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防火シャッターには定期的な点検が必要。設置基準と注意点

最終更新日: 2021年05月27日

防火シャッターは火災が起きたときに被害を抑える重要な設備です。2016年の法改正によって点検が義務付けられました。

扉が降りる仕組みや注意点・点検の内容を解説します。火災時に問題なく作動するように、防火設備は万全な状態を保ちましょう。

防火シャッターとは?

消防車

防火シャッターとはどのような役割を持つ設備なのでしょうか?設置することで得られる効果や必要な場所について解説します。店舗シャッターとの違いも把握しておきましょう。

火災時の延焼を防ぐシャッター

防火シャッターとは建物内で火災が発生したときに、火が燃え広がらないように閉じ込める役割を持つ防火設備です。煙感知器と連動して自動で閉鎖されるタイプが多く、炎を遮断するために厚みを持たせています。

店舗シャッターは通常設置される一般的なタイプで、防犯を目的として設置します。防火シャッターと違って火災が起きても自動で閉まる機能はありません。扉が薄く耐火性がないのも大きな違いです。

防火シャッターが必要な場所

防火シャッターをはじめとした防火設備が必要な建物は、地域や建物の広さによって決まっています。

たとえば都市の中心部や駅前の商業施設などは「防火地域」・周辺地域は「準防火地域」とされており、それぞれ法律で定められた防火設備を整える必要があります。

防火シャッターは建築基準法で定められた「防火区間」内のエレベーターや階段などの近くに設置が義務づけられており、炎が広がらないように閉じ込めることを目的とした設備です。

防火区間は一定の間隔ごとに設置する必要があり、数値は建物の素材や面積によって異なります。

参考1:建築基準法 第26条|e-Gov法令検索
参考2:建築基準法施行令 第112条|e-Gov法令検索

防火シャッターの仕組みと注意点

消火栓

防火シャッターは火災時に閉まる構造上、近くにいるときに注意しなければならないポイントがあります。大きな事故につながる恐れもあるため、扉が降りる仕組みと正しい使い方を理解しておきましょう。

防火シャッターの仕組みは2種類

防火シャッターには「自動式」と「手動式」の2種類があります。現在主流となっている自動式は、煙感知器が作動すると自動的に扉が閉まる仕組みです。

停電したときでもシャッターが閉まるように、電気やモーターではなく本体の重みで降りてくるようになっています。

手動式の場合は手動閉鎖装置の非常ボタンを強く押すと、扉が降りてくる仕組みです。煙感知器とは連動していません。

シャッターの下をくぐってはいけない

防火シャッターには「危険防止装置」の取り付けが義務づけられています。下に物があると自動で停止して、物をよけると再び扉が降りるのが特徴です。

過去に防火シャッターに挟まれて命を落とす事故も発生したため、危険防止装置の取り付けが義務付けられました。

しかし装置が設置されていても、トラブルが起きて扉が止まらなかった場合に命を落としかねません。火災が起きたときに扉が降り始めても、慌てて下をくぐるのは危険です。

ほとんどの場合防火シャッターの近くには、閉じた後でも避難できるように非常扉が設置されています。シャッターが動き始めたら非常扉から外へ出るようにしましょう。周辺を探しても見つからないようなら、非常口の案内に沿って避難経路を進みます。

防火シャッターの点検

防火シャッター

防火シャッターは火災が発生したときに、正常に動作しないと意味がありません。管理している建物に設置されている場合は、法律で義務づけられている点検を行って不備がない状態を保ちましょう。

法改正で点検が義務づけられた

火災報知機の定期点検は以前から義務づけられていたものの、防火シャッターは任意の定期点検をするのみでした。

しかし2013年に起きた火災で、防火設備の不備によって大きな被害が発生したのです。設置しなければならない場所に防火設備がなかったり、防火扉が旧式だったりと建築基準法に違反している建物でした。

他にも火災が起きたときに防火シャッターが降りないトラブルが頻発した事態を受けて、2016年6月に建築基準法が改正され点検が必須となったのです。

参考:建築基準法施行令 第12条|e-Gov法令検索

点検でチェックする主なポイント

防火シャッターの周辺に障害物となる物が置いてあると、火事が起きても扉が完全に閉まらず、炎を閉じ込められません。点検では扉の動作を妨げるものがないかチェックします。

ローラーチェーンやワイヤーロープといった駆動部品の損傷も、シャッターがスムーズに動かなくなる原因です。点検業者は各部品に異常がないかを確認します。

ほかには自動式であれば煙探知機との連携や危険防止装置の配線に問題がないか、煙探知機自体が正常に作動するかが点検項目に定められているポイントです。

修理、点検は有資格者が行う

防火設備の点検は誰でも行えるわけではありません。点検を許可されるのは「一級建築士」「二級建築士」「防火設備検査員」のうち、いずれかの資格を持つ人です。

建物の所有者が資格を持っている人に直接点検を依頼するのではなく、一般的には防火設備の点検を請け負っている専門の業者に依頼して定期点検を行います。

チェックが終わった後に必要な報告も、業者に頼むのが一般的です。トラブルが見つかれば修理も同時に頼めます。

防火シャッターを点検して命を守る

青い防火シャッター

防火シャッターは通常のシャッターより耐火性が高く、かなり頑丈に造られているのが特徴です。火災が発生したときに扉が降りると、炎を閉じ込めて被害を最小限に抑えられます。

ただし危険防止装置が取り付けられている自動式のシャッターでも、下をくぐると危険です。作動中に避難したい場合は、近くに設置されている非常扉か非常口から外に出ます。

防火シャッターをはじめとした防火設備は、法律で定期点検が義務づけられています。自分の所有する建物で重大な事故を起こさないためにも、資格を持つ業者に依頼して防火設備に問題がないかチェックしておきましょう。

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