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特定口座は確定申告が不要?確定申告をして還付金をもらおう

最終更新日: 2020年01月06日

収入が発生すると所得税を納めなければなりません。それは株式投資や投資信託の譲渡益に関しても同様です。

しかし、例えば源泉徴収ありの特定口座で取引をする人は金融機関から源泉徴収されるため、原則として確定申告をしての納税はする必要がありません。

この記事では口座ごとの確定申告の要否および、確定申告が不要でも確定申告をしたほうが良い場合について説明します。

この記事を監修した税理士

高崎文秀税理士事務所 - 東京都文京区本郷

 
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特定口座・非課税口座・一般口座の違い

株式売買のチャート
特定口座(源泉徴収あり)は確定申告が不要

株式や投資信託の取引を行うためには、各金融商品取引業者において口座を開設する必要があります。

それでは、その取引を行う口座にはどのような種類があるのでしょうか。またそれらの口座で取引した場合、確定申告が必要なのでしょうか。

まずは、それぞれの口座の特徴について説明していきます。

株式や投資信託を取引する口座は3種類

株式等の取引をする人は、証券会社などの金融商品取引業者で口座を開設しなければなりません。株式等には、株式、投資信託、公社債などがあり、これらの取引には取引口座が必要です。

取引口座には特定口座非課税口座、そして一般口座の3種類があります。

特定口座、非課税口座、一般口座の違い
特定口座、非課税口座、一般口座の違い

特定口座(源泉徴収あり・なし)とは

特定口座は、金融機関が取引により発生した利益や損失の額を計算してくれます。さらに1年分の損益をまとめた特定口座年間取引報告書を作成してくれるメリットもあります。

また、特定口座には源泉徴収ありの口座と源泉徴収なしの口座があり、どちらかを選択できます。源泉徴収ありを選択した場合、株式譲渡益が発生すると税金が差し引かれた金額を受け取ります。源泉徴収なしを選択した人は、売却時に税金の計算はされず、売却代金をそのまま受け取ることになります。

非課税口座(NISA)とは

非課税口座には、NISAつみたてNISAなどがあります。また、未成年者のための非課税口座としてジュニアNISAもあります。これらは、決められた期間内で一定額まで株式譲渡益や配当金が非課税となる制度で近年利用者が急増しています。

一般口座とは

一般口座とは、特定口座や非課税口座ではない口座を言います。特定口座のように年間取引報告書は作成されないため、自分で購入金額と売却金額、手数料などから利益や損失の額を計算しなければなりません。取引件数の多い人は計算も大変ですし、必要書類を長期間保管していなければ計算ができないため、それらの書類を保管しておくのも大きな負担となります。

しかし、未公開株の取引など、一部の商品は一般口座でなければできないため、一般口座で取引する方がいるのです。

特定口座の確定申告が必要な時とは

特定口座でも確定申告が必要?
特定口座でも確定申告が必要?

株式や投資信託の取り引きを行う際に必要な口座の種類について、お伝えしました。

それでは、どの口座の利用していると確定申告が必要となるのでしょうか。また確定申告が不要の口座であっても確定申告をしたほうが良い場合があります。

ここからは、確定申告の要否や確定申告をしたほうが良いときとはについて、詳しく解説します。

非課税口座と特定口座の「源泉徴収あり」は確定申告が不要

株式や投資信託の取引口座のうち非課税口座に関しては、税金が発生しないため損益に関係なく確定申告をすることは必要ありません。一方、一般口座や特定口座を利用して株式や投資信託を取引をする場合、株式譲渡益が発生すれば所得税15.315%(*平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額に2.1%を乗じた額を所得税と併せて申告・納付する必要があります)、住民税5%が課税されます。

また、特定口座の「源泉徴収あり」で取引を行っている人の場合、株式譲渡益が発生した際には譲渡益や税金の計算、そして納税まで金融機関が行ってくれるため、確定申告は不要です。

つまり、非課税口座と特定口座(源泉徴収あり)の場合だけが確定申告しなくて良いことになります。

一方、一般口座で取引を行っている人はほとんどの場合、確定申告をしなければなりません。さらに特定口座の「源泉徴収なし」で取引を行っている人も、金融機関が特定口座年間取引報告書を作成してくれますが確定申告は自分でする必要があります。

