50名以上の中小企業においても義務化されたストレスチェック制度。企業において、従業員のメンタルヘルスは業務効率と直結する重要な要素であり、適切に管理することが必要です。
最終更新日: 2025年02月04日
本記事では、中小企業に適したストレスチェックシステム4選を紹介し、各ツールの機能や利用のメリットを詳しく解説します。
中小企業におけるメンタルヘルス対策の必要性
厚生労働省が推進する「第14次労働災害防止計画」（2023年4月から2028年3月まで）では、特に中小企業のためのメンタルヘルス対策が重視されています。
この計画は、従業員50人未満の小規模事業場におけるストレスチェックの実施率を2027年までに50%以上に引き上げることを目指しています。
50人未満の企業の導入率はまだまだ低い
2021年の労働安全衛生調査によると、従業員50人以上の事業場ではメンタルヘルス対策への取り組みが94.4％であるのに対し、50人未満の事業場では、その取り組み割合が30～49人で70.7％、10～29人では49.6％に留まっています。
このように、従業員数30人未満の小規模企業においては対策が進んでおらず、対策の実施が急務となっています。
労災の申請件数は増加傾向
また近年では、精神疾患に関連する労災請求数及びその認定数が増加傾向にあります。
この背景には、メンタルヘルス対策に取り組まない理由として、多くの企業が「該当者がいない」「取り組み方が分からない」「専門スタッフがいない」などの課題を抱えていることが挙げられます。
健康経営を実現するためのストレスチェックツールを活用
従業員が心身ともに健康であることが企業の成長にも寄与するという「健康経営」の考え方が広まってきています。健康経営では、企業が従業員の健康管理を積極的に推進することで、組織全体のパフォーマンス向上を目指します。
ストレスチェックの実施に不安がある企業は、ストレスチェックシステムを導入することで取り組みやすくすることが可能です。従業員自身が現在のストレスレベルや健康状態を手軽に把握できるよう支援するため、問題の早期発見につながります。
さらに管理職や人事担当者は、ストレスチェックデータを活用し、従業員に合った支援体制を整えることができます。企業全体のメンタルヘルスへの意識が高まり、働きやすい職場環境が促進されるでしょう。
| 参照：健康経営｜経済産業省 |
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中小企業におすすめのストレスチェックシステム4選
中小企業にぴったりのストレスチェックシステムを4選紹介します。
ORIZIN(オリジン)
出典：「ORIZIN(オリジン)」
- オンライン上でスムーズにストレスチェックを実施できる
- 実施者の業務代行により担当者の負担を軽減できる
- ストレスチェックを効率化する豊富な機能
ORIZINは、オンラインでストレスチェックを簡単に実施できるサービスで、紙媒体の管理が不要です。
従業員ごとのメールアドレスがなくても受検可能なため、自治体や製造業など多様な業界で利用されています。保健師や公認心理師が業務を代行するため、小規模企業でも安心して利用でき、外注費や労力の削減による業務効率化が期待できます。
また14ヶ国以上の言語に対応しているため、外国人社員がいる企業でも安心です。管理権限の設定により、部署ごとの受検状況も簡単に確認でき、大企業でも活用しやすい設計となっています。
ストレスチェッカー
出典：「ストレスチェッカー」
- 企業の実情に合わせた運用が可能
- 安心感から従業員の受検率がアップ
- 未受検者には受検を促すメールを送信
受検案内メールの送信者名や文面のカスタマイズが可能で、未受検者への勧奨メール送信など、企業の状況に応じた柔軟な運用が可能です。
また、医師の面接指導が必要な従業員には、案内メールの配信や面接指導の受付が受検画面上で行えます。ストレスチェックの社外委託により、従業員の個別結果が社内に知られることがないという安心感があり、受検率向上が期待できます。
チェックの案内はメールで送信され、従業員はメール内のURLをクリックして受検できます。実施期間中に未実施者をリスト化し、個別に受検を促すことも可能です。
Carely(ケアリィ)
出典：「Carely(ケアリィ)」
- 産業保健師や看護師など専門家によるサポート
- メンタル不調の予防対策も提案
- ストレスチェックから産業医面談までワンストップで対応可能
Carely(ケアリィ)は、長時間労働者や隠れ高ストレスの従業員に対するフォローとして、産業保健師や看護師による面談を提供します。
リスク判定や人事施策のサポートを専門家から受けることで、過重労働の削減や社内ルールの整備に役立ちます。不調者対応に加え、健康診断や過重労働、ストレスチェックの状況から産業医による面談候補者を自動抽出でき、予防的なメンタルヘルス対策を提案します。
またストレスチェック対象者への一括通知や未受検者への促進、産業医面談のスケジュール設定、集団分析など、すべてがシステム内で実行可能で、チェックは57項目と80項目の調査票に対応しています。
Wellness Eye(ウェルネス アイ)
- 約460社・45万名以上が利用するストレスチェックシステム(※)
- 東京大学との共同研究により開発した必要最小限の厳選した設問構成
- 組織の状態を可視化する充実した組織分析で職場改善をサポート
約460社・45万名以上の利用実績があり、個人ケアと組織改善に効果的なアウトプットが特徴です。
東京大学の川上憲人教授と共同研究した独自の設問構成により、職場改善を効率的に行えます。会社全体と最大5階層までの組織ごとの診断結果を提供し、要望に応じた結果報告会や改善提案も可能です。
受検者には5段階のストレス状態とセルフケアに役立つ詳細なアドバイスが表示されます。またメールアドレスが不要なWEB受検が可能で、紙からの切り替えが容易です。この切り替えによりコスト削減を達成している企業も多く、充実した運用サポートが高く評価されています。
※ SBアットワーク株式会社調べ(2025年1月時点)
中小企業向けストレスチェックシステムの選び方
誰もが使いやすい操作感のもの
ストレスチェックシステムの選定において、操作のしやすさは重要な要素です。特に、従業員や管理者が複雑な操作を避けられるよう、直感的な操作感を持つツールが望ましいです。
レポートと分析機能が充実している
ストレスチェックの結果を効果的に活用するためには、詳細なレポートと分析機能が不可欠です。受検者のストレス状態を5段階評価などで表示し、セルフケアに役立つ詳細な分析結果を得られるストレスチェックシステムは、ストレスレベルの把握に役立ちます。
企業にあわせてカスタマイズできる
各企業ではストレスチェックを必要とする理由が異なり、それぞれのニーズがあります。項目追加やレポート形式の変更など、企業特有の要求に合致した設定が可能なシステムを選ぶことで、従業員のメンタルヘルスに対する理解が進み、より効果的な活用が期待できます。
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