従業員が増え、Excelでの打刻修正や複雑な給与計算、休暇管理に限界を感じていませんか。多様な働き方にあわせた管理は難しく、中小企業の労務担当者の負担は増すばかりです。
自社にあう勤怠管理システムへ移行すれば、給与計算ソフトとの連携で転記ミスを防げます。有給休暇の付与日や残日数も個別に自動計算し、誰がいつ何日休めるか把握しやすくなるでしょう。
中小企業向けの勤怠管理システムについて、メリットや注意点を含めて紹介します。
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中小企業が勤怠管理システムを導入するメリット
中小企業が勤怠管理システムを導入することは、日々の打刻や集計のデジタル化にとどまりません。主なメリットは、下記4点です。
給与計算ソフトと自動連携できる
勤怠管理システムと給与計算ソフトの自動連携は、月末の集計や転記にかかる工数を削減できます。経営者や総務が兼務で給与計算を行う中小企業では、入力ミスが未払い残業代のリスクに直結する可能性があるからです。
勤怠データを直接流し込める環境を整えれば、確認作業をなくし、処理スピードと正確性を向上できるでしょう。
法改正に対応できる
クラウド型勤怠管理システムは、労働基準法などの複雑な法的要件の遵守や、是正指導リスクの回避に欠かせません。専任担当者がいない中小企業でも、自動アップデートやアラート機能があれば、法改正にあわせて計算式を修正する手間を省けます。
厚生労働省の分科会が令和7年10月27日に出した資料では、14日以上の連続勤務の禁止や勤務間インターバル制度の強化が議論されていますが、精緻な労務管理を少人数でこなすのは困難です。システムが上限超過の手前で自動警告し、法令違反を未然に防ぎます。
中間管理職への権限移譲が柔軟にできる
現場の店長や店舗責任者へ権限を柔軟に移譲すれば、組織の意思決定が迅速化し、総務部門への業務集中を緩和できます。管理画面で部下の勤務実績や有休の申請状況をリアルタイムに確認や承認できるため、現場に応じた労務管理が可能です。
シフト作成の権限を現場に委ねれば、適切な人員配置と残業抑制を現場主導で実行できます。
属人化を解消できる
特定の担当者に依存した業務の属人化、いわゆるキーマンリスクを排除できる点も大きな強みです。複雑なExcelマクロや個人の記憶に頼ったアナログ管理から脱却すれば、少人数でもバックオフィス全体の対応力が向上します。
ルールがブラックボックス化している企業では、担当者の不在や退職で給与計算がストップするリスクを抱えがちです。システムですべての勤務ルールを標準化すれば、誰でも正確に業務を引き継ぐことができます。
中小企業が勤怠管理システムを導入する際の注意点
中小企業が勤怠管理システムの導入や乗り換えを成功させるには、事前のリスク想定と実務に即した対策が不可欠です。主な注意点は、下記のとおりです。
高機能な製品でも良い製品とは限らない
中小企業向けの勤怠管理システムを選ぶ際、機能の豊富さよりも自社の身の丈にあうシンプルさと使いやすさを重視することが大切です。高度な分析機能や拡張性を備えていても、就業ルールに対してオーバースペックであれば費用対効果があいません。
多機能性に惑わされず、直感的に操作できる画面や無料プラン、安価な従量課金制を備えた導入しやすい製品が適しています。
フォーマットの不一致で給与計算ソフトとの連携ができない場合がある
勤怠管理システムを導入しても、既存の給与計算ソフトとの連動がうまくいかず、出力したCSVファイルをExcelで手作業で加工しているケースがあります。時間の表記形式や項目名が一致しないと連携エラーが頻発し、工数削減効果が発生しない可能性があるでしょう。
連携エラーを防ぐため、選定段階で既存の給与ソフトと直接API連携ができるか、あるいは給与ソフトにあわせた専用CSV出力フォーマットを標準装備しているか確かめることが必要です。
勤怠管理システム導入前に就業規則と実態を合致させる
勤怠管理システム導入時は、書面上の就業規則と実際の労働実態を完全に合致させることが大切です。長年アナログ管理をしていた組織では、口頭のやり取りや暗黙の了解により、就業規則と異なる手当計算やイレギュラーな休憩が常態化しています。
システムは設定通りに自動計算するため、実態と乖離した規則のまま稼働させると現場の運用が止まってしまいます。14日連続勤務の禁止や勤務間インターバル制度の強化といった法改正の動向を見据え、導入を機に就業規則の見直しと運用の適正化を実装しましょう。
勤怠管理システム選定時に現場の意見を集約させる
勤怠管理システムの選定を総務部門や経営層だけの判断で進めると、導入後に現場の反発を受け運用が形骸化します。管理側に都合の良い集計機能や費用面のメリットだけで選んだ結果、スマホを持ち込めない工場や電波が不安定な地下店舗など、作業環境に打刻方法があわず労働時間を記録できないトラブルが発生する可能性があるからです。
