NPO法人の運営において、適切な会計管理は非常に重要です。しかし、一般企業とは異なる会計基準や独自の勘定科目があるため、会計処理に悩む団体も少なくありません。そこで、NPO法人向けの決算ソフトを導入すれば、効率的かつ正確な会計処理が可能になります。
この記事では、NPO法人におすすめの決算ソフト5選を紹介するとともに、決算ソフト導入のメリットや選び方のポイントについても詳しく解説します。
「NPO法人向けの決算ソフトのおすすめが知りたい」
「自団体に合った決算ソフトはどれだろう?」
このような疑問や悩みを抱えている方は、ぜひ最後までお読みください。
NPO法人向けのおすすめ決算ソフト5選
NPO法人の決算に対応している決算ソフトは限られますが、NPO法人向けのサービスを提供している会社も多くあります。
以下では、NPO法人向けのおすすめ決算ソフトを5つまとめました。サービスごとの特徴や魅力を踏まえてご紹介するので、どのサービスを選べば良いかわからないという場合には参考にしてみてください。
- freee会計
- 会計王 NPO法人スタイル
- ee-会計ソフト
- ちまたの会計
- Excel簡単会計(NPO法人会計基準協議会)
それぞれ解説していきます。
freee会計
freee株式会社が提供するサービス「freee会計」は、クラウド型の決算ソフトとして一般企業の間でも広く知られています。freee会計ではNPO法人向けに「freee NPO会計キット」を提供しており、NPO法人特有の会計処理に対応しています。
シンプルな操作感で使いやすく、「NPO法人会計基準」に準じた内容で決算書類を作成できる点が魅力です。無料のトライアルも提供しているので、気になる方はチェックしてみてください。
会計王 NPO法人スタイル
ソリマチ株式会社が提供する「会計王 NPO法人スタイル」は、NPO法人に特化した決算ソフトです。NPO法人会計基準に対応しており、PCにインストールして使う仕様になっています。インターネット環境がなくても操作が可能なほか、初期費用のみで月額料金がかからない点も魅力です。
また、非営利事業とその他の事業を行っている法人の場合、部門として管理できる機能も便利です。NPO法人にとっては、部門別の管理機能も便利でしょう。
ee-会計ソフト
NPO会計支援センターが提供する「ee-会計ソフト」は、NPO法人の会計業務に特化した定額制のクラウド型決算ソフト。NPO法人のために作られたもので、小規模から大規模までさまざまな規模のNPO法人に対応したバージョンを提供しているのも大きな魅力です。NPO法人会計基準に完全対応しており、誰でも簡単に使えるシンプルな操作感もメリットです。
年度初めから決算までのサポート体制も充実しているため、初心者でも安心して利用できます。
ちまたの会計
「ちまたの会計」は、NPO法人、地域サークル、ボランティア団体などに向けて提供されている無料のクラウド決算ソフト。非営利組織の会計に伴う帳簿や会計報告書類、基本機能を備えているため、NPO法人にもおすすめです。
ちまたの会計は無料で利用できる点が最大の魅力で、初期費用をかけずに決算ソフトを導入したいNPO法人にぴったりです。PCやスマホ、タブレットからもアクセス可能で、常に最新バージョンに自動更新されるところもうれしいポイント。運用コストや手間をかけずに導入をしてみたいという場合には、まずは登録してみてはいかがでしょうか。
Excel簡単会計(NPO法人会計基準協議会)
Excel簡単会計(NPO法人会計基準協議会)は、NPO法人会計基準協議会が提供している決算用のテンプレートです。一般的な決算システムとは異なりExcelを使用して使うタイプのツールですが、NPO法人の会計基準に準じた処理が可能です。
ダウンロードは無料で、現金出納に基づいた入出金額や財務諸表の作成を行えます。決算ソフトほどの自動化は難しいものの、「Excelに使い慣れている」という場合や「無料のツールから試してみたい」という場合には検討してみても良いかもしれません。
NPO法人が決算ソフトを選ぶときのポイント
以下では、NPO法人が決算ソフトを選ぶときのポイントを解説します。
- NPO向けのプランがあるか
- 無料トライアルが可能か
- 使いやすいかどうか
- 必要なデータと連携可能か
それぞれについて解説していきます。
NPO向けのプランがあるか
NPO法人には特有の会計ルールがあるため、一般企業向けの決算ソフトでは対応が難しい可能性が高いです。NPO法人専用のプランがあるかどうか、またはNPO法人会計基準に準拠しているかを確認することがポイントです。NPO法人の会計基準に準じた処理が可能であれば、スムーズかつ的確に基準に沿った書類を作成できます。
無料トライアルが可能か
決算ソフトを選ぶ際には、無料トライアルがあるかどうかも確認してみましょう。実際に操作してみて、自団体の業務に適しているかを判断できます。複数のソフトをいくつもトライアルするのは大変なので、1〜2つ程度に絞って試してみることをおすすめします。
ソフトの使い心地を試してみることで、後々の導入に安心感を持って進められるでしょう。
使いやすいかどうか
決算ソフトは日常的に使用するものです。そのため、操作感が良いかどうかも重要なポイントです。特に会計初心者や小規模なNPO法人にとって、操作が複雑な決算ソフトは長続きしません。
直感的に使えるソフトを選ぶことで、日常的な業務もスムーズに進めることができるでしょう。
必要なデータと連携可能か
データ連携の有無も選定時の大切なポイントです。自団体が利用している金融機関やサービスとの連携が可能かどうかを確認しましょう。
クレジットカードや銀行口座とのデータ連携が可能な会計ソフトであれば、日々の取引データを自動で取り込むことができ、入力作業の手間が大幅に削減されます。自動仕訳もしてくれるため、業務の効率化が期待できるでしょう。
NPO法人が決算で注意すべきポイント
