老後の生活に不安を持ち、資産形成投資として不動産投資を始める人も増えてきていますが、ここで忘れてはならないのが所得税の申告です。不動産収入は自分で確定申告を行い、税金の申告をする必要があります。
そこで今回は初めて不動産収入における確定申告の方法をお伝えしたいと思います。
見出し
確定申告が必要になる不動産収入の種類とは
まずはじめに、確定申告が必要になる条件を確認しましょう。下記のような収入がある場合は、確定申告が必要になります。
-
家賃収入:アパートやマンション、戸建て住宅などを貸し付けて得られる収入
-
駐車場収入:月極駐車場やコインパーキング経営による収入
-
地代収入:土地を貸し付けて得られる収入
- 店舗収入:テナントや貸店舗によって得られる収入
こうした不動産によって得られた収入は「不動産所得」と呼ばれ、不動産所得が20万を超えると確定申告が必要になります。
ここで注意しておきたいのが、20万円のラインは「不動産所得」の金額であり、不動産から得られる収入の金額とは異なるということ。不動産所得は家賃収入などの「収入」から保険料などの「経費」を差し引いた金額です。
総収入金額-必要経費=不動産所得の金額 |
総収入金額が不動産所得ではないということに注意してください。
また、確定申告を行う際は、総収入金額と必要経費を算出しなければならず、収入や経費に関する要件は税務上の取り定めがあるため、ここでも注意が必要です。
次章以降では、確定申告の手順を下記の4つに分けながら、それぞれのステップについて簡単に解説します。
- 総収入金額を求める
- 経費として認められるものを集める
- 青色申告/白色申告を選択する
- 申告書類を作成する
不動産の確定申告ステップ①:総収入金額を求める
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一般的には「賃貸料収入」の合計金額として捉えられがちですが、他のものを見落とさないようにしましょう。
敷金は、本来借主に返還するお金ですが、退去時の修繕費用や未払い家賃などに充当した場合は、その部分が収入として計上されます。全額返還した場合は、収入にはなりません。
また、更新料は、賃貸借契約の更新時に受け取るお金で、収入として計上します。更新料を受け取らない契約の場合は、収入は発生しません。
礼金は、契約開始時に受け取るお礼のようなもので、返還義務がないため、受け取った時に収入として計上します。
これらの収入は、実際に受け取った日ではなく、権利確定日(家賃であれば、その月の家賃が発生した日)に計上するのが原則ですが、確定申告では、現金主義が認められているため、実際に受け取った日で計上しても問題ありません。
不動産の確定申告ステップ②:経費として認められる領収書を集める
不動産収入を得るうえで発生する支出のうち、経費として認められるものを一覧にしました。
経費の項目 |
内容 |
---|---|
租税公課 |
固定資産税、都市計画税など |
保険料 |
火災保険料、地震保険料など |
建物の維持に必要な費用 |
修繕費、管理費、清掃費など |
減価償却費 |
建物の取得費用を耐用年数に応じて経費計上 |
未収の家賃 |
確定的に回収不能となった家賃 |
その他 |
借入金の利子、不動産会社への手数料など |
経費は、課税対象となる所得を減らすためには欠かせない概念です。ここからは、各項目を掘り下げて解説します。
租税公課
不動産所得の必要経費として計上できる租税公課には、固定資産税、都市計画税などがあります。これらの税金は、不動産の所有者が毎年支払う義務があるものです。必要経費として認められるためには、不動産収入を得るために直接かかった費用であることが条件です。
税目 |
内容 |
対象 |
---|---|---|
固定資産税 |
土地・家屋などの固定資産にかかる税金 |
固定資産の所有者 |
都市計画税 |
都市計画事業の費用に充てるための税金 |
都市計画区域内の固定資産の所有者 |
登録免許税 |
不動産登記などの際に納める税金 |
登記権利者 |
不動産取得税 |
不動産の取得にかかる税金 |
不動産の取得者 |
個人事業税 |
事業所得または不動産所得がある場合に納める地方税 |
事業所得または不動産所得がある個人 |
固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日時点の固定資産の所有状況に基づいて課税されます。これらの税金は、不動産所得の必要経費として計上できます。
登録免許税は、不動産の所有権移転登記や抵当権設定登記などの際に納める税金です。不動産を購入したり、売却したりする際にかかる費用で、必要経費に算入できます。
