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給与体系とは?方法と具体例にみる理想的なモデルの作り方

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最終更新日: 2024年03月04日

給与と従業員のモチベーションは切っても切れない関係です。従業員との信頼関係を良好に保つためにも、企業は給与体系を定期的に見直して、問題点があれば改善を加えなければなりません。

この記事では給与体系の種類や企業事例などの観点をふまえながら、理想的な給与体系の作り方を解説します。

給与体系とは給料の支給基準をまとめたもの

オフィスで談笑するビジネスパーソン

給与体系とは、給料の支給基準をまとめたものです。基本給や各種手当がどのような項目で構成されているのか、そしてどのように決定しているのかを定義します。

労働基準法第11条によると、給与は「労働の対価として会社から支払われる全てのもの」と定義されています。基本給はもちろん、就業規則で支給要件が定められている「賞与」「退職金」「臨時の手当」なども含まれます。

高度経済成長期以降は、年齢や勤続年数に応じて給与が上がる「年功序列制度」が定着しました。しかし、バブル崩壊後は、会社の業績に貢献した度合いによって給与が決まる「成果型賃金制度」を採用する企業が増加しています。

年功序列型からの移行と多様化が進む

近年の働き方の多様化に伴い、年功序列型からの移行を進める企業が増えています。またそれに伴い、給与体系の多様化も進んでいるといってよいでしょう。

たとえば、これまでの年功序列型の賃金制度では成果の有無に関わらず、在籍期間に応じて基本給が上がっていく「勤続給」の考え方が主流となっていました。しかし昨今では、仕事の成果やスキルに応じて給与を決定する「職能給」を重要視する動きが出てきています。

また企業によっては、成果に応じて割増分の給与を仕払う「インセンティブ型」や、職務を階級に見立てて基本給を設定する「グレード型」など、企業の特性や理念に応じた報酬制度を採用しているケースもあります。

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給与体系は2種類に大きく分かれる

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給与体系は、労働時間内に働いた分に対して支払われる「基準内賃金」と、労働時間内の労働に関係なく支払われる「基準外賃金」に大別されます。これらは各会社の就業規則や賃金規程によるもので、法令上の明確な定義はありません。

基準内賃金 (所定内賃金)

「基準内賃金(所定内賃金)」は所定労働時間内における労働の対価として支払われる、固定的な賃金のことです。割増賃金の基礎となるほか、労働基準法では基準内賃金の「最低賃金」が定められています。

基準内賃金には「基本給」と、毎月一律で支払われる「諸手当」が含まれます。

基本給
  • 各種手当やインセンティブ(成果給・歩合給)を除いたベースとなる賃金のこと
  • 従業員の年齢・職務歴・勤務態度・業績などのさまざまな要素によって決定される
諸手当
  • 基本給以外に支給される賃金
  • 各種手当のうち、毎月一律で支払われるもの

基本給はその性質によって、大きく3種類にさらに分類することが可能です。

仕事給型

「仕事給型」は労働の対価を重視して基本給を設定する考え方です。担当業務に応じて給与額を決定する「職務給」や、職務遂行能力に基づく「職能給」が主に分類されます。

長期間の勤続年数による人件費増加を抑えられるメリットはありますが、人材の配置転換が難しく、事業の変更や市場の変化に対応しづらくなるデメリットも考えられます。

また基本給のほかに職務手当や役職手当など諸手当を支払うケースも多いです。

属人給型

「属人給型」は年齢や勤続年数など、個人的な要素を重視して基本給を設定する考え方です。いわゆる終身雇用や年功序列をこれまで支えてきた基本給の仕組みと言っても過言ではないでしょう。

勤続年数の増加に伴って定期的な昇給が見込めるので、生活の安定につながるのが大きな特徴です。しかし、仕事の能力やスキル、成果が反映されづらく、不公平な印象を従業員が抱えやすい点がデメリットです。

また企業内の人員構成が高年齢化することによって、運営に支障が出てくる可能性も否めません。

総合給型

「総合給型」は「仕事給型」と「属人給型」の双方の基準を取り入れる考え方です。能力や担当職務、年齢や勤続年数などのあらゆる要素を総合的に考慮して、基本給を決定します。

