洗濯機の処分方法8選！無料または安い捨て方を解説

多くの方が処分に困るのが、洗濯機などの大型家電です。同じ大型家電の中には、粗大ごみとして処分できるものもあれば、所定の手続きが必要となるものもあります。

洗濯機も、処分には特別な手続きが必要とされる家電のひとつです。処分の仕方は複数あるため、自分に合った方法を選びましょう。

ここでは、洗濯機が通常の粗大ごみとして廃棄できない理由とともに、具体的な処分方法や注意点を紹介します。

洗濯機は粗大ごみではなく家電リサイクル法の対象

洗濯機は売却したり人にゆずったりする場合を除き、無料で廃棄処分することはできません。「家電リサイクル法」によって、「処分する人が料金を負担して、適切な方法でリサイクルしなければならない」と定められています。

「家電リサイクル法」とは、いらなくなった家電製品から部品や材料をリサイクルし、廃棄物の削減と資源の有効活用を推進するための法律です。

対象となるのは、洗濯機、冷蔵庫、エアコン、テレビの4品目です。

洗濯機の処分にはリサイクル料金と収集運搬料金が必要

家電リサイクル法の対象4品目を処分するときは、「リサイクル料金」と「収集運搬料金」を支払う必要があります。

リサイクル料金はメーカーやサイズごとに、収集運搬料金は業者ごとに異なります。

洗濯機のリサイクル料金と収集運搬料金の目安は以下の通りです。

メーカーやサイズごとの詳しいリサイクル料金は、以下のサイトの「家電リサイクル料金一覧」で確認できます。

洗濯機の処分方法7つと費用相場｜無料で処分できる？

洗濯機をどうやって処分すべきかは、洗濯機の状態や処分の状況によって変わります。こちらのフローチャートに沿って自分に適した処分方法を確認してみましょう。

家電リサイクル法に従って処分するには、洗濯機を販売している家電量販店に引き取ってもらう方法や、自治体の指定引取場所での回収に出す方法があります。

状態がよい洗濯機であれば、リサイクルショップやフリマアプリで売ることで、実質的に無料で処分できます。壊れた洗濯機や、長年使って古くなった洗濯機の処分には基本的にお金がかかると考えておきましょう。

ちなみに、不用品回収業者による回収はおもにリユースを目的としているので、法律に基づいたリサイクル料金は必要ありません。各業者が設定した回収料金を支払います。

業者によって料金設定に差があるので、可能であれば複数の業者から見積もりをとるとよいでしょう。

不用品回収の見積もりを依頼する

①新品の購入店舗で引き取ってもらう

家電量販店で新しく洗濯機を購入する場合は、同時に古い洗濯機を回収してもらうことができます。

新品の購入店舗に引き取ってもらうメリット・デメリット

新しい洗濯機を購入すると同時に古い洗濯機の回収手続きも済ませられるため、一度の手間で済みます。購入と同時に処分を申し込まなかった場合、後日改めて問い合わせや申し込みをしなくてはなりません。

大手家電量販店6社のリサイクル・収集運搬料金(買い替え)

大手家電量販店で買い替え時に洗濯機を引き取ってもらうときのリサイクル料金・収集運搬料金をまとめました。

リサイクル料金は洗濯機の製造メーカーやサイズによって決まるので、どこの店舗でもほぼ変わりませんが、収集運搬料金には差があります。

なお買い替えの場合でも、新しく購入する品数より引き取ってもらう品数が多いと、余剰分に追加料金がかかる可能性が高いです。

②近くの店舗で引き取ってもらう

洗濯機の処分だけしたい場合は、以前その洗濯機を購入した店舗で回収してもらうことができます。

「購入店が分からない」「引っ越して店舗が遠くなってしまった」「もともと家電量販店では購入していない」といったケースでも、店舗によっては引き取り対応をしてくれる可能性があります。お近くの家電量販店に確認してみましょう。

近くの店舗に引き取ってもらうメリット・デメリット

家電量販店の中には、店舗で新品を購入しないと古い洗濯機の処分を受け付けてもらえないところもあります。仮に処分のみを受け付けてもらえても、購入と同時申込みでなければ追加料金が上乗せされることがある点に注意しましょう。

