引っ越し前にする洗濯機を運ぶための5つの準備
1. 引っ越し先の洗濯機の置き場所を計測する
引っ越し先の防水パンや設置スペースに収まるかどうか、洗濯機のサイズと重量は必ず確認しましょう。洗濯機本体と壁の距離は、左右と奥に5cm以上あるのが理想です。
種類 | 洗濯容量 | 高さ×幅×奥行 | 重量 |
---|---|---|---|
縦型式 | 5〜7kg | 約90×55×50cm | 30〜40kg |
縦型式 | 8〜9kg | 約100×60×60cm | 40〜50kg |
ドラム式 | 7〜9kg | 約110×60×60cm | 60〜80kg |
ドラム式 | 10〜12kg | 約115×65×70cm | 70〜90kg |
ポイント
- 特にドラム式洗濯機は大きくて重いため、搬入経路やドア幅、ドアが開く向きも念入りにチェックが必要です。
- 賃貸やマンションの場合、防水パンが 小さい ケースがあります。大家・管理会社に確認のうえ、かさ上げ台を検討しましょう。
2. 蛇口や排水口の位置と形状を確認する
引っ越し先に設置するスペースとあわせて、蛇口や排水口の位置も確認します。位置や高さが合わないときは、洗濯機用のかさ上げ台(防振ゴム)や洗濯機台で洗濯機をかさ上げしましょう。給水ホースと蛇口、排水ホースと排水口がつなぎやすくなります。
方法 | やり方 |
---|---|
ニップル(ジョイント)の交換 | 現在の蛇口と合わない場合に必要 |
かさ上げ台や洗濯機台の導入 | 洗濯機ごと数cm持ち上げることで、ホースをスムーズにつなげる。 |
洗濯機自体の買い替え | 防水パンとの相性が悪い・サイズが合わない場合は買い替えも検討。 |
3. 洗濯機の搬出入経路を決める
洗濯機の設置場所とあわせて、引っ越し先の搬入経路も確認しておきましょう。マンションの通路や階段といった搬入経路が狭くても、洗濯機を横に倒せば運べるケースもありますが、故障の原因になるため推奨しません。
よくあるアクシデント例
- ドラム式洗濯機は意外と高さや奥行きがあるため、エレベーターが小さくて載らない。
- 階段を使う際は、縦向きにしても曲がり角を通れないことがあります。寸法を測り、複数人で運ぶ算段を立てましょう。
- 搬出経路が狭いと「横倒しにして運ぶしかない‥‥」となりがち。洗濯槽が故障しやすいので、できる限り縦向きで運ぶのが原則です。
対策
- 事前に「取扱説明書で横向き運搬OKか」を確認。メーカーによってはNGとしている場合があります。
- 無理だと思ったら、プロの業者への依頼を検討しましょう。
4. 洗濯機の排水口を掃除する
洗濯機の水抜きを行う際、排水口は洗濯物に付着している髪の毛や糸くず、泥などが集まりがちで詰まりが発生しやすい場所です。水抜きを行う前に排水口を掃除しましょう。
排水溝の掃除手順
- 洗濯機の電源を抜き、給水蛇口を締める
- 排水口を見える状態にして排水口のパーツを取り外す
- 排水口内部を掃除する
- 排水口に水を流しきちんと水が流れるかをチェックする
- 排水口のパーツを元に戻す
ポイント
- 汚れがひどい場合は、ゴム手袋や使い古しの歯ブラシなどを使うと便利。
- 強い洗剤や漂白剤を使う際は、換気を十分に行いましょう。
5. 洗濯機の水抜きで必要な道具を用意する
洗濯機の排水口の掃除が終わったら、引っ越しの前日に水抜きをしましょう。30〜60分で終わり、引っ越し業者にも依頼できますが、追記料金がかかります。自分たちで水抜きをするとき、下記の道具を用意しましょう。
使用道具 | 用途 |
---|---|
ドライバー | 給水や排水ホースを取り外す際、ホースの接続部「ニップル」がネジで固定されている場合 |
洗面器・バケツ | 漏れてきた水を受け止める |
タオル・雑巾 | 水に濡れた床を拭く |
養生テープ | 洗濯機を運ぶときにフタが開かないようにする |
ビニール袋 |
外したホース・ニップルなど小物類をまとめて保管する |
排水口付近には汚れがたまっている可能性もあるので、必要に応じてゴム手袋や掃除用品、ビニール袋を用意しておくのもオススメです。
洗濯機のタイプ別の水抜き手順
