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シート防水の特徴は?他の防水と比較したメリット・デメリットや施工方法、費用相場など解説!

最終更新日: 2021年11月17日

シート防水は、屋上防水で採用されることが多い施工方法です。

耐用年数が比較的長く、また施工時に下地を剥がす必要がないなどのメリットから、コストパフォーマンスに優れている防水工事とされています。

今回はほかの屋上防水と比べながら、シート防水のメリット・デメリット、施工方法や費用相場などを解説していきます。

そもそもシート防水とは?

塩ビシート防水の屋上

シート防水は屋上(陸屋根)に採用されることがおおい防水工事です。ベランダのような狭い場所にも施工できますが、室外機などによって複雑な形状になりやすいので、その場合は塗膜防水を施工するケースが多くなります。

他の防水工事と比べると、耐用年数や費用相場などの特徴は以下の表のようになります。

耐用年数 費用相場(㎡)
シート防水 10~15年 5,000~10,000円/㎡
塗膜防水 10~12年 4,000~6,000円/㎡
アスファルト防水 15~25年 5,500~8,000円/㎡

シート防水は、ゴムシートや塩化ビニル(塩ビ)を既存の防水層のうえから張る工法です。

とくに広い屋上に施工する際は、費用対効果のバランスがいいのが特徴です。大手ハウスメーカーなどではベランダに施工することもあるので、技術がある業者を選べば狭い場所でも施工可能。

ウレタン防水と比べて長持ちでメンテナンスの手間がかかりませんが、施工の難易度が高く専門業者はそこまで多くないというデメリットもあります。

そもそも防水工事が必要な理由

屋上といえば人が歩いたり、駐車場になったりする場所という印象が強いですが、同時に建物を雨風などから守る「屋根」としての役割も果たします。

屋上は一般的な三角屋根とは違って平面なので、防水工事が果たす役割はより重大です。

関連記事:屋上防水の種類・施工方法ごとに、費用や耐用年数を解説!どれがコストパフォーマンスいいの?

シート防水と他の防水工事との見分け方

屋上防水やベランダ防水の改修を考えていると、「自宅の防水はどの種類だっけ?」という疑問がわく方も多いのでは。

そこでシート防水と比べたときの、塗膜防水・アスファルト防水の見た目の違いを紹介します。

【塗膜防水】

ウレタン防水

塗膜防水は、塗料を塗りつめることで防水層をつくる工法です。

屋上ならウレタン樹脂を使う工法、ベランダならFRP(繊維強化プラスチック)を使う工法が主流。

どちらも継ぎ目のないシームレスな仕上がりが特徴です。シート防水の場合は、シート同士の継ぎ目が見えるので、見分けるポイントになります。

関連記事:塗膜防水(とまくぼうすい)の基礎知識、メリット・デメリットを解説 | ミツモア

【アスファルト防水】

アスファルト防水の施工

アスファルト防水は、シート防水とよく似ています。決定的な違いは、アスファルトを熱で溶かして下地に密着させるという点。

見た目の特徴で見分けるポイントを以下にまとめます。

シート防水 アスファルト防水
  • 表面はつるつる
  • シートの継ぎ目が4~10cmほど重なっている
  • 表面は砂でコーティング
  • シートの継ぎ目は重なっていない

上記のポイントで、シート防水かアスファルト防水かを見分けることができます。

アスファルト防水は防水工事の中でもっとも耐久年数が長いため、あまりメンテナンス頻度が高くないビルなどの広い屋上に向いています。

関連記事:アスファルト防水とは? | ミツモア

シート防水はどんな場所にオススメ?

塩ビシート防水の屋上

シート防水がおすすめできる屋上・屋根は以下です。

おすすめの場所 不向きな場所
  • 貯水槽や室外機などが少ない場所
  • 50~300㎡の広い屋上
  • 2回目以降の防水工事
  • 貯水槽や室外機など、固定されているものが多い場所
  • 一般家庭などの50㎡以下のベランダ