繰越控除を受けたい場合は確定申告が必要

株式の譲渡益に対してかかる税金は、他の所得から発生する税金とは区分して計算されます。そのため、株式譲渡損が発生しても、給与所得など他の所得と相殺することができません。その代わりに、損失を最大3年間繰り越して、翌年以降の株式譲渡益と相殺できるメリットがあります

株式譲渡損を繰り越すことで、翌年以降3年間に発生した株式譲渡益から源泉徴収される税額を減額できるメリットがありますが、そのためには、損失が発生した年分の確定申告をしておかなければなりません。

また、株式譲渡益を繰り越した株式譲渡損と相殺するためにも確定申告をしなければなりません。前年以前から繰り越されてきた損失があっても、確定申告しなければ還付を受けることはできないのです。

例えば、1年目が株式譲渡損100万円2年目に株式譲渡益200万円がある場合、1年目では株式譲渡損が発生しているため源泉徴収税額はありませんが、確定申告をすることで2年目の株式譲渡益200万円から繰り越した100万円を相殺でき、課税所得を相殺後の残額の100万円に抑えることができます。

損益通算する場合も確定申告が必要

複数の特定口座(源泉徴収あり)を保有している人で株式譲渡益と株式譲渡損がそれぞれ発生している場合、確定申告をすることで納税額を抑えるメリットがあります。

例えば、同一年にA証券会社の特定口座(源泉徴収あり)で200万円の利益B証券会社の特定口座で100万円の損失が発生したとします。このまま確定申告しないと、A証券会社で源泉徴収された税金をそのまま納めることになりますが、確定申告をして2つの口座の損益通算した場合、株式譲渡益は100万円となり、源泉徴収税額との差額分が還付されます。

さらに、すべての口座を合計して損失が出た場合、源泉徴収された税金が還付されるうえに、前述した翌年以降の繰越控除を受けることも可能です。

利益が出ている特定口座と損失が出ている特定口座がある場合、その損益を通算することで還付金を得ることができるメリットがあるので必ず申告するようにしましょう。

特定口座(源泉徴収あり)が損になる時がある?

特定口座が損なケース
株式投資や投資信託の特定口座で損になるケースとは

前述した通り、特定口座(源泉徴収あり)で株式や投資信託の取引を行っていれば、基本的に確定申告は不要です。

しかし、特定口座(源泉徴収あり)で取引することでいくつかのデメリットが発生することもあります。ここでは、源泉徴収なしの特定口座で取引をする方が良いと考えられる場合をいくつかご紹介しましょう。

給与所得者で投資の譲渡所得が20万円以下の人

給与収入が2,000万円以下の給与所得者は、給与所得以外の所得が20万円以下の場合は確定申告をしなくてもよいとされています。給与収入が2,000万円以下の方が、源泉徴収なしの口座で株式や投資信託の売買を行って年間の譲渡益が20万円以下になった場合、確定申告は必要ありません。

ところが、源泉徴収ありの口座で取引を行っている場合は、源泉徴収で納税をすることになります最大で20万円の利益に対する所得税30,630円、源泉徴収なしの口座で取引していれば払わずに済む税金を支払う必要があるので注意しましょう

源泉徴収なしだと資金繰りが良くなる

特定口座(源泉徴収あり)で株式や投資信託の取引をすると、売却して利益が出た場合、その都度源泉徴収されます。

一方、特定口座(源泉徴収なし)だと源泉徴収されないので、株式を売却した代金の全額が入金されます。よってより大きな金額で再投資ができるメリットがあります。

投資金額が多ければ新たな投資をする際の選択肢が広がり、またリターンを多く得ることができます。それ故に源泉徴収なしの口座で取引する方が、多少ではありますがチャンスを多くつかむことができるのです。

「源泉徴収あり・なし」それぞれの確定申告で必要書類とは

それぞれの場合における確定申告の必要書類について
それぞれの場合における確定申告の必要書類について

特定口座は、「源泉徴収なし」の場合はもちろん、「源泉徴収あり」でも、状況に応じて確定申告が必要になります。これらの確定申告の書き方と必要書類について解説をしていきましょう。

なお確定申告書の具体的な記入方法については、内部リンクを貼りますので、そちらを参考にしながらご覧ください。

 

いずれの場合においても必要な書類

特定口座の「源泉徴収あり・なし」のいずれの確定申告においても、次の書類が必要になります。

自分で用意、もしくは証券会社等の発行する書類
  • 印鑑 (認印)
  • 給与所得や退職所得、公的年金などの源泉徴収票 
  • 特定口座年間取引報告書 
  • 個人番号および本人確認書類 
税務署でもらうもの
  • 申告書B(第一表・第二表) 
  • 申告書第三表(分離課税用)

