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「未払金」とは 未払費用・買掛金との違いや計上時期、仕訳例を解説

最終更新日: 2019年11月20日

「未払金、買掛金、未払費用ってどう違うの?」
「未払金ってどのタイミングで計上すればよいの?」

このような「未払金」などの購入日と支払日が異なる取引の経費処理について疑問をお持ちではないでしょうか。

この記事では違いが分かりづらい「未払金」、「買掛金」、「未払費用」の使い分けを解説していきます。具体的な仕訳例も紹介するので、経理初心者の方でも安心です。この記事を読むことで、「未払金」の基本的な使い方を理解して確定申告をスムーズにおこなうことができるようになります。

勘定科目「未払金」とは

勘定科目「未払金」とは
勘定科目「未払金」とは

「未払金」の概要について紹介します。「未払金」は年度をまたぐ取引の際に重要となるので、確定申告時に注意が必要です。

未払金とは

「未払金」とはサービスの提供を受けた際に後払いで支払いをする際に使用する勘定科目です。ただし、後払いでの支払いをする取引のすべてが該当するわけではありません。「未払金」は、後払いの中で「単発かつ商品材料の仕入れではないもの」のみが該当します。

未払金と買掛金の違い

注意が必要となるのは「買掛金」との使い分けです。「買掛金」とは売上の原価となる材料の仕入れなどについての後払いを集計する勘定科目です。

上記の項目でも述べたように「未払金」は「単発かつ商品材料の仕入れではないもの」のみが該当します。そのため、取引内容と使用目的によって勘定科目の使い分けに必要です。

「未払金」と「買掛金」を区別することでより正確に経費を分類することができます。債務状況を確認する際には「買掛金」をチェックすることが多いので、「買掛金」の正確な情報は重要となります。

消耗品を購入した時の仕訳

「ボールペンなどの消耗品を後払いで購入した場合」について考えてみましょう。

この場合は、消耗品として購入しているため、「単発かつ原材料などの仕入れに該当する経費」ではないといえるため「未払金」となります。ただし、ボールペンを販売する目的で購入した場合は「買掛金」となります。

このように、購入目的によって「未払金」と「買掛金」の区分が異なるので注意しましょう。

未払金の具体例

個人事業主の経理で発生しやすい「未払金」の具体的な内容を確認してみましょう。下記のような内容の後払い、分割払いの費用が「未払金」となります。

  • 消耗品の購入代金
  • 備品の購入代金
  • 水道光熱費
  • 交際費
  • 広告料金

上記のような経費が後払いの際に「未払金」となります。購入目的が仕入れに該当する場合や継続してサービスの提供を受けている場合は、「未払金」以外の勘定科目となることもあるので注意しましょう。

未払金と未払費用の違い

未払金と未払費用の違い
未払金と未払費用の違い

ここからは「未払金」と「未払費用」の違いについて紹介していきます。仕訳の際に混同しやすいので注意しましょう。

未払費用は継続してサービスの提供を受ける場合

「未払費用」とは営業活動に関わる費用ではなく、継続的にサービスの提供を受ける際の経費が後払いとなるときに計上される勘定科目です。「未払金」は単発の経費が該当するので、継続的な経費かどうかが判別のポイントとなります。

未払費用の具体例

それでは個人事業主の経理で発生しやすい「未払費用」の具体例について紹介していきます。

  • 未払の地代家賃
  • 未払の支払利息

主には上記の2つ場合となります。ビジネスによって他の内容が該当する可能がありますが、基本的には上記のようなケースのみが「未払費用」となります。「未払金」とは明確に区別できるようにしましょう。

未払金の計上時期

未払金の計上時期
未払金の計上時期

ここまで「未払金」と他の勘定科目の使い分けについて紹介してきました。ここからは「未払金」をどのタイミングで計上するべきかについて確認しましょう。

物品の購入をした場合

物品の購入をした場合は、物品が納品された段階で「未払金」を計上することになります。納品された時点で取引が完了して、支払い義務が発生するためです。

サービスの提供を受けた場合

「水道光熱費」などのサービスの提供を受けた場合は、「未払金」をいつ計上するのが適切でしょうか。サービスの提供を受けた時点で、支払い義務が発生するので、サービスを受けた月に計上するのが正解です。

支払いは翌月になることが多いですが、サービスを利用した月に「未払金」として計上する必要があることを理解しておきましょう。

未払金の仕訳例

未払金の仕訳例
未払金の仕訳例

「未払金」と他の勘定科目の使い方を紹介してきました。ここからは、「未払金」を用いた具体的な仕訳例を確認していきましょう。

物品を購入したとき

まずはクレジットカードを用いて物品を購入した場合の仕訳を紹介します。

(具体例)

11/01にクレジットカードで事務用品を11,000円分購入した。クレジットカードは月末締め、翌月25日払いとなっている。

借方 貸方
日付 勘定科目 補助 金額 勘定科目 補助 金額 摘要(具体的な内容)
11/1 消耗品費 11,000 未払金 11,000 クレジットカードで購入
12/25 未払金 11,000 普通預金 11,000 預金から引き落とし

