台風による脅威は、大雨、洪水、暴風、高潮などさまざま。自分で出来る台風対策のなかでも重要なのは、窓周辺の守りを強固にすることです。この記事では、台風に備えて雨戸で対策する必要性と、具体的に気をつけるべきポイントを紹介します。
台風対策に雨戸が必要な理由は?
台風は毎年のように日本に訪れ、大規模な災害を招く原因になります。自宅や自分の身を守るためには、以下のような対策をしておく必要があります。
- 家周辺に荷物を放置しない
- 窓の補強、雨戸・シャッターを閉める
- 停電や避難に備えて、防災グッズを揃えておく
このなかで「住宅を守るために出来ること」として最重要なのが、窓の補強や、雨戸・シャッターを閉めておくことなのです。
「窓」は住宅の中でもっとも衝撃に弱い部分。だからこそ雨戸で守る必要があります。
窓が割れるとなぜ危険?
台風の影響で窓が割れると、ガラスの破片でケガをしてしまうリスクが増します。しかしもっと危険なのは、屋根が飛んでしまうケース。
割れた窓から暴風が入り込むことで、室内から屋根を押し上げることになり、急激に風圧や気圧がかかって屋根が飛んでしまうのです。
また室内の家具家電が倒れて故障したり、ケガをしてしまうという危険性もあります。
台風で窓が割れる原因は?
台風のとき、いくら暴風が吹き荒れていても、「風」の力だけで窓が割れることはありません。
台風の「暴風域」では平均風速25m/s以上。人間も、なにかに掴まっていないと立っていられないレベルです。この速度の風は、屋根の瓦を飛ばしたり、樹木を折ったりするほどの猛烈な勢いがあります。
この強風によって飛んできた瓦や木の枝が、住宅のウィークポイントとも言える「窓」に衝突することで割れてしまうのです。
ちなみに2020年に発生した台風10号は、最大瞬間風速59.4m/sを記録。これは鉄塔が折れる可能性があるほどの暴風に相当します。
窓の補強だけでは足りない?
「ウチの窓は、ダンボールとテープで補強してるから大丈夫!」と油断するのは危険です。
これらの補強をすることはもちろん大切ですが、あくまで「割れた窓ガラスが飛散しないようにする」ことが目的。決して窓が割れにくくなるわけではありません。
窓ガラスを保護するには、やはり雨戸やシャッターで物理的にガードするのが最適なのです。
雨戸周辺の台風対策をする手順・方法
台風に備えるとき、具体的にはどんな手順を踏めばよいのでしょうか。雨戸やシャッターを閉めるときに、あわせて行いたい対策方法を紹介します。
以下の記事では、シャッターの場合の対策方法についてより詳しく解説しています。住宅にシャッターを採用している方は、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:シャッターの台風対策を解説 | ミツモア |
家の周囲の対策
鉢植えや庭木、ブロック塀など、強風によって飛ばされそうなものはあらかじめ補強・固定しておきましょう。物干しざおなど家の中に収納できるものであれば、しまっておくのがベストです。
雨戸やシャッターを閉めることで窓が割れる心配は減りますが、飛来物による衝撃で、雨戸自体が壊れてしまうリスクもあります。
せめて自宅周辺で飛びやすいものはしまっておき、雨戸やシャッターが壊れないようにしましょう。
窓・雨戸周辺の対策
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台風の上陸が予想されたとき、事前に雨戸・シャッターの状態をチェックしておきましょう。台風が到達し、いざ閉めようと思ったときに「閉まらない」「ズレている」などの不調が見つかっても、手遅れになってしまいます。早めにチェックして、必要があれば修理・交換リフォームをしておきましょう。
また雨戸やシャッターだけでは不安な場合、補強しておくのも大切です。ガレージなどのシャッターには、市販の「シャッターガード」などを使うのがオススメです。
雨戸を補強するなら、外側から板を打ち付けてカバーしましょう。ただし避難するときの脱出経路が窓しかない場合は注意が必要です。あまりに強固に補強しすぎると、家から脱出するのが困難になります。
万が一に備えて、窓ガラスが割れたときのことも考えておくと安心できます。ガラスが飛び散らないように、養生テープやダンボール、カーテンなどでしっかりカバーしておきましょう。
防災グッズも備えておこう
停電や避難に備えて、防災グッズもそろえておきましょう。以下のようなものがあると便利です。
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地球温暖化の影響によって海面温度が上昇しているので、昔に比べて台風が大型になりやすくなっています。いざ日本に上陸したときのために、備えておくことが重要です。
雨戸がない・付けられない時の台風対策
「住宅状況の関係で、雨戸が設置できない」「修理したいけど間に合わない」というときの応急処置方法や代替案を紹介します。
応急処置:養生テープ、ダンボール、カーテンで被害を抑える
「雨戸がつけられない」「修理が間に合わない」という場合には、せめて窓周辺の守りをかためて、被害を最小限にとどめましょう。
