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網入りガラスの熱割れが起きたときの対処法は?原因と今後の対策も

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最終更新日: 2023年10月04日

網入りガラスは通常のガラスよりも熱割れが起きやすいです。

窓ガラスが熱割れしたときは、どう対処したらよいのでしょうか。

熱割れが発生する原因について触れたうえで、実際に熱割れしてしまったときの対処法や熱割れを防ぐための対策について解説します。

網入りガラスは熱割れを起こしやすい

網入りガラスとは、中にワイヤーが入っているガラスのことをいいます。

ワイヤーが斜めに入っていて菱形模様になっているヒシワイヤーと、格子状のクロスワイヤーが一般的です。

ワイヤーによって防火性能が高く、ガラスが破損しても飛散しにくいのが特徴。建築基準法の規定により防火性能が求められる外壁の開口部などでの使用が義務付けられています。

通常の家屋や施設でも、建築基準法における防火地域または準防火地域に該当する地域では開口部に網入りガラスを使わなければなりません。自治体の条例で網入りガラスの設置が義務付けられている地域もあるので、勝手に通常のガラスに交換してしまわないように注意が必要です。

関連記事:網入りガラスとは?特徴やメリット、デメリット、交換費用について|ミツモア

参考:「第2条第6号」「第2条第9号の2のロ」「第61条」建築基準法 | e-Gov法令検索

網入りガラスは熱割れを起こしやすい

熱割れとは、窓ガラスの中心部と周辺部の間に大きな温度差が生まれることによって、窓ガラスが割れてしまう現象です。

網入りガラスは、内部の金属製ワイヤーが熱を吸収しやすいことから、通常のガラスと比べて熱割れする可能性が高くなります。

また熱割れは、窓ガラス内での温度差が大きくなる冬の晴れた朝に起こりやすいです。

熱割れしたガラスは、ヒビの入り方で見分けられます。熱割れで発生したヒビはガラスの端に対して直角に入っています。

そこから蛇行するようにヒビが広がり、より大きな温度差によって割れた場合はヒビが複数に分岐していることが特徴です。

網入りガラスの熱割れが起きる3つの原因

熱割れを起こした網ガラス
(画像提供:PIXTA)

熱割れが起きてしまう原因を知れば、再発防止に役立てることができますよね。

すでに熱割れを起こしてしまっているのであれば、原因の候補の中に当てはまるものがないか確認してみましょう。

原因①:温度の上昇と温度差

陽が良く当たる窓ガラス。中心部には直射日光が当たるため温度が高くなる一方、周辺部分はひさしやサッシに遮られて日陰になるため温度が低いままです。

ガラスの一部だけ温度が上昇して温度差が大きくなると、熱割れが起きやすくなります

天窓には遮る物がなく直射日光が当たるため、熱割れする可能性がさらに高いです。

窓ガラスの中心部と周辺部の温度差に限らず、窓の近くに洗濯物や家具があると日陰が生まれて、日の当たる部分との温度差が発生します。窓付近でドライヤーを使用したり、室外機やエアコンの風が窓ガラスに当たっていたりする場合も危険です。

原因②:水分や塩分の付着

結露した窓ガラスを放置すると、網入りガラスが熱割れする危険性が高まります。窓ガラスに水分が付着すると、ワイヤーがむき出しの場合はワイヤーが錆びてしまい、ガラス自体の耐久力が弱くなってしまいます

海沿いの地域では塩害にも注意が必要です。塩化ナトリウムがガラス面に付着すると、窓ガラスが白く濁ってしまいます。大気中の酸性成分がガラスのアルカリ性成分と反応して溶けることで起きる現象です。

塩害によって白濁した場合もガラスが劣化してしまい、熱割れのリスクが高くなるので、こまめな掃除とメンテナンスが重要です。

原因③:ガラスやゴムパッキンの経年劣化

窓ガラスは風や雨にあおられることで劣化していきます。窓ガラスの寿命は20〜30年といわれており、10年以上経つと耐久力が弱くなってしまいます。

窓ガラス本体だけでなく、ガラスとサッシをつなぐグレージングチャンネルというゴムパッキンの劣化にも注意が必要です。通常はグレージングチャンネルがガラスの歪みを吸収してくれますが、経年劣化が進むと弾力性がなくなり簡単に熱割れしてしまいます。

窓ガラスの設置から年数が経っている場合は、窓ガラスとグレージングチャンネルの交換を検討してみましょう。

熱割れが起きたときの応急処置

ビニールテープを使用する女性

熱割れが起きて窓ガラスにヒビが入ってしまったら、すぐに応急処置を施すことが大切です。

窓ガラスの交換をすぐできない場合でも、簡単な補修を施すことで破損の悪化を防げます。

テープやコーキング剤で補修

窓ガラスの破損がヒビ割れ程度であれば、ガムテープで内側と外側を補修しましょう。割れたガラスはもろくなっているため、テープを貼るときには力をかけすぎないよう注意が必要です。ガムテープは水に弱いため、布テープや養生テープ、ガラス用の補修テープの方がより好ましいです。

ほかにもガラスのコーキング剤やリペアキットを使う方法があります。応急処置は早い方がいいため、わざわざ買いに行く必要はありません。一番早く対処できる方法で対応しましょう。

放置するのは危険

割れてしまった窓ガラスをそのまま放置するのは非常に危険です。小さなヒビにも雨水が入り込み、ガラスの強度がどんどん弱くなっていきます。

ヒビの入っている箇所だけでなく、ヒビから離れた部分の強度も弱まっているため、簡単に割れやすくなっています。小さな衝撃や圧力でもガラスが割れてケガをしてしまうリスクが高いため、注意が必要です。

窓ガラスが割れている家は空き巣に狙われやすくなります。ヒビ割れた箇所からバールやドライバーを使って簡単に侵入されてしまいます。周辺地域の治安にも悪い影響を与えてしまうので、早急に対処することが大切です。

あくまで応急処置は一時的なものなので、早めにガラスの交換をしましょう。

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熱割れしたガラスの交換とかかる費用

窓ガラスが熱割れを起こしてしまった場合、どうやって新しい窓ガラスと交換するのでしょうか。

交換にかかる費用と、その費用を負担する責任は誰にあるのか解説します。

交換費用は誰が負担する?