不動産取得税は、不動産を取得した際にかかる税金です。こちらも不動産所得を得るために行った行為に直接関連するため、必要経費として計上できます。
個人事業税は、事業所得または不動産所得がある場合に納める地方税です。不動産所得が一定額を超えると課税対象となります。
これらの租税公課は、領収書などを保管しておき、確定申告時に必要経費として計上することで、税金の負担を軽減することに繋がります。
保険料
不動産所得にかかる必要経費として計上できる保険料には、次のようなものがあります。
保険の種類 |
説明 |
---|---|
火災保険・地震保険 |
建物や家財にかける保険です。 |
家賃保証保険 |
家賃滞納のリスクに備える保険です。 |
損害賠償保険 |
賃貸経営に関連して発生する損害賠償に備える保険です。 |
これらの保険料は、不動産経営に直接必要なものとして認められれば、必要経費に算入できます。
注意点として、保険の対象が事業用とプライベートの両方で使用されている場合には、按分して経費計上する必要があります。例えば、自宅の一部を賃貸に出している場合、建物の延床面積に応じて按分します。
また、保険料の支払方法によっては、経費計上できる年度が変わります。例えば、年払いの保険料を前払いした場合、その保険料は支払った年度ではなく、保険期間に対応する年度に経費計上する必要があります。領収書は大切に保管し、確定申告の際に必要となるため、しっかりと整理しておきましょう。
保険料を経費として計上することで、不動産所得を減らし、節税効果が期待できます。ただし、計上できる保険料の種類や金額には条件がありますので、不明な点は税務署や税理士に相談することをお勧めします。
建物の維持に必要な費用
建物を維持するためにかかった費用も必要経費に計上できます。具体的には、次のような費用が該当します。
項目 |
説明 |
---|---|
修繕費 |
雨漏りの修理や外壁塗装など、建物の劣化を直すための費用です。 |
維持管理費 |
建物の清掃や設備の点検、植栽の剪定など、建物の状態を維持するための費用です。 |
消耗品費 |
電球や蛍光灯の交換、トイレットペーパーの補充など、建物で使用する消耗品の購入費用です。 |
修繕費と維持管理費の区別は、費用によって建物の価値が上がるかどうかによります。建物の価値が上がる場合は修繕費ではなく資本的支出となり、経費計上できません。一方で、建物の価値が上がらない場合は修繕費として経費計上できます。
例えば、老朽化した外壁を塗装する費用は修繕費として計上できます。しかし、駐車場の増設工事のように建物の価値が上がる費用は、資本的支出となるため経費計上できませんので注意が必要です。
また、建物の維持管理を委託している場合は、管理会社に支払う手数料も必要経費に計上できます。領収書などを保管しておき、確定申告の際に漏れなく計上するようにしましょう。
減価償却費
減価償却とは、固定資産の購入額をその使える年数に応じて少しずつ分割して経費として計上するというものです。例をあげて説明してみたいと思います。
不動産に必要な100万円の冷暖房設備を購入したとします。単純にこの100万円をその年に経費として計上してしまうと、この年だけ使うために購入したように見えてしまいます。
もちろん、長期間使うつもりで購入したはずです。その考え方からすると、この経費の計上は何か違和感があります。逆に翌年以降は経費0円で冷暖房設備を使用しているということになってしまいます。これも同様に違和感がありますね。
このように減価償却とは、長期的に使用することを考えて固定資産の購入額をその支払時に経費の計上をするのではなく、使う年数に応じて分散して経費計上するのが的確であるとする考え方なのです
未収の家賃
未収の家賃が発生した場合、確定申告時にどのように経費計上すべきか解説します。原則として、発生ベースではなく現金主義を採用しているため、実際に家賃を受け取ったときに収入として計上します。同様に、経費も実際に支払った際に計上します。
家賃の未収分は、実際には収入を得ていないため、確定申告時には収入として計上しません。 しかし、一定の条件を満たせば、未収家賃を損金として計上できる場合があります。
条件 |
内容 |
---|---|
対象 |
貸倒れが確定した場合 |
金額 |
回収できないと確定した金額 |
方法 |
確定申告書の「雑損控除」で計上 |
具体的には、以下のケースが該当します。
-
滞納家賃を回収するために裁判を起こし、最終的に回収不能となった場合
-
賃借人が自己破産し、家賃の回収が見込めなくなった場合
-
賃借人が夜逃げし、所在不明で家賃の回収が不可能な場合