基準外賃金(所定外賃金)

「基準外賃金(所定外賃金)」は、「所定労働時間外の労働に対して支払われる追加賃金」や「諸事情によって変動する賃金」のことです。具体的には、「超過勤務手当」「休日出勤手当」「深夜労働手当」などが挙げられます。

【基準外賃金の例】

  • 時間外手当
  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 住宅手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 臨時に支払われる賃金

基準外賃金は最低賃金法が適用されず、割増賃金を計算する際の基準にも含まれません。基準外賃金の設定に関しては各企業の裁量に委ねられており、福利厚生としての側面を持ったものも多いです。

なお、通勤手当や住宅手当などが一律の金額で毎月支給される場合は、基準内賃金に該当するので注意しましょう。

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給与体系を見直すタイミング

オフィスで働く若いビジネスマン

何の予告もなく給与体系を変更すると、多くの従業員は困惑してしまいます。給与体系の見直しは、法改正や組織の変更などの「節目」を狙い、慎重に行う必要があります。

法改正があったとき

労働契約や賃金、労働時間などを定めた「労働基準法」や、労働契約に関するルールを定めた「労働契約法」などは、定期的に改正が行われています。法改正が行われると、会社では「就業規則」や「賃金規程」の見直しを行うのが慣例です。

ただ単に法改正に対応するだけでなく、「自社の体系が時代に合っているか」「支払いが適正であるか」「以前から問題になっていた点はないか」など、根本的な見直しを行いましょう。

組織の変更に合わせて

「会社の代表者が変わる」「新たな部署が設置される」など、組織の大きな変更に合わせて、給与体系の見直しを検討する企業は少なくありません。

突然の給与体系の変更は従業員を困惑させてしまいますが、組織の変化に便乗すれば、多少大きな変更があったとしても受け入れてもらいやすいでしょう。

見直しにあたり、まずは「従業員へのヒアリング」を行います。雇用契約書や就業規則を変える場合は、十分な予告期間を設けるようにしましょう。新たな給与体系に向け、従業員も生活設計の見直しができます。

創業周年の節目

「創業周年の節目」も、給与体系を変更するタイミングです。創業周年に限らず、従業員数が一定数を超えたときや業績が好調で資金的な余裕があるときも、従業員に給与体系の見直しを伝える好機といえるでしょう。

ただ、「節目としてきりがいいから」という理由で納得する人もいれば、そうでない人もいるはずです。

給与体系の変化は、従業員の生活設計や働くモチベーションに大きな影響を及ぼすため、会社側の都合だけでなく、従業員の状況や心情も踏まえて慎重に検討する必要があります。

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給与体系の見直し手順

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給与体系は現状と問題点を洗い出すのが最初のステップです。従業員へのアンケートや賃金水準の調査を経た後に、実際の体系の見直しに進みます。従業員の立場に立ち、十分な移行期間を設けるようにしましょう。

現状と問題点を把握

給与体系は1度設定したら終わりではなく、定期的に見直さなければなりません。10年前の給与体系が現在も同じまま引き継がれているとすれば、何かしらの問題点や課題があるはずです。

例えば「社員の成果が給与に反映されていない」「社長が独自の判断で社員の給与を決めている」「前職の給与を基に中途入社の社員が決定される」といった状態は、公平性に欠けていると言わざるを得ません。

まずは、社員にアンケートを取るなどして、現状に不満がないかをヒアリングしましょう。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」などを参考に、賃金水準との比較をすることも重要です。

参考:賃金構造基本統計調査|厚生労働省

給与体系を設定する

給与体系が一般的な水準とかけ離れていたり、問題点が多かったりした場合は、全体的な見直しを行います。給与体系は、時代の流れに合っていることが重要ですが、企業風土や組織文化を大きく損なうのも避けたいところです。

実際の給与体系の設定では、現状を踏まえた上で「各役職に応じた賃金」「役職の等級に応じた賃金」などを決定します。年収をイメージしながら「基本給」「手当」「賞与」の組み合わせを考えていきましょう。

