在宅勤務には様々なメリット・デメリットがあります。本当に自社にとって良い働き方なのか見極めるフェーズに入っている企業や「在宅勤務をこれからも続けるか悩んでいる」という企業も多いのではないでしょうか?
この記事では在宅勤務で得られるメリット・注意点を詳しく解説。具体事例やデメリットに対する対処法も紹介します。これを機に在宅勤務が企業にとっても社員にとっても有意義な働き方なのか、見つめ直してみてくださいね。
在宅勤務5つのメリット
在宅勤務は「会社」「社員」どちらにとってもメリットがあります。また社員が働きやすくなることにより、そのメリットが会社に還元されるという側面もあるでしょう。
会社側のメリット①:コストの削減
在宅勤務が増えてオフィスの席数が減れば、勤務スペースを削減できます。結果的に光熱費やオフィス賃料の大きな削減につながります。また社員の通勤交通費も大幅に削減できることでしょう。
社員に在宅勤務のための光熱費手当などを出す場合も、上記の削減経費を差し引けば大きなメリットとなります。
会社側のメリット②:新規雇用の増加・離職防止
在宅勤務ができる会社は求職者に人気です。世の中で「働き方改革」などの労働環境改善が叫ばれるようになり、ワークライフバランスを考える求職者が増えているためです。
特に育児との両立を目指しているいるワーママにとっては、格段に働きやすい現場となるでしょう。
出産を機に第一線で働いている社員が退職するのは、会社にとって大きな損失ですよね。在宅勤務制度があれば産休後も勤務を継続しやすくなり、優秀な社員の離職を防げます。
社員のメリット①:ワーク・ライフ・バランスの向上
在宅勤務によって通勤時間がなくなれば、社員は休息や睡眠の時間を十分に取れます。通勤に伴う満員電車や長時間運転のストレスもなくなり、仕事の効率やモチベーションも上がるでしょう。その結果、上で解説した「生産性の向上」という形で会社に還元されるのです。
在宅勤務は時間の融通を利かせやすく、子育てや介護の必要がある社員にはありがたい制度。仕事と家庭のバランスが取りやすい会社は社員にとって貴重であり、離職防止にも効果的です。
社員のメリット②:作業の中断がなく、集中して仕事ができる
会社側のメリットでも触れましたが、在宅勤務中は来客などによる作業の中断が減り、集中して仕事が行えます。
また在宅勤務は社員それぞれが集中しやすい環境を作り出せます。肩の力を抜きつつも高い集中力を保ち、オフィスではなかなか実現しないモチベーションを持てるのも在宅勤務ならではといえるでしょう。
出退勤の打刻や勤怠状況の管理を効率化できるソフト選びなら、ぜひミツモアをご利用ください。従業員数や欲しい機能などの各項目を画面上で選択するだけで、ぴったりの製品を最短1分で自動診断。理想の勤怠管理システムが見つかります。 |
在宅勤務の3つのデメリットと対処法
オフィス勤務にはない在宅勤務特有のデメリットも存在します。デメリットを知った上で事前に対策をしておけば、在宅勤務のメリットを十分に引き出すことができます。
詳しく見ていきましょう。
注意点①:必ずしも生産性が向上するとは限らない
「在宅勤務は社員の生産性が向上するメリットがある」と解説しました。しかし必ずしもこのような結果になるとは限りません。
というのもいくつかの企業では「在宅勤務を導入したことにより、逆に生産性が低下した」というデータが出ているのです。例えばレノボ・ジャパン合同会社によると「在宅勤務での生産性は、オフィスで勤務するより下がる」と回答した人が40%もいたとのこと。
つまり必ずしも在宅勤務によって生産性が上がるとは限らないのです。
【解決法】ITツールを用いて、作業環境の向上を図る |
現在テクノロジーを駆使した在宅勤務ツール市場が急拡大しています。
特に、遠隔でも人事評価や作業管理のできる労務管理ツールや、遠隔でもコミュニケーションが可能なチャットツールが人気に。
生産性を下げてしまう環境上の問題や、対人関係の悩みなどを解決しています。