縦型洗濯機 | ドラム式洗濯機 |
---|---|
縦型洗濯機の水抜き5ステップ
1.洗濯機の給水蛇口を閉める
洗濯機のなかに衣類などが入っていないことを確認したら、まずは洗濯機とつながっている蛇口を閉めておきましょう。この状態で運転することで、ホース内に残った水だけが給水されます。
2.標準コースで洗濯機を運転する
蛇口を閉めたら洗濯機の電源を入れ、標準コースで運転しましょう。給水ホースにたまっていた水が出てきて、1分程度で止まります。
もしも、水が止まらないときは蛇口を反対にひねっていないか確かめてみましょう。
3.給水ホースを蛇口から外す
洗濯機の電源を切り、給水ホースを外します。「洗濯機側→蛇口側」の順で外すのがコツです。ホースには水圧がかかっているので、蛇口側から外すと水が噴出してしまいます。
ホースから水があふれてくるので、洗面器またはバケツで受けられるようにしたり、タオルで先端を押さえながら作業しましょう。
加えて、蛇口と接続されているニップル(ジョイント)はネジで固定されていることもあるので、その場合はドライバーを使って緩めます。
4.最短時間の脱水コースで運転して、内部を乾拭きする
給水ホースの水抜きが終わったら、洗濯機本体と排水ホースを順番に水抜きしましょう。
洗濯機をいちばん短い時間の脱水モードで運転すると、本体に残った水が排出されます。
脱水が終わったら洗濯機のフタを開けて、付着している水分を拭き取りましょう。
5.排水ホースを排水口から外す
電源を切った後、排水口から排水ホースを抜いて残っている水を出せば、洗濯機の水抜きが終わります。ホースから水があふれてくるので、洗面器またはバケツで受けられるように準備しましょう。
ホースをいろんな角度に傾けて水を出したり、洗濯機本体も傾けて、水が出ないか確かめた後、洗濯機と排水ホースとの接続部を取り外します。水があふれないように、タオルで押さえながら接続を解除しましょう。
ドラム式洗濯機の水抜き6ステップ
1.蛇口を閉める
ドラム式洗濯機とつながっている蛇口を閉めます。閉めるとき、洗濯機内に洗濯物が入っていると水抜きができないため、必ず中身は空にしましょう。
2.標準コースで運転する
ドラム式洗濯機のフタを閉じた後、電源を入れて標準コースで洗濯機をまわします。
運転中給水ホースに溜まった水が出てくるので、洗面器やバケツに溜めて排出しましょう。
3.給水ホースを外す
標準コースを運転して1分ほど経過したら、運転を止めます。大量の水が噴出しないように洗濯機側から蛇口側の順に外していきましょう。
4.糸くずフィルターの水抜きをする
給水ホースの水抜きが終わったら、糸くずフィルターの水抜きをします。
電源を入れ直して1分間脱水した後、タオルでドラム内の水分を拭きとってから、糸くずフィルターのつまみを少しずつ緩めて排水します。
取り外した糸くずフィルターを洗って拭いたら、水が出なくなったことを確認しましょう。フィルターの取り付け場所に残った水分を拭き取った後、元に戻せば洗濯機内部の水抜きは完了です。
5.脱水コースで運転してから内部を乾拭きする
糸くずフィルターの水抜きが終わったら、再度ドラム式洗濯機の電源を入れましょう。最も短い時間で脱水コースを運転し終わったら、電源を切ります。
6.排水口から排水ホースを取り外す
脱水コースの運転が終わったら、排水口から排水ホースを抜きましょう。抜くとき、ホースから水があふれるケースもあるため、洗面器やタオルなどを使って床が濡れないように洗面器などを使用するのが最適です。
水抜き後に必要な洗濯機の引っ越し準備
洗濯機の水抜きが終わった後、引っ越し当日にトラブルなく運べるようにする準備は、下記のとおりです。
1.電源コンセントとアース線を取り外す
洗濯機の電源を切れていることを確認した後、コンセントプラグを引き抜きましょう。コンセントについているフタを開けるとアース線を固定するネジがついており、反時計回りにネジを回して外した後、アース線を取り外します。
2.洗濯槽を固定させる
洗濯機を引っ越し先に持っていくとき、洗濯槽が動いてしまうと運びづらくなってしまいます。洗濯機と洗濯槽の間に不要なタオルを挟んで固定しましょう。
