勤務先から発行される給与明細。とはいえ、中には支給額だけを確認している方も多いのではないでしょうか。
給与明細には支給額のほかに、控除されている保険料や税金の内訳や勤怠状況など様々な情報が記載されています。
この記事では給与明細を構成する各要素や見方について、わかりやすく紹介します。
給与明細とは?構成する各項目の観点から解説
給与明細とは、給与額や控除額の金額と内訳が記載された通知書のことです。健康保険料や所得税・住民税、そして労働時間や出勤日数など、勤怠情報も記載されています。
給与明細を見れば自分がどれだけ働いていくら稼ぎ、税金や社会保険料をどれだけ納めたのかを知ることができます。
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支給:基本給と時間外手当
支給の項目は、会社から従業員に支払われる基本給や各種手当が記載されています。
基本給とは給与の基本となる固定給のことです。残業や休日出勤などの割増賃金を算出するときや、賞与額のベースになります。雇用契約書で定められた通りの内容になっているか、確認が必要です。
時間外手当(残業手当)・休日手当・夜勤手当などの支給額も確認しましょう。残業時間が法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた分は、1.25倍の割増賃金を払う決まりです。
法定休日に働いた場合は、1.35倍の割増賃金が払われます。深夜労働時間は「22時~5時まで」の時間帯の労働を指し、こちらも1.25倍の割増賃金が義務付けられています。
医療や介護などの分野では、勤務体系によって一律でいくらと決まっているケースもあるので、勤務先の規則を確認しましょう。
支給:各種手当
基本給や時間外手当以外にも、さまざまな手当が設けられています。例えば役職に就いている人には役職手当が支給されます。
出張手当は金額を問わず非課税ですが、通勤手当は「月15万円まで」が非課税です。金額によって課税される点に注意しましょう。
会社によっては、住宅手当・家族手当・資格手当などが設けられていることもあります。基本給は同じでも、手当の有無によって受け取れる額が大きく変わってきます。
会社の規定によってどのような手当が支給されるかは異なるので、不明点がある場合は就業規則をチェックするか、上司や給与計算の担当者などに確認しましょう。
支給:差引支給額
差引支給額は実際に支払われる給料のことで、銀行口座などに振り込まれる額です。支給額から控除額を引いたものが差引支給額で、「手取り金額」とも呼ばれます。
残業や手当の有無などで変わるので、必ずしも毎月同じ金額が振り込まれるわけではありません。
また控除額は定期的に改訂されます。同じだけ働いたとしても、その年によって微妙に金額が異なるケースが少なくありません。
控除
控除とは社会保険料と税金の合計額を元の金額から引くことです。具体的に引かれる金額は、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料などです。40歳以上になると、介護保険料も引かれるようになります。
所得税や住民税などの税金も、給与から差し引かれる仕組みです。所得に対して納める金額が計算されます。
所得・年齢・扶養家族の有無などによって、控除される額が変わります。自分がどれくらい社会保険料や税金を納めているのか確認するためにも、チェックしましょう。
勤怠
勤怠に関する項目に記載されているのは、所定労働日数や出勤日数、有休日数など「給与計算期間」に関するものです。給与明細に記載のある勤怠情報を元に計算されています。
各項目に記された時間数が、実態を反映しているかチェックしましょう。残業・休日労働・深夜勤務の時間数なども記載されています。
給与明細は手違いで間違った情報が記載されていることもあるので、金額を確かめるだけでなく勤怠の内容を確認することが大事です。
給与明細の控除を構成する要素
控除額が多いほど実際に振り込まれる金額が少なくなるので、内訳を気にする人も多いのではないでしょうか。控除の内容を詳しく見ていきましょう。
社会保険
社会保険とは医療費の負担が軽減される「健康保険」、失業に備える「雇用保険」、将来的に年金が受け取れる「厚生年金」などのことです。40歳以上になると、介護サービス利用料の負担を軽減するための「介護保険」も納める必要があります。
健康保険料は会社で加入している健康保険によって、保険料率が異なります。住んでいる地域でも違うので、給与が同じだからといって必ずしも同じ額を払うとは限りません。
加入要件を満たす従業員は、必ず健康保険に加入しなければならない決まりです。加入できない場合は国民健康保険や年金に自分で加入し、所得に応じて決められた金額を納める仕組みになっています。
税金
税金といってもさまざまな種類がありますが、一般的には国に対して支払う所得税と、都道府県・市区町村に支払う住民税が控除されます。
所得税と住民税は、給与から天引きされる仕組みです。特別徴収と普通徴収の2種類があり、会社員の場合は個人に代わって会社が納めることが認められています。
所得税は当年の給与に応じた金額を「源泉徴収」として納めています。源泉徴収は仮計算された金額なので、年末調整で調整され納めすぎた分が返ってくる仕組みです。
住民税は前年の収入に対して発生します。住んでいる地域によって計算方法や税率は異なりますが、収入が少なければ払う金額も少なくなります。新入社員などで前年の収入がゼロもしくは少額の場合は、その年の住民税の控除はありません。
会社によって発生する控除
積立金や組合費、財形貯蓄など、会社によって発生する控除もあります。組合費は会社が加入している労働組合の費用です。財形制度を設けて、従業員の資産作りを手助けしている会社もあります。
積立金は勝手に天引きされるわけではなく、労使協定を結んで両者が合意していることが条件です。また会社が所有する寮や社宅を利用している場合、家賃が控除されるケースもあります。
用途が不明な控除がある場合は、上司や担当部署などに確認しましょう。
給与明細を見る際のチェックポイント
給与明細をなんとなく眺めているだけでは、間違いがあったときに気付きません。どのようなポイントをチェックすればよいのか、見ていきましょう。
勤怠が正しく計算されているか
出勤日数や残業時間が合っているかを確認するために、自分で勤務実績を把握しておきましょう。給与計算ソフトの不具合や操作ミスなどで、勤怠情報が正確に反映されないことがあるためです。
人の手で計算している限り、ヒューマンエラーをゼロにするのは困難です。ときには「事前に計算した額より、残業代や休日手当が少ない」といった問題が起こることもあるでしょう。
給与の計算をしている部署に問い合わせる際、根拠となるデータを提示するためには、タイムカードの内容と給与明細の勤怠の項目を照らし合わせる作業が必要です。実際の勤務実績と異なる場合は、担当部署に問い合わせましょう。
課税対象額や差引支給額は正確か
課税対象額や差引支給額が正確かどうか計算することも大事です。本来は引かれなくてもよいものまで引かれていては、損をしてしまいます。
残業手当や休日出勤手当などの各種手当は給与所得に含まれて課税対象になりますが、例外もあります。例えば15万円以下の通勤手当や、転勤・出張などの旅費は非課税です。
4,000円までの宿直・日直手当も非課税とされています。間違って課税対象として計算されていないかを確認しましょう。
給与明細の内容を理解して正しいチェックを
給与明細にはさまざまな項目があり、勤務日数に関するものや基本給や各種手当、控除などがあります。それぞれの見方を知っておくと、給与が正しく計算されているかをチェックできます。
手当の中には非課税のものもあるので、正しい認識を持っておきましょう。会社によってどのような手当が設けられているかが異なるので、雇用契約書や就業規則の内容を確認することも大事です。
自分が働いた分が正しく反映されているかや、税金の負担はどの程度なのかを知るためにも、給与明細の内容を理解しておきましょう。
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