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【福利厚生】食事補助の非課税上限は3500円!要件とおすすめ10選

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最終更新日: 2025年11月18日

物価高騰が続く中、従業員の生活を守る「実質的な賃上げ」の手段として、福利厚生による食事補助が再注目されています。給与の引き上げは社会保険料の増加を伴いますが、食事補助は要件を満たせば非課税で支給できるため、企業と従業員の双方に税制上のメリットをもたらします。
しかし、導入にあたっては「非課税となる上限金額」や「負担割合」といった税務ルールを正確に把握しなければなりません。誤った運用は、意図しない課税リスクや追徴課税の原因となります。また、リモートワークの普及により、オフィスに設置するだけの社食では公平性を保てないという新たな課題も生まれています。
本記事では、食事補助制度を安全かつ効果的に運用するための税務要件と、自社の勤務形態に最適なサービスタイプを選定するための基準を解説します。

福利厚生の食事補助とは?要件とメリットを3分で理解

福利厚生の食事補助とは、企業が従業員のランチ代などの食事費用の一部を負担する制度です。法定外福利厚生の中でも特に利用率が高く、近年では「健康経営」や「エンゲージメント向上」の切り札として導入が進んでいます。
この制度の最大のメリットは、以下の3点に集約されます。

  1. 実質的な手取り額の増加:給与としての支給とは異なり、非課税枠を活用することで、従業員の手元に残る可処分所得を最大化できます。
  2. 企業の節税効果:要件を満たした補助額は福利厚生費として損金算入が可能であり、同額を給与として支払う場合に比べて法定福利費(社会保険料の会社負担分)を抑制できます。
  3. 組織課題の解決:コミュニケーションの活性化や、偏りがちな食生活の改善による健康増進効果が期待できます。

ただし、これらのメリットを享受するためには、国税庁が定める「非課税要件」を厳密に遵守する必要があります。要件を外れた場合、補助額は「給与」とみなされ、課税対象となるため注意が必要です。

【最重要】食事補助を「非課税」で導入するための3つの要件

食事補助を福利厚生費として処理し、非課税の恩恵を受けるためには、国税庁が定める厳格な要件をクリアしなければなりません。要点は「従業員の負担割合」と「上限金額」の2点です。

要件1:従業員が食事代の50%以上を負担していること

第一の要件は、あくまで「補助」であることです。会社が食事代の全額を負担することは認められていません。食事の総額に対して、従業員が半分以上を負担する必要があります。

  • OKの例:1食600円のお弁当に対し、従業員が300円、会社が300円を負担。(従業員負担率50%)
  • NGの例:1食600円のお弁当に対し、従業員が200円、会社が400円を負担。(従業員負担率33%)

要件2:企業の負担額が月額3,500円(税抜)以下であること

第二の要件は、企業が負担する補助金額の上限です。従業員1人あたり、月額3,500円(税抜)以下に収める必要があります。
ここで極めて重要なのが、この上限を超えた場合の取り扱いです。もし企業負担額が月額4,000円になった場合、超過分の500円だけが課税されるのではありません。「4,000円の全額」が給与として課税対象となります。このルールを見落とすと、全従業員分の源泉所得税の徴収漏れという重大な税務リスクに直結します。
また、この3,500円の判定は「税抜」で行います。適用される消費税率はサービスの形態によって異なるため、計算には注意が必要です。

  • 軽減税率(8%)対象:お弁当の配送、オフィス設置型のお惣菜(テイクアウト扱い)など
  • 標準税率(10%)対象:社員食堂での食事、外食など

具体的な計算シミュレーション(OK例・NG例)

実務における計算ミスを防ぐため、具体的なシミュレーションを確認しましょう。ここでは軽減税率(8%)が適用されるお弁当配送サービスを想定します。
【ケースA:適正な運用(非課税)】

  • 食事代:1食648円(税抜600円)
  • 会社負担:162円
  • 本人負担:486円
  • 利用回数:月20回

この場合、会社負担の月額合計は3,240円(162円×20回)となり、3,500円以下かつ本人負担50%以上を満たすため、全額が非課税となります。
【ケースB:ルール違反(課税対象)】

  • 食事代:1食648円(税抜600円)
  • 会社負担:200円
  • 本人負担:448円
  • 利用回数:月20回

一見問題なさそうですが、会社負担の月額合計は4,000円(200円×20回)となり、3,500円を超過しています。この場合、4,000円全額が給与扱いとなり、課税対象です。

注意:残業・深夜勤務時の特例について
通常の食事補助とは別に、残業や宿直勤務を行う従業員に食事を「現物」で提供する場合、その費用は全額福利厚生費として計上可能です(3,500円枠外)。ただし、これは「食事そのもの」を提供した場合に限られます。
「現金」を渡した場合は、原則として給与課税されますが、深夜勤務者(22時〜翌5時)に限り、現物支給が困難な場合に1食300円(税抜)以下の現金を渡しても非課税となる特例があります。通常の残業での現金支給は課税対象となるため、混同しないよう注意してください。

