外壁の上塗り塗料(ペンキ)の種類が変わると、主に以下のような点に違いが出ます。
- 費用
- 耐用年数
- 適用下地(どんな外壁に使えるか)
- その他性能
しかし塗料には色々な種類/グレードのものがあり、どれが自分の外壁や予算に最適なのか分からないですよね。
そこでこの記事ではよく使われる塗料を一覧にして、各費用や性能を徹底比較していきます。「それぞれどう違うのか」「どんな人にどの種類の塗料が最適なのか」が分かるので、ぜひ参考にしてみてください。
外壁塗料の種類(グレード)一覧!費用と耐用年数を比較!
外壁塗装で使用する塗料は、大まかにいうと下記の3つの要素で成り立っています。
- 樹脂:塗料の膜を作る成分(メイン成分)
- 顔料:色を出す成分
- 添加材:塗料の性能等を上げる成分
その中でも大きく影響を与えるのが「樹脂」の部分。樹脂が変わると、塗料の耐用年数や費用が以下のように異なってきます。
塗料(樹脂)の種類 | 費用相場(単価) | 耐用年数 |
アクリル塗料 | 約1,200~1,500円/㎡ | 約5~7年 |
ウレタン塗料 | 約1,600~2,200円/㎡ | 約8~10年 |
シリコン塗料 | 約2,500~2,800円/㎡ | 約10~15年 |
ラジカル制御型塗料 | 約2,200~4,000円/㎡ | 約12~16年 |
フッ素塗料 | 約3,500~5,000円/㎡ | 約15~20年 |
光触媒塗料 | 約3,500~5,500円/㎡ | 約16~22年 |
無機塗料 | 約3,500円~5,500円/㎡ | 約15~25年 |
※相場や耐用年数はあくまで参考値です。
基本的に見た目に変化が出ることはありません。各塗料の特徴について説明していきます。
アクリル樹脂の特徴
単価相場 | 約1,200~1,500円/㎡ |
耐用年数 | 約5~7年 |
メリット | 非常に安価で施工することが可能 |
デメリット | ・外壁塗装に使われる樹脂の中では一番グレードが低い
・耐久性が低い |
塗料の中で最も安い種類ですが耐久性が低く、現在では外壁塗装に使用されることはほとんどありません。
ウレタン塗料の特徴
単価相場 | 約1,600~2,200円/㎡ |
耐用年数 | 約8~10年 |
メリット | 柔軟性が高く、動きのある下地と相性がいい |
デメリット | グレードがアクリルに次いで低い |
ひと昔前まで、ウレタン樹脂性の塗料は外壁にもよく使用されていました。しかし上位グレードに当たるシリコン塗料の価格帯が徐々に下がってきたため、現在では使用される頻度が少なくなっています。
ただしモルタルやコンクリート等の「動きのある下地」に塗装する場合は別。これらは塗装時にどうしても軽微なひび割れが発生してしまう可能性があります。しかしウレタン塗料には柔軟性があり、ひび割れを最低限に抑えることができるんです。そのため状況に応じてあえてウレタンを選択することもあります。
シリコン塗料の特徴
単価相場 | 約2,500~2,800円/㎡ |
耐用年数 | 約10~15年 |
メリット | 耐用年数が長く、費用も比較的安い(コスパに優れる) |
デメリット | – |
シリコン塗料は現在最も主流の塗料。多くの塗装業者がシリコン塗料での塗装を標準にしているので、迷ったらこれを選択しておくのが良いでしょう。
シリコン樹脂は非常に安定した耐久性を持ち、ウレタン樹脂よりも寿命の長い樹脂です。
ただし注意点として「シリコン塗料だから性能が高い」というわけではないことを覚えておきましょう。シリコン塗料の中でも製品ごとに差がありますし、その他の要素(液性や溶剤系等)の違いでも耐久性に差が出てきます。
