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塗膜防水とは?基本知識と工事を行う上でのポイントを紹介

最終更新日: 2020年11月28日

「ベランダから水漏れするようになってきた」そんなときは防水工事が必要です。塗膜防水は既存の防水層に上塗りでき、複雑な形状の場所にも適用できる点が魅力です。塗膜防水の長所と短所、他工法との比較、メンテナンスまで、知っておきたい情報を紹介します。

塗膜防水とは?

壁面まず初めに塗膜防水とはどんな工法か、基本をおさらいしましょう。

ひとくちに防水工事といっても、施工する場所や予算、用途などで適切な工法は変わります。他工法と比較しながら防水工事全般についても紹介します。

塗料を用いた防水手法

「塗膜防水工法」とは液状塗料を用い、化学反応によりシームレスな防水膜を作る工法です。基本的な使い方は「塗る」作業であり、陸屋根やベランダのほか排水溝周りなど複雑な形状の場所にも施工しやすいとされます。

既に防水層がある場所にも、撤去作業なしで重ね塗りができるため、産業廃棄物の処分コストが不要です。その分の費用を抑えられることもあり、改修の防水工事では主流とされています。

塗膜防水以外の方法もある

防水工事は塗膜防水以外にも選択肢があり、「塩ビシート防水」や「ゴムシート防水」「アスファルト防水」などが一般的です。

塗膜の伸び具合・強度・接着性・作業のしやすさ・耐久性・環境への配慮などは、それぞれの工法で異なります。対象となる場所や予算などを考慮しながら選ぶとよいでしょう。

三つの工法の特徴をそれぞれ詳しく見てみます。

塩ビシートを用いた防水

塩化ビニル樹脂を原料としたシートを貼り合わせていく防水方法です。障害物が少ないビルの屋上や、マンションの共用廊下部分などによく使われます。

面や下地に凹凸があっても均一な仕上がりになるため、人目につく場所への施工にも適します。軽量で持ち運びしやすく、建物にも負担をかけない点がメリットです。

短期間で施工が可能であること、紫外線や熱、オゾンなどへの耐性が強いこと、寿命が15~20年と長く、その間メンテナンスが不要であることも魅力でしょう。

デメリットとしては、工事費用が高めであること、施工には高い技術が必要なうえ業者が少ないこと、においがあることが挙げられます。

ゴムシートを用いた防水

「ゴムシート防水」または「合成ゴム系防水」と呼ばれる、合成ゴムのシートを貼り合わせる工法です。

硫黄が配合された「加硫系ゴム」が主要な資材となります。柔軟性があるので伸縮しやすく、亀裂やひびによく追従し、温度の変化にも強い素材です。一般的な屋上や軽量気泡コンクリートの屋根などに採用されます。

副資材として用いられる「非加硫系ゴム」は、柔軟性が高い、下地になじみやすい、シート同士の接合性が強いことが特徴です。出入隅(でいりすみ)やドレイン回りなど、特殊な形状箇所の増し張りなどに適します。

耐用年数は約12~15年と長持ちしますが、作業過程に不具合がある場合は劣化が早まることもあります。

アスファルトを用いた防水

「改質アスファルトシート防水」もよく用いられる方法です。

一般的にアスファルト防水というと、「アスファルト防水熱工法」が圧倒的に多いのですが、これは主に新築工事向けです。

改質アスファルトシートは合成ゴムやプラスチックなどの合成高分子系材料を混ぜ、従来のアスファルトよりも扱いやすくした資材です。

軽量なので、従来のアスファルト防水と違なり木造建築物にも適用できることも大きなメリットでしょう。

改質アスファルトシートには、トーチ工法・常温工法(冷工法)・BANKS工法の三つの施工法があります。

塗膜防水工法の防水材の種類

防水工事複数ある塗膜防水工法の中から、ここでは代表的な「ウレタン系」「FRP樹脂系」に焦点を当てます。

どちらにも共通する点は、「下地の形状が平面でなくても施工できる」「既にある防水層の上からでも施工が可能」「継ぎ目のない、シームレスな仕上がりになる」ことです。

それぞれ施工に適する場所や用途が変わります。比較しながら見てみましょう。

ウレタン系

ウレタン系防水は、さまざまな防水工事のうち半数近い割合を占めるほどニーズが高い工法です。

施工場所の形状だけでなく面積や材質も問わないうえ、伸縮性・接着性・耐久性・防水性など性能的なバランスがよく汎用性が高いことが理由に挙げられます。

屋根の雨漏り修理のほか、屋上・ベランダ・ビルの改修工事など、さまざまな用途で適用可能です。

施工およびメンテナンスのコストは平均的で、FRPより安価となります。寿命は約10~12年ですが、5~6年ごとにトップコートの再塗装が必要です。

FRP樹脂系

FRPとは「fiberglass reinforced plastics」の略語で、ガラス繊維強化プラスチックを指します。ガラス繊維に不飽和ポリエステル樹脂を染み込ませたもので、軽量で丈夫な点が特徴です。