大手家電量販店5社のリサイクル・収集運搬料金(処分のみ)

大手家電量販店で買い替え時に洗濯機を引き取ってもらうときのリサイクル料金・収集運搬料金をまとめました。

その店舗で購入していない洗濯機の処分を依頼する場合は、出張料などの名目で追加料金がかかるケースが多いです。

③不用品回収業者に引き取ってもらう

引越しや遺品整理、大掃除などで大量に処分したいものがある場合は、不用品回収業者に依頼するのもおすすめです。

1点のみだと費用が割高ですが、トラック積み放題プランなどでまとめて不用品を引き取ってもらえば、1点ずつ処分するよりラクで安上がりになる可能性もあります。

回収日時の要望にも柔軟に対応してもらえるので、日中に時間を取りづらい方や、急いで処分しなければならない方も利用しやすいでしょう。

不用品回収の費用相場

【洗濯機のみ】

洗濯機を不用品回収業者に引き取ってもらうときの回収費用相場は以下の通りです。

洗濯機に個別でかかる料金のほか、以下のような項目で料金が発生します。

玄関からの搬出ができない場合や、建物を養生しなければならない場合は、やや高めになることを考えておきましょう。

• 基本料金・出張費
• 建物の養生費
• 特殊作業費(窓からの吊り下ろしなど)

【積み放題プラン】

トラックに積み込める容量分を定額で回収するパックプランを提供している不用品回収業者も多いです。

処分したい家電が複数ある場合、リサイクル料金と収集運搬料金の負担だけで1万円を超える可能性があります。他にも不用品があるなら、不用品回収業者の積み放題プランを利用するほうがお得かもしれません。

不用品回収の見積もりを依頼する

悪質な不用品回収業者を避けるポイント

不用品回収業者の中には、法律を守らず不誠実な取引をする悪徳業者も存在するので注意が必要です。

無料回収をうたって呼び込んでおきながら別の名目で高額請求されたり、強引に契約を迫られたりするおそれがあります。

以下に当てはまる業者は悪徳業者の可能性が高いので、避けたほうがよいでしょう。

• 住宅街をトラックで巡回しながらスピーカーで宣伝している
• チラシやスピーカーで無料回収をうたっている
• ホームページやチラシに住所や許認可の情報がない
• 口コミ評判がとても悪い

以下の記事では、優良業者を選ぶためのポイントや、ぼったくりにあってしまったときの対処法も紹介しています。

④自治体の指定業者に回収してもらう

近くに家電量販店がない場合や、購入した店舗でないために回収を受け付けてもらえない場合は、自治体が指定する業者に問い合わせて回収を依頼しましょう。

自治体から「一般廃棄物収集運搬許可」を受けた事業者が、リサイクル家電の収集拠点である指定引取場所まで運んでくれます。

洗濯機ごとに決まっているリサイクル料金と、事業者が設定する収集運搬料金が必要です。

指定業者に回収を依頼するメリット・デメリット

自治体の指定業者なら、洗濯機を通販やフリマアプリで購入した場合も処分できます。ただし地域によっては家電の取り外しや回収できる場所までの運び出しを、自分で行わなくてはなりません。エレベーターのない集合住宅の上階に住んでいる方などは、運び出しの段取りも考える必要があります。