中でも「基本給」は給与体系でもっとも重要な要素のひとつです。能力給にするのか、それとも年齢給にするのか、基準を明確にする必要があります。

最後に、給与体系に実際の社員をあてはめてシミュレーションし、違和感がないかを確認していきます。

社内に周知

シミュレーションで問題がなければ、社内に給与体系の周知を行います。周知後にすぐ運用するのではなく、一定の予告期間を設けましょう。従業員に「生活設計を見直すための時間」を十分に与えます。

周知をする際は「給与体系を見直す理由・目的」「新たな体系の内容・変更点」などをできるだけ分かりやすく説明しましょう。

なお、給与体系の変更を行う際は、「労働組合の代表者」、または「労働者の過半数の代表者(労働組合がない場合)」の意見を聴取しなければなりません。就業規則や賃金規程を改定した後、代表の意見書を添付した上で労働基準監督署への提出を行います。

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給与体系の変更によるメリットとデメリット

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給与体系の変更には、メリットとデメリットの両方が存在します。賃金アップや福利厚生の充実は従業員のモチベーションを上げますが、自分と他人を比べて、不平・不満を持つ人も出てくる可能性があります。

従業員のモチベーションが向上

給与は、従業員のモチベーションを大きく左右します。給与体系が時代の流れに合っていなかったり、賃金水準と大きくかけ離れていたりすると、従業員のやる気がなくなり、仕事の質の低下につながるでしょう。

給与体系の見直しでは、従業員にヒアリングを行いながら、これまでの問題点を洗い出します。新たな給与体系に改善点が反映されれば、従業員の仕事に対するモチベーションは大きく向上するはずです。

特に「福利厚生の充実」や「最低賃金のアップ」は従業員の満足度を高める上、求人募集時に自社をアピールする要素にもなります。

公平感が失われるケースも

給与体系の見直しをすると「給与がどうすれば上がるのか」は明確になるものの、「なぜ自分がこのランクにいるのか?」「なぜあの人は給与が多いのか?」と納得できない従業員も現れます。

給与体系の変更時は、資格制度や役職制度の見直しもセットで行うのが基本です。「資格制度の基準」や「役職ごとの役割」をしっかり明示しなければ、不平・不満が出る恐れがあるでしょう。

とりわけ、課長・部長クラスの役職にもなると、「仕事内容はたいして変わっていないのに昇給するのはおかしいだろう」と周囲の不満を生む場合があります。

給与体系の見直しを成功に導く5つのチェックポイント

ビジネスネットワーク

給与体系の見直しを成功に導くための5つのチェックポイントを紹介します。

  • 従業員の対価に見合っているか
  • 最低限の生活を守れる水準になっているか
  • データ分析による根拠があるか
  • 社員の声を聞いているか
  • 十分な検討を重ねたか

これらのポイントを押さえたうえで見直しを進めていけば、企業と従業員の双方が納得できる給与体系が実現するでしょう。

従業員の対価に見合っているか

給与体系を考えるにあたって大切なのは従業員の目線に立つことです。一般的な給与水準を満たしていたり、企業の理想に沿っていたりしたとしても、従業員が労働した分の対価に見合っていなければ適切な環境とはいえません。

人事考課や評価制度に基づいて、従業員の特徴やスキル・能力を公正な基準のもとに判断したうえで、給与を決定する必要が求められます。

最低限の生活を守れる水準になっているか

従業員の最低限の生活を守れる水準になっているかどうかも大切なポイントです。良質な仕事は良質な生活の元に成り立ちます。生活を支えられない給与では授業員と企業が良好な関係性を保てないばかりか、事業にも悪影響を及ぼしてしまいかねません。

個人の能力や成果に応じた変動は少なからずあるにせよ、すべての従業員が最低限の生活を守れるような給与体系を構築しましょう。

データ分析による根拠があるか

データ分析による根拠がない状態では、実態に沿った給与設定ができません。これまでの人事情報をフル活用しつつ、みえてきた課題や改善点に沿って給与体系を整えていくことが、改善のための1番の近道です。