優良な施工業者にしっかりと選定してもらい「シリコン塗料の中でもどんなグレードの製品を使うのか」を確認しておくことが大切です。
ラジカル制御型塗料の特徴
単価相場 | 約2,200~4,000円/㎡ |
耐用年数 | 約12~16年 |
メリット | シリコン塗料以上のコストパフォーマンスを出せることが多い |
デメリット | ・発売されてから日が浅く、実際に塗装した建物のサンプルが少ない
・製品によっては比較的高額 |
ラジカル制御型塗料は、近年人気が出てきている塗料の一種になります。
「ラジカル」は外壁を守るための塗膜を劣化させてしまう物質のこと。そしてラジカル制御型塗料とはその名の通り、ラジカルの発生を抑える成分を含んだ塗料です。塗膜の劣化を防ぎ、外壁を長く守ってくれます。場合によってはシリコン塗料と同じかそれ以下の金額で、シリコン塗料以上の耐用年数が期待できるでしょう。
ただしラジカル制御型塗料を選ぶ際は「ベースとなっている樹脂のグレードによって性能が大きく変わる」という点に注意が必要です。
というのもラジカル制御型塗料のベースは、従来の塗料と同じくアクリル・シリコンなどです。そこに添加物を加えることで、ラジカルを抑えているわけですね。
そのためラジカル制御型塗料の耐久性は、あくまでベースとなっている樹脂の性能に依存します。「ラジカルだからシリコンより性能がいい!」という単純な話ではないので、製品の特徴をしっかり確認することが大切です。選ぶ際には、深い知識と技術のある業者に相談しながら決めましょう。
フッ素塗料の特徴
単価相場 | 約3,500~5,000円/㎡ |
耐用年数 | 約15~20年 |
メリット | ・外壁用の塗料で使用される樹脂の中では、最高の耐久性を誇る
・防汚性が高く、自浄機能もある |
デメリット | ・費用が高い
・塗膜が硬く、ひび割れを起こす可能性がある ・次回の塗装もフッ素塗料になる可能性が高い |
フッ素樹脂の表面は摩擦係数が低くとてもツルツルしているため、汚れなどが付着しづらいでしょう。また親水性が高いので雨水が汚れと塗膜の間に入り込み、汚れを洗い流してくれます。
ただしフッ素樹脂が作る塗膜は硬く、モルタルやコンクリートといった動きを伴う下地に塗るとひび割れを起こしてしまうことも。また他の樹脂の塗膜が乗りにくいため、次回の塗装もフッ素で行わなければならない可能性が高いのです。「フッ素樹脂は高いから、2回目以降は他の塗料を塗ろう」とはならないことが多いので注意してください。
塗膜の硬さは、フッ素樹脂をベースにゴムのような弾性を加えた「弾性塗料」という商品を使用すれば対処可能です。しかし塗装方法が変わるため費用がかさむ可能性もあります。
光触媒塗料の特徴
単価相場 | 約3,500~5,500円/㎡ |
耐用年数 | 約16~22年 |
メリット | ・フッ素樹脂並みの耐久力がある
・セルフクリーニング機能があり汚れが付きにくい |
デメリット | ・発売から間もない塗料なので、効果を実証するサンプルが少ない
・対応できる施工業者が少ない ・大手メーカーは外壁用としての光触媒塗料を販売していない |
光触媒塗料はラジカル制御型と同じく、汚れなどを分解する光触媒を加えた「機能性塗料」です。
取り扱うには高い専門性が求められるため、対応できる施工業者は少ないでしょう。また大手のメーカーは光触媒を使用した外壁用の塗料を販売していません。塗料の信頼性がまだまだ確立していないといえるでしょう。こういったメジャーではない機能性塗料の場合、必ず施工業者に扱えるか、扱った経験があるかを確認してから選択してください。
無機塗料の特徴
単価相場 | 約3,500~5,500円/㎡ |
耐用年数 | 約15~25年 |