これらの場合、未収家賃は損金として処理できます。ただし、単に家賃の支払いが遅れているだけの場合は、損金として計上できません。 確実に回収不能となった場合に限り、損金算入が認められますので、注意が必要です。
未収家賃の損金算入は、確定申告時に「雑損控除」として申告します。 必要書類として、裁判の判決文や破産宣告書の写しなど、回収不能であることを証明する書類が必要です。 状況に応じて適切な対応を行い、確定申告時には正しく処理するようにしましょう。
その他固定資産税
不動産を所有していると、固定資産税の納税通知書が届きます。固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課税される地方税です。土地や家屋の評価額に応じて税額が決まり、毎年4月頃に納税通知書が届き、1年間で4期に分けて納付します。
固定資産税は、不動産所得の計算上、必要経費として計上できます。ただし、注意点があります。それは、固定資産税の納税義務者と不動産所得の収入を得ている人が同一である場合のみ経費計上できるという点です。例えば、自宅を賃貸に出している場合は、自宅の固定資産税を経費に計上できます。しかし、親の所有する物件を管理して家賃収入を得ている場合、固定資産税の納税義務者は親であるため、経費として計上することはできません。
項目 |
内容 |
---|---|
納税義務者 |
毎年1月1日時点の不動産所有者 |
税額 |
土地・家屋の評価額に応じて決定 |
納付時期 |
年4回(4月、7月、10月、1月) |
必要経費 |
納税義務者と収入を得ている人が同一の場合のみ計上可能 |
固定資産税の領収書は確定申告時に必要となるため、大切に保管しておきましょう。また、固定資産税の軽減措置などもあるため、詳しくは各自治体のホームページなどで確認することをお勧めします。
経費になるかの基準
不動産所得の金額を明確にするためには、経費を計上するということが必要です。不動産投資という事業に必要な費用、利益拡大に必要な費用というものがどこまでの範囲であるのかという判断はなかなか難しいものです。
私用でも使えるものを経費として計上してしまうと税務署から思わぬ指摘を受けてしまうかもしれません。逆の視点で考えてみると、税務調査が入った場合に「売上との結び付きを明確に説明できるか」という視点で考えると経費になるかどうかがわかりやすくなるかもしれません。
ここで重要なのは「その費用が、客観的に利益のために必要なものである」という説明がつくかどうかが重要です。しかしながら、この「経費に計上できるかどうか」というのは判断が非常に難しいものです。もし、迷うことがあれば専門家である税理士に聞くのがいいでしょう。
よくある間違い:計上できない経費の例(不動産収入に関連するもの)
不動産所得の計算では、必要経費を正しく計上することが重要です。しかし、中には経費と認められないものもあります。うっかり計上してしまうと追徴課税を受ける可能性があるため、注意が必要です。
よくある間違いとして、以下のようなものが挙げられます。
項目 |
内容 |
---|---|
不動産購入費用 |
土地や建物の購入費用は減価償却の対象とはならず、経費として計上できません。 |
借入金の返済元本 |
借入金の返済のうち、元本部分は経費になりません。利息部分のみが経費として認められます。 |
リフォーム費用(資本的支出) |
建物の価値を高めたり、耐用年数を延ばしたりするような大規模なリフォーム費用は、減価償却の対象となります。 |
家族への人件費 |
配偶者や子供など、同一生計の家族に支払う人件費は経費として認められません。 |
自家用車に係るすべての費用 |
賃貸経営にのみ使用している自家用車であっても、すべての費用を経費にできるわけではありません。事業に専念している部分のみ計上できます。 |
これらの費用は、不動産所得の必要経費には該当しないため、注意が必要です。必要経費と認められるかどうか判断に迷う場合は、税務署や税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
不動産の確定申告ステップ③:青色申告/白色申告を選択する
確定申告には2種類ありますのでそれぞれの違いをわかりやすく箇条書きで説明したいと思います。
白色申告
◎ 記帳が簡単(単式簿記でOK)で申告手続きがシンプル × 特別控除を受けることができない × 赤字を3年間繰り越すことができない |
青色申告