自治体の指定業者に依頼する手順

リサイクル料金・収集運搬料金の支払い方法や当日の回収方法は、自治体や業者によって異なります。まずは依頼する指定業者に相談しましょう。

一般的な流れは以下の通りです。

自治体によっては、洗濯機の取り外しと玄関先への運び出しまでは自分で行わなくてはならない可能性があります。

自力で洗濯機を取り外す方法は以下の記事をご覧ください。

東京23区なら「家電リサイクル受付センター」に問い合わせを

東京23区では「家電リサイクル受付センター」が回収依頼を受け付けています。回収までの流れは以下の通りです。

家電リサイクル券を郵便局で事前に購入する必要はありません。

⑤自治体の指定引取場所に持ち込む

家電量販店などが引き取った家電を持ち込み、製造元であるメーカーに引き取ってもらう拠点が「指定引取場所」です。

自力で洗濯機を運べる場合は、最寄りの指定引取場所まで直接持ち込むという手段もあります。

洗濯機を載せられる大きさの車両が必要な上に、取り外しから積み込み、運転まで行わなくてはならないので、かなり手間がかかります。

そのぶん収集運搬料金を払わなくてもよいので、コスト的には安く済む方法です。

指定引取場所に持ち込む手順

自分で指定引取場所に洗濯機を持ち込む流れは以下の通りです。

営業日や営業時間は各場所で異なるので、事前に持ち込みたい指定引取場所に確認しておきましょう。

主要都市の主な指定引取場所

6都市にある主な指定引取場所の情報をまとめました。

指定引取場所は大きな都市であれば複数箇所あるので、営業時間や自宅からの距離を考えて、一番持ち込みやすい場所を選ぶと良いでしょう。

その他の地域については以下の検索サイトから調べてみてください。

⑥リサイクルショップや家電買取業者に買い取ってもらう

購入してから約10年以内で、まだ状態が良い洗濯機であれば、リサイクルショップや買取業者に買い取ってもらうこともできます。

出張買取に対応しているところであれば自宅まで査定・引き取り作業に来てもらえるので、自分で取り外して運ぶ手間もありません。

買取に出すメリット・デメリット

対応エリア内なら、出張買取に対応してくれるところもあります。査定額に納得したら、売却の手続きを済ませるだけで処分できるため、可能な限り手間を減らしたい方に向いています。

ただし、状態が良いものや、新しいものでなければ、買取金額は高くなりません。

高く買い取ってもらえる洗濯機の特徴

以下の条件に当てはまる洗濯機は高値がつきやすいです。

• 製造から1～2年以内
• 大手メーカー(日立、東芝、Panasonicなど)の製品
• 付属品が欠けずにそろっている
• 手入れが行き届いており、汚れや破損がない

製造年やメーカーはどうにもできないので、査定額を上げるには付属品をそろえ、念入りに掃除をしておきましょう。

洗濯機の買取価格相場については以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。

⑦フリマアプリやネットオークションで売る

状態が良いものを処分するのはもったいない、と感じる方は、フリマアプリやネットオークションで売る方法がおすすめです。運営のルールに従って出品すれば、他のユーザーに購入してもらえる可能性があります。

新生活を始める方が多い時期は、洗濯機などの家電需要も高くなります。

フリマアプリ等で洗濯機を売るメリット・デメリット

自分で出品価格を決められるので、需要次第でリサイクルショップや買取業者よりも高く売れる可能性があります。

いつ買い手がつくかは予測できないので、引越しなどで処分の期日が決まっている場合は別の方法も検討しておいたほうが良いでしょう。

フリマアプリ等で洗濯機を早く高く売るコツ

基本的にはリサイクルショップや買取業者の査定と同じで、新しく状態の良いものや大手メーカー製品が高く売れる傾向にあります。

ただしフリマアプリは個人間の取引なので、出品時のちょっとした工夫で売れやすさが変わります。

出品するときは以下のコツを意識するとよいでしょう。

• さまざまな角度からの写真を載せる
• 購入年度や使用頻度を明記する
• 型番、容量、機能の説明を詳しく記載する
• スマホを見る人が多い夜間に出品する
• 新生活準備シーズンである2～3月に出品する

⑧譲渡または寄付する

必要な人に引き取ってもらい、再利用してもらう方法もあります。知り合いや親せきに新生活を予定している方がいれば、一度譲渡をもちかけてみましょう。初期費用を抑えたい学生や新社会人は、とくに喜んでもらえます。

また、地元掲示板サイトを通じて、近隣の方に譲渡する方法もあります。譲渡条件に「うちまで取りに来てくれる方」の一文を加えれば、相手の自宅まで運搬する手間もかかりません。

譲渡する相手が見つからないときは、寄付を検討してはいかがでしょうか。たとえばNPO法人「ワールドギフト」などの団体に寄付すれば、必要とする方のところまで届けてくれます。洗濯機以外の家電や衣料品、余剰な加工食品などもまとめて譲渡できるのが特徴です。

