湯沸かし器が故障するとお湯が使えず、生活に大きな支障をきたします。
最終更新日: 2024年06月28日
費用節約のために「自分で取り付けよう」と考える人もいますが、素人にはとても難しい作業です。そこで、賢い業者選びのポイントについて解説しましょう。
湯沸かし器の取り付けはDIY可能？
生活に関する機器の取り付けにコストをかけることを、もったいないと感じることがあります。湯沸かし器の調子が悪くなったときに、自ら作業することを検討する人もいるでしょう。
しかし知識が浅く、技術もともなわない人が作業することはおすすめできません。湯沸かし器の取り付けは、極めて専門的な仕事なのです。
ガス機器の工事は資格が必要
湯沸し器にはガス式と電気式がありますが、主流となっているのはガス式です。ガスを使用する湯沸かし器の取り付けでは、当然、ガスに関する作業が必要になります。ガスの取り扱いは引火や爆発の危険があり、素人が行うにはとてもリスクが高いといえるでしょう。
事業者がガス工事をする場合、資格が必要です。種類も一つではなく、作業内容によってさまざまな資格を取得しなければなりません。その一例を見てみましょう。
- 簡易内管施工士
- ガス可とう管接続工事監督者
- 液化石油ガス設備士
- ガス消費機器設置工事監督者
合わせて電気についても作業しなければならない場合には、電気工事に関する資格が必要になるケースもあります。それだけ、高度な技術と経験が求められる仕事なのです。
無資格で取り付けるのは危険
事業者として取り付け作業を行う際に資格が必要な理由は、安全性を確保するためにほかなりません。それは作業する人を守るためでもあれば、周囲の人に危害を与えないためでもあります。
また、事故で住宅や周囲の物を破損・損傷させることも防がなければなりません。ときには、大きな爆発が起きたり火災に発展したりする可能性もあるのです。
資格が必要な工事を素人が作業して不具合が生じてしまうと、保証が適用されなくなるケースもあります。その場合は全て実費で賄わなければなりません。
さらに大きな事故につながり、壁や家財に被害が及んだときに、それらにも保険が適用されなくなる可能性もあるでしょう。さまざまなリスクを考慮すると、無資格で取り付け作業を行うことは避けるべきです。
湯沸かし器の工事の依頼先
湯沸かし器の取り付けは頻繁に行うものではないため、気軽に相談できる先を知らない人は少なくありません。
工事を依頼する場合、どのような会社に相談すればよいか解説します。
ガス会社
ガスを使用するタイプの場合、ガス会社に相談することが確実な方法です。一つ間違えば大きな事故を引き起こす危険性があるため、ガスを専門に取り扱う業者だと安心感があります。
ただし、他の事業者と比べると、費用が少し割高に感じられるかもしれません。しかし、料金が高い理由は、専門的かつ危険な作業を確実に行うための技術費としての意味を持っています。資格を持ち、知識を備え、経験を積んだ作業員が適切に作業するのです。
仕事の精度の高さを維持し安全に作業するには、それなりのコストがかかることは仕方のないことでしょう。
給湯器メーカー
湯沸かし器は、給湯器メーカーによって製造・販売されているケースがほとんどです。それゆえ、構造を熟知している給湯器メーカーに相談することも一つの方法になります。
生産して販売を手がければ、そこには取り付けのニーズも生まれます。その需要に応えるために、メーカーには取り付けサービスも行っている会社が多いのです。
ただし、こちらも費用は高めになります。専門的に業務を行っているため、安くするよりも安全性と確実性を重視する結果です。
そのほかに難点があるとすれば、自社製品しか扱わない場合が見られることです。
その他の業者
工務店でも取り付けが可能な場合があります。家の施工を手がける工務店の中には、資格を有し、湯沸かし器の設置ができる業者もいるでしょう。
この場合、あくまでも専門業者ではない点を心得ておかなければなりません。資格の有無や経験数などをよく尋ねておく必要があります。
ネットでも、取り付け業者を探せます。検索をすれば、サービスを提供する事業者が見つかるでしょう。ネット業者は、比較的費用が安い傾向があります。しかし、技術面や実績について不明確な業者も多く、よく確認してから依頼することが肝心です。
取り付けにかかる費用
作業の困難さを理解し業者に依頼しようと決めたら、気になるのは費用です。取り付けにかかるコストの相場について見てみましょう。
本体価格と工事費の相場
標準的な家庭で使用する5号サイズを基準として、本体価格と工事費の相場について解説します。
各メーカーの希望小売価格を見てみると、ほとんど4万円前後に設定されています。それぞれの型を家電量販店や大型ホームセンター、ネット通販で見てみると2万～2万5,000円で購入可能です。
取り付けには、出張料込みで1万～1万5,000円程度が必要になります。
一般的な見積もり項目
湯沸かし器の交換にあたっては、設置場所などによっても異なりますが、次のような作業が必要になります。そして、それぞれに費用が発生します。
- 瞬間金属可とう管交換 約2,000円
- 止水栓設置 約2,000円
- 給水管フレキ設置（給水管設置の場合） 約1,500円
- 給水管取り替え 約1,500円
- 背板取り付け 約1,500円(必要な場合に限り)
ほかにも古い湯沸かし器の処分費や出張費が加算される場合もあるでしょう。「作業料一式」「部品代一式」とまとめて書かれただけで、詳細が不明瞭な見積りには注意が必要です。
提出された見積りが上記金額と大きくかけ離れていたり、不審な点がある場合は内容を確認することが大切です。
業者選びのポイント
大切な住宅に関する機器は、できるだけ信頼できる業者に依頼したいものです。上手に業者を選ぶポイントについて紹介します。
こちらの記事でも依頼先の選択肢やそれぞれのメリット・デメリットを交えつつ、コストをおさえて依頼するコツを解説しています。
相見積りを取得しよう
取り付け作業は、しょっちゅう行うものではありません。そのため、どのような作業にどれくらいの金額がかかるのを理解している人は少ないものです。
そこに付け込んで、割高な費用を請求する業者もいます。何も知らずに発注してしまい、損をすることは避けたいものです。
そのための方策として、相見積り(あいみつもり)を取ることをおすすめします。複数の業者から見積りをもらうことで、適正な作業内容と価格を把握できるのです。
必要な資格を持っているか
ガス工事には危険が付きものです。それゆえ、工事には法で定められた資格を備えていることが求められています。
ところが、単に経験や独学での知識だけを持って作業する業者もいないわけではありません。それでは、確実な作業が期待できないのです。
初めて依頼する業者であれば、作業に派遣されるスタッフは有資格者であるかどうかを、しっかりと確認しておきましょう。
保証内容やトラブル時の対応を確認
いかに知識が深く経験豊富な人が取り付けをしたとしても、事故やトラブルの可能性をゼロにはできません。設置後に不具合が生じたり、思わぬ故障が起きたりするかもしれないので、備えておくことが大切です。
保証があるかを確認し、詳細な内容についてもチェックを怠らないことが重要です。
湯沸かし器の突然のトラブルには、早急なリカバリーが求められます。もしものときにどのような対応をしてくれる業者なのかも、よく調べておきましょう。
湯沸かし器の取り付けは有資格者に依頼を
湯沸かし器は、日々の生活において不可欠なアイテムです。お湯が使えないと、家事に支障が出てしまうでしょう。
不具合や故障が発生したときには、自分でなんとかしようとせずに、専門業者に相談することが無難です。特にガスの取り扱いには注意しなければなりません。
依頼する際には、資格を持っているかを確認することが不可欠です。安全な作業を確実に行ってくれる業者にお願いしましょう。
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