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上記の手順で応急処置できます。もし飛来物によって窓ガラスが割れても、破片の飛び散りを防ぐことができます。ただし窓ガラス自体を保護できるわけではないので、注意してください。
また養生テープではなく、窓用の「防災フィルム」を貼るのもオススメです。こちらもガラスの飛散を防ぐことにつながります。UVカット効果が付いている製品もあるので、普段使いにも便利です。
雨戸の代替案:強化ガラス・防犯ガラスに交換する
雨戸を取り付けるのが難しい場所は、強化ガラスや防犯ガラスに交換するのがオススメです。
【強化ガラス】
強化ガラスは、普通のガラスの3~4倍の強度があります。飛来物にって割れやすいのは同じですが、万が一割れてしまっても細かい粒上の破片になるのが特徴。通常のガラスのように鋭くとがることはないので、ケガをするリスクは抑えられます。
一般的な90cm×90cmの窓であれば、1万~2万円程度で購入することができます。施工費や廃材処分費をあわせても、3万~4万円で依頼することが可能です。
【防犯ガラス】
防犯ガラスは、「合わせ複層ガラス」という仕組みです。名前の通りですが、2枚以上のガラスを接着して一体化しています。
強化ガラスよりも安全性が高く、防犯にも適しているのが特徴です。バールなどを使っても、容易に破ることはできません。
ガラスとガラスの中間には、強靭な樹脂膜が使われています。そのため飛来物の貫通を防ぐだけでなく、遮音性、紫外線カット効果なども得られるのがメリット。
雨戸の代替案:面格子を設置する
面格子は、小窓などに取り付けることが多い、格子状の部材です。マンションのキッチン窓などで見かけることが多いですよね。
雨戸の代わりに面格子を取り付けることで、飛来物が窓を割るリスクを減らすことができます。また室内が見えにくくなる目隠し効果も得られるので、浴室などの窓にもオススメ。防犯効果も期待できます。
雨戸が設置できない小窓は、「防犯ガラス×面格子」の合わせ技でかなり耐久性が上がります。ぜひ検討してみてください。
台風で雨戸・シャッターが壊れたときは?
台風で雨戸やシャッターが壊れてしまったら、「火災保険」の補償を受け取ることができるかもしれません。台風は、火災保険がカバーしている「風災」に該当するからです。
ただし対策の不備や、経年劣化による破損だと認められた場合は、補償を受け取ることができません。
- 雨戸の経年劣化を放置していた
- 物干しざおや植木鉢を庭に放置していた
- 雨戸があるのに閉めず、窓ガラスが割れた
上記のような場合には補償を受け取れないケースも多いので注意しましょう。
また賃貸の場合は、自分で修理を依頼するのでなく、大家さんや管理会社に問い合わせる必要があります。ベランダや窓部分は「共用スペース」にあたるので、修理する義務があるのは貸主側です。
ただしこの場合も、借主側が対策を怠っていた場合には、自己負担になる可能性があります。そのため、持ち家か賃貸かにかかわらず、出来る対策は打っておくのがベストです。
意外とお手軽!雨戸・シャッターを取り付けよう
リフォーム方法 | 費用(雨戸1枚あたり) |
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塗装 | 2,000~5,000円 |
修理・補修 | 2万~5万円 |
交換 | 7万~30万円 |
後付け | 7万~30万円 |
塗装リフォームは、雨戸の防水性を保ったり、サビや汚れを落としたりする軽度の対策です。雨戸の性能にあまり問題がなくても、設置してから5~10年経っているなら再塗装をオススメします。
修理や補修は、雨戸の小さい穴・軽度のズレなどを直す対処法。高くても5万円以内で収まるでしょう。
雨戸・シャッターを交換や後付けするときには、新しく設置する製品の種類・機能を把握しておきましょう。台風の時だけでなく、普段から日よけ・断熱・目隠し効果などで快適に過ごすことを考えて選ぶのがオススメです。
雨戸やシャッターの交換・後付け工事は最短1時間
雨戸やシャッターの取り付け工事は、意外と簡単・お手軽に済ませることができます。施工条件にもよりますが、たとえばもともと雨戸もシャッターも付いていない窓なら、最短1時間ほどで施工可能です。
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このように、窓に合わせて雨戸・シャッター用の枠を取り付けるだけで、簡単に設置できるのです。
ただしベランダが無い2階の窓の場合は、足場の仮設が必要になるケースもあるので注意しましょう。外周全面に組み立てる場合、足場仮設には通常6~8時間かかります。ただこの場合でも、1~2日あれば工事することが可能です。
2階の窓の台風対策も大切
台風対策として雨戸やシャッターを設置する場合は、住居2階にも設置するのがオススメ。2階の窓は、樹木や電信柱が倒れたときの被害や、飛来物による被害が多い場所だからです。
足場仮設が必要になる場合、費用面で迷ってしまいがちですが、住宅や家族の安全を第一に考えるなら必須の対策と言えるでしょう。
雨戸・シャッターを取り付けできないケースは?