ドラム式洗濯機を持っていくときは、ドラムのフタがある裏面に付いた「固定ボルト」を取り付けます。電源が入っていないときに洗濯槽が回ると、故障の可能性があるのが理由です。
3.ニップルを取り外してビニール袋に入れておく
蛇口と洗濯機の給水ホースの間に「ニップル」という部品が取り付けられています。引っ越し先で洗濯機を取り付ける際、必要になるので忘れずに取り外しましょう。
ただし、排水溝側にLの字に曲がったプラスチック製の「エルボ」という部品がついていますが、備え付けの部品のため外してはいけません。
4.テープで洗濯機のフタを止めておく
作業スタッフによる洗濯機の運搬中に振動でフタやドアが開かないように、マスキングテープや布製のガムテープで止めましょう。しっかり止めておかないとフタやドアが開いてしまい、運搬中に床や壁を傷つけてしまうことがあります。
引っ越し当日に行う洗濯機の運び出し
引っ越し当日、洗濯機の運び出しから新居の取り付けまで業者に依頼できます。具体的な作業は、下記のとおりです。
1.洗濯機本体と搬入経路に緩衝材を取り付ける
洗濯機を運び出す前に家の壁や床が傷つかないように養生作業を行います。養生作業を終えダンボールを運んだ後、洗濯機をはじめとした大型家電や家具を運び出しましょう。
その際、洗濯機本体が傷つかないように毛布や梱包布に包みます。
2.2人以上で縦向きで運ぶ
洗濯機本体に毛布や梱包布を包んだ後、トラックへ運びます。洗濯機の各部品は重いため、なるべく2人以上で水平にして揺らさずに運びましょう。
運ぶとき、洗濯機の重心を下にしてしっかり支えるのがポイントです。車に洗濯機を乗せる際、縦向きに積み込みましょう。長時間横向きに載せたまま運ぶと、移動中の振動で本体を傷つけたり、洗濯槽が外れたりする可能性があります。
3.搬出後は防水パンを掃除する
洗濯機を運び出した後、防水パン内やかさ上げ台周辺に溜まったゴミをきれいに取り除きましょう。ハンディモップでほこりを取った後、雑巾やウェットシートで汚れを拭き取ります。
引っ越し先で行う洗濯機の取り付ける手順
引っ越し先に洗濯機を取り付ける際、下記のような作業を行います。
1.防水パンの上に洗濯機を設置する
引っ越し先に到着したら、防水パンの上に洗濯機を設置しましょう。洗濯機には水平器がついており、水平な場所に設置されていないと、脱水時の異音の原因になります。
洗濯機の種類や作業内容によって変わりますが、引っ越し業者に設置を依頼したときの料金は下記のとおりです。
洗濯機の種類 | 料金相場 |
---|---|
縦型洗濯機 | 5,000円~ |
ドラム式洗濯機 | 7,000円~ |
かさあげ台の設置 | 5,500~11,000円 |
なお取り外しと設置両方を依頼すると、割引料金で作業をしてもらえる場合があります。依頼するときは、必ず料金とサービス内容を確認しましょう。
2.排水口に排水ホースをつなげる
洗濯機を設置した後、防水パンの下部にある排水口と洗濯機の排水ホースをつなげます。つなげる際、運転中に振動で外れないように固定できているか確認しましょう。
排水口の高さや位置が合わない場合、かさ上げ台や洗濯機台でかさ上げすることで接続しやすくなります。排水ホースが10cm以上盛り上がったり、つぶれていたりすると排水の流れが悪くなるため、なるべく水平に設置しましょう。
3.給水ホースを取り付ける
排水ホースをつないだら、洗濯機の給水ホースを蛇口に取り付けます。水栓の種類や高さ、ジョイント部分の状態を確認しましょう。
給水ホースを直接本体に取り付けるときは、ナットと給水弁のネジを水平に合わせた後、しっかりナットを締め付けます。一方で、水栓に取り付ける場合は、水栓のカバーを引き下げた状態で給水ホースをまっすぐ差し込みましょう。
4.電源とアース線を取り付ける
給水・排水ホースを取り付けた後、アース線を取り付けます。アース線には先が2つに分かれているものと、銅線がむき出しになっているものがあります。
コンセント側のネジを緩めた後、ネジと金具のすき間に線を差し込み、ネジを締めて挟み込めば完了です。アース線を取り付けた後、電源プラグを差し込みます。