メリット | ・紫外線の影響を受けない無機物を混合しているため、フッ素樹脂以上の耐久がある
・各メーカーで最高グレードに位置づけられていることが多く、機能性も充実している |
デメリット | ・費用が高い
・塗膜が硬く、ひび割れが発生する可能性がある |
無機塗料はその名の通り、無機物を配合した塗料のこと。ここまで解説した塗料とは根本的に違ったタイプの塗料となります。
通常塗料に含まれている「樹脂」は有機物に当たり、紫外線の影響で必ず劣化していきます。しかし無機物であれば紫外線による影響を受けづらいんです。分かりやすい例を挙げると、窓ガラス等は直接日光を浴びる箇所にもかかわらず劣化しませんよね。
つまり無機塗料は有機物の弱点をカバーするために、無機物を配合して耐久性を上げた塗料なのです。フッ素樹脂以上の耐久性があるとされ、無機物の特性として防火性もあるので非常に優秀な塗料といえるでしょう。
ただし無機塗料といえど全て無機物で構成されているわけではありません。有機物と無機物の配合で成り立っているので、全く劣化しないわけではないことを覚えておきましょう。また単純に施工費用が高額な点、フッ素樹脂と同じく塗膜が硬い点に注意が必要です。
無機塗料に分類されるセラミック塗料
無機塗料というのはかなり曖昧な定義で用いられている言葉でもあります。言葉の意味からすると「無機物が配合された塗料」を指します。しかしメーカーや塗装業者によっては、さらに細分化された名前で呼ぶことも。
その代表的なものがセラミック塗料です。セラミック塗料は陶磁器のような成分を混ぜて作られた塗料。セラミック塗料は広義でいえば無機塗料になるはずですが、単純にセラミック塗料と呼ばれることが多いでしょう。
外壁塗料で見るべきはグレードや耐用年数だけじゃない!さらに4種類に分かれる
外壁塗装で使われる塗料は、ここまでで挙げた種類以外にも色々な要素で枝分かれしていきます。以下の2×2=4種類の分け方もあることを理解しておきましょう。
- 「1液性」or「2液性」
- 「水性」or「油性」
例)「シリコン塗料かつ1液性かつ水性」など。
単純に考えると「2液性」かつ「油性」の塗料を選択すると、一番高耐久な塗膜を作ることができるといえるでしょう。ただし各種類にメリット・デメリットがあるので、詳しく解説していきます。
「1液性塗料」or「2液性塗料」
そもそも外壁塗料は主剤と硬化剤というものを混ぜ合わせて使います。これらを混ぜ合わせた際の化学反応によって、塗料の「樹脂」が生まれるわけです。
その化学反応の起こし方(混ぜ方)の違いで「1液性」と「2液性」に分かれているのです。
- 1液性塗料:最初から主剤と硬化剤が混ざっている
- 2液性塗料:主剤と硬化剤は別々の缶に分けられており、使用する際に自分で混ぜる
大まかな違いは以下の通り。
メリット | デメリット | |
1液性塗料 | ・自分で混ぜずにそのまま塗装可能
・樹脂の硬化スピードがゆるやかで、余裕を持って塗装ができる ・2液性に比べると少しだけ安価 |
塗装する下地への吸着力は2液性に劣る |
2液性塗料 | 下地への吸着力が高いため、さまざまな下地への塗装に対応できる | ・使用する際に分量を計算して、適切な比率で混合する必要がある
・樹脂の硬化が早く、5時間程度で使い切らなければならない |
一言でまとめると「1液性は簡単だが性能は劣る、2液性は難しいが性能は優れている」というイメージです。
以前は2液性塗料が主流でしたが、現在では1液性が主流になりつつあります。それは上述の通り2液性塗料の扱いづらさが原因です。2液性塗料を使う際は、できる限り技術と知識の面で信頼のおける業者にお願いするようにしましょう。