窓ガラスの熱割れは、経年劣化によって自然に割れたケースに当てはまります。

借家人(入居者)が故意や過失によって割ったものではないため、交換費用を負担するのは貸主です。

賃貸住宅に住んでいる場合は、自分で勝手に窓ガラスの交換を業者に依頼する必要はありません。

貸主または管理会社に熱割れで窓ガラスが割れた旨を連絡して、業者を呼んでもらうようお願いしましょう。

火災保険が適用されることも

火災保険に加入していれば、建物や家財を対象として、不足かつ突発的な事故による損害が発生したときに保険金を受け取れます。プランやオプションによっては、過失によって起きた損害にも適用可能です。

窓ガラスの熱割れは不足かつ突発的な事故に該当するように感じますが、実は保険会社やプランによって適用の可否が異なります。熱割れは徐々に温度差が広がって起きる現象なので、予測できると判断され適用外になるケースがあります。熱割れが保険の適用内かどうか、事前に確認しておくことが大切です。

熱割れが火災保険の適用範囲だとしても、免責金額よりも交換費用が安いと保険金を受け取れません。免責金額とは保険会社が保険金を払う必要のない金額です。契約の内容をしっかりと確認して、免責金額がいくらに設定されているか確認しておきましょう。

網入りガラスの交換費用

網入りガラスの交換費用はタイプによって異なります。

高さ・幅が90㎝のガラスの交換費用相場 新しいガラスの本体価格
通常の透明な網入りガラス 10,500〜20,000円
半透明の型板ガラス 5,000円〜20,000円
複層のペアガラス 25,000〜40,000円
窓ガラス本体に加えてかかる費用 費用相場
交換作業費 10,000〜20,000円
サッシの交換(必要な場合) 20,000~50,000円

ほかにも出張費や駐車場代、廃材処分費などもかかり、網入りガラスを交換するのに合計で50,000〜100,000円ほどかかるのが一般的です。

ミツモアなら簡単な質問にいくつか答えるだけで、複数の業者の相見積もりができます。気になる業者とはチャットで事前に詳細を確認できるので安心です。

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網入りガラスの熱割れを防ぐ3つの対策

サッシ 中庭 ペアガラス

網入りガラスは熱割れが起きやすいですが、事前に対策を施すことで発生する可能性を抑えられます。

網入りガラスを使用している家庭や施設は、できる範囲で次に紹介する3つの対策を施してみましょう。

対策①:窓ガラスの近くに物を置かない

窓ガラスの近くに家具を置かないことが大切です。

窓ガラスの近くに物があると、太陽の熱を吸収して窓ガラスに熱がこもりやすくなります。色の濃い物だと、より熱を集めやすくなります。

服を窓際にかけるのもやめましょう。日光に当てることで洗濯物が乾きやすくなりますが、網入りガラスの場合は窓ガラス内での温度差を生み出してしまいます。

カーテンやブラインドにも注意が必要です。

カーテンが窓ガラスに触れていると、部分的に過熱されてしまい温度差が大きくなってしまいます。特に遮光カーテンは熱を溜め込みやすいため、交換するか熱がこもらないように工夫を施しましょう。

対策②:冷暖房や室外機の風が当たらないようにする

冷暖房の風が窓ガラスに直接当たると、網入りガラスが熱割れする危険性が高くなります。

エアコンの位置を変えることは難しいため、風向を調節して風が直接当たらないようにしましょう扇風機やストーブが窓際にある場合も、位置や風向の調整が大切です。

室内からの熱や冷風だけでなく、屋外の室外機から出る熱風にも注意が必要です。

スペースが十分にないベランダでは、室外機が横向きに設置されているケースがあります。室外機から出る熱風は高温なため、少しでも窓ガラスから離して風が当たらないように工夫しましょう。

対策③:断熱シートを貼らない

網入りガラスに断熱シートを貼ると、ガラスに熱がこもってしまいます。

色付きのシートは熱が溜まりやすく、結露防止シートや遮熱防止シート、飛散防止シートも同様です

結露した窓ガラスをこまめに拭く手間がかかりますが、熱割れを防止するためにシートを網入りガラスに貼るのは控えましょう。

どうしてもシートを貼る必要がある場合は、網入りガラスに対応しているシートを選びましょう。

網入りガラスの熱割れに気をつけよう

人差し指を立てる女性
(画像提供:PIXTA)

網入りガラスはワイヤーが入っていることで、防火性能が高く破片も飛散しにくいです。一方で熱を溜め込みやすく、ガラス内の温度差によって熱割れが発生しやすいです。

網入りガラスが熱割れしてしまったら、すぐに応急処置を施してガラスを交換しましょう。網入りガラスのある建物では、原因を把握して適切な対策を練ることが大切です。

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