◎ 65万円(事業的規模でない場合には10万円)の特別控除が受けられる、取引の記録が簡易簿記による場合には、10万円の特別控除もある ◎ 赤字の場合、3年間繰り越すことが可能 ◎ 青色事業専従者への給与が全額必要経費にできる ◎ 30万円未満の固定償却資産は購入時に一括経費にすることができる ◎ 自宅をオフィスとして使う場合には家賃や電気代の一部も経費にすることができる × 青色申告をするためには、申請書の提出が必要 × 複式簿記での記帳をしなければならない |
このように青色確定申告を行うメリットが多くあります。ただし、申告準備には手間がかかるため、注意が必要です。
不動産の確定申告ステップ④:必要書類を揃える
不動産所得に関する主な必要書類は以下の通りです。状況に応じて追加で必要な書類もありますので、事前に確認しておきましょう。
書類名 |
説明 |
必須かどうか |
---|---|---|
確定申告書B |
所得の種類や金額、控除額などを記入する書類です。 |
必須 |
収支内訳書 |
不動産所得の収入と必要経費を詳細に記入する書類です。 |
必須 |
減価償却費の計算に関する明細書 |
減価償却費の計算方法や内訳を記載する書類です。建物を所有している場合に必要になります。 |
減価償却費を計上する場合必須 |
賃貸契約書の写し |
賃貸借契約の内容を確認するための書類です。 |
提出を求められた場合 |
固定資産税の納税通知書 |
固定資産税の金額を確認するための書類です。 |
提出を求められた場合 |
その他の必要経費の領収書 |
必要経費を証明するための書類です。建物の修繕費や管理費などの領収書を保管しておきましょう。 |
提出を求められた場合 |
青色申告の場合は、これらの書類に加えて「青色申告決算書」と「損益計算書」が必要になります。また、医療費控除など他の控除を受ける場合は、それぞれの控除に必要な書類も追加で提出が必要です。
必要書類は事前に準備しておき、漏れがないように確認しましょう。税務署のホームページや税務相談窓口で詳しい情報を提供していますので、不明な点は確認することをおすすめします。
不動産の確定申告ステップ⑤:申告書類を作成する【記入例有り】
確定申告書Bの記入方法は、一見複雑に見えますが、一つずつ確認していけば難しくありません。不動産所得の記入方法を具体例を交えて解説します。
確定申告書Bの書き方
まず、第一表の「不動産所得の収入金額」欄には、家賃収入や敷金、更新料などの合計金額を記入します。必要経費の詳細は、第二表に記入します。
項目 |
金額(円) |
---|---|
家賃収入 |
1,200,000 |
更新料 |
100,000 |
収入金額計 |
1,300,000 |
次に、第二表の「不動産所得の必要経費の金額」欄には、固定資産税、火災保険料、修繕費、減価償却費などの必要経費を項目ごとに記入します。
項目 |
金額(円) |
---|---|
固定資産税 |
150,000 |
火災保険料 |
20,000 |
修繕費 |
50,000 |
減価償却費 |
200,000 |
必要経費計 |
420,000 |
これらの金額を基に、第一表の「不動産所得の金額」欄には、収入金額から必要経費を差し引いた金額を記入します。具体的には、1,300,000円 – 420,000円 = 880,000円となります。
その他にも、必要に応じて添付書類の提出が必要になります。たとえば、減価償却費の計算明細や、修繕費の領収書などです。 これらの書類も忘れずに保管し、必要に応じて確定申告書Bと一緒に提出しましょう。
付帯書類の書き方
確定申告書Bに加えて、必要経費の明細を示す書類が必要です。これは、計上した経費の根拠を明確にするためのものです。主な付帯書類とその書き方を解説します。
-
経費の明細書
項目 |
内容 |
金額 |
備考 |
---|---|---|---|
租税公課 |
固定資産税 |
XXXX円 |
納税証明書添付 |
租税公課 |
都市計画税 |
XXXX円 |
納税証明書添付 |
保険料 |
火災保険料 |
XXXX円 |
契約書のコピー添付 |
修繕費 |
給水管修理 |
XXXX円 |
請求書コピー添付 |
管理費等 |
管理会社手数料 |
XXXX円 |
領収書添付 |
減価償却費 |
建物 |
XXXX円 |
計算明細添付 |
上記のように、経費の種類ごとに金額と根拠となる書類名を記載します。領収書や請求書などのコピーを添付し、後からでも内容を確認できるようにしておきましょう。
減価償却費の計算明細
減価償却費については、別途計算明細を作成します。建物の取得価額、耐用年数、償却方法などを明記し、どのように計算したかを明確に示す必要があります。
これらの書類を確定申告書Bに添付することで、申告内容の信憑性を高め、税務調査にもスムーズに対応できます。必要経費を漏れなく計上し、適正な申告を心がけましょう。
