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トップコート塗装とは?外壁・防水層それぞれの劣化サインや塗り替え時期など解説

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最終更新日: 2024年06月28日

「トップコート」とは外壁や屋根、ベランダなど、建材の最も外側となる表面を守る塗膜のことです。

使用する塗料によって効果や耐久性が異なります。

ちなみにプラモデルの仕上げなどでも、透明な「クリヤー塗装」を使うことをトップコートと呼ぶそう。

この記事では、トップコート塗装の基本的な役割を紹介しつつ、塗料の種類・選び方や塗り替え時期、費用相場などを解説していきます。

トップコート塗装とは?

トップコート塗装

トップコートとは外壁や屋根、ベランダなどを守る塗膜を指します。「表面仕上げコート材」や「オーバーコート」と呼ばれることも。

外壁の場合は、下塗り・中塗り・上塗りと3回に分けた塗装工程のうち、中塗りと上塗りに施す仕上げ塗装のことを指します。

また屋根・ベランダなどの場合は、屋上防水(防水層)の上から塗布し、塗膜によって防水層の劣化を防ぐ役割です。

塗料の種類によっては、ツヤ出しだけでなく遮熱効果なども期待できます。

外壁塗装の仕上げをするトップコート塗装

外壁

外壁塗装は、洗浄や下地処理などを行ったうえで下塗り・中塗り・上塗りの3回に分けて塗料を塗っていきます。

下塗りにはシーラーなどの専用塗料を使い、中塗りと上塗りは同じ仕上げ塗料を使って完成です。

このとき中塗りと上塗りに施工する塗料・塗装をトップコートといいます。

耐用年数はもちろんのこと、遮熱性や防水性などの性能と、費用対効果とを比較検討して塗料を選ぶとよいでしょう。

屋根・ベランダの防水層を守るトップコート塗装

アスファルト防水された屋上

とくに屋上などの陸屋根やベランダなどにおいて、トップコート塗装は「防水層」を守る役割があります。

防水層とは文字通り、屋上防水工事によって作られる、建物内部への浸水を防ぐための層です。

ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水と、防水層の種類はおもにこの3つがありますが、それぞれに適した素材のトップコート塗装を施します。

防水機能そのものは防水層が果たしますが、表面をトップコートで守ることで紫外線などにのダメージを防ぎ、劣化の進行を防いでくれるのです。

参考:屋上防水の種類・施工方法ごとに、費用や耐用年数を解説!どれがコストパフォーマンスいいの?

トップコート塗料の種類・効果

筆と絵具

トップコート塗装に用いられる塗料にはおもにアクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系、などの種類があります。

特徴 耐用年数
アクリル系
  • 色が豊富
  • コストが低い
  • 紫外線に弱い
5~8年
ウレタン系
  • 弾性に優れている
  • 紫外線に弱い
5~10年
シリコン系
  • 耐水性、耐熱性に優れている
  • コストは少し高め
  • 耐用年数が長い
10~15年
フッ素系
  • 耐久性が高い
  • 防カビ効果がある
  • コストが高い
  • 耐用年数が長い
15~20年

基本的な特徴、耐用年数の目安は上記の通り。

性能や耐用年数が優れているほど単価は高くなっていきますが、紫外線や雨風の影響から家を守るために、遮熱性や防水性の高い塗料を選びましょう。

一般的によく使用されるのはシリコン系の塗料。耐久性と費用のバランスがよく、コストパフォーマンスに優れているのです。

少し値は張りますがフッ素系の塗料もよく使われます。汚れにくく耐用年数も長いため、トップコートをできるだけ長持ちさせたい方にはおすすめ。

また外壁材や防水層の種類、地域の気候などによって、適している塗料とそうでない塗料があるので注意が必要です。

【耐久年数の考え方】

「耐久年数」はメーカーが人口の太陽光などを使用してテストし、その結果から塗料が耐えられる最大値を発表しているものです。

とくに塩害が多い沿岸部や、凍害が多い寒冷地帯などでは、通常よりも寿命が短くなりやすいもの。「絶対にこのくらい長持ちする」という値ではないので注意しましょう。

トップコート塗装の劣化サイン・塗り替え時期は?

