住宅の防水工事を依頼する際に「屋外の防水工事はいくらかかる?」「見積書の金額がバラバラでどの業者を選べばよいか分からない」という悩みを持つ人は少なくありません。


過去1年間で150件以上の見積もりから算出した費用相場や業者選びのコツを知って、後悔のない防水工事を行いましょう。
屋外の防水工事の費用相場
工事内容 | 1㎡あたりの費用相場 | よくある広さ別の費用相場 |
---|---|---|
屋上の防水工事 | 7,800~8,500円 | 10坪あたり257,400円~280,500円 |
ベランダの防水工事 | 7,650~8,500円 | 6坪あたり151,470円~168,300円 |
バルコニーの防水工事 | 8,000~8,500円 | 2畳あたり29,120円~30,940円 |
そのほかの場所の防水工事 | 8,500~9,000円 | 10㎡あたり85,000円~90,000円 |
※ミツモアにおける屋外の防水工事サービスの見積もり価格から算出しています。(2024年1月1日~12月31日)
防水工事の種類
防水工事には複数の内容があります。大きく分けると7種類に分けられます。
防水工事は屋根やベランダ、外壁に行われることが多いです。防水工事を施す場所によって行う工事が異なるのでそれぞれの違いについてあらかじめチェックしておきましょう。
① ウレタン防水
ウレタン防水とは液体状のポリウレタン樹脂を塗りつけて、ゴム状の防水層を作る防水工事の工法です。
耐用年数の目安 | 10年~15年 |
費用相場の目安 | 1㎡あたり3,000円~8,000円 |
※ミツモア調べ(2025年5月時点)
塗膜を作って防水を行う「塗膜防水」と呼ばれるタイプの防水工事です。比較的安価で、複雑な形状の屋上やベランダにも施工しやすいのが特徴です。
デメリットは職人の技術力や天候に施工が左右されやすい点です。
ウレタン防水は下地の状態や求められる防水性能に応じていくつかの工法があります。
- 密着工法
- 通気緩衝工法(絶縁工法)
- メッシュ工法
一般的には密着工法が用いられます。下地に水分が含まれている可能性が高い場合や既存の防水層を撤去できない場合は通気緩衝工法が行われるケースが多いです。
メッシュ工法は密着工法や通気緩衝工法と一緒に行われることが多いです。ひび割れしやすい部分などにメッシュシートを張り付けて防水性能を高める工事を指します。
② シート防水
シート防水とは塩化ビニルや合成ゴム製のシート状の防水材を使って防水層を作る防水工事を指します。
耐用年数の目安 | 10年~20年 |
費用相場の目安 | 1㎡あたり4,000円~8,000円 |
※ミツモア調べ(2025年5月時点)
シート防水は以下の2種類の工法があります。
- 接着工法
- 機械的固定工法
シート防水は工場で製造された均一な厚みのシートを使って防水工事を行うため、安定した品質の防水層を作ることができます。
デメリットは凹凸の多い屋上には施工できない点やシートのジョイント部分の処理の難易度が高く、施工には高い技術力が必要な点です。
③ FRP防水
FRP防水とは強化繊維プラスチック(FRP)を用いた防水工事を指します。FRPを混ぜた防水シートを屋上等に敷き込み、防水膜を作ります。
耐用年数の目安 | 10年~15年 |
費用相場の目安 | 1㎡あたり5,000円~9,000円 |
※ミツモア調べ(2025年5月時点)
軽量で強度があるため、人の行き来が多いベランダなどにも向いている工法です。また硬化が非常に早いので、工期は1日~2日ほどとかなり早いのも特徴です。
ただし、既存の防水層を除去してからでないと施工できないケースが多いので、既存防水層の撤去が発生する場合は費用が加算される点にご注意ください。
④ アスファルト防水
アスファルト防水とは合成繊維不織布などにアスファルトを含浸・コーティングしたシート状の材料を、複数枚積んで層を作り、一体化した防水層を形成する工法です。
耐用年数の目安 | 15年~30年 |
費用相場の目安 | 1㎡あたり5,000円~10,000円 |
※ミツモア調べ(2025年5月時点)
アスファルト防水は4つの工法に分けられます。
- 熱工法
- トーチ工法
- 冷工法(常温工法)
- ストライプ工法
アスファルト防水は防水層が重いため、木造が多い一般的な住宅よりも学校や大規模なビルなどで施工されることが多いです。
⑤ トップコート塗装
トップコート塗装は単体で行われることはなく、ウレタン防水やシート防水など他の防水工事を行った上に行う、防水性能を高めるための塗装です。
耐用年数の目安 | 5年程度 |
費用相場の目安 | 1㎡あたり1,000円~3,000円 |
※ミツモア調べ(2025年5月時点)
塗料の種類によって異なるものの、トップコート塗装の耐久性は5年~7年が目安です。トップコート塗装の劣化のサインは色褪せ、光沢の消失、表面を指でこすると白い粉が付着するチョーキング現象、ひび割れ、剥がれなどが挙げられます。