不動産の確定申告の提出方法
e-Taxを利用すれば、自宅やオフィスから簡単に申告できます。マイナンバーカードやICカードリーダライタが必要となりますが、一度設定すれば、書類の印刷や郵送の手間が省けます。
郵送や税務署への持参による申告も可能です。必要書類を揃えて、税務署の窓口に提出、または郵送で提出します。提出期限に間に合うように、余裕を持って準備を行いましょう。
e-Taxでオンライン申告:不動産所得の申告方法
e-Taxを利用すれば、自宅やオフィスから24時間いつでも確定申告の手続きが可能です。税務署へ行く手間が省け、時間を有効活用できます。ここでは、不動産所得のe-Taxでの申告方法をご説明します。
e-Taxで申告するには、以下の準備が必要です。
項目 |
内容 |
---|---|
マイナンバーカード |
公的個人認証サービスを利用する場合に必要です。 |
住民基本台帳カード |
利用者識別番号が必要になります。 |
ICカードリーダライタ |
マイナンバーカード、住民基本台帳カードを利用する場合に必要です。 |
事前準備 |
e-Taxソフトのインストール、利用者識別番号の取得などが必要です。 |
e-Taxソフトを起動し、画面の指示に従って必要事項を入力していきます。不動産所得に関する情報は、「不動産所得」の入力画面で行います。家賃収入や必要経費などの金額を正確に入力しましょう。入力内容をよく確認し、誤りがないように注意してください。
確定申告書Bの入力項目と合わせて、必要経費の明細なども忘れずに入力・添付しましょう。
e-Taxでの申告は、一度慣れてしまえば簡単に手続きできます。また、入力ミスも減らすことができ、還付金も早く受け取れるなどのメリットがあります。ぜひ、e-Taxを活用して、スムーズな確定申告を実現しましょう。
郵送・持参での申告方法:不動産所得の場合
郵送または税務署への持参による確定申告も可能です。e-Taxと比較して手間がかかりますが、パソコンやスマートフォン操作に不慣れな方はこちらの方法を選択することもできます。
申告書は、国税庁のウェブサイトからダウンロードするか、税務署で入手できます。必要事項を記入し、下記の必要書類を添付して提出します。
提出書類 |
説明 |
入手方法 |
---|---|---|
確定申告書B |
所得の種類に応じて必要な申告書 |
国税庁ウェブサイト、税務署 |
収支内訳書 |
不動産所得の収入と必要経費を記載 |
国税庁ウェブサイト、税務署 |
必要経費の領収書 |
経費計上した項目の証明書類 |
自身で保管 |
その他必要書類 |
所得控除の証明書など、状況に応じて追加 |
各証明書発行元 |
郵送の場合は、提出期限までに税務署に届くよう余裕を持って送付しましょう。税務署の受付印が必要な場合は、控えを準備し、事前に税務署に確認することをお勧めします。
持参する場合は、税務署の開庁時間内に窓口へ提出します。確定申告期間中は混雑が予想されるため、時間に余裕を持って行きましょう。
不明点があれば、税務署の職員に相談しながら手続きを進めることができます。
7. 不動産収入に関する確定申告Q&A
確定申告に関してよくある疑問をQ&A形式でまとめました。
質問 |
回答 |
---|---|
確定申告の期限はいつですか? |
毎年2月16日から3月15日までです。ただし、土日祝日の場合は翌営業日が期限となります。e-Taxの場合は、期限日の24時まで申告可能です。 |
確定申告について相談できる窓口はどこですか? |
国税庁のウェブサイト「タックスアンサー」や、お近くの税務署で相談できます。確定申告期間中は、税務署の相談窓口が大変混雑するため、電話相談やオンライン相談の活用もおすすめです。 |
複数の不動産を所有している場合は、まとめて申告できますか? |
はい、まとめて申告できます。確定申告書Bの「不動産所得」の欄に、それぞれの物件の収入と経費を合算して記入してください。 |
昨年、不動産収入が赤字でした。確定申告は必要ですか? |
はい、必要です。赤字の場合は、翌年以降の黒字の不動産所得と損益通算できます。確定申告書Bに赤字の金額を正しく記入することで、将来の節税につながります。 |
敷金は収入に含まれますか? |
敷金は、預かり金であり、原則として収入には含まれません。ただし、退去時に敷金から修繕費などを差し引いた残金を返還しない場合は、その金額が収入となります。 |
確定申告に関する疑問は、上記以外にも様々あるかと思います。上記以外にもご不明な点があれば、税務署や税理士などの専門家にご相談ください。
不動産収入の確定申告期限はいつ?