外壁塗装 劣化

トップコート塗装の劣化サイン

トップコートに以下のような症状が確認されたら、塗り替えのサインです。

チョーキング 表面に粉が吹く現象のこと
塗膜の剥がれ 剥がれた部分から浸水する恐れ
塗膜の色あせ 紫外線による劣化
カビやコケの発生 雨や湿気による劣化

外壁や屋根、ベランダなどに紫外線や雨などのダメージが蓄積されると、このような症状として表れます。

外壁と屋根、それぞれトップコートのメンテナンス時期は?

外壁の場合、塗り替え時期の目安は塗料の耐用年数と同程度の8~15年程度です。

ただしトップコートの劣化サイン以外にも、クラック(ひび割れ)やシーリングの劣化などが起こった場合、「まだ大丈夫」と放っておかずに対処しましょう。

屋根やベランダの防水層の場合、外壁よりも短いスパンで塗り替える必要があります

たとえばウレタン防水層は紫外線に弱いため、トップコートは3~5年程度で塗り替え時期に。

シート防水層、アスファルト防水層の場合は、5年前後で塗り替えします。

トップコート塗装のDIYは可能?施工方法は?

塗装 diy

DIYでトップコート塗装できる?

屋根の防水工事は知識と技術が必要なため素人には難しく、プロに任せることが望ましいと言えます。

一方でトップコート塗装だけならば、防水工事ほど難易度は高くありません。

トップコート塗装の手順

  1. 清掃・洗浄、下地の補修
  2. (外壁の場合)養生
  3. (外壁の場合)シーラーなどで下塗り
  4. 中塗り・上塗り(トップコート)

まずは塗装の対象部分を清掃・洗浄しましょう。カビなどの汚れが付いたまま塗装すると、剥がれなどの劣化が早まります。

以下は外壁と屋根とで分けて紹介します。

【外壁のトップコート塗装】

外壁の場合、もしひび割れなどがある場合はシーリング剤などで補修します。次に塗装する部分以外を養生します。

これらの準備が整ったら、ハケなどを使ってシーラーを下塗りしていきましょう。

最後に、中塗り・上塗りの2回にわたってトップコートを塗装したら完了です。

3回に塗り分ける工程は、完全に乾ききったかどうかを必ず確かめたうえで行うことに注意しましょう。

【屋根、屋上などのトップコート塗装】

屋上防水の場合は、清掃の段階でひび割れなどを見つけたら業者に依頼するのがおすすめです。

防水層自体が損傷している時には、いくらトップコートだけを塗装しても意味がありません。

問題なければ、下地の汚れなどを取り払ったうえで、塗装していきましょう。

業者に依頼する場合のポイント

外壁塗装 業者

見積もりの内訳を確認する

提示された見積もりを確認するときには、作業の項目ごとに内訳が明記されているかを確認しましょう。

塗装作業では下地処理、養生、塗装、撤去、廃棄物処理などの工程がありますが、業者によっては「一式」など記載をまとめて済ませている場合もあるのです。

材料に何を使うのか分からず、塗装回数も不明。「見積もりに含まれていないが後から必要になった」と別途費用がかかっても判断ができません。

こうならないよう、3社以上から合い見積もりを取って、記載内容の丁寧さや費用を比較するのがおすすめです。

説明をしっかりしてくれる業者がおすすめ

見積もり作成にあたって現地調査をする際に、細部までしっかりチェックしてくれる業者を選びましょう。

丁寧な業者であれば、劣化が進んでいる箇所や不具合が生じている部分の写真を撮って、修繕の必要性を教えてくれます。

自分が納得したうえで依頼できるかどうかがポイントです。

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