従業員の入退社が増加し、産休・育休といった複雑な手続きに直面した際、「このままではミスが起きるのではないか」という不安を感じていませんか。そのような課題を解決できる方法のひとつが、社会保険に関する手続きを社会保険労務士(社労士)などの専門家に委託する「社会保険事務代行」です。
頻繫な法改正や制度が複雑化するなか、煩雑な手続きを専門家に任せることにより、ミスなく正確に処理できるだけでなく、担当者は本来のコア業務に集中できます。
社会保険事務代行で依頼可能な業務内容や費用相場、選び方のポイントを含め、社会保険事務を委託できるサービスについて紹介します。
社会保険事務代行に依頼できる業務
社会保険事務代行で依頼できるのは、主に下記の業務です。
健康保険・厚生年金保険の資格取得・喪失手続き
従業員の入退社時に発生する社会保険の取得・喪失手続きに関する業務です。事務代行を依頼することで、以下の手続きを委託することができます。
- 健康保険・厚生年金保険の資格取得届や資格喪失届の作成・提出
- 被扶養者(異動)届の作成・提出
- 健康保険証の発行手続きや返却管理
従業員の入社・退社に伴う一連の手続きを専門家に任せることにより、人事担当者は本来の採用活動や引き継ぎ業務に専念できるようになります。
算定基礎届・月額変更届・労働保険の年度更新
従業員から徴収する保険料や会社負担額を正確に決定するために必要な定例業務があります。社会保険事務代行会社に依頼することで、以下の業務を請け負ってもらうことが可能です。
- 算定基礎届や月額変更届の提出
- 労働保険の年度更新
これらの複雑な計算を伴う定例業務を専門家に委託することにより、保険料の計算ミスや申告漏れを防ぐことができます。
各種給付金・助成金の申請手続き
従業員の病気やケガ、出産、育児といった場面において、生活を支えるための各種給付金の申請手続きも委託することができます。対象となる主な給付金は以下の通りです。
- 傷病手当金
- 出産手当金・出産育児一時金
- 育児休業給付金
さらに、産前産後休暇中の社会保険料免除手続きについても依頼できます。専門家に任せることで、申請漏れや手続きの遅延を防止し、従業員が安心して休業に専念できる環境を構築できるでしょう。
労働者死傷病報告・労災保険給付の請求手続き
業務中や通勤中に従業員が怪我や病気に見舞われる「労働災害(労災)」が発生した場合、以下の手続きを社会保険事務代行に委託することが可能です。
- 労働者死傷病報告
- 療養や休業(補償)給付の請求
- 遺族給付・葬祭料の請求
万が一の労災発生時に迅速かつ適切な対応ができる体制を専門家と共に整えておくことで、被災した従業員への迅速な補償を実現できます。
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社会保険事務代行の費用相場
社会保険事務代行の費用は、依頼する業務範囲や企業の従業員数によって大きく変わります。料金体系は主に、継続的な支援を受ける「顧問契約」と、必要な時だけ依頼する「スポット契約」の2種類です。
顧問契約(月額固定型)の費用相場
顧問契約は、社会保険・労働保険に関する日常的な手続きや簡単な労務相談をまとめて委託できる、月額固定料金の契約形態です。従業員数によっては、以下のように費用相場が変動します。
| 従業員数 | 月額費用の相場 | 委託できる主な業務内容 |
|---|---|---|
| ~9名 | 10,000円~20,000円 | 入退社手続き、各種保険関係の手続き、電話・メールでの労務相談 など |
| 10名~29名 | 10,000円~20,000円 | 入退社手続き、被扶養者異動手続き など |
| 30名~49名 | 40,000円~60,000円 | 入退社手続き、月額変更届の対応 など |
| 50名~ | 60,000円~ | 入退社手続き、育児休業関連手続き など |
企業の規模が大きくなるほど手続きの量が増え、管理が複雑になるため、料金も高くなる傾向です。毎月一定数の入退社がある企業や、日頃から専門家に相談できる体制を整えておきたい企業に向いています。
スポット契約の費用相場
スポット契約は、顧問契約を結ばず、必要な業務が発生したときに都度依頼する料金体系です。依頼する手続きの難易度や作業量によって以下のように料金が変わります。
| 手続きの種類 | 1件あたりの費用相場 |
|---|---|
| 資格取得届・喪失届の作成・提出 | 5,000円~15,000円 |
| 算定基礎届の作成・提出 | 30,000円~ |
| 労働保険の年度更新 | 30,000円~ |
| 育児休業給付金申請 | 20,000円~30,000円 |
従業員の入退社が少ない企業や、通常の手続きは自社で行い、年に一度の複雑な業務だけを専門家に任せたいというケースに最適です。
社会保険事務代行の選び方
