2025年、クリーニング業界は深刻な転換点に直面しています。東京商工リサーチの最新データによれば、人手不足に起因する倒産件数は年間400件に迫る勢いです。(※)
古いガチャレジや手書き伝票に依存した店舗運営を続けることは、もはや経営リスクそのものと言えるでしょう。
本記事では、クリーニング業務特有の預かり・タグ管理に完全対応したPOSレジの選び方と、2025年度の補助金を活用した賢い導入戦略を解説します。

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クリーニング店のPOSレジ選びの正解は「特化機能付きタブレット型」一択である理由
クリーニング店が選ぶべきは、預かり・タグ管理機能を備えたタブレット型クラウドPOSレジです。
小売業と異なり、クリーニング業は顧客の衣類を預かって管理し加工して返す、在庫管理とトレーサビリティが核となるビジネス。飲食や物販向けの汎用POSを導入して失敗するケースが後を絶たないのは、ビジネスモデルの違いを見落としているためです。
必須条件は3つあります。
- タグ管理機能:預かった衣類に固有のタグ番号を付与しステータスを管理できる機能
- 法的準拠性:クリーニング業法に基づいた預かり証を発行できる機能。東京都北区の指導指針では、店舗名・所在地・預かり年月日・顧客名・仕上がり年月日・品名・数量金額・苦情の申出先など9項目の記載が必要(※)
- シンプルなUI設計:高齢のパートスタッフでも直感的に操作できる画面設計
クリーニング店向けPOSレジおすすめ5選
主要5製品を、汎用拡張型と業界特化型に分けて比較します。
スマレジ

スマレジは、iPadを活用した高機能クラウドPOSで、スマレジ・アプリマーケットによる拡張性が最大の強みです。クリーニング専用アプリを連携させることで、業界特有の要件に対応できます。
リテールビジネスプランは月額15,400円(税込)で、在庫管理や高度な分析機能が含まれます。
LINE公式アカウントと連携したデジタル会員証や電子レシート、スマートロッカーと連携した24時間非対面受け渡しにも対応し、次世代の店舗体験を構築できます。DXを積極的に推進し、若い顧客層を取り込みたい都市型の店舗や、無人化・省人化を強く意識する経営者に最適です。
POS+

POS+は、多機能さとサポートの手厚さを両立したクラウドPOSです。複数店舗の売上、客層、リピート率を可視化するダッシュボード機能が強力で、データに基づいた経営判断を可能にします。
POS+ selfregiにより会計業務を顧客に任せることで、レジスタッフの業務負荷を大幅に削減できます。
3店舗以上の多店舗展開を行い、本部機能を強化したい経営者や、セルフレジ導入による省人化を検討している店舗に適しています。
StarPOS
StarPOSは、当初からクリーニング店向けに設計されたiPad POSです。汎用POSをカスタマイズしたものではなく専用設計である点が最大の差別化要因です。
直感的な操作を実現する画面設計により、スタッフの使いやすさを重視しています。
集配管理機能が統合されており、御用聞きや宅配サービスを行う店舗にとって代替が効きません。Squareターミナルと連携することで安価な手数料でクレジットカード決済を導入できる点も魅力です。
CASHIER POS
CASHIER POSは、専用端末とセットで提供されるAndroid端末ベースのPOSです。タブレット型やモバイル型など、店舗の形態に応じて選択可能です。
カスタマイズ対応が可能で、店舗独自のニーズにも対応できる柔軟性が特徴です。
Airレジ