防水性に優れており、屋根材・船舶・浴槽などに使われるほか、固く衝撃にも強いので人や車の行き来が多い屋上駐車場や工場の床などにも活用されます。

弱点としては、においが強いこと、ウレタン系よりもコスト高であること、リサイクルが難しいことなどが挙げられます。

さらに木造建築と約10平方m以上の広い場所では使用できず、施工場所がやや限られる点もデメリットです。

塗膜防水のメリット

防水工事ここではシート防水・アスファルト防水と比較しつつ、塗膜防水のメリットを紹介します。

他の防水手法に比べて手軽

塗膜防水工法は塗料を刷毛・金ゴテ・ゴムべら・ローラーなどで「塗る」作業であるため、アスファルト防水やシート防水と比べて手軽に施工ができます。

アスファルト防水のように溶接窯・ドラム缶など大きく重い道具も必要なく、現場への移動や資材搬入もスムーズです。

既存の防水層を撤去する必要がなく、上から重ね塗りができる点も大きなメリットといえます。産業廃棄物が発生しないため、処分するためのコストも不要です。

継ぎ目のない仕上がりになる

ウレタン系・FRP樹脂系のいずれにおいても塗ることで防水層を形成するため、シームレスな仕上がりになります。ベランダなど人目につきやすい箇所でも、抵抗なく使えます。

継ぎ目がないため、シート防水で起きがちな「接合部分からの水漏れ」もありません。雨漏りなどのリスクが少なく、高い防水性を維持できるのです。

シート同士を接合するための技術を必要としない点も、塗膜防水工法の利点の一つといえます。

複雑な形状でも対応できる

ベランダや屋上はもちろん、排水溝の回りなど複雑な形状の場所にも対応できることも、塗布防水の優れた点です。

施工場所は、必ずしも平面だったりきれいな四角い形状だったりするわけではありません。シート防水のように「貼る」工法では難しい場所でも、「塗る」工法であれば楽に、仕上がりも美しくできます。

塗膜防水のデメリット

ボロボロな木の壁どんな工法にもメリット・デメリットは存在するもので、塗膜防水も例外ではありません。

塗膜防水は基本的に性能・耐久性・汎用性などバランスが取れた人気の工法ですが、よい面ばかりでなくデメリットについても知っておく必要があるでしょう。

他工法と比較しつつ、2つのポイントにスポットを当てて解説します。

厚みを一定にするのが難しい

塗膜防水は塗料を塗るシンプルな工法であるものの、その分きれいにムラなく塗るための高度な技術が要求される工法です。

厚い防水層を形成する「アスファルト防水」や、既存のシートを使う「シート防水」と比べると、仕上がりが施工者のスキルに大きく左右されます。

一部分だけ防水層が薄いと、そこから劣化が早まり防水がうまく機能しなくなったり耐用年数が短くなったりする恐れがあります。

「塗るだけ」と聞くと簡単に思えますが、厚みを均一に塗る作業は、ある程度の経験・知識を持っていないとやはり難しいかもしれません。

乾燥時間が必要

塗膜防水には、塗る作業のほかに塗料を乾燥させる時間も必要です。

基本的な塗膜防水は、プライマーの上に防水材やトップコートを重ね塗り、層を増やしていきます。各層の塗料が乾燥・硬化するまでにある程度の時間がかかるのです。

FRP樹脂系塗料は速乾性があり1~2日で全作業を完成できますが、ウレタン系の場合は工法により4~5日、長いときには10日ほどかかる場合もあります。

そのうえウレタン系塗料は、作業期間の天候にも左右されがちです。雨に濡れると塗料が凸凹になってしまうため、天気が崩れると予想される場合は工事自体の延期もあり得ます。

塗膜防水は自分でもできる?