導入効果は?企業と従業員の「節税メリット」試算

食事補助を導入することは、単なる福利厚生の充実だけでなく、財務的な合理性も兼ね備えています。

従業員側のメリット

同じ月額3,500円を受け取る場合でも、「給与」として受け取れば所得税・住民税・社会保険料が引かれますが、「食事補助」として現物支給(または要件を満たすチケット等)で受け取れば非課税です。つまり、額面以上の手取り効果(可処分所得の向上)が得られます。

企業側のメリット

企業が負担した食事補助額は、福利厚生費として損金算入が可能です。また、給与として支給する場合に発生する会社負担分の社会保険料(約15%程度)も、福利厚生費であれば発生しません。コストを抑えつつ従業員への還元率を高める有効な手段となります。

自社に合うのはどれ?食事補助サービスの4つのタイプと選び方

食事補助サービスは、大きく「設置型」「配送型」「チケット・カード型」「社員食堂」の4つのタイプに分類されます。自社の勤務形態や課題に合わせて最適なタイプを選ぶことが、導入成功の鍵です。

1. 設置型社食(オフィスコンビニ)

オフィス内に専用の冷蔵庫や棚を設置し、お惣菜やパンなどを常備するタイプです。

  • 特徴:24時間いつでも利用可能で、1品100円程度から購入できる手軽さが魅力です。
  • 向いている企業:ランチタイムが不規則な企業や、従業員数が少なく食堂を作るスペースがない企業。初期費用を抑えて導入したい場合に適しています。

2. お弁当配送(デリバリー型)

毎日決まった時間にお弁当をオフィスまで届けてくれるサービスです。

  • 特徴:栄養バランスの取れた食事を提供できます。企業側で注文をとりまとめるタイプや、従業員が個別にアプリで注文するタイプがあります。
  • 向いている企業:休憩時間が固定されている企業や、オフィス周辺に飲食店やコンビニが少ない「ランチ難民」が発生しやすい立地の企業。

3. チケット・カード型(電子食事カード)

全国の提携飲食店やコンビニで利用できるカードや電子チケットを配布するタイプです。

  • 特徴:場所を選ばずに利用できるため、公平性が最も高い方式です。最近ではUber Eatsなどのデリバリーサービスと連携し、在宅勤務中の食事にも適用できるサービスが増えています。
  • 向いている企業:リモートワークを導入している企業、営業職など外勤が多い企業、全国に複数の拠点があり地域間格差をなくしたい企業。

4. 社員食堂(調理提供型)

社内に調理設備を設け、温かい食事を提供する伝統的なスタイルです。

  • 特徴:できたての食事による満足度は最も高く、従業員が一箇所に集まることでコミュニケーション活性化の効果が絶大です。
  • 向いている企業:従業員数が100名以上の規模で、空きスペースと予算を確保できる企業。健康経営を強力に推進するシンボルとして機能します。

【タイプ別】おすすめ食事補助サービス比較11選

ここからは、主要な食事補助サービスをタイプ別に分類し、それぞれの特徴を解説します。

設置型社食のおすすめサービス

オフィスの一角をカフェテリア化し、手軽に健康的な食事を提供したい企業に適しています。

オフィスおかん

出典:「オフィスおかん」公式サイト

管理栄養士が監修した健康的で家庭的なお惣菜を、1品100円という手軽な価格で提供できるサービスです。専用の冷蔵庫と自動販売機(または集金箱)を設置するだけで導入でき、商品の補充や賞味期限管理は専任スタッフが行うため、管理の手間がかかりません。健康経営を目指す中小企業から大企業まで幅広く利用されています。

ESキッチン

出典:「ESキッチン」公式サイト

「社食を、もっと手軽に、もっと身近に」をコンセプトにした設置型サービスです。1品100円で利用でき、持ち帰りも可能なため、夕食の一品としても活用できます。月替わりの豊富なメニューが特徴で、飽きずに利用し続けられる工夫がされています。従業員のコミュニケーションのきっかけ作りとしても有効です。

完全メシスタンド(日清食品)

出典:「完全メシスタンド」公式サイト

日清食品が展開する「完全メシ」シリーズをオフィスで提供できるサービスです。33種類の栄養素とおいしさのバランスを追求したメニューが特徴で、特に健康意識の高い若手社員が多い職場での満足度が高い傾向にあります。ブランド力による安心感と、がっつり食べられる満足感を両立しています。

お弁当配送のおすすめサービス

オフィス周辺に飲食店が少ない場合や、決まった時間に効率よく食事をとりたい企業に適しています。

500円出張食堂

出典:「500円出張食堂」公式サイト

調理設備がなくても、長机2台分のスペースがあれば温かいビュッフェ形式の食事を提供できるユニークなサービスです。スタッフが準備から配膳、片付けまで行ってくれるため、総務担当者の負担がありません。温かいご飯と汁物が提供される点は、冷たいお弁当にはない大きな魅力です。