社会保険事務を代行できるサービスを選ぶポイントは、主に下記3つです。
自社が依頼したい業務に対応しているか
社会保険事務代行を選ぶ際には、まず「自社が何を委託したいのか」を明確にしたうえで、要望に対応できる事務代行を選びましょう。サービスによって対応可能な業務範囲が異なるためです。
特に給与計算や助成金申請については、すべての事業者が対応しているわけではありません。自社が抱える課題を解決するために必要な業務を整理し、それらすべてを任せられるサービスを選択することで、満足度の高い委託先選びが実現できます。
セキュリティ対策は万全か
社会保険事務代行を依頼する際は、従業員のマイナンバーや給与情報といった重要な個人情報を外部に委託することになります。そのため、代行会社のセキュリティ対策が十分に整備されているかを必ず確認することが大切です。
プライバシーマークの取得状況や秘密保持契約の締結といった、具体的な情報管理体制を事前に把握し、信頼できる代行会社を選択することが不可欠といえます。
労災保険対応などのリスク管理力
労災保険の手続きや事故発生時の初動対応は、企業のリスク管理に直結します。突発的な事故にも冷静に対応できる体制が整っているか、過去の事例対応やサポート体制を事前に確認しておくことが重要です。
リスクの高い業種においては、労災に強い事務代行サービスを選ぶことで、企業の法的リスクや従業員の不安を最小限に抑えることができます。
社会保険事務代行のおすすめ6選
数ある社会保険事務代行の中から、実績や特徴にもとづいて厳選した6つのサービスを紹介します。
社会保険労務士事務所 Labor Partner
社会保険労務士事務所 Labor Partnerの「社保スポ」は、顧問契約を結ばずに、必要な手続きだけを都度依頼できる「スポット契約」に特化した社会保険・労働保険手続きの代行サービスです。入退社手続きや算定基礎届など、必要な業務が発生した時だけ料金を支払うため、費用を無駄なく活用できます。
料金は手続きの内容によって異なります。たとえば社会保険の加入の場合は1万1,000円(1回)、所在地や代表者などの変更手続きは、1万6,500円(1回)です。
月額費用をかけずに、必要な時にだけ専門家の力を借りたい企業におすすめです。
社会保険労務士法人ユアサイド
社会保険労務士法人ユアサイドは、企業のバックオフィス業務を幅広く支援する事務所です。社会保険・労働保険の手続き代行から、年1回の労働保険年度更新、給与計算、帳簿作成といった経理関連業務まで、一括して委託することができます。
料金体系は、企業の従業員数や依頼する業務の範囲に応じた顧問契約を基本としており、個別手続きについてはスポット契約での対応も可能です。そのため、経理業務も含めた幅広い業務効率化を図りたい企業に最適な選択肢となります。
あおい社会保険労務士法人
あおい社会保険労務士法人は、社会保険・労働保険手続きの代行を専門とする事務所です。社会保険の加入・脱退手続きや労働保険の保険料申告など、社会保険に関する官公署への提出書類の作成および手続きを代行します。
個人情報を適切に管理する体制の証明であるプライバシーマークを取得しており、社会保険手続きを安心して依頼できるのもポイントのひとつです。費用は22,000円からとなっており、従業員数や契約内容に応じて費用が決まります。
一般社団法人 東京実業連合会
一般社団法人 東京実業連合会は、社会保険労務士法人としての機能に加え、「労働保険事務組合」を併設している点が大きな特徴です。社会保険や労働保険の手続き代行に加え、事業主の労災特別加入や保険料の分割納付といった業務も委託できます。
月額費用は1人あたり2,750円からですが、人数や企業の規模などによって変動します。
日本郵政コーポレートサービス
日本郵政コーポレートサービスの社会保険業務代行は、提携した社会保険労務士法人による社会保険や雇用保険の各種手続きを代行する点に特色があります。社会保険の加入・喪失時の電子申請をはじめ、雇用保険関連の公文書受領や事業所への送付業務などを委託することが可能です。
費用は企業規模や委託業務の範囲により大幅に変動するため、従業員数の多い大企業や業務プロセス全体の見直しを検討している企業に最適なサービスといえます。
東京都社会保険労務士会
東京都社会保険労務士会は、社会保険労務士(社労士)が運営する公的な団体です。都内に事業所を持つ企業や都民を対象に、企業の状況に合わせて適切な社労士を紹介したり、専門家による無料相談の機会を提供しています。
具体的な業務内容は紹介される社労士事務所によって異なり、費用も事務所の料金体系に準じます。まずは自社の課題を整理し、相談窓口を活用して専門家のアドバイスを求めてみると良いでしょう。
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