刷毛「工事の費用をなるべく抑えたい」「信頼できる業者を探すのが大変」「DIYが趣味で、自分でやりたい」などの理由から、塗膜防水をDIYしたい人もいるかもしれません。

DIYの場合と業者に頼む場合について、それぞれのメリットをまとめました。

一部分ならDIYも可能

色あせやはがれなどで一部分だけ修繕する場合には、セルフによる工事も一つの手です。トップコートのみの塗り替えも、それほど難易度は高くなくDIYが可能でしょう。

DIYは人件費を抑えられ、材料費のみのコストで済みます。他人が家に出入りすることもありません。

どの業者がよいか、工費はいくらかといったリサーチも不要です。いざ依頼したものの、過大な費用を請求されたりずさんな工事だったりといったリスクも避けられます。

DIYを成功させるコツは「塗料の選び方」です。DIY仕様の商品を選ぶことで、プロ仕様よりグレードは落ちても、作業が容易となり失敗のリスクを軽減できるでしょう。

広範囲で行うなら専門業者を

施工面積が広範囲だったり、DIYでは不安だったりする場合は、やはりプロに依頼する方が無難です。

塗膜防水には、均一な厚みに仕上げるための高い技術が求められます。知識・経験ともに豊富な職人が施工することで、ムラがなく機能的にも外観的にも質の高い仕上がりにできます。

いくら人件費を節約しても、DIYで失敗してやり直すようでは本末転倒です。

そのうえ道具類を一から揃えるとなると、ローラーや刷毛以外にマスキングテープ・養生シート・サンドペーパーなども必要となり、かえって高つくことにもなりかねません。

しっかりしたアフターサービスがある業者なら、後々不具合が生じたときにも安心です。

塗膜防水工事専用業者の選び方

塗膜防水の業者は、工事費用だけでなく多角的な視点で選ぶことが大切です。

外防水工事専門店や壁塗装専門店、リフォーム業者などの選択肢がありますが、どこがよいかは次の点を考察するとよいでしょう。

  • 専門知識と経験:過去の実績、現地調査の様子、専門資格の有無など。国家資格である「防水施工技能士」は、ウレタン系やFRPなど工法別なので注意
  • 事前の見積もり:無料見積もりがあるか、内容が具体的かつ明確であるか
  • 保証・アフターサービス:不具合が生じた場合、どこまで対応してもらえるか

塗膜防水の劣化判断とメンテナンス

ガレージ塗膜防水の耐久性は10~12年ほどですが、5~6年ごとのトップコートの塗り替えや、どこかに不具合があればその都度修復を行う必要があります。

不具合を放っておくと、そこから水分が侵入し、ほかの部分までダメージが広がる可能性も高まってしまうのです。

まめなメンテナンスや点検は、ダメージを最小限に抑え防水機能の有効性や耐用期間を延ばすことにもつながります。

ひび割れや浮き、膨れ

施工部分の表面だけにひび割れがある場合は、トップコートを塗り重ねるだけでOKです。

トップコートは防水層を紫外線や雨水から守るための保護層であり、防水層にダメージがなければ全体を塗装し直すほどではありません。ひび割れが防水層まで届いている場合は、劣化部分を取り除き新しい防水層を作ります。

防水層を観察してみて、気泡が溜まったように膨れたり浮いたりしている場合は、下地が水を含んでいる証拠です。雨漏りの可能性があるので、症状が表面のみか防水層まで達しているかを確認しましょう。

その後ダメージを受けた部分、もし状態がひどい場合は施工場所全体をはがして補修します。

定期的にトップコートの塗り替えをする

ウレタン系でもFRP樹脂系でも、5~6年に一度ほどのスパンでトップコートを塗り替えることで、防水機能を長くキープすることが可能です。

表層部分であるトップコートは紫外線にさらされるため、どうしても劣化しやすいものです。定期的に塗り直して、防水層を守りましょう。

トップコートの塗料にもさまざまな種類があり、適したものを選ぶことが大切です。ウレタン系であれば「アクリルウレタン系」が一般的で、そのほか「フッ素系」もあります。

FRP樹脂系では「ポリエステル系」と「アクリルウレタン系」がありますが、再塗装には「アクリルウレタン系」が主流です。

防水工事のプロ探しはミツモアがおすすめ

塗膜防水工事はシンプルな工法ながら、防水層の厚みを均一にするために高度な技術を必要とします。

一部であればDIYも可能です。しかし、質の高い専門業者に依頼することで、より長期間防水機能を維持できます。やり直しの手間やコストを考えれば、業者に依頼する方が安心といえるでしょう。

地域のプロを探す際はミツモアの一括無料見積もりをご利用いただくと手間なくご自身の希望通りの業者を見つけることが可能です。

ぜひミツモアを利用してみてはいかがでしょうか。

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