選定段階から各部門のリーダーや現場スタッフにヒアリングを行い、動線を考慮した打刻手段やシフト管理の要望を集約しましょう。現場の声を反映した使いやすい製品を選ぶことが、デジタル化のハードルを下げ、高い費用対効果を引き出す確実な方法です。
中小企業向け勤怠管理システム比較表
中小企業向け勤怠管理システムの主要10製品について、初期費用や月額料金、無料体験期間、主な機能の対応状況を下記の比較表にまとめました。
| 製品名 | 初期費用(税込) | 月額費用(税込・1名あたり) | 無料トライアル期間 | 給与計算ソフトとの連携 | 休暇管理機能 | ワークフロー管理 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド勤怠Plus | 0円 | 要問い合わせ | 1ヶ月間 | ○(同シリーズ完全連携) | ○ | ○ |
| freee勤怠管理Plus | 0円 | 330円~(最低2,200円~) | 30日間 | ○(直接API連携) | ○ | ○ |
| ジンジャー勤怠 | 要問い合わせ | 330円〜 ※1 | 1ヶ月間 | ○(シリーズ間一元連携) | ○ | ○ |
| CLOUZA | 0円 | 220円(打刻人数のみ課金) | 30日間 | ○(専用フォーマット出力) | ○(オプション) | ○ |
| HRMOS勤怠 | 0円 | 110円(30名以下無料) | 30名以下完全無料 | ○(API・CSV連携) | ○(オプション) | ○ |
| KING OF TIME | 0円 | 330円 | 30日間 | ○(API・CSV広範連携) | ○ | ○ |
| ジョブカン勤怠管理 | 0円 | 220円~(最低2,200円~) | 30日間 | ○(API・CSV連携) | ○(機能選択制) | ○(機能選択制) |
| Touch On Time | 0円 | 330円 | 30日間 | ○(API・CSV連携) | ○ | ○ |
| スマレジ・タイムカード | 0円 | プランにより異なる(1,210円/月〜) ※2 | 30日間 | ○(API・CSV連携) | ○(有料プラン以上) | ○(有料プラン以上) |
| RecoRu | 0円 | 110円~(最低3,300円~) | 30日間 | ○(API・CSV連携) | ○ | ○ |
※ミツモア調べ(2026年6月時点)
※1:導入する周辺モジュールの組み合わせによって変動
※2:従業員10名まで無料で使えるプランあり
中小企業向け勤怠管理システムおすすめ10選
給与計算ソフトとの連携や、休日休暇管理など、中小企業向けの勤怠管理システム10製品について紹介します。
マネーフォワード クラウド勤怠Plus(株式会社マネーフォワード)
マネーフォワード クラウド勤怠Plusは、あらゆる業種、規模、複雑な就業ルールにフィットする高度なクラウド勤怠管理システムです。出退勤の打刻や休暇申請といった基本機能に加え、工数管理や36協定のリアルタイム監視など、経営管理を高度化する多くの機能を網羅しています。
給与計算システムとの連携においては、同シリーズの給与計算や会計ソフトと完全にシームレスなデータ連携が可能です。集計された勤怠データが自動的に給与プロセスへ流し込まれるため、月末に発生していたデータの転記作業やファイル連携に伴うエラーチェックを行う必要がありません。
有給休暇の自動付与や各種申請のワークフローも標準搭載されており、管理部門の負担を劇的に軽減します。
freee勤怠管理Plus(フリー株式会社)
freee勤怠管理Plusは、事前準備から締め作業まで、勤怠管理のすべてをクラウドで一元化できるシステムです。固定労働からフレックスタイム制、変形労働時間制まで幅広く対応し、直行直帰向けのGPS打刻や生体認証など豊富な打刻手段を備えています。
freee人事労務との直接的なAPI連携に対応しており、ワンクリックで勤怠データを給与計算へ反映することが可能です。データの出力や加工の手間が省け、転記ミスの余地をなくせます。有給休暇の残数可視化やワークフロー機能もスマートに統合されており、従業員からの各種申請の承認フローがシステム上で完結できるのもポイントです。
ジンジャー勤怠(jinjer株式会社)
ジンジャー勤怠は、jinjer株式会社が提供するクラウド型勤怠管理システムです。人事データを一元管理できるため、従業員情報の変更がリアルタイムに各機能へ反映されます。
同じシリーズの給与計算や労務管理システムと同一のマスターデータベースを共有しているため、勤怠実績だけでなく、入退社や組織変更に伴う従業員情報の更新がリアルタイムに給与ソフトへ反映されるのがポイントです。データの多重管理による転記ミスや確認で手間を取ることはありません。
有給休暇の自動付与や各種申請のワークフロー機能もモジュール単位で柔軟に追加可能です。
CLOUZA(アマノビジネスソリューションズ株式会社)
CLOUZA(クラウザ)は、直感的な操作で誰でも簡単に使える勤怠管理システムです。最低利用人数の制限がなく、従業員1人あたり月額220円(税込)から利用できるため、少人数の事業所や月によってスタッフ数が変動する現場でも無駄な費用は発生しません。
