この記事では、シャッターで台風対策をするときのポイントを解説します。もし壊れてしまったときの対処法や、窓の台風対策についても解説していきます。
台風のときはシャッターをすべき?
シャッターは台風対策に有効です。台風は年々強くなってきています。台風によって窓が割れるとガラスの破片で怪我するリスクがあるほか、室内に入り込んだ突風の影響で屋根が吹き飛んでしまう危険性もあります。台風のときはシャッターをして窓ガラスが割れるのを防ぎましょう。
シャッターを交換する目安は?
開閉するときに大きな音がするシャッターは利用を控えてください。シャッターを巻き上げるスプリングスが劣化していたり、シャッターが歪んでいたりして開かなくなってしまう危険性があります。記事では他の目安についても解説しているので参考にしてください。
台風対策で窓を守ることの重要性
シャッターや雨戸にはいろいろな役割がありますが、なかでも一番重要なのは、やはり台風対策としての側面ではないでしょうか。シャッターや雨戸で台風対策をすることの重要性を把握しておきましょう。
台風の脅威
台風の周辺で強風が吹き荒れる「暴風域」の平均風速は25m/s以上。風速25m/sの風は瓦屋根が飛ばされたり樹木が折れたりするほどの猛烈な勢いがあります。
2020年に発生した台風10号は、最大瞬間風速59.4m/sを記録。これは鉄塔が折れる可能性があるほどの暴風に相当します。
さらに言うと地球温暖化の影響から、昔に比べて強い台風が発生しやすくなっています。今まで以上に万全な台風対策が必要とされているのです。
台風で窓が割れると……
台風で窓が割れると、それ以上の被害につながるケースがあります。
- ガラスの破片が飛散し、ケガをする恐れがある
- 割れた窓から突風が吹き込み、屋根が吹き飛ぶ
台風のときに窓ガラスが割れると、突風が室内を押し上げてしまい、屋根が吹き飛んでしまうことがあります。また、単純にガラスの破片でケガをしてしまうリスクも。
台風で窓が割れる原因となるのは、木の枝、瓦、看板、物干しざお、植木鉢など。これらを防ぐために、シャッターで物理的にガードすることは非常に重要です。
また台風のときには、自宅のベランダに物干しざおや植木鉢を出しっぱなしにしないよう、気をつけましょう。
台風前に確認すべきシャッターの状態
シャッターの状態によってはメンテナンスや修理が必要です。シャッターが次の状態の場合は台風前に対策しましょう。
開閉するときの音がうるさい
シャッターの開け閉め時に「キーキー」「ガラガラ」といった音が鳴ってうるさい場合は、寿命が近いかもしれません。
開け閉めの際に大きな音が鳴るのは、シャッターを巻き上げるスプリングの劣化やシャッターのゆがみが原因です。
台風の強風でシャッターが開かなくなる可能性があるので、使用するのはやめましょう。台風に備えるならすぐにメーカーに相談することをおすすめします。
塗装の剥がれやサビ、内部部品の劣化がある
シャッター表面の劣化にも注意が必要です。塗装の剥がれやサビがある場合、防水機能が落ちることで強度が弱くなってしまいます。
劣化を長いあいだ放置していた場合、台風の強風で壊れてしまう可能性も高いです。
またメンテナンスや掃除をしていないシャッターは、開閉の動作がスムーズではなくなってきます。ガイドレールや内部部品が劣化している可能性があるので、注意しましょう。
耐用年数を過ぎている
シャッターは耐用年数を過ぎると、台風の風圧に耐えられず効果が半減してしまう可能性があります。
使用頻度や環境によりますが、シャッターの耐用年数は一般的に10年程度です。耐用年数を超えて使用すると、急に開かなくなったり、閉まらなくなる場合もあります。
サビや異音、開閉のしにくさなどのサインを見逃さず、早めにメンテナンスやリフォームを検討しましょう。
台風が来る前にできる対策
ここからは、台風が来る前にしておくべき具体的な対策を紹介します。強風によって飛んでしまいそうなものは家の中へ収納し、必要であればシャッターの補強をしておきましょう。
シャッターガードで補強
市販の「シャッターガード」という部材は、大掛かりな工事も必要なく、すぐにシャッターを補強できます。
シャッターガードは、ガレージのシャッターなどに有効です。窓用シャッターや電動シャッターの場合には取り付けることができないので、注意してください。
シャッターの周囲環境を整える
台風の前には、シャッターの周辺環境を整えておきましょう。
強風で飛びやすい植木鉢や物干しざお、ガーデンテーブルやカー用品などは要注意。室内や倉庫へ避難させておきましょう。
シャッターを閉めていることで窓自体は守られますが、シャッターはダメージを受けてしまいます。少なくとも、自宅のモノがシャッター破損の原因にならないように注意しましょう。
専門業者に修理・リフォームを依頼
余裕があれば、専門業者にリフォームを依頼しておくのがオススメです。実はシャッターの交換や後付け工事は、そんなに大がかりなものではありません。
もともと雨戸が付いていなかった場所なら、最短1~2時間でシャッターを取り付けることができます。既存の雨戸を撤去する場合も、長くても1日あれば施工できるでしょう。
シャッターの取り付けにかかる費用は20~40万円ほど。費用は本体価格によって大きく左右されます。すこし高額にも感じますが、設置から10年以上のあいだ家を守ってくれる部材なので、最適なシャッターを選びましょう。
シャッターだけでは不安なとき、台風対策はどうする?
