「エントリー数が全然集まらない…」「説明会や面接の調整で毎日時間がつぶれる…」「せっかく内定を出しても辞退されてしまう…」
最終更新日: 2025年10月03日
そんなときに役立つのが「新卒採用代行サービス」です。採用計画の立案から応募者対応、面接日程の調整、さらには内定者フォローまで、幅広い業務を専門家に委託することで、採用の効率化と成果の安定化を実現できます。
本記事では、新卒採用代行サービスの基礎知識や依頼できる業務内容、導入メリット・デメリットを整理したうえで、おすすめのサービス11選を比較して紹介します。
新卒採用代行サービスとは？
新卒採用代行サービスとは、企業が自社で行っている新卒採用活動の一部または全部を、外部の専門会社に委託する仕組みのことです。一般的には「RPO（Recruitment Process Outsourcing：採用プロセスアウトソーシング）」と呼ばれ、求人媒体の運用から説明会の企画・実施、応募者対応、面接日程調整、内定者フォローまで、幅広い業務を代行できます。
新卒採用は「大量の応募者を一度に扱う」「選考フローが長期にわたる」「学生の動向に即した柔軟な対応が求められる」といった特徴があり、人事担当者にとって非常に工数がかかる領域です。
新卒採用代行サービスを利用することで、採用活動の効率化や母集団形成の強化が期待できます。自社の課題に合わせて「一部の業務のみ」依頼する方法と「採用全体を包括的に」任せる方法があり、企業の規模や採用計画に応じた柔軟な活用が可能となっています。
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新卒採用代行サービスに依頼できる業務例
新卒採用代行サービスに依頼できる業務例を5つ解説します。
採用企画・戦略
「採用人数の設定」「採用ターゲットの明確化」「採用スケジュールの策定」などを外部専門家とともに設計することで、自社だけでは見えにくい市場動向や競合他社の傾向を踏まえた戦略立案ができます。
採用ブランディングや母集団形成のチャネル選定といった上流工程も依頼できるため、採用全体の効率性と再現性を高められます。
応募者を集める
具体的には、求人媒体の出稿・運用、スカウト文面の作成と配信、SNSや採用イベントの運営などが挙げられます。
自社だけではリーチできない学生層に接触でき、エントリー数の拡大やターゲット人材へのアプローチが可能になります。特に競争の激しい人気職種では、この部分を外部に任せることで候補者確保の安定性を確保できます。
応募者対応・オペレーション
採用代行では、エントリー受付、応募者へのリマインド連絡、面接日程の調整、説明会や面談の運営補助などを担ってくれます。こうしたオペレーションを外部に任せることで、人事担当者はコア業務である選考や経営層への報告に注力できます。
選考・面接
書類選考やエントリーシートの一次スクリーニング、適性検査の実施サポート、さらには面接官代行といった業務も依頼可能です。
面接代行では、標準化された評価シートに基づき公平に候補者を評価してくれるため、選考の属人化を防ぐ効果もあります。日程管理や評価データの収集・共有といった実務部分もまとめて委託できます。
内定・フォロー
採用代行では、内定通知の発行や連絡業務、内定者懇親会や研修の運営補助、定期的なフォロー面談の実施などを代行できます。
こうした活動を通じて「内定辞退の防止」に寄与するのが大きなポイントです。さらに、入社手続きのサポートや入社前のオンボーディング施策まで依頼できる場合もあります。
新卒採用代行サービスを利用するメリット
新卒採用代行サービスを利用するメリットを3つ解説します。
採用業務の効率化・工数削減
新卒採用は、応募受付から日程調整、説明会や面接の運営、内定者対応まで非常に多くの業務が発生します。これらをすべて社内人事だけで行うと、担当者のリソースが不足し、戦略的な施策に手が回らなくなりがちです。
採用代行サービスを利用すれば、事務的なオペレーションや繰り返し作業を外部に任せられるため、人事担当者は「評価基準の整備」「経営層との採用戦略立案」といったコア業務に集中できます。その結果、全体の採用活動の生産性を大きく高められます。
母集団形成の強化
採用代行サービスは、求人媒体の運用、スカウト配信、SNSを活用した採用広報、合同説明会の企画など、多様なチャネルを駆使して候補者を集めます。
学生の動向やトレンドに基づいた最新のアプローチ手法を持っているため、自社だけではリーチできない層にアプローチすることも可能です。採用のスタート地点である母集団を強化し、最終的な採用成功率を高める効果が期待できます。
採用成果の安定化・リスク分散
採用活動は担当者のスキルや社内体制に依存すると成果が大きくぶれることがあります。採用代行を活用すれば、標準化された業務プロセスやノウハウを導入できるため、属人化を防ぎ、一定水準以上の品質で採用活動を進められます。