シートを被せて施工するため、室外機が少なく、また広い屋上を防水工事したい場合には費用対効果が高いのでおすすめです。

また下地を選ばないという特性があるので、2回目以降の工事にシート防水を選ぶと、工期と費用を浮かすことができます。

以下でもう少し詳しく、メリットとデメリットを解説していきます。

シート防水のメリット

シート防水の施工風景

シート防水のメリットは以下。

  • 既存の下地を選ばずに施工可能
  • 耐用年数が長い
  • 広い面積に対応できる
  • 工期が短い
  • 見た目の仕上がりに差が出にくい

広いバルコニーや屋上にもいっきに施工できるうえ、既存の下地を選ばないのが大きな特徴です。

既存の下地を選ばずに施工可能

シート防水は、工場で製造したシートを、下地に被せて防水層を形成します。そのため既存の防水層を剥がさずに、上から施工可能です。

ただし「密着工法」の場合には、シートを密着させるため下地からの影響を受けやすいので注意しましょう。

たとえば下地の劣化が激しく、湿気や水分が溜まりやすい状態だと、上のシート防水も劣化が早まります。

もうひとつの「機械式固定工法(絶縁工法)」であれば、シートの下に通気シートを敷くので、下地の影響は受けにくくなります。

また「下地を剥がさなくていい」工法ではありますが、「下地の補修」自体は必要なので注意しましょう。

耐用年数が長い

ウレタン防水やFRP防水といった「塗膜防水」であれば、太陽年数は10~12年前後。

しかしシート防水の耐用年数は、10~15年ほどと長めです。

そのため、あまりこまめにメンテナンスできないビルやマンションの屋上などに向いています。

関連記事:FRP防水はベランダに最適?メリット・デメリットを解説 | ミツモア

広い面積に対応できる、工期が短い

シート防水は、50~300㎡ほどの広い面積の屋上に向いています。大きいシートを、一気に敷き詰めることで施工できるからです。

この工程の特徴から、ほかの防水工事と比べても施工期間が短く済むのがメリット。設置面積にもよりますが、おおよそ4~5日の短い期間で施工可能です。

同じ面積に施工するとなると、手作業で塗料を塗る「塗膜防水」は長い時間がかかってしまいます。

またアスファルト防水も、熱などを使ってシートを粘着させていくので、一気にシートを密着させることができる「シート防水」より工期が長いのです。

見た目の仕上がりに差が出にくい

塗膜防水は手作業で防水層を形成するので、見た目の仕上がりに差が出やすいというデメリットがあります。

職人の技術力が足りなければ、凹凸や不均一な仕上がりになってしまうのです。

しかしシート防水であれば、既製品のシートを固定する工法なので、見た目にムラが出来る心配はありません。

シート防水のデメリット

室外機などがたくさん置いてある屋上

シート防水のデメリットをまとめると、以下のようなことが言えます。

  • 複雑な形状には施工できない
  • 工事中の振動音
  • 施工に高い技術力が必要で、業者を選ぶ必要がある

どの防水工事を選ぶにしても、メリット・デメリットは表裏一体なので、しっかり確認してから施工しましょう。

複雑な形状には施工できない

シート防水は、シートを敷きにくい複雑な形状には不向きです。

たとえば室外機などが多く設置されている屋上や、表面の凹凸が激しい場所などは、シートを均一に敷くことができません。

シート防水で使用するのは、工場で製造された既製品のシート。1枚ずつ細かいサイズ調整することが出来ないので、複雑な形状に対応できないのです。

複雑な形状の場所にむりやりシート防水を施したとしても、密着できずに隙間ができてしまい、そこから雨水が浸水するリスクがあります。

もし室外機などが多い環境なら、ウレタン防水やFRP防水を検討してみましょう。

関連記事:ウレタン防水の基礎知識、メリット・デメリット | ミツモア

工事中の振動音

シート防水を施工するとき、現在は機械式固定工法(絶縁工法)でおこなうのが主流です。この工法をおこなうなら、振動音に注意が必要。

この工法ではベランダや屋上の下地部分に金具を取り付けて、その上からシートを固定します。金具はドリルによって取り付けるため、下の階や建物付近に騒音が響いてしまうのです。

もしマンションの施工なら、あらかじめ入居者に周知しておきましょう。ご自宅であれば、近隣住民にたいして事前の挨拶は欠かせません。

施工に高い技術力が必要で、業者を選ぶ必要がある

シート防水を施工できる防水業者は限られます。

施工の難易度が高いうえ、塗装業者やリフォーム会社だとそもそもシート防水を扱った経験が少ないケースも。

シート防水を採用するときには、防水工事の専門業者を選ぶようにしましょう。

また採用したいシート(塩ビ・ゴム)を施工した実績を、写真などを挙げつつ明示しているか、という点もポイントです。

シート防水の種類

シート防水に用いる素材は、塩化ビニル(塩ビ)・ゴムシートの2種類です。それぞれの特徴を紹介します。

塩ビ ゴム
特徴
  • 耐久性が高い
  • 固い
  • 紫外線に弱い
  • 弾性がある
密着工法の単価 4,500円~5,000円/㎡ 4,000~5,000円/㎡
絶縁工法の単価 5,500円~7,000円/㎡ 5,000~6,000円/㎡
耐用年数 13~15年 10~12年

