットスタンド」
タブレットをカウンターや机の上にそのまま置くと、画面が見にくく操作性も悪くなります。安価なもので構いませんので、角度を固定できるタブレットスタンドを併用することを推奨します。無造作な印象がなくなり、打刻専用機としての定位置を確保できます。
省スペースを実現する「壁掛けホルダー・アーム」
設置スペースが限られている場合や、オフィスの導線をすっきりさせたい場合は、壁掛けタイプのホルダーやアームが有効です。従業員の動線上で、最も打刻しやすい高さに固定することで、打刻忘れの防止にもつながります。
盗難・持ち去りを防ぐ「セキュリティワイヤー」
タブレットは持ち運びやすいため、特に人目につきやすい場所や不特定多数の人が出入りする場所に設置する場合は、盗難防止策が必須です。切断するとアラームが鳴るセキュリティワイヤーや、鍵付きのタブレットスタンド(ホルダー)を導入し、物理的な防犯対策を講じてください。
まとめ:タブレット対応の勤怠管理システムで「月末の憂鬱」から解放されよう

本記事では、タブレット対応の勤怠管理システムについて、中小企業が失敗しないための「選び方」4つの鉄則と、具体的な10製品の比較解説を行いました。
現在、多くの企業が「手集計」に工数を奪われ、システムを導入した企業でさえ「連携不足」で負担が減らないという現実に直面しています。
この状況から脱却する鍵は、工数削減、ミス防止、法令遵守など自社の課題を明確にし、その課題を解決できる「機能」と「サポート体制」を持つシステムを選び抜くことです。
この記事で紹介した比較表と選び方を参考に、自社に最適なシステムを選定し、毎月数日間にわたって発生していた月末の集計作業から解放されてください。
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