「水性塗料」or「油性塗料(溶剤系塗料)」
上述した通り、樹脂を生成するには硬化剤と混ぜ合わせる必要があります。ただしそのままではドロドロの状態なので、塗装をすることができません。
そこで適切な粘度になるまで薄めてから(希釈してから)塗装を行います。この希釈をする時に使う液体の違いによって「水性」か「油性」かに分けられるのです。
- 水性塗料:希釈に水を使用
- 油性塗料:希釈にシンナーなどの溶剤を使用
なお油性塗料という名称は外壁用の塗料ではあまり用いられず、溶剤系塗料という呼び名が一般的です。違いを下記表にまとめてみました。
メリット | デメリット | |
水性塗料 | ・水を使用するので有機溶剤特有のツンとした臭いがない
・油性塗料に比べると安価で施工できる |
適用できる下地が油性に比べると少ない |
油性塗料
(溶剤系) |
・水性に比べると強い塗膜を張ることができる
・密着力が強く水性に比べると塗装可能な下地の種類が多い |
・作業中や作業後に有機溶剤特有の臭いを感じる
・有機溶剤は人体に有害なので、作業時や周辺環境には注意を払う必要がある |
こちらも一言でまとめると「水性は安全で使いやすいが性能は劣る、油性(溶剤系)は使用に要注意だが性能は高い」というイメージです。
溶剤系の塗料を使う際は、その性質や使い方を熟知している業者に頼むのがおすすめです。
外壁塗装で使用する塗料の選び方!費用と性能のバランスを考えよう
具体的な塗料選びのポイントを解説していきます。
選び方①:どこまで長持ちさせるかで決める
コストパフォーマンス(1年当たりの費用)を考えると、やはり優秀なのはシリコン塗料とラジカル制御型塗料です。
塗料 | 1年当たりの費用単価 | 耐用年数 |
アクリル塗料 | 210~240円/㎡ | 約5~7年 |
ウレタン塗料 | 200~220円/㎡ | 約8~10年 |
シリコン塗料 | 180~250円/㎡ | 約10~15年 |
ラジカル制御型塗料 | 180~250円/㎡ | 約12~16年 |
フッ素塗料 | 230~250円/㎡ | 約15~20年 |
光触媒塗料 | 210~250円/㎡ | 約16~22年 |
無機塗料 | 220~230円/㎡ | 約15~25年 |
※かなり大まかな数字なので、目安程度にしてください。
ただし耐用年数に注目すると、グレードの高い塗料を選んでおけば今後の塗装回数が少なく済むことがあります。例えば40年同じ家に住むと仮定すると、以下のように金額が逆転することがあるんです。
- シリコン塗料:今後塗装が3回必要(3回分の金額がかかる)
- フッ素塗料:今後塗装が2回必要(2回分の金額がかかる)
外壁塗装の費用は塗料以外の部分にもかかってくるので、塗装回数が1度増えるだけでもかなりの出費になってしまいます。また単純に面倒と感じる方もいますよね。
そのため1回分のコスパだけでなく今後の塗装の回数も考慮しつつ、どこまで長持ちさせたいかを考えてみてください。
「ずっと住み続けたい」という方は、ある程度グレードの高い塗料を選ぶのがおすすめです。
選び方②:価格は1液性か2液性などのその他の要素で調整するのもあり
「2液性×油性」の塗料よりも「1液性×水性」の塗料の方が少し安くなることがあります。
そのため「グレードを上げたいけれど費用が気になる」という場合は、1つ上のグレードの1液性×水性を選んで費用を調整するという手も。
ただしこの方法は各塗料の性能に熟知している業者に相談するのがおすすめです。場合によっては逆に性能が下がってしまうこともあるので、注意してくださいね。
