洗濯機の水抜きとは?
洗濯機の「水抜き」とは、給水ホース・排水ホース・本体の3か所に残っている水を排出することです。引越しの運搬時や、寒い時期の凍結防止対策としておこないます。
洗濯槽のなかは、普段の洗濯で「脱水」の工程があるので自然に排水できる仕組みですが、ホースの内部には水が残っている場合があるので注意が必要です。
洗濯機の水抜きは何時間かかる?
水抜きにかかる時間は30~60分程度なので、引越し当日におこなうのは不可能ではありませんが、洗濯機やホースの水分をしっかり乾燥させたほうがよいので、引越しの2~3日前に行うのがよいでしょう。
洗濯機の水抜きをするタイミングと必要性
洗濯機を水抜きする目的は「引越し」「凍結防止」の2パターンが多いのではないでしょうか。それぞれに適したタイミングと、水抜きの必要性について紹介します。
引越しで洗濯機の水抜きをするのはいつ?
水抜きは引越し前日までに行うのがベストです。水抜きにかかる時間は30~60分程度なので、引越し当日におこなうのは不可能ではありません。しかし運搬作業でバタバタするするうえ、洗濯機やホースの水分をしっかり乾燥させたほうがよいので、引越し当日の水抜きはおすすめできないのです。
引越しのときに水抜きが必要な理由は、洗濯機を運搬するとき残っていた水が漏れると、家具・家電が濡れてしまうリスクがあること。また水のぶんだけ重量が増したり、漏れた水で足を滑らせて故障や破損を招いてしまったりするリスクもあります。
もちろん、引越しの2~3日以上前までに水抜きを済ませておいても大丈夫です。ただし水抜きをしたあとは洗濯ができないので、洗うべき衣類が最小限になるように調整しておく必要があります。
凍結防止で洗濯機の水抜きをするのはいつ?
洗濯機が外置きの場合や、玄関付近の寒い場所に置いてある場合は、気温0℃以下になると内部の水が凍結する恐れがあります。予想最低気温が-4℃以下になる前日や、日中最高気温が0℃以下になる前日には水抜きをしておきましょう。
また冬に長期外出するときには、水が動かない状態で凍結しやすくなるので、関東以南であっても注意したほうがいいケースも。
水抜きの手順自体は一緒ですが、この記事では室内置きの洗濯機を想定して解説しています。凍結防止対策をお考えの方は、以下の記事を参考にしてみてください。
引越し業者やクリーニング業者におまかせすることも可能
洗濯機の水抜きは、引越し業者やクリーニング業者にまとめて依頼するとお手軽です。引越し業者に依頼すれば、当日まで水抜きをしなくてもよくなります。クリーニング業者に依頼すれば、洗濯機をキレイにしてから新居に持ち込むことができるので、どちらも一石二鳥です。
引越し業者に水抜きから運搬・取り付けまでおまかせ
引越し業者におまかせして、水抜きから運搬をまとめてやってもらうこともできます。利用するプランや引越し業者によって料金がかかる場合もありますが、自分で準備する手間を省けるのがメリットです。
たとえば「サカイ引越センター」の場合は、水抜きと洗濯機取り外しまでなら無料でおこなってくれるようです。ただし新居での洗濯機取り付けはオプションになります。
「ヤマトホームコンビニエンス」の輸送サービスでは、水抜きを含む取り外し作業・新居での取り付け作業のどちらにも料金が発生します。縦型洗濯機は取り外し3,300円、取り付け5,500円です。ドラム式洗濯機は取り外し5,500円、取り付け9,900円と少々高額です。
クリーニングを依頼したついでに水抜きしてもらう
長年にわたって洗濯機を使っていると、洗濯槽には黒カビが生えてしまいます。引越し前にクリーニングをしておいて、ついでに水抜きまでお願いすれば一石二鳥です。新居でも快適に洗濯することができます。
基本的に水抜きはカンタンな作業なので、オプション料金やサービス内容として明示されていることはありません。しかしクリーニング業者であれば、分解も取り付けもお手のもの。不可能ではないでしょう。
一般的な洗濯機クリーニングでは最後に試運転をして、洗濯機を通常通り使える状態にして完了します。そのため水抜きをしてもらえるかどうかは、見積もりの段階で問い合わせておきましょう。
洗濯機の水抜き手順
縦型洗濯機の水抜き手順を紹介します。水が流れる順に「蛇口→給水ホース→洗濯機本体→排水ホース」という流れで水を抜いていきましょう。
- 洗濯槽のなかを空にして蛇口を閉める
- 洗濯機を標準コースで運転
- 給水が止まったら電源を切り、給水ホースを外す