下記記事ではそんなツールを詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。
注意点②:セキュリティの確保が難しい
社内でのネットワークはセキュリティを強化していても、各社員の自宅はサイバー攻撃などの危険にさらされています。社員が社内ネットワークにアクセスする際に、第三者による情報漏えい被害に遭うかもしれません。
【解決策】社内PC全体でのセキリュティソフトの導入とルールの策定 |
主には
- VPN接続の確立
- スマホを使用したセキリュティソフトの導入
が挙げられます。
それに加えて機密データへのアクセス権など、データ取り扱いに関するルールを作っておくことも重要です。
注意点③:勤怠管理が難しくなる
社員の働きぶりを観察しにくい在宅勤務は、勤怠管理が難しいというデメリットがあります。
特に在宅勤務の場合、勤務時間とプライベートの区別が曖昧になる傾向にあるため、長時間労働に陥りやすいです。
お子さんがいる社員は、子供の世話で作業が中断することがある「中抜け」の問題は、企業が労務管理を適正かつ平等に行うのを難しくします。
解決策としては、勤怠管理システムを導入するのが良いでしょう。近年では様々な勤怠管理システムが登場しています。以下の記事にて紹介していますので是非ご覧ください。
在宅勤務の成功事例
味の素株式会社では、働き方改革の一環として2014年からテレワークの取り組みを始めました。現在では在宅勤務が難しい生産オペレーターを含め、全社員の84%がテレワークを活用しています。
味の素では全社員にカメラ付きの軽量パソコンとスマートフォンを貸与し、社用スマートフォンのテザリングを使用。これにより自宅で仕事ができる通信環境を整えています。また社外からのネットワーク接続時刻を勤怠管理システムに表示させています。
テレワークやそれに関する取り組みの結果、以下のような効果が得られたそうです。
- 総実労働時間が75時間減少した(2016年度比)
- 平均終業時刻が18時前の社員は25%増加(2016年度比)
- 特に育児・介護を行う社員が勤務を行いやすくなった
在宅勤務が定着しやすい会社・そうでない会社
「在宅勤務を自社に導入したい!」と思っても、在宅勤務が向いていない職業や環境があるのも事実です。
まず在宅勤務に向いているのは、以下のような条件に合った職業です。
- 社員が1人で作業を行える(もしくはチャットツール等でコミュニケーションが完了する)
- セキュリティ上のリスクが低い
- 育児や介護を行う社員が多いなど、高い効果が期待できる
上記に当てはまる具体的な職種として
- 事務職
- デザイナー
- システムエンジニア
- プログラマー
といったものが挙げられます。
反対に在宅勤務に適していない職種は
- 製造・生産業
- 接客・販売業
- 医療・介護職
といったもの。仕事に使う設備や、対面での接客がどうしても必要となります。
それでも先ほど挙げた味の素株式会社では、製造工場に勤務する社員にもテレワークを導入し、一部作業を在宅勤務で行っています。仕事の全体は難しくても、一部の業務を在宅勤務に切り替えられるかもしれません。
例えばチャットボットを導入し、カスタマーサポートの大部分を自動化するというのも1つの手でしょう。
コロナ禍での取り組みを機に、多くの企業でテレワーク推進の機運が高まっています。今できる分野から徐々に在宅勤務を始めておくことが、将来を大きく左右するかもしれません。
在宅勤務を効率的に継続するためのコツ
働きやすい環境づくりとして在宅勤務は魅力的ですが、その一方で「オフィス勤務の方が効率的だ」という声もあります。その要因として
- 対面で話したほうがよく伝わる
- 十分な電子化が進んでおらず、紙の資料やハンコが必要
- オフィスにあるような機器(モニターやプリンタなど)が家にない
といったことが挙げられます。
在宅勤務を継続していくには、業務の最適化・効率化は欠かせません。例えば以下のような取り組みによって、在宅勤務の能率を向上させられるかもしれません。
