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就業規則がないままで大丈夫?その場合のメリット・デメリットを解説

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最終更新日: 2019年06月07日

みなさんの会社では、就業規則を作成していますか?会社の規模によっては、就業規則がない場合は違法となり、罰則が下る可能性もあります。ご自身の会社がそれに当てはまるのかどうか、また就業規則を作成した場合のメリット・デメリットなどを今一度確認してみましょう。

就業規則はなくてもいいの?

就業規則はなくてもいいの?
就業規則はなくてもいいの?

法令に則った社内のルールが就業規則ですが、全ての会社で作成が義務付けられている訳ではありません。また、作成が必要な会社の場合も、ただ作成してデータとして保管してあるだけでは意味がありません。法令どおりに正しく運用する必要があります。

就業規則の作成が必要な事業所

労働基準法第89条には「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、所定の事項について就業規則を作成し、行政官庁(所轄労働基準監督署)に届け出なければならない。当該事項を変更した場合においても、同様とする。」と定められています。

ここでいう「常時10人以上の労働者」とは、その事業場で使用する労働者(臨時的・短期的な雇用形態の労働者も場合によっては含む)が常態として10人以上いるという意味合いです。正社員のみの人数を指している訳ではないので、ご注意ください。

この10人の計算はあくまでも事業場単位なので、会社全体が常時雇用する従業員数ではありません。従って、会社全体では10人を超過していても、事業場単位で10人未満であれば就業規則を作成して届け出る必要は生じません。かつ、原則事業場単位で作成するため、例えばA支店で10人、B支店で15人従業員を使用している場合は、各支店ごとに就業規則を作成し、それぞれの管轄の労働基準監督署に届け出ます。

就業規則がない場合の罰則は?

就業規則の作成・届出義務があるにも関わらず、それらを怠っていた場合は30万円以下の罰金という罰則が設けられています。就業規則の記載事項である労働条件や賃金に関する規定などが変更になったにも関わらず変更届を提出していない場合も、同様に30万円以下の罰金対象になります。

もしも現時点で、該当事業場があるけれども就業規則を作成していない、または作成しているけれども届け出ていない、という経営者の方は、速やかに作成・届け出を行うようにしましょう。

就業規則は周知していないと意味がない

就業規則は従業員に周知させて初めて効力を発揮する規則です。

労働基準法第106条には「使用者は、労働基準法及び労働基準法に基づく命令の要旨、就業規則、労働基準法に基づく労使協定並びに労使委員会の決議を、次の方法によって、労働者に周知させなければならない。」と定められています。ここで示されている周知方法とは、

①常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること

②書面を交付すること

③磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること

となっています。つまり、届け出が済んだ就業規則は常に従業員が閲覧できる状態にしておき、その旨を従業員に伝える必要があるということです。

もし周知義務に違反していた場合、就業規則に規定されている各ルールは従業員に適用されず無効になってしまいます。仮に従業員と労働裁判が発生した場合、就業規則を周知していなければ裁判で不利になる可能性が非常に高いです。就業規則とはその事業場で働く上でのルールなので、従業員が当然把握すべき規則なのです。

就業規則がない場合のメリット

就業規則がない場合のメリット
就業規則がない場合のメリット

各事業場の従業員数が10人未満であれば、就業規則の作成・届け出義務はありません。その場合、就業規則を作成した方が良いのか否か、迷うこともあるかと思います。就業規則には細かな諸ルールを記載するので、簡単に作成できるものではありません。ここでは作成しない場合のメリットをお伝えします。

資金・労力が浮く

就業規則は適当に作れば良いものではなく、「絶対的必要記載事項」と「相対的必要記載事項」というものが決められています。前者は、就業規則に必ず記載しなければならない事項で、主に始業時間や終業時間、休日や休暇、賃金の計算及び支払い方法や退職(解雇の事由を含む)に関する事項などです。

後者は、もしその事柄について何らかの定めをするのであれば、就業規則に記載しなければならない事項で、例えば退職手当や臨時の賃金(いわゆるボーナス)、安全及び衛生、災害補償、表彰及び制裁に関する事項などです。

これらを網羅した就業規則を作成するには、その専門知識を有する社会保険労務士に依頼するケースが多いですが、その場合当然作成料が発生しますし、内容の打ち合わせも欠かせません。作成しない場合はこれらの資金や労力を浮かせることができます。

社長の一声がルールになる

就業規則を作成する過程では、従業員の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない、と法令で定められています。また、届け出る際にはその従業員代表者の意見を記した意見書を添付する必要があります

労使双方の意見のもと就業規則は作成されなければなりませんが、この就業規則を作成しないのであれば、社長が定めたことがそのままその事業場のルールになります。これもある意味では経営者側のメリットと言えるでしょう。

就業規則がない場合のデメリット

就業規則がない場合のデメリット
就業規則がない場合のデメリット

前述したように、就業規則を作成するにはあらゆるステップを踏む必要があるので、作成しない場合はそれらを省略できるメリットがあります。では、逆に就業規則を作成しない場合はどのようなデメリットがあるのでしょうか?以下で具体的に説明していきます。

欠勤や遅刻・早退に対応できない

従業員を雇っていれば、欠勤や遅刻早退が生じることはよくあると思います。その場合、給料を控除することが殆どでしょうが、実はこの「賃金の減額」についても、就業規則で定めていなければ効力は無いのです。

