リモートワークの定着や人材不足の深刻化など、企業を取り巻く環境は激変の時代を迎えています。そんな中で注目されているのが、より効率的な人材配置と育成が実現できる「HCM」と呼ばれる人材管理の考え方です。
この記事ではHCMの意味や何をするべきなのかをわかりやすく解説。人材管理を効率的に進められるおすすめツールも紹介します。
HCMとは
HCM(Human Capital Management)とは、人材が持つスキルや経験を資本として捉えて組織の利益最大化に活用する考え方のことです。日本語では「人的資本管理」と訳されます。
採用や配属、給与や就業状況、評価などのさまざまな人材情報を集約して総合的に管理・運用することで、従業員のモチベーションや能力を最大限に引き出していきます。
人材管理システムそのものを指すことも
採用や配属、評価など、人材情報の管理・運用を進める際に用いる人材管理システムそのものをHCMと呼ぶケースも多いです。
HCMツールには、人事情報の一元管理を実現する豊富な機能が搭載されています。
【HCMツールの基本機能】
機能 | 特徴 |
組織管理 |
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給与管理 |
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勤怠管理 |
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評価管理 |
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セルフサービスポータル |
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このようにHCMの実現を強力にサポートする機能が多数搭載されており、近年では導入企業が増加傾向にあります。リモートワークの増加や人材不足の深刻化が叫ばれることもあり、HCMツールは今後ますます注目されていくといえるでしょう。
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HCMとHRMの違い
HCMと似た考え方にHRMがあります。HRMは「Human Resource Management」の略で「人的資源管理」を指します。
両者は人材を価値ある存在とみなし、会社が効率的に人材を開発し活用することを目的としている点では変わりません。両者の大きな違いは「人材に対する焦点の当て方」にあります。
HCMでは人材のスキルや経験に焦点を当て、それら資本を最大限に引き出すことで企業の業績アップを図ります。一方でHRMは人材そのものを経営資源とみなし、有限的なリソースとして扱うのが特徴です。
近年では両者の境目を明確に細分化せず、人事が双方の観点をまとめながら人材管理を行うケースが増えています。
HCMを構成する要素【6つのポイント】
HCMは大きく分けて6つの要素で構成されます。
- 人材管理
- 人材獲得
- 人材分析
- パフォーマンス管理
- 勤怠管理
- 給与・福利厚生管理
HCMでは従業員が最高の成果を得られるように、付加価値を与えることにフォーカスします。
従業員のパフォーマンスと業務効率を最大限に活かすためにも、人材の採用からトレーニング、給与や福利厚生の管理など、全体的な人事戦略に沿った環境整備が大切です。
人材管理【オンボーディング・トレーニング】
従業員を育成して、新しいスキル開発や業務パフォーマンスの向上を目指します。
たとえば、新入社員が職場に慣れるにつれて必要な情報提供を行い、適切な目標を設定する「オンボーディング」プロセスを構築するとよいでしょう。企業文化や職務の要件、期待していることなどを案内して、新しいメンバーが与えられた役割に適合できる環境を整えていきます。
スキルを伸ばす機会や最高のパフォーマンスを発揮できるような「トレーニング」もあわせて実施しましょう。
人材獲得【人員計画・採用】
HCMの中でも特に重要な要素のひとつが人材獲得です。組織が目指すべき将来の目標から逆算して現在必要な人材を採用することは、目標達成に向けた大きな「原動力」となります。
そして面接からオリエンテーションまでの採用プロセスを合理的なものにすることで、人材が自信を持てるようにしましょう。
組織に必要な人材を採用するためには、新規と既存の両メンバーにとって理想的な職場環境を用意しなければなりません。たとえば福利厚生や評価制度の充足など、ワークライフバランスも考慮した、従業員が納得のいく環境を整えることが大切です。