耐久性のメリットから、ほとんどの場合は塩ビシートが使われています。

塩ビシートはおおむね13~15年ほどの耐用年数ですが、絶縁工法を採用すると、20年近く長持ちすることもあります。

塩化ビニルシートの特徴

防水シート

ゴムシートにくらべて耐久性に優れているため、現在「シート防水」というときは、ほとんどの場合は塩ビシートを指しています。

塩化ビニルとは、プラスチックの一種。配管のパイプなどにも使われている丈夫な素材で、防水性が高く、耐用年数も長いのが特徴です。

もとの素材は固いため、可塑(かそ)剤という素材を添加することで柔軟性を持たせ、シート状に加工しています。

塩化ビニルシートは、「密着工法」と「機械式固定工法(絶縁工法)」のどちらでも施工できますが、機械式固定工法のほうが一般的です。

ゴムシートの特徴

屋上 シート防水

ゴム系の素材によるシート防水は、柔軟性が高いため地震につよく、安価なのでひと昔前までは主流でした。

かつては「密着工法」でしか施工できませんでしたが、近年は「機械式固定工法」にも適したゴムシートが一般的に普及しているので、どちらの工法でも施工できます。

ゴムシートのデメリットは、防水層が薄くて寿命が比較的短いこと。鳥のいたずらや飛来物の衝撃で破れてしまうなど、耐久性の面でも塩ビシートに劣ります。

シート防水の施工方法

シート防水は「密着工法」「機械式固定工法(絶縁工法)」の2つの工法があり、それぞれメリット・デメリットがあります。

主流になっているのは機械式固定工法で、金属器具でシートを固定する方法です。

シート防水の費用相場と、それぞれの工法の施工手順を解説していきます。

機械式固定工法(絶縁工法)

機械式固定法 屋上防水 シート防水

「機械式固定工法」または「絶縁工法」は、現在シート防水を施工するときの主流となっています。単価相場は5,000円~7,000円/㎡ほど。

上の写真は、固定金具の施工が完了した段階のものです。この金具に熱を与えて、シートと接着させます。

メリット デメリット
  • 下地の影響を受けにくい
  • 防水層が膨れにくい
  • 工事の際の騒音
  • 高い技術力が必要

機械式固定工法は、絶縁用シートを敷いて施工するため、下地の劣化からの影響を受けにくいのがメリット。

また下地と密着させないため通気性があり、湿気を逃がします。防水層が湿気を吸って起きる「膨れ」という劣化が発生しづらいので、耐久性の面でもメリットです。

デメリットは工事の騒音です。固定金具を設置するときに、かなり大きな振動が発生します。また難易度が高い施工方法なので、実績・技術力のある業者を選ばなければなりません。

【施工手順】

塩ビシート防水の金具固定

  1. 下地処理
  2. 絶縁用シートを敷く
  3. 固定金具を取り付け
  4. 塩ビシート・ゴムシートを張る
  5. 排水溝(ドレン)などに成形役物を設置
  6. シーリングで隙間を埋める
  7. トップコート塗装

まずは下地の劣化部分を補修。もしひび割れなどを放置したままだと、シートの下で雨漏りなどを起こしてしまいます。

次に「絶縁用シート」を張り、湿気が逃げやすい構造に。そこへ固定金具を取り付けて、さらにその上からシートを張りつけて固定。

あとは排水溝回りを整えていきます。水はけをよくするため、「成形役物」と呼ばれる部材を取り付けるのが特徴です。

最後はシート同士の隙間をシーリング剤で埋めて、表面を守る塗装(トップコート塗装)をして完成。

密着工法

塩ビシート防水

密着工法は、下地にそのままシートを接着させる工法。下地の劣化などの影響をもろに受けるため、現在はあまり採用されません。費用相場は4,500~5,000円/㎡ほどです。

