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ベランダ・バルコニー防水工事は種類によってどう違う?それぞれメリット・デメリットや補修時期、費用相場など徹底解説!

最終更新日: 2022年02月26日

この記事ではベランダやバルコニー防水工事について、工法の種類や費用相場、それぞれのメリット・デメリット、メンテナンス方法などについて解説していきます。

ベランダ・バルコニー防水工事の種類

ベランダ 防水層

ベランダやバルコニーの床は、上の画像のような構造になっています。

床の下地部分にはコンクリートなどが使われていることが多く、その上に防水層を形成して、最後に防水層を保護するトップコートをコーティング

ベランダやバルコニーの防水層には、「塗膜防水」が多用され、とくにFRP防水が広く普及しています。

防水工事(防水層をつくる工事)の種類を表にまとめると以下。

耐用年数 施工単価
FRP防水 10~12年 4,000~8,000円/㎡
ウレタン防水 10~12年 3,000~7,500円/㎡
シート防水(塩ビ) 10~15年 3,500~7,500円/㎡
シート防水(ゴム) 10~15年 2,500~7,000円/㎡

※トップコート塗装も含んだ料金

防水工事には、防水層の施工に加えて高圧洗浄、下地補修、ドレン(排水溝)の設置などが必要です。

また人件費などの諸経費もかかるため、平均的な4~10㎡程度のベランダでは、防水工事全体で4~10万円程度を想定しておくとよいでしょう。

ここからは、それぞれの防水工事の特徴や、メリット・デメリットを紹介していきます。

※広いバルコニーや屋上に施工する場合は、屋上防水の工法を参考にしたほうがいいかもしれません。以下の記事もあわせて読むことで、建物により適した防水工事を選ぶ参考にしてみてください。

関連記事:屋上防水の種類・施工方法ごとに、費用や耐用年数を解説 | ミツモア

FRP防水の特徴、メリット・デメリット

ベランダ FRP防水

ベランダの防水工事では、FRP防水が主流です。下地を整えて接着剤(プライマー)を塗ったうえで、ガラスマットで補強しながら防水塗料を流し込んでいきます。

「FRP」とは繊維強化プラスチックのことを指し、軽量でありながら耐久性が高いのがおもな特徴です。

メリット デメリット
  • 軽量のため負荷が少ない
  • 強度が優れている
  • 摩耗に強く、剥がれにくい
  • 塗りムラができにくく、均一な仕上がり
  • 速乾なので工期が短い
  • 紫外線に弱い
  • 伸縮性がなく、ひび割れしやすい
  • 広いベランダに向いていない
  • 鉄の下地に施工できない
  • 特有の臭いがする

基本的には「摩耗しにくいため、洗濯物を干すときの移動などに強い」、「塗装後1~2時間で乾くので、工期が短い」などのメリットが挙げられます。

一方でプラスチック素材であるために「長時間にわたって紫外線をあびると劣化しやすい」「伸縮性がないので地震などの衝撃に弱い、広いベランダに向いていない」などのデメリットも。

しかし一般的な家庭のベランダであれば、広さの条件もクリアすることが多く、機能面でもメリットが多いためおすすめです。

関連記事:FRP防水はベランダに最適?メリット・デメリットを解説 | ミツモア

ウレタン防水の特徴、メリット・デメリット

ウレタン防水 屋上防水

「ウレタン防水」は、FRP防水と並んでベランダ・バルコニーの防水工事でよく施工されます。

FRP防水との違いは塗膜に「ウレタン」を用いることです。硬いFRPとは違い、弾性に優れています。

メリット デメリット
  • 狭い場所や、複雑な形状に対応できる
  • どんな下地でも施工可能
  • 廃材が出ない
  • FRP防水よりも安価
  • 塗りムラができやすく、均一にするのが難しい
  • 乾くのが遅く、工期が長め
  • FRP防水よりも耐久性が低い

ウレタン防水の施工は、手作業で行います。そのため塗装の技術力によって差が生まれやすく、色ムラが出やすいことがデメリットです。

一方で廃材が出ないうえ、塗料の単価も安いのでコストは抑えられます。室外機が設置されたりしている複雑な形状に対応可能なのも、大きなメリットです。

関連記事:ウレタン防水の基礎知識まとめ | ミツモア

シート防水工法の特徴、メリット・デメリット

屋上防水 シート防水

「シート防水工法」は、その名のとおりシートを張って防水層を形成する工法です。

塩化ビニルシートやゴムシートがよく使われますが、「塩ビシートは紫外線に強くゴムシートは弱い」「ゴムシートは鳥のいたずらなどで破れやすい」など、素材によっても違いがあります。