シャッターのだけでは不安な時、台風対策としてどんな手段があるのかを紹介します。
窓を強化ガラスに替える
窓ガラス自体の耐久性を上げる方法です。交換にかかる費用は、1箇所当たり3万~6万円程度が一般的。
雨戸を設置するよりも安く済みます。雨戸を設置できない環境で台風対策をするなら、最も強力な方法といえるでしょう。
窓ガラスに防災フィルムを貼る
厚みのある「防災フィルム」を貼れば、窓が割れた時のガラス飛び散りを防ぐことができます。
また窓が割れにくくなるため、防犯性能を上げるのにも効果的です。UVカット効果が付いた商品もあり、普段使いにも重宝します。
養生テープを貼る
防災フィルムを用意できない場合の応急策として使用したいのが、養生テープを貼る方法。あくまでもガラスの飛び散りを防ぐためであって、窓ガラスの強化にはつながらないのでその点は要注意です。
まずは窓ガラスの枠に沿って、四角にテープを貼ります。そのあと、窓ガラスいっぱいに「米の字」の形でテープを貼れば完成です。
段ボールやアクリル板を使用する
シャッターの修理・交換が間に合わない場合は、段ボールやアクリル板で窓を補強するのもひとつの手です。
窓の外側はアクリル板やベニヤ板で、窓の内側は段ボールで対策しましょう。材料はホームセンターなどで購入可能です。
外壁の種類によってはビス止めできず、窓の外側が補強できない場合もあります。そういった場合は窓の内側に養生テープなどで段ボールを貼り付け、破片が飛び散らないようにしましょう。
台風でシャッターが壊れたときは?
台風のときには、普通の風では飛ばないような重いモノが飛来します。ダメージの度合いによっては、シャッターが壊れてしまうことも。この場合どうすればよいのか紹介します。
まずは火災保険が適用できるか確認
火災保険は、台風や風災による住宅のダメージにも適用できることがあります。そのため、まずは加入している保険会社に問い合わせてみましょう。
ただし「経年劣化を放置したことが原因の故障」とみなされてしまった場合などは、保険の適用外となってしまいます。普段からメンテナンスをしておくことが重要です。
また被害から3年以上経過したあとで申請しても、補償金がおりないという点にも注意しておきましょう。
専門業者へ修理を依頼
台風で壊れたシャッターを修理する場合、専門業者に依頼しましょう。
変形している場合は、素人判断で動かそうとしないのが賢明です。悪化して、完全に開閉できなくなってしまうリスクがあります。
ちなみに「台風のあとに開閉しづらくなった」という程度の不調なら、隙間に入ってしまった砂やホコリなどを掃除するだけで解決できるかもしれません。
賃貸の場合は?
賃貸の場合は、台風でシャッターが壊れたときに費用が発生するのでしょうか?