メリット デメリット
  • 風圧に強い
  • 工期が比較的短い
  • 下地の影響を受けやすい
  • 高い技術力が必要

密着工法のメリット・デメリットは上記のようなものがあります。

シートを下地に接着剤で密着させるため、風圧などで飛ぶようなことが起きにくいのが特徴です。

逆に下地に密着させることによって、下地部分の劣化が進行すると、新しく施工した防水層にも影響が出てしまうというデメリットもあります。

【施工手順】

  1. 下地清掃、補修
  2. 接着剤(プライマー)を塗る
  3. セメントを流しながらシートを張る
  4. シート下に入り込んだ空気を抜く
  5. 立ち上がり部分の施工
  6. シーリングで隙間を埋める
  7. トップコート塗装

まず下地を清掃・補修したうえで、プライマーを塗って接着力を高めます。

そこへセメントなどの接着塗料を流し込みながらシートを敷いていき、モップやローラーで空気を抜いておおよそ完成です。

そのあとで立ち上がり部分(ヘリなどの、屋上の平面に対して垂直になっている部分)を施工し、シート同士の隙間をシーリング剤で埋めます。

最後に防水層を守るため、表面を塗装(トップコート塗装)して完成です。

シート防水の劣化症状と、その原因

古くなってきた屋上シート防水

大切な建物を雨水などから守るためには、防水シートの施工を行った後も定期的な交換が必要となってきます。

  • 表面のひび割れ
  • 継ぎ目部分や、シート端の劣化
  • シートの浮きや破れ
  • 水たまりがある、植物が生えている

防水シートを取り替えるとき、目安となる劣化症状は上記のようなものがあります。それぞれ特徴を解説していきます。

表面のひび割れ

塩化ビニルシートは、可塑剤(かそざい)というものを加えることで柔軟性を得ています。つまり可塑剤が加えられていない状態の塩化ビニルは固いのです。

経年劣化によって可塑剤は徐々に気化していってしまい、塩化ビニルが本来の固さに戻ってしまいます。

そうなるとひび割れを起こしやすい状態に。ひび割れた部分から雨水などが浸水し、陸屋根全体の耐久性を弱めてしまう恐れがあります。

継ぎ目部分や、シート端の劣化

防水シート同士の隙間はシーリング剤などで埋めて結合しますが、この部分が劣化することでひび割れてしまいます。

また立ちあがり部分や排水溝回りの末端部分も、隙間ができやすいために注意が必要です。

シート本体にひび割れがなくても、結合部分や末端部分から浸水すると結果は同じなので、定期点検が大切です。

シートの浮きや破れ

シートがたわんで浮いてしまったり、破れてしまったりすることがあります。

シートを張り合わせるという工法ゆえに、結合部などから剥がれだし、最終的には雨水の侵入を許す事態に。

またゴムシートの場合は鳥類からの被害に遭いやすく、くちばしで突かれて穴が空くことがあります。

建物近くでよくカラスなどを見かける方は、シートを突かれていないか確認しておきましょう。

水たまりがある、植物が生えている

シート防水の表面に水たまりが出来た場合、防水工事を検討しましょう。

水が溜まる原因は、排水溝の詰まりや、陸屋根の歪み・浮きなどが考えられます。

水たまりになっている部分は、塗膜の劣化を促し、防水層の寿命を早めてしまいます。

また屋上の端部分などに植物が生えることも。雑草が根を伸ばして下地の劣化を招くため、雨漏りにつながります。こちらも見つけたらすぐに補修や防水工事を検討しましょう。

シート防水のメンテナンス方法

シート防水は、塗膜防水などと比べて寿命が長いのが特徴です。

しかし上述したような劣化症状が出ることがあり、防水機能を守るためにはメンテナンスが必要です。

トップコート塗装

ベランダ防水のトップコート塗装

「トップコート」とは、防水層の上からコーティングする塗膜のことで、防水層を守るはたらきがあります。

トップコート自体に防水効果はないものの、防水層の劣化を防ぐために表面を保護してくれるのです。

ゴムシートであれば5年に1回程度、塩ビシートであれば5~10年に1回程度を目安に塗り替えましょう。

表面の色あせや剥がれなどがあれば、メンテナンス時期のサインです。

関連記事:トップコート塗装とは?外壁・防水層それぞれの劣化サインや塗り替え時期 | ミツモア

ドレン(排水溝)まわりの掃除

塩ビシート防水のドレン

屋上やベランダの防水層が劣化するとき、原因になりやすいのがドレン(排水溝)のつまりです。

屋上やベランダは露出しているので、ホコリが舞ってきたり、落ち葉や枯れ葉が飛んできたりします。それが雨などによって流され、ドレンに溜まるのです。