人事担当者の急な異動や退職といったリスクが発生しても、採用代行が補完することで活動が止まらず、安定した成果を維持できます。新卒採用のように長期的かつ計画的に進める必要があるプロセスでは、リスク分散と安定化の観点から大きなメリットとなります。
新卒採用代行サービスを利用するデメリット
新卒採用代行サービスを利用するデメリットを3つ解説します。
自社ノウハウが蓄積しにくい
採用業務を外部に任せきりにすると、採用プロセスに関する知識や経験が社内に残りにくくなります。特に「どんな母集団形成が効果的だったか」「学生に刺さる訴求ポイントは何か」といった情報は、今後の採用活動に活かせる重要な資産です。
すべてを代行に委託すると、そのノウハウが外部に蓄積され、自社に戻ってこないリスクがあります。そのため、業務を丸投げするのではなく、一部は社内で関与しながら進める姿勢が求められます。
自社らしさが損なわれる可能性
学生にとって採用プロセスは企業理解を深める大切な機会です。しかし、外部業者が一次対応や説明会の運営を担うと、画一的な対応になり、自社らしい雰囲気や文化が十分に伝わらない恐れがあります。
結果として「どの会社でも同じような体験だった」と感じられてしまい、候補者の志望度を高める機会を逃す可能性があります。新卒採用は「人と組織の相性」が重視されるため、自社らしさを残すための工夫が必要です。
内定者の品質ばらつきのリスク
採用代行会社がスクリーニングや面接を代行する場合、評価基準や判断基準が自社と完全に一致しないことがあります。スキルや志向性が自社に合わない学生が通過してしまう、あるいは優秀な学生を見逃すといったリスクが生じます。
「内定承諾後にミスマッチが発覚する」と、早期離職につながりやすくなります。したがって、選考基準や評価シートを明確に共有し、委託先と歩調を合わせる仕組みを整えることが重要です。
新卒採用代行サービスの導入がおすすめのケース
新卒採用代行サービスの導入がおすすめのケースを3つ紹介します。
人事リソースが不足している場合
中堅・中小企業や急成長中の企業では、人事担当者が少人数で中途採用や労務業務も兼務しているケースが多く見られます。新卒採用に十分なリソースを割けず、説明会運営や面接日程調整、候補者対応などの業務が滞りやすくなります。
採用代行サービスを導入すれば、煩雑な事務作業を外部に委託できるため、人事は「採用戦略の立案」や「面接官教育」といったコア業務に集中でき、全体の効率化につながります。
採用スピードや選考体験を改善したい場合
学生は複数社を同時に受けているため、日程調整や連絡が遅れると簡単に辞退されてしまいます。メール対応が機械的だったり、説明会の運営が不十分だったりすると「企業の印象が悪い」と受け止められる可能性もあります。
採用代行を活用すれば、迅速で一貫性のある応募者対応や日程調整を行えるため、選考体験（CX：Candidate Experience）を向上させ、辞退率の低下や志望度の向上につなげることができます。
内定承諾率・定着率を高めたい場合
せっかく内定を出しても、学生が競合他社に流れてしまうケースは少なくありません。また、入社前のフォローが不足すると内定辞退や早期離職のリスクが高まります。
採用代行サービスでは、内定者への定期的なフォロー連絡、懇親会や研修の運営サポートなども依頼できるため、内定承諾率の向上や入社後の定着率改善につながります。
新卒採用代行のおすすめ11選
新卒採用業務を代行できる企業は、以下の11社です。
株式会社ネオキャリア
株式会社ネオキャリアの新卒採用代行・アウトソーシングは、母集団形成から選考、内定・研修にかかわる新卒採用のノンコア業務を代行できます。採用専門の大型コールセンターもあり、求職者が応募しやすい土日から夜間帯まで対応してもらえるのも特徴です。企業ごとの課題に応じてカスタマイズされたプランを提供することで、効果的な人材確保を実現し、人材戦略の成功を後押しします。
株式会社キャリタス
株式会社キャリタスは、新卒採用計画の企画立案から業務フローの構築・運営まで、採用業務を一括で代行してもらえるのが特徴です。人材採用の効率化と生産性向上を実現し、優秀な新卒者を獲得できます。長年にわたって蓄積してきた専門的なノウハウもあわせて提供されるため、将来的に自社での採用業務内製化を目指す企業に特に適したサービスといえます。
株式会社ジーズコンサルティング
株式会社ジーズコンサルティングの新卒採用代行は、各種ナビサイトの運用からスカウトの配信代行、日程調整などのノンコア業務を依頼できるサービスです。企業の雰囲気や社風にあわせて担当してもらえます。人事・採用担当の経験者などがオペレーション部門を担当。内定者向けフォローや研修および入社までの案内、説明会の運営サポートも依頼できます。
株式会社キャリアマート
株式会社キャリアマートの新卒採用代行は、RPA（ロボティック・プロセス・オートメーション）とAI技術を活用しているのが特徴です。会社説明会の案内や面接日程の調整、選考学生の対応といったノンコア業務を依頼できます。各種選考の管理から応募者対応だけでなく、来期の採用に向けて改善策も提案してもらえるので、初めて新卒採用を行う企業に最適です。