「できる限り安く、かつ信頼できる業者に依頼したい」という場合は、ぜひミツモアを利用してみてください。ミツモアは一定の基準を満たした施工業者がたくさん登録されており、あなたの地域や求める条件を入力するだけで複数社から大まかな見積もりがもらえるサービスです。
【ミツモアのメリット】
- 無料で手間をかけずに、複数社から見積もり(仮)がもらえる
- 各社の費用を比較し、より安いところに依頼できる
- ハウスメーカーなどを挟まず直接施工業者に依頼できるため、通常よりも安くなることが多い
- 依頼前にチャットで気になることを相談できる
ミツモアを利用すれば、費用と性能(信頼性)のどちらの条件も満たした業者に依頼ができますよ。
選び方③:下地に適した塗料かどうかを確認する
各塗料には「適用下地」というものがあり、そもそも塗装をしようとしている下地に適用していない塗料は塗ることができません。塗料選びの際には必ず適用下地を確認しておきましょう。
例えばサイディングボードに「微弾性フィラー」という下塗り材や「弾性塗料」という上塗り材を厚塗りで使用したとします。この場合あちこちに塗膜の膨れが出てきてしまう可能性があるのです。
なぜならサイディングには断熱材が入っているため表面が高温になりやすく、弾性系の塗料だとその熱で塗膜が変形してしまうから。
サイディングボードに弾性系塗料が絶対にダメと一概にはいえませんが、知識のないまま提案してくる施工業者もいるので注意が必要です。
こんな人にはこの塗料がおすすめ!
ここまでの内容を踏まえて、おすすめの塗料を紹介していきます。塗料に求めるものは人によって違うので、状況に応じて選んでみてください。
※ただし最終的には、施工業者に相談のうえ決定するのがおすすめです。
とにかく高耐久な塗料を使って外壁を長持ちさせたい人におすすめの塗料
「2液性×溶剤系」の「フッ素塗料」か「無機塗料」をおすすめします。トップグレードの塗料なので費用はかかりますが、それにふさわしい耐久性を持っているためです。
【①:日本ペイント株式会社 ファインフッソ】
国内最大手メーカーの日本ペイントが「最上級の2液タイプフッ素」とうたっている商品です。
種類 | フッ素塗料 |
液性 | 2液 弱溶剤形塗料 |
設計価格 | 4,160円/㎡
(3工程分の費用目安) |
適用下地 | コンクリート(現場打ち)、セメント系建材、塗り替え改修(アクリルリシン、吹付けタイル、その他旧塗膜) モルタル仕上げ面、ALCパネル、鉄部、カラー鋼板(トタンなど) |
期待耐用年数 | 公表無し |
【②関西ペイント株式会社 アレスダイナミックMUKIマイルド】
こちらも日本ペイントに次ぐ大手メーカー、関西ペイントが販売している無機塗料になります。
種類 | 無機塗料(ラジカル制御) |
液性 | 2液 弱溶剤形塗料 |
設計価格 | 4,010円/㎡
(複層塗材の上塗りに用いる場合) |
適用下地 | コンクリート、モルタル、窯業系サイディングボード、ALC、各種旧塗膜、鉄部、亜鉛メッキ、アルミ、ガルバリウム鋼板、金属サイディング、各種旧塗膜 |
期待耐用年数 | 15年以上 |
費用を抑えつつ少しでも長持ちさせたい人におすすめの塗料
1液性のラジカル制御型塗料をおすすめします。1液水性なので価格は2液溶剤系よりも若干安く、施工業者も扱いやすいため施工費が安くなる可能性が高いでしょう。
また同タイプの1液水性シリコン塗料などよりは耐久性が高いので、コストパフォーマンスに優れていると言えます。
【①日本ペイント株式会社 パーフェクトトップ】
塗料メーカーの最大手日本ペイントが、初めて「ラジカル制御型」と銘打って販売した製品。ラジカル制御型塗料の代名詞ともいえる塗料です。ベースとなるのはアクリル樹脂ですが、ラジカル制御処理を施しているためシリコン樹脂以上の耐久性を獲得しているといえるでしょう。
