ミツモアメディア

クラウドシステムの基本。特徴やメリット、将来性などを解説

最終更新日: 2022年08月02日

近年クラウドシステムは一般にも広く普及しており、さまざまなサービスが利用できます。そもそも「クラウド」とは何か、よく分からない人も多いのではないでしょうか。クラウドシステムの概要と種類など、基本的な点を押さえておきましょう。

クラウドシステムとは何か?

クラウドシステムはその名の通り、クラウド環境で利用できるシステム全般を指します。最近はさまざまなサービスが、クラウド環境で提供されていますが、そもそも「クラウド」とは何か、説明できない人も少なくないようです。まずはクラウドの基本を理解しておきましょう。

クラウドの基礎知識

クラウド(Cloud)とは日本語に訳すと、「雲」を意味する単語ですが、IT分野におけるクラウドは、インターネットを介して、サービスやシステムを利用する形態を指します。

無数のサーバー同士の、大規模なネットワークがインターネットであり、ユーザー側からは実態がつかみにくいために、それを「雲」に見立て、クラウドと呼ぶようになった説が有力です。

他にもさまざまな説があり、なぜ「雲」を意味する単語が用いられているのか、定説はありません。いずれにしてもインターネットを経由し、さまざまなサービスを利用する形態を「クラウド」と呼んでいます。

日常的に利用されているクラウドシステム

近年はクラウドシステムが定着しており、企業はもちろん、一般ユーザーもさまざまなクラウドサービスを、日常的に利用しています。

例えばGmailをはじめとしたメールシステムや、オンラインアプリ・ゲームなどは、多くの人が利用しているクラウドサービスです。

また営業管理システムや勤怠管理システムなど、企業の業務を効率化するためのシステムも、クラウド環境で提供されるものが増えています。

特に業務データを保存・共有できるオンラインストレージは、クラウドシステムの代表格で、多くの企業が導入・利用しています。

クラウドシステムの3類型

クラウドシステムはインターネット経由で提供される、サービス全般を指しますが、提供形態で分けると、以下のような分類になります。特にSaaSは頻繁に使われる用語なので、この機会に覚えておきましょう。

SaaS(Software as a Service)

「SaaS(Software as a Service)」は「サース」と呼ばれる形態で、インターネットを経由してアプリケーションを供給するサービスです。

パソコンやスマートフォンと、インターネット環境があれば、必要なソフトウエアをインストールすることなく簡単に利用できるため、さまざまな種類のサービスがSaaSで提供されています。

例えばGmailやDropbox、各種オフィスソフトやグループウェアなど、多種多様なサービスがあり、企業だけではなく、一般ユーザーも幅広く利用しています。

パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットのアプリや、ブラウザ上で利用するサービスは、ほとんどSaaSと考えて差し支えありません。

PaaS(Platform as a Service)

「PaaS(Platform as a Service)」は「パース」と呼ばれており、インターネット経由で、ソフトウエアの開発環境を利用する形態です。

アプリケーションを稼働させるプラットフォームを、クラウド環境で利用できるので、より低コストでシステムの開発ができます。開発環境を構築する手間もかかりません。

代表的なPaaSとしては、Amazonの「AWS」やMicrosoftの「Microsoft Azure」などが有名です。その利便性の高さから、システムの開発者にとっては欠かせないサービスになっています。

IaaS(Infrastructure as a Service)

「IaaS(Infrastructure as a Service)」は「イアース」や「アイアース」と呼ばれており、インターネット経由でサーバーやネットワーク環境といった各種インフラを利用する形態です。

いわゆるホスティングサービスと、サービスの範囲は同じですが、ユーザーがOSやハードウェアも選定できるのが特徴です。

一般ユーザーにはなじみのない提供形態ですが、SaaSで自社のサービスを提供している企業にとっては、システム管理者の負担が軽減でき、柔軟に開発環境の構築ができるので、重宝するサービスといえます。

クラウドシステムの特徴とメリット

次にクラウドシステムの主な特徴と、メリットを簡単に解説します。ソフトウエアを自社のパソコンや、サーバーにインストールする形態と比べて、より低コストで運用可能で利用しやすいなど、初めて管理システムを導入する企業にもおすすめです。