また、無断欠勤や遅刻早退が続いた場合の懲罰に関しても、就業規則上で規定されていなければ行使することはできません。そもそも始業時間や終業時間、休日なども就業規則で定めるべき事項なので、就業規則そのものがなければ、勤務時間や出勤状況に対して使用者側が強く拘束すること自体難しいと言えるでしょう。

急な退職に対応できない

ある日突然従業員が「今月いっぱいで退職します。」と一方的に伝えてきたらどうしますか?その従業員のポジションや職場の状況によっては、急には対処できないこともあると思います。就業規則では退職に関する事項は絶対的必要記載事項なので、作成する場合は退職を申し出る期限やその際の注意事項を細かく決めることができます。

退職の申し出は最低でも2か月前にしてもらわないと困る、という場合はそれを就業規則に記載します。逆に言えば、就業規則がなければ申し出る退職日まで14日以上あればタイミングは自由なので、急な退職は受け入れざるを得ない可能性が高くなります。

問題がある労働者に対応ができない

勤務態度に問題があったり、周囲の従業員に迷惑をかけながら仕事をする従業員がいれば、通常は何らかの処分を検討するでしょう。しかしこの処分や懲罰に関しても、使用者が好きに決定できる訳ではなく、やはり就業規則に明記していなければ行使できません。

就業規則にそれらを細かく定めることで、従業員側の意識を高める効果もあります。円滑に業務を遂行するためにも、罰則を規定した就業規則を作成することは重要です。

助成金が利用できない

昨今あらゆる種類の助成金が用意されていますが、助成金を申請できる事業所の大前提として、就業規則を作成・届け出ていることが要件の1つとなっているものがあります。助成金は、ある制度や設備などを導入・実施した事業所に対して国から支給されるものです。

その制度などについて、就業規則に追記することで導入したとみなされるのです。もともと就業規則がなければ、助成金の申請すら難しくなります。何らかの助成金を検討している経営者の方は、就業規則がちゃんと事業場単位で作成・届け出られているかを確認した上で申請をするようにしましょう。

労働裁判に不利になる

従業員や退職者との間にトラブルが生じ、労働裁判に発展するケースは多数あります。会社側に問題がある場合はともかく、明らかに従業員側に問題がある場合は少しでも裁判を有利に進めたいですよね。

会社側がいくら「こちらは被害者だ!」と主張しても、就業規則が正しく運用されていなければ、不利になる可能性が高まります。それだけ社内における就業規則の効力は高いのです。

就業規則にまつわる裁判

就業規則にまつわる裁判
就業規則にまつわる裁判

前述したように、就業規則やそれに関連する協定の運用方法に違法性があった場合は、労働裁判で不利になります。効力を有する規定を設けるには、正しいルールを把握して作成・運用することが最も重要です。ここでは実際に起きた2つの裁判の判例を紹介します。

フジ興産事件

ある従業員は顧客の要望に十分に応じずトラブルを発生させたり、上司に暴言を吐いたりなどの問題行動が散見されたため、会社は就業規則に則りその従業員を懲戒解雇しました。これを不服とした従業員が裁判を起こしましたが、原審では懲戒解雇は有効とされ従業員の請求を棄却しました。

しかし、最高裁は原審の判決を破棄し、差し戻したのです。その理由は「就業規則を従業員に周知させる手続きが採られていなかった」からです。作成・届け出までは問題なくとも、周知義務を果たしていなければ就業規則に記載されている懲戒解雇の規定は無効となり、問題のある従業員に適用したくともできないという判例です。

トーコロ事件

会社側はある従業員に、繁忙期に残業時間を延長するよう要請しましたが、その従業員は何度要請されても残業命令には応じませんでした。会社は残業を拒否したこと、協調性が無いことなどを理由として従業員に解雇を通告しましたが、従業員は解雇無効を主張して会社を訴えました。この裁判で争点となったのが「時間外・休日労働に関する協定届(通称36協定)」の有効性です。この協定は

①事業場の労働者の過半数で組織する労働組合

②①がない場合は、労働者の過半数を代表する者

上記①②いずれかと締結する必要があります。本件の会社は、社内の親睦団体である「友の会」の代表者と36協定を締結したのですが、その代表者は①の代表者にも②にも当てはまらないため、この36協定は無効という判決が下りました。従って、36協定を前提とする残業命令も無効であり、従業員はこれに従う必要はないため、解雇そのものも無効とされたのです。

まとめ

就業規則がいかに重要か、おわかりいただけましたか?就業規則やそれに関連する各種協定は、労使ともに納得して仕事を進めるために必要なルールブックです。しかし正しく法令どおりに作成・運用するのは知識や労力が必要なので、専門家に依頼するのがおすすめです。この機会に、就業規則のプロである社会保険労務士をミツモアで見つけてみませんか。

この記事を監修した社労士

ドラフト労務管理事務所 - 大阪府大阪市東成区

関西弁で丁寧に対応する社会保険労務士事務所です。 ●重点取扱分野 労務相談/過労等の疾病・過労死の労災申請・障害年金申請代理 派遣元責任者講習講師/労働局・労働基準監督署等の監査立会業務 派遣業・職業紹介業の許可申請業務 ●働き方改革推進支援センターアドバイザー/教えて!goo・Yahoo!知恵袋 認定専門家/経済産業省後援ドリームゲートアドバイザー。 ●ドラフト労務管理事務所 代表社会保険労務士 鈴木圭史 JR玉造駅から東へ徒歩3分
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