メリット デメリット
  • 耐久性が高い
  • 広いベランダに向いている
  • シートを被せるため、リフォームの時にはコストが低い
  • 下地の状態によって影響を受ける
  • 複雑な形状に対応できない
  • 一般的な4~10㎡のベランダには向いていない

既存のベランダ・バルコニーの上からシートを被せる工法なので、リフォームの際には施工しやすく、コストが抑えられます。

また同じく既製品のシートを敷いていく工法なので、広さが十分に確保できないベランダでは不向きです。

約30㎡以上の広いベランダであれば、FRPやウレタンなどの塗膜防水よりも耐久性が強いというメリットを活かすことができます。

関連記事:シート防水の特徴は?他の防水と比較したメリット・デメリットなど | ミツモア

こんな時にはベランダ・バルコニーの補修が必要!

汚れが溜まったベランダの排水溝

ベランダやバルコニーは、定期的なメンテナンスをすることで適正な寿命まで長持ちさせることが出来ます。

防水層の種類や立地条件(天気の影響を受けやすい地域など)にもよりますが、5年に1回のトップコート塗装、10~15年に1回の防水工事がメンテナンス時期の目安です。

しかし時期にかかわらず、劣化がみられたときには補修する必要があります。放置することで内部まで腐食したり、雨漏りしたりという深刻化の恐れがあるためです。

大まかに種類分けをすると、トップコートのみ劣化しているときには塗装で対応、防水層まで進行している場合は防水工事、というメンテナンスが必要です。

関連記事:トップコート塗装とは? | ミツモア

ひび割れ

ベランダ ひび割れ

ベランダやバルコニーの床面にひび割れが生じることがあります。

ひび割れがある時点で防水機能や耐久性は下がっており、放っておくと防水層が劣化して、最悪の場合は雨漏りにつながります。

トップコート(表面部分)だけの浅く細いひび割れであれば塗装だけで対応できますが、防水層から割れている場合は防水工事が必要です。

関連記事:ベランダのひび割れ原因と補修方法を解説!費用相場や長持ちさせるためのメンテナンスも | ミツモア

ふくれ、剥がれ

ベランダ 剥がれ

ベランダの床面トップコートが剥がれていたり、水膨れのような症状がないかも要チェックです。

塗膜は防水層を保護するためのコーティングなので、これが剥がれることで雨水などが防水層に到達し、劣化が早まってしまいます。

すでに防水層から剥がれているときは、防水工事が必要となる可能性が高いです。

また「ふくれ」が出来ている場合には、すでに防水層に水分が入り込んでいる証拠。

ふくれた部分からさらに塗膜の剥がれが起こるため、早めに対処しておきましょう。

水たまり

雨降り ベランダ 水たまり

ベランダやバルコニーの床面に水たまりができていたら要注意です。

経年劣化や塗りムラによる歪み、また排水溝(ドレン)まで水が流れないような角度(勾配)によって起こります。

水がたまることでトップコート塗膜の劣化が早まり、すでにひび割れなどがある場合は雨漏りにも繋がりかねません。

またつまりが原因という可能性もあるので、3か月に1回くらいのペースで定期的に排水溝(ドレン)回りを清掃しておくようにしましょう。

植物やカビ、コケが発生している

ベランダ 排水溝 コケ

とくに手すり付近では日当たりが悪いため、湿気がたまるとカビ・コケが発生してしまうことがあります。

見栄えが悪いだけでなく衛生面でも良くない状態なので、対処が必要です。

また排水溝(ドレン)回りなどで植物が生えてしまうケースもあります。植物を引っこ抜くだけで済めばよいですが、根が下部まで到達していると、下地から補修することに。

軒下の雨染み、雨漏り

雨漏り

ひび割れや剥がれを放置しておくと、防水層が破壊されて隙間から水が染み、雨漏りにつながってしまいます。

軒になっているベランダを下から見たときに雨染みができていたら、すぐに対処しましょう。

壁をつたって落ちていく水滴は外壁の劣化も促してしまいます。

また建物内部に侵入してしまうケースも多く、天井からの雨漏りにつながることも。