不動産収入がある場合の確定申告期限は、原則として毎年2月16日から3月15日までです。ただし、この期間は土日祝日等の影響で変動することがありますので、国税庁のウェブサイト等で最新の情報を確認するようにしましょう。
確定申告期限を過ぎてしまった場合、ペナルティとして加算税や延滞税が課される可能性があります。期限内に申告が難しい場合は、事前に税務署へ連絡し、相談することをおすすめします。
申告期限の延長申請も可能です。やむを得ない事情で期限内に申告できない場合は、事前に申請することで期限を延長してもらえます。
状況 |
期限 |
---|---|
通常の確定申告期限 |
2月17日~3月17日 |
申告期限が土日祝日にあたる場合 |
翌平日 |
海外居住者等 |
4月15日 |
e-Taxを利用する場合、申告期限は23時59分までとなります。郵送の場合は、消印が3月17日必着です。
申告期限をしっかりと把握し、余裕を持って準備を進めることで、慌てることなくスムーズに確定申告を済ませることができます。
不動産所得に関する相談窓口はどこ?
不動産所得の確定申告に関して疑問や不安がある場合は、税務署や自治体の相談窓口に問い合わせることが可能です。確定申告の時期は大変混雑するため、事前に予約をするか、電話やウェブサイトで確認することをおすすめします。
相談窓口 |
電話番号 |
対応内容 |
---|---|---|
国税庁電話相談センター |
0570-01-8888 |
税金に関する一般的な相談 |
各地の税務署 |
国税庁ウェブサイトで検索 |
確定申告に関する具体的な相談、申告書の書き方指導 |
各自治体の相談窓口 |
各自治体のウェブサイトで検索 |
住民税に関する相談 |
以下、相談窓口とその特徴をまとめました。
-
国税庁電話相談センター: 税金に関する一般的な相談に対応しています。確定申告に関する一般的な質問も受け付けていますが、具体的な申告内容については、管轄の税務署に問い合わせるよう案内される場合があります。
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税務署: 確定申告に関する具体的な相談や申告書の書き方指導など、専門的なアドバイスを受けることができます。確定申告期間中は無料相談会を開催している税務署もあります。事前に電話で予約をすることをおすすめします。
-
自治体の相談窓口: 住民税に関する相談に対応しています。不動産所得は住民税の課税対象にもなるため、住民税に関する疑問があれば、自治体の相談窓口に問い合わせましょう。
確定申告に関する疑問を解決し、スムーズな申告手続きを進めるために、これらの相談窓口を積極的に活用しましょう。
よくある質問と回答集(不動産収入に関するもの)
不動産収入の確定申告には、様々な疑問がつきものです。よくある質問をまとめましたので、参考にしてください。
質問 |
回答 |
---|---|
確定申告の期限はいつですか? |
原則、毎年2月16日から3月15日までです。 |
申告会場はどこですか? |
お住まいの地域を管轄する税務署です。国税庁のウェブサイトで確認できます。 |
確定申告を忘れてしまったら? |
速やかに税務署に相談しましょう。加算税や延滞税が発生する可能性があります。 |
必要経費の領収書を紛失した場合 |
内容を証明できるものがあれば認められる場合があります。税務署に相談してください。 |
複数の不動産を所有している場合の確定申告 |
全ての不動産収入をまとめて申告します。 |
不動産収入が少額の場合でも申告が必要ですか? |
その他の所得と合わせて、一定額を超える場合は申告が必要です。詳しくは税務署にお問い合わせください。 |
確定申告の手続きが複雑でよくわからない |
税務署や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。 |
上記以外にもご不明な点があれば、お近くの税務署、または税理士等の専門家にご相談ください。
税理士コメント
安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区元町通
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パソコンやスマートフォンからお手軽に行うことが出来ます。
最大5件の見積りが届く
見積もり依頼をすると、税理士より最大5件の見積もりが届きます。その見積もりから、条件にあった税理士を探してみましょう。税理士によって料金や条件など異なるので、比較できるのもメリットです。
チャットで相談ができる
依頼内容に合う税理士がみつかったら、依頼の詳細や見積もり内容などチャットで相談ができます。チャットだからやり取りも簡単で、自分の要望もより伝えやすいでしょう。
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