ドレンがつまると、排水溝の周辺に水が溜まっていきます。そのせいでトップコートが劣化しやすくなったり、植物が根をはったりするのです。

ドレンは2~3週間に1回くらい点検して、汚れやゴミを除去するようにしましょう。簡単にメンテナンスできるので、放置しないのが大事です。

部分補修

シート防水の部分補修

もし経年劣化などによってシートの剥がれ・破れなどが起こったとき、以下のような部分補修できることがあります。

  • パッチをあてて破れを補う
  • 熱溶着で剥がれを直す
  • 対象部分を剥がし、新しいシートを設置

破れた箇所が部分的であれば、適切なサイズのパッチをあてて補修できます。

また塩ビシートであれば熱溶着によって、剥がれた箇所を再度くっつけることも可能。

「劣化自体は激しいけど部分的」というときには、その箇所だけを切り取って、新しいシートに置換することもできます。

脱気筒の設置

塩ビシート防水の脱気筒

下地部分から上がってきた湿気などが原因で、プクプクと膨れてくることがあります。

もし比較的ちいさな膨れであれば、一部分に「脱気筒」を設置することで対処可能です。

脱気筒によってシート内部の湿気を逃し、通気がよくなります。

防水業者を選ぶときのポイントと、単価相場

色見本

シート防水の単価相場

項目 単価相場
下地処理 100~600円/㎡
下地補修 2,000~3,000円/㎡
平場のシート防水(塩ビ) 5,000~6,000円/㎡
立ち上がり部分のシート防水(塩ビ) 3,000~5,000円/㎡
末端処理 2,000~3,000円/㎡
新しい排水溝(ドレン) 13,000~15,000円/1箇所
脱気筒(※機械式固定工法のみ) 12,000~15,000円/1箇所
廃材の処分費用 合計約10,000~30,000円
その他の諸経費 全体費用の10%程度

シート防水の単価相場は、上記です。

業者に見積書をもらうときには、項目が省かれて「一式」料金になっていないかどうか、また項目ごとの相場が適切かどうかを確認しましょう。

シート防水工事の費用は、30坪の敷地・80㎡程度の屋上だとすると約80~100万円程度が相場となります。

なお密着工法と機械式固定工法とで、単価相場には差がありませんが、排水溝(ドレン)や脱気筒(湿気などの逃げ道となる筒)によって全体費用に差がでます。

見積書を見るときのポイント

業者に依頼するときには、まず見積書をもらいます。

その際、見積もりの内容が項目ごとに書かれているか、またそれぞれの費用相場は適切か、といったところを確認しましょう。最低でも以下3箇所には目を通しておくと安心です。

  • 下地処理や塗布作業など、工程ごとの内訳が記載されているか
  • 施工する面積が正しく記載されているか
  • 材料名・数量は正しく記載されているか

業者によってはシート防水の作業工程をひと括りにして、工程ごとの費用が曖昧にされている場合があります。その場合、省かれている作業があっても気づけないので要注意です。

見積書の内容が適正かどうか判断するには、3社以上から見積もりをもらうようにしましょう。1社や2社だけだと、どちらが適正なのか判断がつきません。3社以上であれば、ある程度、相場が見えてきます。

また費用の安さだけでなく、対応の丁寧さ、項目の詳細さなどを比較するようにしましょう。

現地調査をしてくれるかどうか

見積書を作成するには、作業現場の状態や面積を正確に把握するための現地調査が欠かせません。

現場を直接確認しないと、劣化の進行具合や屋上の構造などが把握できないので、最適な工事ができないのです。

中には現地調査をせずに契約を急かす業者もいますので、もしもそういった業者にあってしまった場合は丁重にお断りしましょう。

業者の中には、無料で現地調査をしてくれるところもあります。工事を検討している方は相談がてら連絡してみはいかがでしょうか。

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今回はシート防水について、基本的なメリット・デメリットや施工方法、費用相場などについて解説しました。

シート防水は、既存の防水層を剥がす必要がなく、工期や費用を抑えられます。また耐用年数も短くはないため、コストパフォーマンスに優れています。

ただし専門的な知識と高い技術力が必要な施工方法です。数社の見積もりや実績を見比べて、安心できる業者に依頼しましょう。

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