その場合は柱などの木材だけでなく、鉄の建材の腐食を起こしてしまうこともあり、ベランダだけでなく大規模なリフォームが必要になります。

ベランダ・バルコニーのメンテナンス方法、費用相場

屋上防水 塗装

トップコート塗装

劣化症状の進行度合いが比較的軽いときには、トップコートを塗り替えるだけで対処できます。

使う塗料の種類によって多少の前後はありますが、以下が相場の目安です。

単価相場
FRP防水 1,700~2,200円/㎡
ウレタン防水 1,600~1,700円/㎡
シート防水 900~1,500円/㎡

高圧洗浄や人件費なども含めると、一般的な広さの4~10㎡のベランダ・バルコニーではおおよそ3~5万円程度を想定しておきましょう。

下地の補修が必要になる場合は、8~10万円以上かかることも。

5年に1回くらいの定期的な塗り替えをしておくと、防水層の寿命を適正な期間まで延ばすことができます。

防水工事

トップコートだけではなく防水層まで劣化が進行しているときには、再度、防水層を形成するための工事が必要です。

施工単価
FRP防水 4,000~8,000円/㎡
ウレタン防水 3,000~7,500円/㎡
シート防水(塩ビ) 3,500~7,500円/㎡
シート防水(ゴム) 2,500~7,000円/㎡

それぞれ工法ごとの単価相場は上記です。ここに高圧洗浄や下地の補修、廃材処理、人件費などが加わります。

一般的な広さの4~10㎡のベランダ・バルコニーではおおよそ5~10万円前後だと考えておくとよいでしょう。

また防水層の寿命が来た時にも防水工事をします。FRPやウレタンなら10年くらい、シート防水なら15年くらいで工事するのが一般的です。

費用を抑えるコツ

ベランダ・バルコニーだけでなく、屋上や外壁の具合も点検してもらうとよいでしょう。

もし問題が発覚したら、他の場所も一緒に施工を依頼することで、ひとつひとつの工事が割安になることがあります。

また大手リフォーム会社ではなく、自社で工事を行う業者に依頼すると費用が安くなることがあります。大手では下請け会社に発注することが多く、その場合は仲介料(中間マージン)の分が料金に上乗せされるのです。

もし防水工事に足場仮設が必要だと言われたら、外壁塗装も一緒に検討してみるのもオススメ。足場の仮設費用は高額で、およそ10~20万円が相場です。せっかく足場を立てるなら、外壁を塗装することで足場代を浮かすことができます。

関連記事:外壁塗装の「足場」費用、単価や相場は? | ミツモア

ベランダ防水の業者を選ぶポイント

防水工事の専門業者に依頼しよう

イケメン

外壁塗装会社ではなく、防水工事の専門業者に依頼しましょう。

同じ「塗装」とはいっても、必要な知識・技術ともにまったく異なる分野です。

もし外壁塗装とベランダ・バルコニーの防水を併せて施工したいときには、業者に依頼するときに、「防水工事の専門家」を呼んでもらうようお願いしてみましょう。

3社以上から相見積もりを取る

頻繁に依頼するわけではない防水工事は、費用が妥当なのか分かりにくいものです。

適正な価格で安心して発注するために、3社以上から相見積もりを取ることをおすすめします。

そうすることで各業者からもらった内容を確認し、工程表や施工単価、合計金額を比較できるのです。

また見積もりを作成する際には、現地調査を行ってベランダやバルコニーの状態をしっかりとチェックしてくれる業者を選ぶとよいでしょう。

より丁寧な業者であれば、不具合のある場所を画像に撮り、きちんと状況を説明してくれます。

ミツモアで防水工事の無料見積もりを依頼できます

ベランダやバルコニーの防水工事について、工法の種類やそれぞれの特徴、またメンテナンス時期や費用相場などを紹介してきました。

雨風や紫外線の影響を受けやすいベランダにとって、防水工事が果たす役割は重大です。劣化による雨漏りなど、深刻な欠陥を生まないためにも定期的なメンテナンスを心がけましょう。

ミツモアなら簡単な質問に答えるだけで、防水工事の専門業者に見積もりの依頼ができます。

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