間違ってもそのときの感覚や感情にまかせて決定してはいけません。

従業員の声を聞いているか

給与体系を設定する際には従業員の声を必ず聞きましょう。従業員が給与に対する不満を表向きに打ち明けることは、ほとんどありません。しかしいざ耳を傾けてみると、想定していなかった思わぬ課題や改善点が見えてくることも多いです。

アンケートを匿名で実施したり、担当者を限定した面談を実施したりするなど、従業員のリアルな意見を集める仕組みづくりが大切です。

十分な検討を重ねたか

給与体制を考えるうえで、見直しや検討は重ねるに越したことはありません。

給与の設定を低くしすぎると、従業員の不満が爆発する可能性があります。とはいえ、高くしすぎると企業の資金難につながるおそれもあるのです。

給与体制の見直しによって組織がポジティブな方向に向かうよう、検討を十分に重ねたうえで入念な調整を進めていきましょう。

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給与体系の企業事例【ユニークな制度も】

都会に立ち並ぶ高層ビル

給与体系の企業事例を紹介します。これまでの年功序列型から移行したケースもあれば、中にはユニークな制度を取っている企業も。ぜひ自社の給与体系を考える際の参考にしてみてください。

三菱UFJ銀行:総合給型への転換と成果型への移行

三菱UFJ銀行では2019年より給与体系を一新。これまではいわゆる「年功序列型」でしたが、職能給と職務給など「成果給」にも比重を持たせた「総合給」への転換を成功させています。

そして今回の変更の背景には、近年のキャッシュレス化や金融AIフィンテックの進出による店舗や人員の削減があります。ほか業種からの参入も増える中、これまでの体制では競合優位性を保てないことから、組織体制の見直しを強いられる結果になったといえるでしょう。

金融業界においては成果主義をメインに捉えることはまたまだ難しく、依然として年功序列型の給与体系に沿っている部分が多いのが現状です。そのような中、今回の構造転換によって人材獲得につなげるねらいもあるとのこと。

今後の業績改善や効率化、成長などの観点から見ても、金融業界においてますます目を離せない存在となりそうです。

参考:三菱UFJ銀、成果主義強化へ 年功色薄め業務で格差|朝日新聞デジタル

ソニー株式会社:ジョブグレード制度で個人の頑張りを評価

ソニー株式会社は「ジョブグレード制度」を2017年から導入して、各従業員の等級を定めています。これは「現在の役割に格付けする」といったソニーグループ共通の考え方に基づくもので、年功序列の要素を廃止する動きにつながりました。

ジョブグレード制度の元ではベースとなる給与が現在の等級に応じて決定します。そして毎年の「実績」と「行動」の2軸からなる「総合評価」によって改定を実施。業績給についても、毎年の会社業績や実績評価に基づいた個人の成果に応じて決定します。

またジョブグレード制度の元では専門職と管理職を分けて格付けします。そして専門職と管理職といったポジションの違いに関わらず「グレードが同じなら給与も同じ」といった給与体系に整えたのです。

これまで例えば、研究員としてのキャリアを進めていきたい従業員は管理職になれず、給与も上がらない状態でした。しかし、給与体系の変更によって自己の研究成果に見合った報酬を得られるようになったのです。

成果に応じて報酬を与える、いわば個人の頑張りを強力に後押しする給与体系が構築されたケースだといえるでしょう。

参考:人事制度|SONY

株式会社クラウドネイティブ:自己申告で給与が決定する「雰囲気給与」制度

企業の情報システム部門へのコンサルティングを行う「株式会社クラウドネイティブ」。自身の給与を自己申告で決定する通称「雰囲気給与」制度を採用する、非常にユニークな給与体系をとっています。

「雰囲気給与」制度の元では給与査定は年12回、全社員が毎月集まって給与を自己申告しています。日々の業務の中でクライアントやチームにとってどのような価値貢献ができたのかを自身で考え、その内容を元に来月の給与を自己申告で決定する制度です。