以下の条件だと、雨戸の取り付け自体ができないこともあります。
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出窓や掃き出し窓のように、特殊な形状の場所には設置が難しいケースもあります。ただし絶対に取り付け不可能というわけではないので、業者に確認してもらうのが手っ取り早いでしょう。
賃貸に住んでいる場合は、「雨戸が開かない」「雨戸が破損した」という実害が出ない限り、リフォームが難しいでしょう。
窓の付いているすぐそばに換気口などの突起があると、設置に必要なスペースが確保できない場合があります。
シャッターの場合は上部に収納スペースがあるので、窓の上方向のスペースも重要です。ただこの場合、オプションで下地専用の枠を追加設置すると解決できることもあります。
雨戸・シャッターを交換するときの選び方は?
新しい雨戸・シャッターに交換するなら、普段からの使い方もイメージしておくと、ベストな選択をできます。おもに、以下のような機能・メリットがあります。
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雨戸を設置していることで、防犯対策につながります。窓ガラスを破られにくくなるからです。
また近年は可動式のルーバー(羽板)がついている雨戸・シャッターが主流になりつつあります。窓を全開にしていても室内がのぞきにくくなり、また日差しをよけながら風を通すことも可能です。
地域の気候や、自宅の条件にあわせて雨戸やシャッターを選びましょう。以下の記事でも、詳しく雨戸の種類や選び方を紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。
関連記事:雨戸の種類・役割・選び方 | ミツモア |
基本的にはシャッターがおすすめ
雨戸を交換・後付けするなら、基本的にはシャッターを選ぶのがオススメです。従来の雨戸より頑丈で、収納スペースも幅を取らないので外観がスッキリします。
防犯性や防火性にも優れているので、長期的にみて家の安全を守るのに役立ちます。またルーバー付きの製品もあるので、夏の暑さ対策に風通しを取り入れることも可能です。
電動シャッターを選べば、なお便利です。家のシャッター全体を一括管理することができ、窓を開けなくても遠隔操作で開閉できます。
シャッターは基本的に金属製ですが、金属素材の種類も把握しておきましょう。価格が高い順に「ステンレス製>アルミ製>スチール製」の3種類があります。価格が高い分、アルミやステンレスは腐食しにくく、耐久性が高いのが特徴です。
雨戸を選ぶならルーバー雨戸(エコ雨戸)がおすすめ
シャッターではなく雨戸を選ぶ場合は、ルーバー雨戸がオススメです。
ルーバー雨戸なら、閉めきっていても室内に採光を取り入れることができます。また外から室内を見えにくくする「目隠し効果」も得られるので、快適に過ごすことが可能です。
網戸一体型の製品なら、窓を開けっぱなしにしても、ルーバー雨戸を閉めることで虫除け・日よけをしながら風を通すことができます。自然の風を取り入れられるので、ペットや赤ちゃんがいる家庭でエアコンを過剰に使いたくない場合にも便利。
雨戸は開閉の仕方によって「引き違いタイプ」「折れ戸タイプ」に分けることができます。
引き違いタイプは、左右にスライドさせて開閉する仕様。折れ戸タイプは中央開きで、クローゼットのように折れ曲がりながら開く仕様です。
雨戸リフォームは、複数業者から見積もりを取るのがおすすめ
交換・後付け工事をする場合は、設置条件や新しい雨戸・シャッターの本体価格によって、かなり差が生まれます。
最も安くて5万~7万円前後、高ければ40万円以上になることも。これだけ差が生まれやすいと、どのくらいの価格が適正なのか分かりにくいのです。
そこでオススメなのが、相見積もりを取ること。3社以上の業者に同じ条件で見積もりを出してもらうことで、相場を把握しつつ、条件に合う業者を選ぶことができます。
台風が迫っていて、時間が無い場合は「一括見積もりサイト」を使うのがオススメです。台風シーズンには業者への依頼が混み合うので、なかなか予約を取ることができません。一括見積もりサイトを使えば、対応可能な業者がすぐに分かります。
ミツモアで雨戸リフォームの無料見積もりを依頼できます
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取り付け条件などの質問に答えていくだけなので、手続きがカンタン。料金やサービス内容・口コミを比較できるので、より安く信頼できるリフォーム業者にお願いできます。
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