基本的には、「台風が原因」であれば貸主(大家さん)側が修理してくれるので、自己負担は発生しません。
ただしベランダに放置していた荷物が原因で破損した場合など、借主側に責任があると認められた場合には自己負担になるので注意しましょう。
そのため台風が来るときには、シャッターを閉めるだけでなく、周辺環境を整えておく必要があるのです。
シャッターを後付けするメリット
窓用シャッターの役割は「台風がきたときに雨風や飛来物から窓を守ること」だけではありません。断熱効果や防犯性能などの側面でもメリットがあります。雨戸などが設置されていない場合は、ぜひ後付け工事を検討してみてください。
雨戸と比べたときのメリット・デメリットの違い
まずはシャッターと引き違いタイプの雨戸とを比べて、それぞれのメリット・デメリットを確認してみましょう。
シャッター | 雨戸 |
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雨戸と比較したとき、シャッターのメリット・デメリットをまとめると上記のようになります。
シャッターには電動と手動があります。電動シャッターなら窓を開けなくても室内から開閉できるので、雨に濡れる心配がありません。
雨戸の戸袋のように大きな収納スペースを必要としないので、使わないときもすっきりとした見た目です。
またタイマー式で開閉するタイプや、スマホなどで遠隔できるタイプの製品も。これらの性能を備えていると、自分が旅先にいるときでも不在だと分かりにくく、もし閉め忘れていても後から対処できます。
シャッターのデメリットを挙げるとすれば、本体価格が高いこと。雨戸の取り付けが10万~15万円ほどなのに対し、シャッターの場合は20万~40万円ほどかかります。
断熱・遮光・防音などの効果がある
シャッターが果たす役割は、雨風や台風から窓ガラスを守る、という1点だけではありません。以下のような室内環境を守るのに役立ちます。
- まぶしい太陽光を防ぐ
- 断熱効果で夏は涼しく、冬は暖かく
- 防音効果で、室内の音漏れを防ぐ
窓サッシの隙間は、外気が流れ込む原因のひとつです。シャッターを閉めることで外気が入りにくくなり、室内温度を快適に保つことにつながります。
また冬場には、室内外の気温差で窓に結露ができやすくなります。過剰な水分はカビの原因に。シャッターを閉めることで断熱効果を期待できるので、結露もできにくくなります。
また防音効果もあるので、「音楽を流したいとき」「大き目の音量で映画を見たいとき」など状況に合わせて使用すると有効です。
防犯につながる
警察庁の「住まいる防犯110番」によれば、空き巣の侵入口になる場所第1位は「窓」です。(令和2年のデータ)
そのうち、窓のカギを閉めていないのが原因になっている割合が約50%。次いで約20~30%は、ガラス破りによって侵入されています。
不在の際には窓のシャッターを閉めておくことで、ガラス破りによる被害を防ぐことができます。
ルーバー付きなら、閉めっぱなしでも快適
シャッターのなかには、ルーバー付きの製品があります。ルーバーとは、細長い羽板が平行に並んでいるものをいいます。格子状の隙間が空いているので、採光や通気性に優れているのが特徴です。
このタイプを採用すれば、シャッターを閉めきっていても日光や風が室内まで届きます。また外から部屋が見えにくくなる「目隠し効果」や、子供の落下防止にも役立つでしょう。
そのうえで防犯性も高いままなので、快適かつ機能的な住宅になるはずです。
シャッターを後付けすることが出来るかどうかチェック
台風が来る前にシャッターの後付けを検討する方も多いのではないでしょうか。基本的にはどの住宅でも後付け工事は可能です。
ただ住宅環境などの条件が合わない場合、施工費用が高くなったり、施工できなかったりするケースも。
まずはシャッターの後付けが出来ないケースや、費用が高くなるケースを確認しましょう。
建物が木造・鉄筋コンクリート以外の場合は?
「シャッターを後付けできるのは、木造または鉄筋コンクリートの建物だけ」というふうに紹介されていることがありますが、厳密に言えばこれは正しくありません。
金属サイディングなどは確かに安定しにくい外壁ですが、オプションで下地に枠を取り付けることで、シャッターの後付けが可能になるケースもあります。
ただしリフォーム業者によっても見解が変わりやすい部分であることは確かです。自宅に施工できるかどうか、複数の業者に問い合わせてみるのがオススメです。
出窓など、特殊な形状の場合
出窓の場合、外壁から飛び出ている形状に対応できないので、シャッターの後付けは難しいケースがあります。
また窓が外開きだと干渉してしまい、室内からシャッターを閉めることが出来ません。事前に業者から確認してもらいましょう。
窓のすぐ横に、エアコンダクトや換気口がある場合
シャッターは、窓の上部に収納スペースがあり、巻き取る形で収納します。この部分は厚みがあるため、窓周辺に障害物があると干渉してしまうことに。
よくあるのが、窓のすぐ横にエアコンダクトや換気口が設置されていて、シャッターと干渉してしまうケースです。この場合、後付けするのは難しいでしょう。
窓の上に、スペースが無い場合
窓の上にベランダがある場合なども、シャッターを設置するのに十分なスペースが確保できないことがあります。
この場合、オプションで枠の下地部材を使用すると解決できることもあるので、業者に問い合わせてみましょう。
2階の窓に施工すると、費用は高くなる
2階の窓にシャッターの後付け工事をするとき、足場仮設が必要になるケースがあります。その場合、少なくとも5万~10万円ほどかかってしまうので、費用が高くなります。
ただし、費用が高いからといって放置するのもオススメできません。とくに台風対策という側面から見ると、2階の窓は樹木や電信柱が倒れたり、物が飛んで来たりといった被害が多い場所です。
賃貸の場合
賃貸でシャッターを設置したい場合、自己判断で取り付けをすることはできません。もし大家さんや管理会社に連絡せず、許可を取らないまま施工すると、原状回復のときに思わぬ出費が発生するかもしれません。
「またシャッターが無くても特に問題がない」という判断になった場合には、もし施工する許可が下りたとしても借主の実費になるのが一般的です。
シャッター後付けの費用相場は?