- 洗濯機を最短時間の脱水コースで運転して、内部を乾拭きする
- 排水口から排水ホースを抜き、ホース内部の水を出してから取り外す
- 【ドラム式洗濯機】糸くずフィルターの水抜き
- ホースや電源コード、アース線などの分解したものをまとめて、運搬しやすい状態にする
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水抜きの手順は取扱説明書にも記載されています。機種によっては手順が違う場合もあるので、念のため確認しておきましょう。以下に大手メーカーの水抜き手順を挙げておきます。
用意しておくとよいもの
洗濯機の水抜きで用意しておくとよいのは、以下のような道具です。
タオルや洗面器、バケツ |
漏れてきた水を受け止めるため |
結束バンドやビニール袋 |
取り外した部品をまとめるため |
ドライバー |
ホースの接続部・ニップルがネジで固定されている場合 |
ドライバー以外はなくても対処できますが、服や手足が汚れないように注意しましょう。排水口付近には汚れがたまっている可能性もあるので、必要に応じてゴム手袋や掃除用品を用意しておくのもオススメです。
1.洗濯機の給水蛇口を閉める
洗濯機のなかに衣類などが入っていないことを確認したら、まずは洗濯機とつながっている蛇口を閉めておきましょう。この状態で運転することで、ホース内に残った水だけが給水されます。
2.洗濯機を標準コースで運転
蛇口を閉めたら洗濯機の電源を入れ、標準コースで運転しましょう。ホースにたまっていた水が出なくなるまで、およそ1分程度が目安です。
もしずっと水が止まらない場合は、蛇口を反対にひねっていないか確かめてみましょう。
3.給水ホースを蛇口から外す
洗濯機の電源を切り、給水ホースを外します。「洗濯機側→蛇口側」の順で外すのがコツです。ホースには水圧がかかっているので、蛇口側から外すと水が噴出してしまいます。
また、それでも水があふれてくることがあるので、タオルで先端を押さえながら作業しましょう。
蛇口と接続されているニップル(ジョイント)はネジで固定されていることもあるので、その場合はドライバーを使って緩めましょう。
4.最短時間の脱水コースで運転して、内部を乾拭き
給水ホースの水抜きが終わったら、あとは洗濯機本体と排水ホースを順番に水抜きしていきます。
まずは洗濯機を脱水モードで運転しましょう。いちばん短い時間のモードで大丈夫です。これで本体に残った水が排出されます。
脱水が終わったら洗濯機のフタを開けて、付着している水分を拭き取りましょう。
5.【ドラム式洗濯機】糸くずフィルターの水を排水する
ドラム式洗濯機の場合は、糸くずフィルターの水抜きも必要です。取り出すためのツマミは洗濯機の下部にあります。
糸くずフィルターのツマミを緩めると、中にたまっている水があふれてくるので下に洗面器を置いておきましょう。水が出なくなったらタオルでフィルターを拭いて、元どおりに取り付けます。
6.排水ホースを排水口から外す
あとは排水ホースの残留水を出して取り外せば、洗濯機の水抜きが終わります。
まず排水口につながっている方を取り出し、ホースをいろんな角度に傾けて水を出しましょう。洗濯機本体も傾けて、水が出ないか確かめてみてください。
最後に、洗濯機と排水ホースとの接続部を取り外します。水があふれないように、タオルで押さえながら接続を解除しましょう。
7.周辺部品はまとめておく
引越しで運搬しやすいように、取り外した給水ホース・排水ホース、そして電源コードやアースなどを“ひとまとめ”にしておきましょう。
結束バンドを使ってまとめたり、ビニール袋に入れておいたりして、あとは洗濯機の中に入れておけばまとめて運搬できます。洗濯機の横にテープで貼りつけてもよいですが、ガムテープだと跡が残る可能性もあるので注意してください。
紛失を防ぐことにつながるうえ、荷ほどきの際も一緒に開封できるので、取り付けもラクになるでしょう。
洗濯機の水が抜けない場合の原因と対処法
洗濯機の水抜きをしてもうまく水が抜けない場合は、排水口や排水ホースなどにゴミが詰まっている可能性があります。ただし「水は抜けたけど、まだチャプチャプと音がする」という場合は正常です。
水抜きをした後に内部から水の音がするのは正常
水抜きをしたにも関わらず、洗濯機の内部で水が残っている音がする場合があります。
この音の正体は洗濯機内部の「液体バランサー」です。洗濯機を振動から守るために本体内部に組み込まれており、運搬作業をしても漏れることはないので心配ありません。