種類 | アクリル塗料(ラジカル制御) |
液性 | 1液 水性塗料 |
設計価格 | 2,930~3,000円/㎡
(3工程・仕上げと下塗り材により変動) |
適用下地 | モルタル面、窯業系サイディングボード、コンクリート、ALCパネル、鉄部、FRP、木部、金属サイディングボード、亜鉛めっき、アルミ等の塗り替え |
期待耐用年数 | 公表無し |
【②エスケー化研株式会社 エスケープレミアムシリコン】
日本ペイント・関西ペイントに次ぐ国内大手塗料メーカー、エスケー化研が販売しているラジカル抑制塗料。①の「パーフェクトトップ」がアクリル樹脂をベースにしているのに対し、こちらはシリコン樹脂がベース。そのためより高い耐久性が期待できるでしょう。
種類 | シリコン塗料(ラジカル抑制) |
液性 | 1液 水性塗料 |
設計価格 | 2,050円/m2
(下地調整費は別途必要) |
適用下地 | コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、スレート板、各種サイディングボード、各種旧塗膜(活膜)など |
期待耐用年数 | 14~16年 |
とにかく費用を抑えて塗装を行いたい人におすすめの塗料
1液水性シリコン塗料をおすすめします。ウレタン樹脂やアクリル樹脂系という選択肢もありますが、やはり最低限シリコン塗料での塗装をしておいた方がいいでしょう。
【エスケー化研株式会社 水性セラミシリコン】
建築仕上塗材国内シェアNo.1の「エスケー化研」が販売している、水性1液型のシリコン塗料。
種類 | シリコン塗料 |
液性 | 1液 水性塗料 |
設計価格 | 1,900円/m2
(下地調整費は別途必要) |
適用下地 | コンクリート、セメントモルタル、スレート板、ALCパネル、アルミ等の金属、各種乾式ボード、各種旧塗膜など |
期待耐用年数 | 12~15年 |
上塗り塗料だけでなく、下塗り塗料も慎重に選ぼう
外壁塗装は一般的に下塗り・中塗り・上塗りの3工程に分かれます。ここまで解説してきた塗料は中塗り・上塗りで使用するものです。
しかし上塗り塗料を正しく選んだだけでは不十分。効果的な塗装をするうえで絶対に欠かせないのが下塗り塗料です。下塗り塗料は上塗り塗料の吸着力を高めるだけでなく、同時に下地の補修機能を持つものもあります。つまり下塗り塗料でいかに塗装面の下地を整えておくかが、外壁塗装において重要な作業なんです。
そのため上塗り塗料だけでなく、使用する下塗り塗料もしっかり選ぶ必要があります。施工前にどんな下塗り塗料を使うのかを必ず聞いて、疑問点があれば質問しましょう。
代表的な下塗り塗料の種類は下記表の通りになります。
下塗り塗料の種類 | 特徴 |
シーラー | ・多くの下地で使用される
・上塗り材の吸着力を上げ、上塗り剤が下地に吸い込まれるのを防ぐ |
プライマー | ・主に金属面への下塗り材として使われる
・さびの浸食を防ぐ効果を持つものもある |
フィラー | ・主にモルタル外壁で使用されることが多い
・軽微なひび割れや荒れた下地を補修する効果がある |
下塗り材は基本的に上塗り材とセットで塗ります。別の種類・別メーカーの塗料同士を組み合わせることも可能ですが、基本的には各メーカーの推奨している商品同士で組み合わせるのが良いでしょう。
下塗り材と上塗り材の相性が良くない場合、上塗り剤がうまく下地に密着できず、数年で塗膜が剥がれてしまうこともあります。必ず信頼できる業者に相談してくださいね。
ミツモアであれば依頼前にチャットで相談をしたり、口コミを確認したりもできます。ぜひ一度利用してみてください。