低コストでシステムを導入・運用できる

社内にサーバーの設備やシステムを導入する必要がなく、ベンダーと契約すればすぐに利用できるのが、クラウドシステムのメリットです。

自社のサーバーに、各種ソフトウエアをインストールして運用する、オンプレミスと呼ばれる形態に比べて、低コストで運用が可能です。

特に導入にあたって初期費用がかからない点は、メリットが大きいでしょう。システムの導入に、予算をかけられないスタートアップ企業や、個人事業主などにおすすめできます。

場所を選ばず利用しやすい

インターネット回線がつながっていれば、場所を選ばず利用できるのも、クラウドの強みでありメリットです。

一般ユーザーの場合は、スマートフォンやタブレット端末で、気軽にアプリやゲームを楽しめるので、年々モバイルコンテンツ市場は、シェアを拡大している状況です。

一方企業の場合も、オフィス内はもちろん、社員の営業先や出張先でも、必要な情報をクラウドで確認できるので、オンプレミスに代わって、クラウドサービスを導入する企業が増えています。

特に在宅ワークやテレワークを導入している企業にとっては、クラウドシステムは欠かせない存在になっています。

機能の拡張や追加がしやすい

自社に専門知識を有するスタッフがいる場合、オンプレミスの方が、システムのカスタマイズをしやすい面はあるでしょう。しかしクラウドの場合は、専門のスタッフがいなくても、必要に応じて機能の追加や、カスタマイズをしやすいのが特徴です。

実際ベンダーとの契約プランを変更したり、オプションで機能を追加したりするだけで済むので、手間がかかりません。

より自社の環境に合ったサービスがあれば、乗り換えやすいのも、設備やシステムを社内に導入する必要がない、クラウドの強みといえるでしょう。

保守・メンテナンスの手間がかからない

クラウドの場合、システムの保守・メンテナンスはベンダーが担当するので、ユーザー側に全く負担がかからないのも、大きなメリットです。ベンダーが適宜アップデートしてくれるので、常に最新バージョンを利用できます。

さらに近年は、強固なセキュリティー体制で、管理されているクラウドシステムが多いので、企業によっては自社でシステムを運用するよりも、安全に運用できるでしょう。

クラウドシステムの運用形態

クラウドシステムの運用形態を紹介します。これまでオンプレミスで運用してきた自社システムを、クラウド化する場合は、以下の三つの運用形態が考えられます。

パブリッククラウド

パブリッククラウドとは広く一般ユーザーや企業向けに、サーバーやソフトウエアの利用環境を提供する形態で、全ての環境をユーザーが共有するのが特徴です。不特定多数のユーザーが、環境を共有して利用するため、費用を抑えられるのがメリットです。

必要な分のみ環境や、リソースを利用できる料金体系になっているサービスが多く、自社のサービスへのアクセス数などに合わせて、最適なプランを選択できます。

これまで社内で運用してきたシステムを、クラウド化する際には、まずパブリッククラウドの利用を検討してみましょう。

プライベートクラウド

不特定多数のユーザーが対象のパブリッククラウドに対して、自社でクラウド環境を構築して占有する形態が、プライベートクラウドです。

自社やグループ会社のために、クラウド環境を構築するもので、VPN(Virtual Private Network)などを利用して、自社ネットワークをクラウド化します。

自社を含めた一部のユーザーのみが、クラウド環境を利用できる環境を構築するため、ほぼオンプレミスの延長のようなシステム運用が可能です。社内の部署間やグループ会社との間で、システムを共有したり、情報をやり取りしたりするのに便利です。

ハイブリッドクラウド

ハイブリッドクラウドはパブリッククラウドとプライベートクラウドの、両方の特性を組み合わせた運用形態です。データセンターに設置したサーバーと、自社専用のクラウドサーバーを利用して、社内システムや関連会社とのシステム連携を実現します。

どのようにサーバー同士を組み合わせるかは、企業によって変わりますが、プライベートクラウドの強みである、セキュリティーやカスタマイズ性を維持しつつ、全体のコストを抑えた、システム運用が可能です。