- コミュニケーションツールに不慣れな社員への講習
- 資料の電子化(ペーパーレス化)
- データアクセスを含む、セキュリティポリシーの改定
- 在宅勤務用設備の貸与・購入補助
在宅勤務を効率的に行うために必要なことは、職場や業務内容によって異なります。社内アンケートなどで定期的に効果を検証し、改善点を見つけていくことが欠かせません。このように「フィードバックを取る→改善していく」というサイクルを繰り返すことで、会社にも社員にも良い結果がもたらされます。
在宅勤務導入の基本手順・方法
以下のような手順を踏むことで、在宅勤務を導入できます。
- 在宅勤務を導入する目的を明確にする
- 在宅勤務を適用する範囲を決定する
- 就業規則の改正が必要か考える
- 社員への説明会を開き、合意を取る
- 在宅勤務の労働条件を明示する
※前述したように、最初はテストとして小規模のみで取り入れるのがおすすめです。
1つずつ見ていきましょう。
①在宅勤務を導入する目的を明確にする
在宅勤務を導入する目的として
- 生産性の向上
- 通勤や移動時間の短縮
- 子育てや介護があっても働きやすい環境づくり
- 人材の確保・流出の防止
といったことが挙げられます。目的を明確にすることで、余分なコストを掛けずに在宅勤務の準備を進められます。
②在宅勤務を適用する範囲を決定する
例えば製造ラインでの業務は、どうしても在宅勤務ができません。それでも「棚卸し」「原料の発注」といった業務であれば在宅勤務ができるかもしれません。
このように在宅勤務が適用できる「業務」「部署」「役割」といった範囲を考えていきましょう。
③就業規則の改正が必要か考える
既存の労働条件だと不具合が生じそうな場合、在宅勤務に合わせた就業規則の改正が必要かもしれません。
例えば在宅勤務の際に発生する通信費や光熱費は、会社から手当として出さなければならないケースも多いでしょう。社員に子育てや介護の必要がある場合、より柔軟に働けるフレックスタイム制を併せて導入すると効果的です。
④社員への説明会を開き、合意を取る
全社員に在宅勤務に関する説明をし、理解を得ることは重要です。在宅勤務をなぜ行うか、どのように会社や社員の益につながるか…といった点は、とりわけ全社員が把握する必要があります。
在宅勤務の対象になる社員や部署には、導入前の研修も必要です。在宅勤務でのツール使用方法などをしっかり伝え、全員が確実に利用できるようにしておきましょう。
⑤在宅勤務の労働条件を明示する
労働契約の締結において、企業は従業員に対して労働条件を明示する必要があります(労働基準法第15条第1項)。在宅勤務時の賃金や労働条件について、社員にはっきりと伝えることは必須です。
労働条件については、口頭だけでなく書面で伝えましょう。在宅勤務導入後「それは聞いていなかった!」というトラブルが起こるのを避けたり、分からない点を社員自身で確認したりするためです。
ぴったりの勤怠管理システム選びはミツモアで
勤怠管理システムは製品によって特徴や機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。
そんなときはミツモアにおまかせ。最短1分の自動診断で、ぴったりの勤怠管理システムが見つかります。
ぴったりの勤怠管理システムを最短1分で無料診断
従業員数や欲しい機能などの項目を画面上で選択するだけで、最適な勤怠管理システムを最短1分で自動診断。もちろん費用はかかりません。
ぴったりの料金プランも一緒にお届け
希望条件に沿った料金プランも製品と一緒に診断します。概算金額を見積もりからチェックして、理想のプランを探してみましょう。
診断結果は最大5製品!比較・検討で最適な勤怠管理システムが見つかる
最大で5製品の診断結果をお届けします。検討していた製品だけでなく、思わぬ製品との出会いもあるかもしれません。
ミツモアなら、ぴったりの勤怠管理システムがすぐに見つかります。