団体に寄付するときは、それぞれ手続き方法が異なる点に注意しましょう。たとえば前述のワールドギフトに洗濯機を寄付するときは、事前申し込みと寄付金の振り込みが必要です。

洗濯機を処分するときは「水抜き」が必要

洗濯機を処分するときは、廃棄や譲渡など方法の種類に関係なく、事前準備が必要です。必ず済ませておきたい準備のひとつが「水抜き」です。

水抜きとは、洗濯機の給水ホースや排水ホースの中に溜まっている水を、あらかじめ抜いておく作業のことをさします。水抜きしていない状態で洗濯機を処分しようとすると、重くなったり運搬中に水漏れが起こったりと、トラブルの原因となります。

業者から追加費用を請求される可能性もあるため、事前に洗濯機の水抜きを済ませておきましょう。

水抜きするときの注意点は、洗濯機によって手順が異なる場合もあることです。ここでは多くの洗濯機に当てはまる、一般的な水抜き方法を紹介します。

給水ホースの水抜き方法

給水ホースは、蛇口から洗濯機本体に接続されているほうのホースです。一度でも洗濯機を使用すれば、給水ホースの中には水が残っています。

給水ホースの水抜き方法は、下記の手順で行います。

洗濯機の機種や製造年代によっては、ドライモードがない場合もあります。該当するボタンが見つからないときは、蛇口の栓を閉めてから通常の洗濯コースで運転します。洗濯時に溜まった水を排出するまで多少時間がかかるため、運転終了後は30秒程度待ってから電源を切ってください。

排水ホースの水抜き方法

排水ホースは、洗濯で使用した水を排出するためのホースです。洗濯機の下部あたりに接続しています。

排水ホースの中にも、使用後は水が残っていることがあります。給水ホースの作業が終わったら、次は下記の手順で排水ホースの水抜きも済ませておきましょう。

排水口から排水ホースを引き抜くときは、周囲にビニールや不要なタオルなどを敷いて対策しておくと汚れません。洗濯機を移動しやすくするために、水抜きした排水ホースは洗濯槽内部に入れておくか、側面にテープなどで固定します。

電源コードやアース線も、同じく洗濯槽内部に入れるか、側面にテープで貼り付けて運びやすい状態にしましょう。

洗濯機の処分のまとめ・よくある質問

洗濯機は、「家電リサイクル法」に則って処分しなくてはなりません。通常の粗大ごみとは異なり、定められた方法で処分する必要があります。正しく処分された洗濯機は部品などが資源としてリサイクルされるため、環境保護のためにも適切に廃棄しましょう。

「家電リサイクル法」に則った処分方法は、手間がかかる方法もいくつかあげられます。中には、費用をかけず洗濯機を処分したりお金に換えたりできる方法もあります。自分にとってどの方法が合っているのか、慎重に検討することが損をしないコツです。

洗濯機の処分についてよくある疑問をまとめました。

洗濯機を処分するタイミングとは？

引越す機会が少ない方などは、いつ洗濯機を処分すべきか分かりにくいのではないでしょうか。一般的に、洗濯機の寿命は10年程度とされています。10年を目途に買い替えや処分を検討したいところです。

また、設置環境や使い方などさまざまな要因で寿命が早まることもあります。洗濯機を処分するタイミングの目安として、下記のような異常はないか稼働中の洗濯機をチェックしてみましょう。

• 異音がする
• 脱水・給水時にエラーが出る
• 水漏れしている

上記のような異常が出ている場合、すでに洗濯機が寿命を迎えている可能性が考えられます。寿命を知らせるサインが出たら、本格的に稼働しなくなる前に買い替えることをおすすめします。

洗濯機を無料で処分する方法はある？

まだ新しく状態の良い洗濯機であれば、「リサイクルショップや家電買取業者に買い取ってもらう」「フリマアプリやネットオークションで売る」といった方法で実質的に無料で処分できます。

洗濯機の取り外しは自分で行わなくてはいけない？

家電量販店や不用品回収業者、出張買取業者に依頼する場合は、取り外しからおまかせできることが多いです。自分で指定引取場所に持ち込む場合は取り外しから自分で行う必要があります。

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