確定申告書は、ホームページからダウンロードも可能です。

参考:【申告書用紙】|国税庁

繰越控除・損益通算を行う場合

特定口座「源泉徴収あり」で利益があったものの、他の特定口座や一般口座で損失が出た場合は、合算して確定申告をすることで、源泉徴収された税金の還付を受けられるメリットがあります。また合計金額がマイナスになった場合は、損失を3年間繰り越して控除することができます。

特定口座「源泉徴収なし」で損失があった場合は、確定申告の義務はありませんが、確定申告をおこなうことで、他の所得で源泉徴収された税金が還付されるというメリットがあります。また赤字を3年間繰り越して控除することができます。

この際に提出する書類は、上で紹介した書類に加えて次の書類が必要になります。

  • 取引報告書など一年の取引の損益が計算できるもの
  • 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書(1面.2面) 
  • 申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の繰越用)

源泉徴収なしの特定口座で利益が出た場合

特定口座「源泉徴収なし」で利益が出た場合、確定申告の義務があります。この際に必要な書類は、取引した証券会社が一社なのか複数なのかによって異なります。それぞれ次の書類が必要になります。

取引先が一社の場合
  • 納付書(領収済通知書)
取引先が複数の場合
  • 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書(1面.2面)
  • 納付書(領収済通知書)

住民税で会社に内緒の株式投資や投資信託がばれる?

住民税で会社に内緒の株式投資や投資信託がばれることがあります
住民税で会社に内緒の株式投資や投資信託がばれることがあります

株式を売却して譲渡益がでると、所得税だけでなく住民税も納めることになります。ただし、住民税については、税務署から市町村に確定申告書の写しが送付されるので、改めて申告する必要はありません。

それでは、会社に内緒で株式投資や投資信託で大きな利益を得ていた場合、住民税からばれてしまうことはあるのでしょうか。

会社員の場合、市町村から勤務先に納税通知書が送付されてきます。これに基づき、毎月の給料から天引き行うことになります。

勤務先は、納税通知書によって各個人の住民税額を把握することになりますから、給料がほとんど変わらない同僚と比べて、住民税が明らかに高い場合は、給与以外に何らかの収入を得ていることが判明してしまいます。

特定口座の確定申告は税理士に相談しよう

特定口座の確定申告は税理士に相談しよう
特定口座の確定申告は税理士に相談しよう

確定申告は時間も労力もかかるためできればしたくない人がほとんどでしょう。特定口座(源泉徴収あり)で取引すれば、税金の計算や納税を金融機関で完結することができるため、基本的に確定申告は不要です。

ただし、税金の負担を軽減できるため確定申告した方が良い場合があることは覚えておいた方が良いでしょう。

例えば株式投資や投資信託で損失が発生した場合。この場合、損益通算と繰越控除の申請は確定申告が必要です。損益通算や繰越控除の確定申告は一般的な手続きと違い複雑となりがちです。

「年度末で忙しいのに確定申告のために時間を割けない……」

そんな悩みを抱えている方は一度、専門家である税理士に相談しましょう。

監修税理士のコメント

高崎文秀税理士事務所 - 東京都文京区本郷

給与所得者で上場株式の売買をされている方は、通常源泉徴収ありの特定口座を利用されていて、毎年確定申告をしない方がほとんどだと思います。しかし上記で記載したように、確定申告をした方が税金を軽減できることがあります。またその他にも、配当については申告分離課税ではなく総合課税を選択した方が配当控除を受けられるので有利になったりするケースもあります。最善の方法を選択するためにも、一度ご自身の申告の内容が上記のようなケースに該当していないか、確認してみましょう。
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この記事を監修した税理士

高崎文秀税理士事務所 - 東京都文京区本郷

こんにちは、高崎文秀税理士事務所の税理士高崎と申します。 当事務所は文京区の総武線水道橋駅から徒歩4分と利便性が高く、税務顧問を月額1万円~の低価格で品質の高いサービスをご提供する税理士事務所です。 創業3年以内の個人事業者・法人については税務顧問を月額1万円、決算料なし(年12万円+年調等1万円、合計13万円)からご提供しております。 創業したばかりでお金と時間に余裕がない、という方でも経理や税金のことを心配せず、本業に集中して頂き、1日でも早く事業を軌道に乗せて頂くお手伝いができればと考えております。
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