社食DELI

出典:「社食DELI」公式サイト

専門店の味をオフィスに届ける、導入実績豊富なお弁当配送サービスです。販売スタッフ派遣による対面販売と、指定場所への配送のみのプランが選べます。和洋中さまざまなジャンルの有名店のお弁当を取り扱っており、毎日のランチに楽しみを提供できます。

ごちクルNow

出典:「ごちクルNow」公式サイト

有名店や行列店のお弁当を日替わりで楽しめるサービスです。初期費用や月額利用料がかからず、利用した分だけの従量課金(最低注文数の設定あり)で導入できる点が特徴です。従業員が自分のスマホから注文・決済を完結できるため、とりまとめ業務が不要です。

従業員が月額定額制(サブスクリプション)でランチを利用できる新しいモデルのサービスです。企業側は福利厚生費としての補助額を設定し、残りを従業員が負担する形式をとることで、毎日の現金のやり取りや細かい集計業務から解放されます。管理部門の工数削減を重視する企業に適しています。

チケット・カード型のおすすめサービス

リモートワークや外勤が多い企業、拠点間の公平性を重視する企業に最適です。

チケットレストラン(エデンレッドジャパン)

出典:「チケットレストラン」公式サイト

全国25万店以上の加盟店で利用できる、国内最大級の食事補助サービスです。コンビニやファミレスに加え、Uber Eatsとも連携しているため、出社・在宅・外勤を問わず全従業員が公平に利用できます。利用率は99%と非常に高く、従業員満足度と定着率向上に直結する実績があります。

びずめし

出典:「びずめし(社食ごちめし)」公式サイト

「ごちそう」を贈り合うというコンセプトから生まれたサービスで、全国の飲食店を社食として利用できます。地域のお気に入りの飲食店を応援できる側面もあり、CSR(企業の社会的責任)や地域貢献を重視する企業の導入事例も増えています。

まる得ランチ

出典:「まる得ランチ」公式サイト

KDDIグループが提供するサービスで、au PAYと連携して利用します。スマホ一つで決済が完結し、利用に応じてPontaポイントが貯まるため、従業員にとってのお得感が強いのが特徴です。運用はKDDIに任せられるため、管理者の負担も軽減されます。

どこでも社食

出典:「どこでも社食」公式サイト

自社の近くにある飲食店を「社食」として提携できるサービスです。スマホ決済で利用でき、企業への請求は一括で行われるため、従業員の経費精算業務が不要になります。特定のエリアに従業員が集中している場合、近隣店舗との関係強化にもつながります。

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食事補助制度を導入するまでの具体的な流れ

失敗のない導入のためには、以下のステップ順に進めることを推奨します。

  1. 現状把握・ニーズ調査
    まず、従業員のランチ事情を調査します。「外食派か、お弁当派か」「価格重視か、健康重視か」を把握することで、選ぶべきタイプが見えてきます。
  2. 予算と提供方法の決定
    非課税枠の上限(月額3,500円)を基準に、会社の補助額を決定します。同時に、ニーズ調査に基づいて「設置型」「チケット型」などのタイプを絞り込みます。
  3. サービス選定・契約
    ミツモアなどの比較プラットフォームを活用し、複数の業者から見積もりを取得します。コストだけでなく、配送エリアや最低契約期間、管理画面の使いやすさも比較ポイントです。
  4. 就業規則・規定の整備
    税務調査対策として、賃金規定や福利厚生規定に食事補助のルールを明記します。「全従業員を対象とすること」「会社負担額の規定」などを文書化しておくことが必須です。
  5. 従業員への周知・運用開始
    利用方法や申請ルールをアナウンスし、運用を開始します。導入直後は利用率を上げるため、社内イベントと絡めた試食会などを開催するのも効果的です。

「食事」から始まる組織改善~健康経営・採用~

食事補助は、単なる「ランチ代の節約」以上の経営効果をもたらします。
調査データによれば、食事補助の導入によって「離職率が低下した」「採用応募数が増加した」という事例が多数報告されています。特に、「同じ釜の飯を食う」という言葉があるように、食事をきっかけとしたコミュニケーションは、希薄になりがちな社内の人間関係を修復し、チームビルディングに寄与します。
また、コンビニ弁当やカップ麺に偏りがちな食生活を是正することは、従業員の長期的な健康リスクを低減し、生産性を維持する「健康経営」の土台となります。食事補助は、従業員への投資として非常にROI(費用対効果)の高い施策といえます。

まとめ:自社にぴったりの社食サービスを見つけるなら

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食事補助は、月額3,500円(税抜)以下かつ従業員負担50%以上という要件さえ守れば、企業にも従業員にも大きなメリットがある「Win-Win」な制度です。
しかし、数あるサービスの中から、自社の予算、従業員数、そしてリモートワークなどの働き方に完全にマッチするものを選ぶのは容易ではありません。
「どのサービスが良いか迷っている」「自社の条件で最適なプランを知りたい」という方は、ミツモアの無料診断をご活用ください。簡単な質問に答えるだけで、貴社にぴったりのサービスを診断し、一括で見積もりを取得できます。

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