弥生給与やPCA給与、給与奉行といった、中小企業で広く普及している主要な給与ソフトに特化した専用の出力フォーマットをあらかじめ用意しているのが特徴です。ナビゲーションに従ってデータを出力するだけで、給与ソフトへ迷わず簡単にインポートできます。
有給休暇の管理やワークフロー機能も必要に応じて組み込められるのもメリットのひとつです。
HRMOS(ハーモス)勤怠 (株式会社ビズリーチ)
HRMOS(ハーモス)勤怠は、株式会社ビズリーチが提供するクラウド型勤怠管理システムです。30名以下の組織であれば有給休暇管理や日報機能も含めて無料で利用でき、31名以上でも安価な従量課金で運用できます。
マネーフォワードクラウド給与や給与奉行などの外部給与計算システムと、CSV出力またはAPI連携によるスムーズなデータ連動が可能です。システム内にWeb給与明細の発行機能を搭載しており、勤怠締めの後の作業までを同じシステム上で効率化できます。
KING of TIME(株式会社ヒューマンテクノロジーズ)
KING OF TIME(キングオブタイム)は、月額330円/名という低価格ながら、給与計算システムとの連携機能を備えたクラウド型勤怠管理システムです。指紋や指静脈などの生体認証、ICカード、スマートフォンのGPS機能、パソコンのログイン履歴を含む19種類以上の極めて多彩な打刻手段に対応しています。
複雑な変形労働時間制や企業独自の特殊な就業規則に対しても、精緻な管理画面の設定を通じて残業計算やシフト集計を自動化することが可能です。APIやCSVを用いた広範な給与ソフト連携に加え、有給休暇の自動付与や各種申請のワークフロー機能も標準搭載されており、法改正時の迅速な自動アップデートも含めて労務リスクを未然に防げます。
ジョブカン勤怠管理(株式会社DONUTS)
ジョブカン勤怠管理は、株式会社DONUTSが提供するクラウド型の勤怠管理システムです。初期費用は無料で、1名あたり月額220円からという機能選択制の料金体系を採用しています。
LINEやSlackといったチャットツール上での手軽な打刻機能に加え、スマホから直接希望シフトを提出および自動収集できる機能を搭載しているのが特徴です。スタッフの過不足チェックやシフト表の自動作成が管理画面上で完結するため、毎月のシフト調整に費やしていた膨大な時間と労力を減らせます。
休暇管理やワークフローも必要に応じて追加でき、主要な給与ソフトとのAPI連携もスムーズです。
Touch On Time(株式会社デジジャパン)
Touch On Time(タッチオンタイム)は、専用の打刻端末を使った勤怠管理システムです。パソコンの設置や起動が困難な現場環境であっても単体で安定して稼働できる、独自の専用端末であるタッチオンタイムレコーダーを提供しています。
専用レコーダーを用いて指紋や指静脈といった生体認証、ICカード、パスワードを1台で使い分けられるため、不正な代理打刻を防止することが可能です。スマホのGPS打刻なども柔軟に組み合わせられるため、現場の就業ルールに合わせた精緻な時間管理が実現します。
集計されたデータは各種給与計算ソフトとスムーズに連携でき、有給休暇の自動付与やワークフロー機能も制限なく月額費用内で利用可能です。
スマレジ・タイムカード(株式会社スマレジ)
スマレジ・タイムカードは勤怠管理、シフト作成、給与計算などの機能を搭載し、日々の業務負担を軽減するクラウド型勤怠管理システムです。iPadやiPhoneを打刻端末として活用でき、打刻時の写真撮影やGPS位置記録で不正を徹底的に防止します。
打刻時に内蔵カメラで顔写真を自動撮影し、客観的な位置情報とともに記録することで不正を防止することが可能です。有給休暇の管理やシフト作成、各種申請のワークフロー、給与の自動計算までカバーするプランを活用することで、収集した正確な勤怠データをPOSレジの売上データと直接連動させ、時間帯ごとの人件費率をリアルタイムにグラフ分析できます。
RecoRu(中央システム株式会社)
RecoRuは申請承認や36協定チェックなど、必要な機能を標準搭載した勤怠管理システムです。月額の最低利用料金は3,300円からですが、従業員1人あたり月額110円という驚異的な価格で利用できます。
フレックスタイム制や変形労働時間制、夜勤といった変則的な就業形態の自動集計に柔軟に対応し、勤務予定と実績の差異をリアルタイムに可視化できるのがメリットのひとつです。時間外労働の上限チェックや有休の自動付与、ワークフローによる各種申請も1つの画面で完結し、主要な給与ソフトとのAPIやCSV連携もスムーズに行えます。
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勤怠管理システムは製品によって特徴や機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。
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