マンパワーグループ株式会社
マンパワーグループ株式会社は、採用スケジュールの策定から母集団形成、面接日程の調整と管理などの採用業務を代行します。採用業務経験者を中心にチームメンバーを配属できるのがポイントです。コース別や全国、グループ会社との合同採用などの選考にも対応できるため、全国規模で数多くの優秀な新卒者から応募を集めたい企業におすすめします。
株式会社ツナググループ・ホールディングス
TSUNAGU PRO新卒は、最新の採用管理システムやオンラインツールを活用し、効率的かつ的確な採用活動をサポートするサービスです。応募者管理や面接日程の調整といったノンコア業務だけでなく、採用戦略の現状分析やタスク進捗管理など、企業の現状に合わせて上流工程から依頼できます。採用担当者の工数を減らしつつ、戦略的に採用計画を立てたい企業におすすめです。
ESSTNER株式会社
「i-recruiting」は、リピート率96%の実績を誇り、新卒採用から中途採用まで幅広い採用ニーズに対応している代行サービスです。専属のディレクターがついて、採用課題の洗い出しから内定後の連絡、入社手続きまで依頼できます。料金はプランによって異なりますが、12か月間のプランの場合、月額12万7,600円〜です。万が一結果が出ず、満足いかなかった場合は、返金保証を受けられるので、試しに新卒採用代行を依頼した企業におすすめします。
株式会社VOLLECT
「PRO SCOUT」は、スカウト型の新卒採用手法を強みに持つ代行サービスです。ターゲットとなる優秀な学生へスカウトメールの作成・送信から日程調整などの業務を代行してもらえることで、企業とのマッチング精度を高められます。
大手から中小まで800社以上の企業に採用支援した実績があり、要望にあわせて代行したい新卒採用業務をカスタマイズできるのもメリットのひとつです。
株式会社プロ人事
株式会社プロ人事の新卒採用代行は、学生の母集団形成とKPIの改善を重視したサービスが特徴です。合同説明会や面談といった代行業務に加え、内定辞退の分析や覆面調査なども行い、採用業務の改善も図ります。費用は採用したい人数や依頼内容によって変動します。サービスの稼働がなかったり、説明会で集客目標人数が達成できなかった場合は、返金保証を受けられます。
株式会社クイック
株式会社クイックの新卒採用代行は、採用戦略の立案から母集団形成、学生からの問い合わせ業務などをサポートするサービスです。データドリブンな分析により、選考フローや募集経路を最適化します。採用活動が始まった後は、応募状況の分析を定期的に行うため、採用活動を確実に成功させたい企業に最適です。
株式会社ONE
株式会社ONEの新卒採用代行は、計画の立案から応募選考、内定・入社までのノンコア業務をサポートするサービスです。採用サイト制作やSNSの運用も依頼できます。料金は月額19万8,000円〜（税込み）で、成果に応じた追加料金はかかりません。求人広告代理店やWeb制作会社との協業で最適なプランを策定するため、効果的な採用スキームを構築したい企業におすすめします。
新卒採用代行サービスを選ぶポイント
新卒採用代行サービスを選ぶポイントを3つ解説します。
委託できる業務範囲と得意領域
サービスごとに得意分野や対応範囲が異なるため、自社の課題に合った領域をカバーしているかを確認することが第一歩です。たとえば「母集団形成に強い」「日程調整などのオペレーションに特化している」「エンジニア採用に実績がある」といった特徴があります。
自社が「候補者数を増やしたいのか」「運営工数を減らしたいのか」「特定職種で採用したいのか」といった目的を明確にした上で、それにマッチした得意領域を持つサービスを選ぶことが重要です。
料金体系とコストパフォーマンス
新卒採用代行サービスには、月額固定制、成果報酬型、従量課金制などさまざまな料金体系があります。固定費で安心して依頼できる一方、成果報酬型は結果に応じた柔軟な支払いが可能です。
ただし応募者数が増えると費用が膨らむケースもあるため、コストパフォーマンスを慎重に検討する必要があります。「どこまで依頼すればいくらかかるのか」を事前に明確化し、自社の採用計画や予算にフィットする料金体系を選びましょう。
候補者体験への配慮
採用代行は学生にとって企業との最初の接点になることが多く、対応の質がそのまま「企業の印象」につながります。メールや電話でのやり取りの丁寧さ、説明会運営の雰囲気、選考のスムーズさなど、候補者体験（CX）を意識したサービスを提供しているかは非常に重要です。
対応が機械的すぎると「企業の魅力が伝わらない」というマイナス効果を生む可能性もあるため、学生に寄り添ったコミュニケーションを重視しているサービスを選ぶことが、内定承諾率の向上にも直結します。
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