NPO法人の会計処理は、一般企業と異なる点が多く、その違いを理解しておくことが重要です。特に「NPO法人会計基準」に準拠する必要があるため、会計基準に従った書類作成が求められます。
「NPO法人会計基準」準拠した会計書類の作成が推奨されている
NPO法人の会計では、「NPO法人会計基準」に準拠した会計書類の作成が推奨されています。この基準は、全国のNPO支援センターが結成した任意団体により策定されたもので、NPO法人がどのように会計を行うべきかをわかりやすく定めています。
NPO法人の透明性を高め、外部の支援者や監督機関に対して信頼性を示すためにも、適切な会計基準に従うことが重要です。そのため、決算ソフトを導入する際には、NPO法人会計基準に準拠した内容のサービスを選ぶことがポイントになります。
一般企業とは異なる独自の勘定科目がある
NPO法人の会計業務では、一般企業とは異なる独自の勘定科目が存在します。特に「活動計算書」は、一般企業の損益計算書に相当する内容で、NPO法人の財務状況を示す重要な書類です。民間企業向けの決算ソフトのなかには、NPO法人独自のサービスに対応していないものもあるため、注意が必要です。
NPO法人が決算ソフトを導入するメリット
続いて、NPO法人が決算ソフトを導入するメリットを見てみましょう。
- 煩雑な決算業務を効率化できる
- 複式簿記の知識がなくても利用できる
- 本来注力すべき支援活動に専念できる
- 信頼性が高まる
それぞれ解説していきます。
煩雑な決算業務を効率化できる
決算業務は非常に時間がかかる作業であり、特に会計知識が豊富でない場合には負担が大きくなりやすいものです。多くのNPO法人では、ボランティアや少人数のスタッフで運営しているため、日々の業務が忙しく、会計処理に割ける時間が限られています。このような状況では、データの手入力や勘定科目の選定ミス、計算の誤りが発生しやすく、正確な報告書を作成するのは大変です。
決算ソフトを導入すればこれらの作業が自動化され、日々の取引データの入力から決算書類の作成まで効率よく進めることが可能になります。また、決算期にまとめて作業を行うのではなく、日々の会計処理をスムーズに進めることができるようになり、決算業務が期末に集中することなく、常に最新の財務状況を把握しやすくなります。
複式簿記の知識がなくても利用できる
NPO法人の会計処理は、複式簿記に基づいて行うことが推奨されていますが、実際には複式簿記の知識を持たない担当者が多いこともあるでしょう。特に小規模なNPO法人では会計の専門知識を持つスタッフがいないことも珍しくなく、手探りで会計業務を行っているケースもあります。
NPO法人専用の決算ソフトは、このような課題を解決するために設計されています。自動仕訳機能を備えており、ユーザーが取引を入力するだけで必要な仕訳が自動的に作成されます。複雑な簿記知識がなくても利用しやすいため、効率よく正確な報告書を作成できるようになるでしょう。
本来注力すべき支援活動に専念できる
本来注力すべき支援活動に専念できるようになることも大きなメリットです。NPO法人の最大の目的は、支援活動やプロジェクトの実施です。しかし、会計業務に多くの時間と労力を費やしてしまうと、本来の活動に十分なリソースを割くことが難しくなります。
そこで決算ソフトの導入により、これまで手間がかかっていた会計業務を大幅に効率化することができます。ソフトが日常の会計処理を自動で行うため、スタッフやボランティアは本来の業務に集中できるようになります。
信頼性が高まる
決算ソフトの導入により、外部からの信頼性が高まることもメリットの1つです。多くの助成団体や寄付者は、財務報告の透明性や正確性を重要視しています。決算ソフトを使って正確な財務報告を行うことで、これらの支援を受けやすくなり、NPO法人の資金調達能力が向上する可能性もあります。
NPO法人向けの決算ソフトに関するよくある質問
最後に、NPO法人向けの決算ソフトに関するよくある質問をご紹介します。
- NPOは会計で利益を出しても良い?
- NPOの決算業務はエクセルでも対応できる?
それぞれについて見ていきましょう。
NPOは会計で利益を出しても良い?
NPO法人(非営利組織)は、利益を出すこと自体は問題ありません。ただし、その利益を自団体の構成員に分配することはNGです。NPO法人の目的は営利ではなく社会貢献にあるため、得られた利益がどれだけ大きくても、配当という形で分配することは許されません。
NPOの決算業務はエクセルでも対応できる?
小規模なNPO法人における処理の少ない決算業務であれば、Excelを使用して決算業務を行うことも不可能ではありません。また、実際にNPO法人会計基準協議会がExcelのテンプレートも提供しています。ただし団体の規模が大きくなったり、取引量が増えたりした場合は、専用の決算ソフトを導入する方がより効率的です。決算ソフトを使用することで、ミスの減少や作業時間の短縮、より詳細な分析が可能になります。
まとめ
NPO法人の決算業務には一般企業とは異なる特有の注意点があります。適切な決算ソフトを導入することで、決算業務の課題を効率的に解決し、正確な会計処理を行えるようになります。
本記事で紹介した5つの決算ソフトはいずれもNPO法人の会計基準に対応していますが、それぞれ特徴や強みは異なります。自団体の規模や予算、求める機能などを考慮して、最適なソフトを選んでみてください。また、選び方のポイントを参考にしながら、比較検討して決めることをおすすめします。
決算ソフトの導入により、NPO法人の会計業務が効率化され、本来の目的である社会貢献活動により多くのリソースを割くことができるようになります。透明性の高い会計報告は、支援者からの信頼獲得にもつながり、団体の持続的な成長につながるでしょう。
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