⑥ シーリング工事
シーリング工事はコーキング工事とも呼ばれます。建物の外壁パネルの継ぎ目や窓枠・サッシと壁の隙間部分などの隙間に伸縮性のあるペースト状のシーリング材を充填して防水性能を高めます。
耐用年数の目安 | 7年前後 |
費用相場の目安 | 1㎡あたり500円~1,500円 |
※ミツモア調べ(2025年5月時点)
シーリング工事を行うことで以下のような効果を得られます。
- 雨水の侵入防止
- 気密性の向上
- 部材の固定補助
- 建材の緩衝材になる
シーリング材は屋上前面に行うような大規模な防水工事には用いられません。隙間を埋める程度の比較的小規模な防水工事で使われるケースが多いです。
⑦ 外壁への塗装防水工事
外壁からの水漏れを防ぐには、壁に防水効果のある塗料を塗布することが一般的です。
耐用年数の目安 | 8年~15年 |
費用相場の目安 | 1㎡あたり2,500円~6,000円 |
※ミツモア調べ(2025年5月時点)
塗料の種類によっても異なりますが、耐用年数の目安は10年前後です。適切なメンテナンスを行えば15年以上防水効果を得られることもありますが、10年を目安に定期的な塗り替えを行うことをおすすめします。
防水工事の業者を選ぶコツ
防水工事は専門的な知識と技術が必要なため、信頼できる業者選びが非常に重要です。ここでは、後悔しないための業者選びのコツを4つご紹介します。
① 3~5社から相見積もりを取る
防水工事を検討するときは必ず複数の業者から見積もりを取り、比較検討しましょう。複数社から見積もりを取ることを「相見積もり」といいます。1社だけの見積もりでは、提示された金額や工事内容が適正かどうか判断できないため、相見積もりを取って見積書の比較・検討を行います。
相見積もりは3~5社を目安に取りましょう。3~5社が適切である理由は以下の通りです。
3~5社から見積もりを取るべき理由
- 見積書の比較・検討がしやすい
- 相場観を確認しやすい
相見積もりを取ることで費用相場を確認できるだけでなく、提案内容の比較や保証の有無など、施工金額だけでは分からない部分の比較もできるようになります。
② 工事費用が安すぎる業者には依頼しない
相見積もりを取った業者の中に、他の業者と比べて極端に安い価格を提示する業者がいるかもしれません。防水工事の費用をなるべく抑えたいと考えた場合は最安値の業者に工事を依頼したくなるでしょう。しかし工事費用が安すぎる業者には注意が必要です。
工事費用が安すぎる業者に依頼するリスク
- 手抜き工事による施工不良が起こる
- 工事の当日になって追加工事や追加料金が発生する
- 施工保証を受けられずトラブルが発生する
工事費用が安すぎる業者に施工を依頼してしまうと、施工不良や高額な追加料金など様々なトラブルが発生する可能性が高いので注意が必要です。
③ 担当者の対応も考慮する
見積もり内容や価格だけでなく、担当者の対応も重要な判断基準の一つです。工事に関する説明やこちらからの質問に対する受け答えを通して、その業者が信頼できるか、誠実さをチェックできます。
担当者の対応でチェックしたい項目をまとめると以下の通りです。
- 説明の分かりやすさ
- 質問への丁寧な回答
- 現地調査の丁寧さ
- 提案力
- 連絡の速さや正確さ
- 人柄や相性
工事期間中はもちろん、工事後も保証などを通じて長い付き合いになる可能性があります。コミュニケーションがスムーズで、信頼できると感じる担当者がいる業者を選ぶことが、安心して工事を任せるための重要なポイントとなります。見積もり依頼や現地調査の際に、担当者の対応を注意深く観察しましょう。
④ 見積もりの内容が明瞭か確認する
防水工事の見積書を受け取ったときは総工費だけでなく、見積もりの内訳もチェックしましょう。「工事一式」といった曖昧な表現が多く、何にどれくらいの費用がかかっているのかが不明瞭な見積書は注意が必要です。信頼できる業者は、工事内容や使用する材料、それぞれの単価などを具体的に記載した透明性の高い見積書を提示します。
見積書でチェックしたい項目リスト
- 工事範囲と内容の詳細
- 使用材料の明記
- 数量と単価
- 各工程の費用
- 諸経費の内訳
- 保証内容と期間
- 工期
質問に対して誠実に、かつ分かりやすく説明してくれるかどうかも、信頼できる業者を見極める重要なポイントです。詳細な説明を避けたり曖昧な回答しか得られなかったりする場合は、その業者との契約は慎重に検討した方が良いでしょう。
防水工事の費用が高くなりやすい3つの理由
防水工事の費用は人件費や材料費など様々な要因で変動します。特に費用が高くなりやすいケースとして、以下の3つの理由が挙げられます。
① 工事をする面積が広い
防水工事を行う面積が広ければ広いほど、費用は高くなります。使用する防水材の量や施工に必要な手間や人件費が増えるためです。防水工事の費用は、一般的に「平米(㎡)単価」で計算されます。