またこの制度に伴って評価制度もなく、メンバー間の上下関係もありません。さらに代表を含む全社員の給与は、社内に公開されています。

「給与が上がる根拠はどこにあるのか?」を社員それぞれが自分ごとで考えることで、仕事に対する責任感や当事者意識が増すとのこと。ユニークな給与体系ではあるものの、組織を大きく前進させる仕組みとして大きく貢献しているといえそうです。

参考:今月も雰囲気給与で給与自己申告! – CloudNative Inc. BLOGs|株式会社クラウドネイティブ

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賃金支払いの5原則

オフィスで働くビジネスマン

労働基準法24条では賃金の支払いについての5つの原則を定めており、給与体系を考える際にもこれらのルールは守らなければなりません。5原則の具体的な内容をみていきましょう。

通貨払いの原則

「通貨払いの原則」とは、賃金を通貨で支払わなければならないとする原則です。ここでいう「通貨」は、日本銀行の銀行券及び貨幣を指します。外国通貨や小切手は対象外と考えましょう。

金融機関の口座振り込みによって賃金を支払う方法は、通貨払い原則の例外として認められています。ただし労働者の同意が前提で、勝手に振込みをしたり、特定の金融機関口座を振込先に指定したりするのはルール違反です。

参考:賃金の支払方法に関する法律上の定めについて教えて下さい。|厚生労働省

直接払いの原則

賃金は「労働者本人」に直接支払うのが原則です。労働者の親権者や代理人に賃金を支払えば、労働基準法違反と見なされ、支払いは無効となります。

ただし、労働者本人が病気やケガなどが原因で賃金が受け取れない場合に「使者」を立てることは認められています。使者とは、本人の命令や依頼を受けて使いをする人です。

代理人と混同されやすいですが、「本人に支払うのと同一の効果が生ずるかどうか」で区別されます。

全額払いの原則

「全額払いの原則」では、支払いが確定している賃金は全額を支払わなければならないとされています。

全額払いが行われない場合、労働者は安定した生活の確保が難しくなります。賃金の一部保留により、労働者の「退職の自由」が妨げられる恐れもあるでしょう。

会社が労働者に貸付けを行っていても、賃金から貸付け分を相殺して支給することはできません。会社側が積立金や貯蓄金と称して、賃金から一部を控除する行為も基本的にルール違反です。

ただし「法令上の控除(源泉徴収や社会保険料など)」や「労働協定が定められている場合(物品購入代金など)」はその限りではありません。

毎月1回以上払いの原則

「毎月1回以上払いの原則」では、賃金は毎月1回以上支払わなければならないとされています。賃金の支払い回数を定め、労働者の生活の安定性を確保するのが目的です。

「毎月1日~月末の間」に少なくとも1回の支払い日を設けるのがルールで、2カ月に1回や半年に1回といった支払いはルール違反になります。

賃金の計算期間は、必ずしも1日~月末に設定しなければならないわけではなく、毎月1回以上の支払いがあれば、「前月21日~当月20日」としても問題はありません。

一定期日払いの原則

「一定期日払いの原則」では、賃金は毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならないとされています。毎月払いの原則と同様、労働者の生活を安定させるのが目的です。

一定期日というと、具体的な日にちを指定しなければならないと考えがちですが、一定期日に支払いが行われれば「月末」や「毎週金曜日(週給の場合)」を指定しても問題はありません。ただし、月給制で「毎月第3土曜日」と定めるのはNGです。

また「臨時の賃金」や「賞与」の支払いは、一定期日払いの原則の例外とされています。

給与体系の綿密な設計と改善で活気ある組織づくりを

笑顔でオフィスを歩くチームメンバー

給与体系の見直しが従業員に与える影響は非常に大きいものです。従業員のモチベーション向上など人材の成長が期待できる一方で、変更内容によっては反発を招いてしまうことも。

自社の給与体系をポジティブな方向に改善するためには、従業員の声を聞いたりこれまでのデータを分析したりするなど、現状の課題を正しく捉える姿勢が欠かせません。

目の前の課題に向き合い、従業員と組織の双方にとってWin-Winな改善を実施してこそ、意味ある給与体系の見直しだといえます。

給与体系の綿密な設計と改善を通じて、活気のある組織づくりを実現していきましょう。

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