そもそも水が抜けないならゴミの詰まり
そもそもうまく水が排出されない場合には、排水ホースや排水口、または糸くずフィルター(ドラム式洗濯機の場合)にゴミが詰まっている可能性があります。
ゴミの正体は、洗濯した衣類やタオルなどから落ちた糸くずです。それぞれのパーツを取り外して詰まりを確認してみてください。もしゴミが詰まっているなら、歯ブラシやシャワーの水圧を使って取り出しましょう。
それでも水が抜けないときは業者に依頼しよう
一通りゴミを掃除しても詰まりが解消されない時は、無理せずプロの力を借りましょう。
たとえば排水管の奥深くの詰まりや、洗濯機内部の詰まり・故障などが考えられます。これらの場合は素人では対処できない可能性が高いので、業者に詰まり除去を依頼しましょう。
もし業者に依頼した場合、一般的には薬剤を使用して詰まりを解消していきます。その場合の料金相場は、8,000円~15,000円ほどです。
新居に移設するときの方法と注意点
今まで使用していた洗濯機を新居でも使う予定なら、引越し先でも問題なくその洗濯機が設置できるかを確認しておきましょう。自分で取り付ける手順と、注意ポイントを紹介します。
入居後、洗濯機を取り付ける手順
- 洗濯機のキャップを外し、排水ホースを取り付け
- 洗濯パンの上に設置して、排水ホースと排水エルボを接続してから排水口に取り付ける
- アース線の取り付け(コンセントは挿さないまま)
- 給水ホースと蛇口をつないでから、反対側を洗濯機に取り付ける
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まずは排水ホース・排水口・洗濯機を正しく取り付けましょう。もし接続ミスがあると、排水した水があふれるなどの不調の原因となります。
設置場所が狭い場合は、先に排水ホースを取り付けてから洗濯パンに乗せる必要がありますが、スペースが広い場合は先に洗濯機を移動してから作業してもOKです。
次に感電防止のために「アース線」を取り付けます。ネジを緩めてアース線を巻き付け、ネジを締めなおすだけです。このとき先にコンセントを挿してしまわないように注意してください。
最後に給水ホース・蛇口・洗濯機をつなぎます。レバーを引くだけで設置できる「ワンタッチ水栓」の場合はラクですが、ネジで取り付ける場合はニップル(接続部材)とドライバーを用意しておきましょう。
注意1.床と水平に設置されているか
洗濯機を設置するときは、床面と水平かどうかを確認しましょう。
水平でない場所だと、洗濯機内部のドラムが回転するときの振動が大きくなってしまいます。そのため階下の住人との騒音トラブルや、水漏れ、壁との接触などの不調が起こるかもしれません。
もしも傾きがある場合は、ちょうどいい大きさのベニヤ板などを使って水平になるように調整しましょう。
注意2. 洗濯機パンの大きさ
洗濯機パンとは、洗濯機を設置するプラスチック製の土台です。水漏れや洗濯機の振動から床を保護する役目があります。
賃貸物件には洗濯機パンがあらかじめ設置されていますが、最新のドラム式洗濯機などの大型のものは、パンの中に収まりきらないことも。
下見の際にはパンの大きさを測り、洗濯機が問題なく設置できるか確認しましょう。端から端までと、足場から足場までの距離をそれぞれチェックするのがポイントです。
注意3. 給水栓の形状、排水口や蛇口の位置
洗濯槽内に水を供給するためには、水道と給水ホースを連結する必要があります。しかし蛇口や給水ホースには様々な種類があるため、旧居と新居で形状が異なる場合があります。
もしも今までのパーツでは連結できない場合は、引越し当日までに新居の給水栓に合った口金や、ホースを締め付けるバンド、蛇口と接続するためのニップルなどを購入しておきましょう。
注意4.そもそも搬入経路の広さは十分か
そもそも搬入経路が洗濯機の横幅よりも狭いと、新居に移設できないというトラブルも考えられます。
新居の通路や階段、戸口の幅などを確かめておき、洗濯機が搬入可能かどうか確かめておきましょう。メジャーなどを用いて実際に計測することがポイントです。
洗濯機はカタログにも寸法が記載されていますが、取っ手部分などのちょっとした出っ張りが含まれていないことがあります。
実際の寸法とは異なる場合があるため、正確な大きさを知るために必ず自分の手で測るようにしましょう。
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