5.試運転を行う
電源をつないだら、洗い時間や脱水時間を一番短い時間に設定して試運転を行います。給水や排水ホースから水が漏れていないか確認するためで、問題がなければ取り付け作業は完了です。
引っ越し後に発生しやすい洗濯機のトラブル
引っ越し業者に洗濯機の運び出しから設置まで依頼した場合や、自分たちでやったとき、下記のトラブルが発生しやすいため、注意が必要です。
1.アース線が接続できない
アース線の長さが短いケースや、コンセントにアース線を挿すところがないトラブルがあります。
長さが足りないときはアース線を購入できますが、差し込み口がないときは、電気工事士の資格を持つ業者に取り付け工事を依頼しましょう。
2.うまく排水ができない
排水ホースを取り付けた後、取り付けが甘かったり、排水口やホースのつまりなどが原因で排水できないことがあります。排水口やホース内がつまっているときは、掃除をしてから取り付けましょう。
排水トラップがある住居の場合は、できる限りホースが立ち上がらないようにつなぐことが大切です。トラップがないときは、簡易のトラップホルダを使用しましょう。
3.水漏れが発生する
引っ越し先に洗濯機を設置して動かしたとき、給排水ホースや蛇口から水漏れが発生するケースがあります。
蛇口や元栓を閉めると止まることがありますが、閉めても水漏れが止まらない場合は、業者に依頼しましょう。
4.運転中に異音がする
水漏れだけでなく、洗濯機の運転中に異音が発生するケースもトラブルのひとつです。
防水パンのサイズが合わない、またはかさ上げ台に乗せたときに洗濯機の足がうまく乗っていないと「ガタガタ」と異音が聞こえます。底面のサイズを取扱説明書で確認した後、サイズに合う防水パンやかさ上げ台を購入しましょう。
あわせて運転中に「キーン」や「ガリガリ」、「キュルキュル」といった異音が聞こえる場合、故障している可能性があります。販売店やメーカーの修理窓口に連絡しましょう。
引っ越しを機に洗濯機を処分する方法
引っ越し先に置くスペースを確保できなかったなどの理由で、新しい洗濯機を購入して引越し時に今まで使っていたものを処分する必要があります。
処分する際、水抜きを行った後、下記の方法で処分しましょう。
洗濯機の処分方法 | 費用相場 |
家電量販店に引き取ってもらう | 2,530円(リサイクル料金) |
リサイクルショップに買い取ってもらう | 無料 |
不用品回収業者に依頼する | 5,000~10,000円(リサイクル料金込み) |
1.家電量販店に引き取ってもらう
家電量販店で洗濯機を買い替えた後、古い洗濯機の回収を依頼できます。
ただし、2,530円のリサイクル料金がかかるほか、収集運搬費用がかかるので注意が必要です。
あわせて、引っ越し前に古い洗濯機だけ回収してもらえるかどうか確認しましょう。
2.リサイクルショップに買い取ってもらう
まだ十分使用できる洗濯機を処分する場合、リサイクルショップに持ち込むのも選択肢のひとつです。製造年月日や型番、状態が良ければ高価格で買い取ってもらえる可能性があります。
ただし、売れないときは引き取ってもらえるお店もありますが、別途引き取り料金がかかる場合があるので注意しましょう。
3.不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者に処分を依頼するのもおすすめです。依頼日時によって異なりますが、引っ越し前日に依頼すれば、自宅まで回収に来てもらえます。
費用は家電リサイクル料込みで5,000〜10,000円ですが、別途回収運搬料金がかかるところもあるので、気を付けましょう。
洗濯機の引っ越しに不安ならプロの業者に依頼しよう
洗濯機の引っ越しは種類によって水抜きの手順が異なる一方で、新居へ持っていくにあたって防水パンのサイズや蛇口の位置などを事前に確認することが大切です。
新居へ洗濯機の設置を依頼する場合、引っ越し料金と別に料金がかかるため、複数の引っ越し業者から見積もりを取ってから決めることをおすすめします。
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