クラウドシステムの注意点

クラウドシステムは多くのメリットがありますが、運用上の注意点もあります。場合によっては利用できなくなる可能性もあるので、問題やトラブルが発生した際に、どうやってカバーするか、考えておく必要があります。

通信障害で利用できない可能性がある

クラウドシステムは全て、インターネット回線を前提にしたサービスなので、通信障害が発生すると、利用できなくなってしまいます

例えばクラウドストレージ上で、業務データを運用している場合は、インターネット回線に問題が生じると、必要なデータを利用できなくなる恐れがあるのです。

重要なデータは社内にバックアップを取っておくなど、トラブルが発生した際の対策が必要です。

他のクラウドサービスに関しても、ベンダーのメンテナンスによって利用できない期間も出てくるので、その間は別のサービスを利用するといった、対策が求められます。

カスタマイズできる範囲が限られる

クラウドサービスはベンダーが提供するシステムを利用するので、自社でカスタマイズできる範囲が限られます

社内環境の変化に応じて、柔軟に機能の追加や変更などをしたい場合は、オンプレミスでの運用を検討した方が、良いシステムもあるでしょう。

ただしユーザー数の変化や、利用環境に応じて、柔軟にプランを変更したり、サービスの切り替えができたりするクラウドシステムも多くあります。将来の拡張を見据えて、できるだけ柔軟に契約を変更できるサービスを、選ぶと良いでしょう。

クラウドシステムの将来性

今後クラウドシステムがどうなっていくのか、将来性について解説しておきます。ここ10年で、急速に市場を拡大してきたクラウドシステムですが、今後さらに多くのサービスが、クラウド環境で提供されるようになるでしょう。

多くのシステムをクラウドで利用する時代に

現在はオンプレミスでの運用を考えている企業でも、将来はほとんどの管理システムを、クラウドベースで運用するようになるでしょう。すでにモバイル決済など、クラウドシステムが主流のサービスも多くあります。

クラウドはセキュリティーに関する懸念は残るものの、現在でもほとんどのサービスは、強固なセキュリティーの下で提供されているので、気にするユーザーは徐々に減っています。ただしユーザー側にも、基本的なセキュリティー対策が必要です。

ベンダーの競争が激化する可能性

多くのシステムやサービスが、クラウド環境で提供されるようになり、今後さらにベンダー間の競争が、激化すると考えられます。さまざまな企業が乱立する市場が出てくるので、ユーザー側は信頼できるベンダーはどこか、慎重に判断しなければいけません

市場によっては、ベンダーの撤退によって、利用中のサービスが突然使えなくなるリスクも考慮する必要があります。

利用しているサービスが、何らかの理由で使えなくなっても、すぐに代替できるシステムやサービスを、導入・運用できるようにしておきましょう。

環境に合ったクラウドシステムを構築する

クラウドシステムとは何かについて解説しました。クラウドシステムはインターネットを通じて利用する、システム全般を指します。

ベンダーが提供するシステムを、全面的に利用するケースが多いですが、企業によっては、自社でプライベートクラウドを構築・運用する場合も珍しくありません。

低コストで導入・利用できる点や、場所を選ばず使える点などが、クラウドのメリットですが、通信障害が発生すると利用できないので注意が必要です。

重要なデータはバックアップを取るというように、しっかりと対策を考えて、安全に運用できるようにしておきましょう。

レンタルサーバー選びは「ミツモア」を活用しよう

ミツモアロゴ

自社の課題解決のためにレンタルサーバーの導入を検討している方はぜひ「ミツモア」を活用してみてくださいね。

ミツモアでレンタルサーバーを比較する

サービス提供事業者さま向け
ミツモアにサービスを
掲載しませんか?
ミツモアにサービスを掲載しませんか?

ミツモアは依頼者さまと事業者さまをつなぐマッチングサイトです。貴社サービスを登録することで、リードの獲得及びサービスの認知度向上が見込めます。 さらに他社の掲載サイトとは違い、弊社独自の見積システムにより厳選されたリード顧客へのアプローチが可能です。 もちろん登録は無料。 ぜひミツモアにサービスをご登録ください。