クレジットカードで物品を購入した際に、「未払金」を貸方に計上します。その後、支払日に借方に計上して「未払金」を相殺します。「未払金」は一時的に支払額を計上するための科目なので、最終的には0になる科目であることを理解しておきましょう。

年度をまたぐ場合

次に物品の購入のタイミングと支払いのタイミングが会計年度をまたいでしまう場合の「未払金」の処理について確認してみましょう。

(具体例)

12/01にクレジットカードで事務用品を11,000円分購入した。クレジットカードは月末締め、翌月25日払いとなっている。

借方 貸方
日付 勘定科目 補助 金額 勘定科目 補助 金額 摘要(具体的な内容)
今年度
12/01 消耗品費 11,000 未払金 11,000 クレジットカードで購入
翌年度
1/25 未払金 11,000 普通預金 11,000 預金から引き落とし

上記のような仕訳となります。会計年度が変化するタイミングでは「未払金」を確実に計上する必要があります。「未払金」を計上しないと経費の会計年度がズレてしまうからです。

経費の発生タイミングを間違えることで、税金を多く払わなければならなくなる場合や、不当に税金が安くなり脱税が疑われてしまうような場合もあります。年度末には「未払金」に計上するべき案件がないか注意するようにしましょう。

役員報酬は未払金として計上できる?

役員報酬は未払金として計上できる?
役員報酬は未払金として計上できる?

最後に特殊なケースとして役員報酬を「未払金」に計上できる場合についてご紹介します。基本的には役員報酬は「未払金」にすることはできませんが、一部の場合は認められる場合もあります。

役員報酬を未払金に計上できる場合

会社の資金繰りが悪化した場合には、「役員報酬」の支払いを延期する場合があります。その際に「役員報酬」を「未払金」として経費計上するためには下記の条件があるので注意が必要です。

  • まだ支払われていない「役員報酬」を「未払金」として計上する
  • 支払期限がいつになるのかを明確にする

上記の条件を満たすことができれば、「役員報酬」を「未払金」に計上することができます。

役員報酬を未払計上する場合の注意点

役員報酬を「未払金」に計上する場合には利益調整と疑われないように注意が必要となります。そのために役員報酬を一定にする必要があります。役員報酬の金額が頻繁に変更されていると、税金を減らすための利益調整とみなされる恐れがあります。

また、「未払金」として計上して長期間放置しておくと支払う意思がないと判断されるため、なるべく速やかに支払いをするようにしましょう。

役員報酬を未払計上する場合の仕訳例

役員報酬を「未払金」に計上する場合の仕訳の方法について紹介していきます。

(具体例)

12/31に資金繰りの悪化のため支払いができていない役員報酬500,000円を未払金計上した。5/10に役員報酬の支払いが完了した。

借方 貸方
日付 勘定科目 補助 金額 勘定科目 補助 金額 摘要(具体的な内容)
12/31 役員報酬 500,000 未払金 500,000 役員報酬(未払)
5/10 未払金 500,000 現金 500,000 役員報酬(支払)

上記のような仕訳となります。会計年度が複数年にわたる場合は税金の変動が大きくなるので、特に注意して仕訳をおこないましょう。

【まとめ】「未払金」を理解して決算書類を作成しよう

【まとめ】「未払金」を理解して決算書類を作成しよう
「未払金」を理解して決算書類を作成しよう

ここまで他の勘定科目との使い分けが判断しにくい「未払金」について紹介してきました。要点をまとめると下記の通りになります。

  • 「未払金」とは「売上原価となる原材料の仕入れなどの営業活動に関わる内容以外で、かつ単発」の取引時に後払い金額を一時的に計上する勘定科目
  • 「未払金」と混同しやすい勘定科目としては「買掛金」と「未払費用」が挙げられる。「買掛金」は営業活動を目的とした仕入れの場合、「未払費用」は継続取引の場合の後払いの際に使用されることに注意
  • 購入日と支払日の会計年度が複数年にわたる場合は、経費を確実に「未払金」計上する必要がある。税金の額が大きく変動することになるので、計上漏れには注意
  • 「役員報酬」については、資金繰りが悪化して未払分がある場合のみ「未払金」に計上することができる。ただし、利益調整だと疑われないように長期間の「未払金」計上は避ける必要がある

上記のようなポイントが「未払金」の計上時に重要となります。しかし実際のビジネスの際には「未払金」に計上するべきか判断に困る場合もあると思います。その際にはすぐに税理士に相談するようにしましょう。

この記事を監修した税理士からのコメント

アテンド会計事務所 - 神奈川県横浜市西区

決算で黒字になったとしても、まだ支払っていないものを精査すると経費計上できるものが出てくるかもしれません。 買掛金・未払金・未払費用を計上することによって節税対策にもなりますので、決算後の支払いを確認してまだ経費にしていないものがないか頑張って探してみましょう。
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この記事を監修した税理士

アテンド会計事務所 - 神奈川県横浜市西区

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