人材分析
HCMでは人材分析を行って「従業員エクスペリエンス」の向上を目指します。「従業員が組織の中で体験する、あらゆる経験価値」の向上のためにも、よりよい環境整備に努めましょう。
分析の際には業績評価やこれまでの福利厚生請求、スキルの習得度合いや離職率、意思決定のプロセスなど、さまざまな指標とその統計から得られるデータをフル活用します。
測定基準を定めて定期的な分析を行い、従業員の変化を測定していきましょう。これまでの決まりやルールに縛られることなく、変化に応じて柔軟に対応して、従業員が健やかに成長できる環境を整えていくことが重要です。
パフォーマンス管理【目標策定・ワークフロー】
事業レベルと個人レベル双方の目標を、戦略的に設定・管理します。目標達成に必要な能力を特定して、トレーニングやコミュニケーションを通じた能力の最適化を図っていきましょう。
ほかにもタスクやプロセスを調整するワークフローの管理を行うことで、より大きな目標達成に向けた仕組みづくりも進めていきます。
従業員の能力が最大限に発揮される道筋をハッキリとさせて、メンバーの行動を強力にサポートしていきましょう。
勤怠管理
従業員のスケジュールや労働時間、休暇の管理を行います。出勤態度のチェックはもちろん、給与計算との整合性を確保するためにも重要な工程です。
給与・福利厚生管理
給与や報酬、福利厚生の管理を行います。それぞれが正確に処理されているのかどうか、そして正当な判断のもとに付与されているのかどうかを確認しましょう。
福利厚生は最新のトレンドを取り入れつつ、ビジネスニーズに沿った提供も大切です。適切な給与や報酬の提供は、従業員の原動力向上にもつながります。
HCMがもたらすメリット
HCMを適切に運用していくと従業員と企業の双方にメリットをもたらします。従業員のモチベーション向上につながるほか、コスト削減や収益増加の効果も見込めるでしょう。
適材適所の実現
HCMでスキルや能力を含む従業員の情報を一元管理することで、どのポジションにどの人材を配置すべきかを検討しやすくなります。部署異動をする際にも組織横断的に情報を整理できるため、適材適所を実現しやすいでしょう。
また従業員のキャリアパスに対する希望などの情報も管理できます。それにより従業員の志向に合わせて研修プログラムを企画したり、配置転換したりできるでしょう。
従業員のモチベーション向上
HCMによって従業員1人ずつの情報が可視化されます。これにより自分の現在のスキルやキャリアを客観的に確認することが可能です。
従業員の人事評価に対する納得感が得られやすくなり、目標管理を通じたモチベーションの向上も期待できます。
また自分の能力を最大限活かせるポジションに就くことができれば、従業員はやりがいを感じやすくなるため、離職率の低下にもつながるでしょう。
業務の効率化
HCMを運用すれば、採用活動の質の向上や人事業務の効率化が期待できます。統合的に管理された人事情報により、空いているポジションが明確になるので、必要な人材像がリアルタイムにハッキリします。その結果、スピーディーな採用活動に踏み切れるでしょう。
またHCMツールを使えば、従業員が自ら人事情報を編集可能です。従業員に変更があったら、その都度自分で情報を更新することで、人事担当者の工数削減と業務の効率化が見込めるでしょう。
コスト削減・収益増加
HCMでパフォーマンス管理やプロセスの簡素化を進めていけば、コスト削減や収益増加につながります。
従業員のスキルや経験をどのように活かしていくのかを適切に管理することで、投資収益率(ROI)の改善効果も期待できます。
キャリアの明確化
HCMは従業員の育成にも大きな効果が見込めます。従業員のパフォーマンス最大化を通じて、将来のキャリアプランもはっきりとしたものが見えてくるでしょう。
適切なトレーニングやレビュー、フィードバックなどを通じて能力や経験のギャップを特定し、改善につながる施策を打ち続けていくことが大切です。
HCMを進めて組織の利益最大化を実現しよう
HCMは従業員のあらゆる情報を一元管理する人材管理手法です。経営上の意思決定の質向上や社員のモチベーションアップ、適材適所の人材配置による業績向上などが期待できます。
またHCMツールを選ぶ際は操作性だけでなく、すでに運用中のシステムとの連携が可能かチェックしましょう。さらにサポート体制の充実度やセキュリティ面のチェックも怠ってはいけません。
HCMを効果的に進めて、組織の利益最大化を実現しましょう。
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