雨戸・シャッター取り付けの費用相場は以下の通りです。
- 手動シャッター:15万~30万円
- 電動シャッター:20万~40万円
上記は施工費用も含めた相場ですが、あくまで「目安」にとどめておきましょう。
というのも実際には「シャッターの本体価格+施工費」で費用が変わるからです。
また下地部材として専用の枠が必要な場合(サイディング外壁の場合や、窓上のスペースが小さい場合など)には、オプション料金もかかります。
2階の窓に施工するなら、ベランダなどの足場がない場合、足場仮設工事も必要です。その場合、少なくとも5万~10万円はかかってしまうのが一般的です。
シャッターの本体価格を左右するのは、サイズと素材
以下のような場合は、シャッターの本体価格が高くなります。
- 窓のサイズが大きい
- ステンレス素材を使っている
まず窓のサイズが大きくなればなるほど、費用も上がります。とくに窓の「幅」は費用に大きく影響するポイントです。
またシャッターの素材には3種類あり、価格が高い順に「ステンレス製>アルミ製>スチール製」となります。
金属製で最も一般的なのは「スチール製」ですが、その分だけ耐久性が劣ります。アルミやステンレスのほうが腐食しにくいので、地域の気候なども考えつつ選びましょう。
後付けに必要な工事は?
シャッターを後付けするとき、基本的には以下の流れで工事が進んでいきます。
- (オプション)下地部材の枠をつける
- 窓の上からシャッター用の枠をつける
- 本体の取り付け
- シャッターが動くためのガイドレールを設置
- 収納ボックスの取り付け
なお工事にかかる時間は、通常1~2時間ほどで済みます。
シャッターの修理・交換を依頼する際の注意点
シャッターの状態を確認し修理・交換が必要だった場合、業者に依頼することになります。依頼する際の注意点をお伝えします。
相見積もりを取る
シャッターの修理・交換を業者に依頼する場合、複数の業者に見積もりを依頼し比較検討する「相見積もり」をしましょう。
シャッター工事は、本体価格や設置条件によって、費用にかなりの差が生まれます。そのため同じ条件でいくつか見積もりをもらわないと、どのくらいが適正価格なのか判断するのが難しいのです。
相見積もりをするときには、3社以上に依頼するのがオススメです。2社だけだと、どちらの方が安いかは分かりますが、適正価格は分かりにくくなります。
「安い方が分かるならそれでいいじゃん」と思うかもしれませんが、相場よりも安く設定しているリフォーム業者は、手抜き工事のリスクもあるのです。
優良業者を見分けるコツ
優良業者を見分けるために重要なのは、施工実績や口コミを確認することです。
気になる業者が見つかったら、その業者のホームページをチェックしてみましょう。写真付きの実績紹介があれば、技術に自信を持っている証拠です。
また口コミを確認することも大切です。口コミは利用者が忌憚(きたん)のない意見を発信しているので、業者の対応も含めた満足度を把握することができます。
そのほか保証内容などもチェックして、信頼できる業者を見つけましょう。
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この記事では、シャッターの台風対策について紹介してきました。
取り付け工事を業者に依頼する際は、3社以上の見積もりを比較するのがオススメです。シャッター取り付けは金額が上下しやすいので、適正価格が判断しづらいのです。
2社までだと金額が適正なのか判断しにくいですが、3社以上の見積もりを比べるとある程度フラットに見ることができます。
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