防水工事の費用は一般的に以下の計算式で求められます。
② 下地の補修が必要になる
防水工事を行う際、既存の防水層の下にある下地の状態が悪ければ補修が必要となります。下地とは防水層を支えるコンクリートなどの部分を指します。下地補修を行うと追加費用が発生するため、総工費が高額になります。
下地の劣化が進行している状態で、その上から新しい防水層を施工しても、十分な防水効果が得られなかったり、新しい防水層がすぐに剥がれたりする原因になります。
下地の補修費用は劣化の程度や範囲によって大きく変動します。軽微なひび割れ補修であれば数万円程度で済むこともあります。しかし広範囲にわたる補修や旧防水層の全面撤去が必要な場合は、数十万円以上の費用がかかることもあります。
見積もり時には、下地の状態を業者にしっかり確認してもらいましょう。補修が必要な場合も必要な作業内容とその費用を明確にしてもらうことが重要です。
③ 高所作業が必要
防水工事では外壁の高い場所や屋上など、高所での作業が必要になるケースが多いです。高所作業では安全な作業環境を確保し、質の高い施工を行うために足場を設置するため、足場設置など安全確保に関する経費が高額になりやすいです。
足場の設置と解体には、専門の職人が必要であり、材料費と手間がかかります。一戸建て住宅の場合、足場設置の費用は150,000円~300,000円が目安です。足場の費用は家の大きさや形状・足場の種類・設置期間によって変動します。
防水工事の費用を安くする2つのコツ
コツを知っていれば防水工事の費用を安く抑えることも可能です。防水工事を業者に依頼する前に安くするコツを確認しておきましょう。
① 一括見積もりでお得な業者を選ぶ
防水工事を依頼する業者は一括見積もりサイトを活用して探しましょう。1回の情報入力で複数社からの相見積もりが取れるので、効率よく業者探しができます。
見積書を比較し、工事費用だけでなく保証の有無や保証内容、サービス内容や提案力を確認しましょう。また一括見積もりサイト経由で見積もりを依頼した場合は、業者側もはじめから他社を意識した内容の見積書を提示します。無理に価格交渉をしなくても比較的安価な工事費用で施工をしてもらえます。
一括見積もりサイトを使うときは、有名業者だけでなく地域密着型の地元の業者も多く参加しているサイトを使うことをおすすめします。ミツモアでは地域のリフォーム業者を含む最大5つの事業者からの見積もりが簡単に取得できます。
② 劣化がひどくなる前に補修を行う
防水工事は雨漏りなどの実害が発生してから依頼するケースが多いですが、劣化がひどくなる前に定期的に防水工事を施すことで1回あたりの施工費用を抑えながら施工できます。
特に下地が劣化・破損する前に防水工事を行うことをおすすめします。下地の補修には高額な費用がかかるケースが多いので、まず下地までダメージがいかないようにすることが重要です。
劣化の状態が比較的軽微であれば、簡単な補修や既存の防水層の上から新しい防水層を重ねる「かぶせ工法」などで対応できる場合があります。かぶせ工法は、既存の防水層を撤去する費用や手間がかからないため、費用を抑えることができます。
しかし劣化がひどくなり、下地までダメージが及んでいる場合は、既存の防水層を完全に撤去し、下地から補修する大掛かりな工事が必要となり、費用も工期も大幅に増加してしまいます。
防水工事の口コミ
ベランダを依頼して、見積もり3種作って頂き、遠い所見に来てもらい、全てスピーディーに事が運び感謝です。 祭日を挟みましたが、とても丁寧な仕上がりに、古かったベランダが新品のように仕上がり、価格も見積もりと同じく、塗装の知らない事も教えて頂き全ての面で満足です。 又、何かあった時にはお願いしたいと思っています。 暑い中、ありがとうございました。
築28年戸建て2階のベランダ防水工事をお願いしました。 見積り打合せ(現場確認)にて、工事の必要性を丁寧に説明して頂きました。 もちろん、実際の作業に於いても丁寧にそして効率よく進行して頂きました。 接遇に於いても、佐藤社長の人柄が良く出ており安心した作業依頼になりました。 今後、我が家の経時劣化に於いて、もし不具合が出た場合にも佐藤社長に 相談させて頂きたいと思いました。 どうもお疲れ様でした。
アパートに雨漏りが発生したため足立塗装さんへ工事をお願いしました。 現地調査から工事完了までご丁寧に対応していただきありがとうございます。
一括見積もりで信頼できる防水工事業者を見つけよう
屋根やベランダなど、屋上の防水工事の費用相場は10坪あたり257,400円~280,500円です。施工範囲や使用する防水材などの素材によって総工費は変動します。
防水工事を依頼する業者を見つけるには、一括見積もりサイトを利用しましょう。ミツモアでは簡単な質問に答えるだけで、最大5つの事業者からの見積書が届きます。地域で活躍する工事業者からの見積もりが届くため、安価で質の高い施工が受けられます。