Airレジは基本利用料0円という圧倒的なコスト優位性を持ち、初期投資を最小限に抑えられる点が最大の魅力です。
シンプルな会計機能と直感的な操作性で、初めてPOSレジを導入する店舗でも安心して使い始められます。
クリーニング特有のタグ管理や預かり証の発行には別途タグ発行機などの運用工夫が必要ですが、まずは低リスクでPOSレジを試してみたい個人店や、基本的なレジ機能から段階的にデジタル化を進めたい店舗におすすめです。
クリーニング店特有のPOSレジ選定 5つのチェックポイント
製品カタログのスペック表を眺めるだけでは、本当に自店に合ったPOSレジを選べません。現場で何が起きるかを具体的に想像し、以下の5つの視点で選定しましょう。
1. 預かり票・タグ・レシートの出力フローはスムーズか?
受付カウンターで最も大切なのは、お客様を待たせないスピード。レシートプリンターとタグ発行機が連動し、受付完了と同時に預かり票とタグが一度の操作で発行されるか確認しましょう。出力スピードが遅ければ、混雑時に行列が発生し顧客満足度を下げます。
周辺機器の接続性も見落としてはいけません。タブレット本体と各種プリンターがBluetoothやWi-Fiで安定接続できるか確認が必要です。
デモ機を触る際は、実際の受付動作を再現し処理速度と操作ステップ数を確認しましょう。
2. 高齢スタッフでも直感的に操作できる画面設計か?
POSレジ選定の成否は、スタッフが使いこなせるかどうかで決まります。文字の大きさ、ボタンの配置、操作ステップの少なさが現場での定着を左右します。
新人アルバイトが15分で基本操作を覚えられるかという視点で、UI設計を評価すべきです。複雑な階層メニューを何度もタップしなければ目的の機能にたどり着けないシステムは、ベテランスタッフの抵抗を招きます。
必要な時に必要な入力パネルだけが表示される設計は、画面のシンプルさを保ちながら機能を網羅できる優れた例です。
3. オフライン対応機能は備わっているか?
クラウドPOSの弱点は、ネット回線トラブル時に業務が止まるリスク。光回線やモバイルWi-Fiが一時的に切断された場合でも、受付と現金会計だけは止めない仕組みが必須です。
多くのクラウドPOSは、オフラインモードで基本的なレジ操作を継続し、回線復旧後に自動的にデータを同期する機能を備えています。
ただしオフライン時に利用できる機能の範囲はシステムごとに異なるため、事前確認が不可欠。特に台風や地震の災害リスクが高い地域では、オフライン対応の有無が事業継続を左右します。
4. 既存顧客データの移行と連携は可能か?
長年紙台帳で管理してきた顧客情報や、旧システムに蓄積された来店履歴を捨てることは、リピーター資産を失うことを意味します。新POSへのデータ移行サポートや、CSVインポート機能の有無を確認すべきです。
移行作業の難易度とベンダーのサポート範囲は、システムごとに大きく異なります。導入サポートが手厚いシステムであれば、データ移行作業を含めた支援を受けられる場合が多いです。
顧客データは店舗の生命線であり、移行プロセスでの情報損失は許されません。
5. 導入コストとランニングコストのバランス
初期費用の安さだけで選ぶと、月額利用料や決済手数料、保守費用が積み重なり、トータルコストが膨らむケースがあります。ハードウェア本体、タブレット、プリンター、キャッシュドロア、決済端末の購入費用に加え、月額利用料、クレジットカード決済手数料、サポート料金を含めた5年間のトータルコストで比較すべきです。
IT導入補助金の対象ツールかどうかも大切な判断材料。2025年度のIT導入補助金を活用すれば、導入費用の最大3分の2を補助してもらえる可能性があります。(※)
導入前に知っておきたい!POSレジ切り替えによる業務フローの変化

POSレジ導入により、クリーニング店の日常業務がどう変わるのか。導入前と導入後の具体的な変化を理解しておけば、スタッフへの説明もスムーズになります。
受付業務:手書き伝票からの脱却とスピードアップ
従来の手書き伝票では、顧客名、電話番号、預かり品の種類と点数、料金、仕上がり予定日を全て手書きし、記入ミスや字の読み間違いが発生しやすい状況でした。
POSレジ導入後は、バーコードスキャンやタッチ操作により入力時間が劇的に短縮されます。会員登録済みの顧客であれば、電話番号の一部を入力するだけで過去の履歴が呼び出され、前回クリーニングした品物の情報も参照可能です。
預かり票控えは自動発行され、法定記載事項が印字されます。お客様を待たせる時間が半減し、信頼感も向上します。
タグ管理:付け間違い・渡し間違いの撲滅
手書きタグの時代、受付スタッフが書いた番号と工場から戻ってきた品物に付けられたタグ番号が一致しないトラブルが頻発していました。
POSレジ導入後は、受付時にレジ入力と同時にタグ番号が自動発番され、バーコード印刷されたタグが発行されます。衣類にタグを付ける作業自体は残りますが、番号の紐付けはシステムが管理するため人為的なミスが入り込む余地がありません。
引渡し時にバーコードをスキャンすれば、顧客情報と預かり品の照合が瞬時に完了し、渡し間違いのリスクがゼロになります。
締め作業:残業ゼロを実現する自動集計
従来のレジ締め作業では、1日分のレシート控えを手作業で集計し、現金実査との照合を行っていました。計算ミスがあれば再集計が必要で、閉店後に1時間以上かかることも珍しくありませんでした。
POSレジ導入後は、締めボタンを押すだけで売上が自動集計され、レジに残るべき現金額が表示されます。実際の現金を数えて入力すれば過不足が一目で分かります。売上データは自動的にクラウドへ送信され、オーナーはスマホで即座に確認可能です。レジ締め作業が数分で完了し、スタッフは定時で帰宅できます。
費用を抑えて賢く導入!補助金の活用と導入ステップ
POSレジの導入には初期投資が数十万円から百万円単位になることもありますが、2025年度の補助金を活用すれば実質負担を大幅に圧縮できます。
IT導入補助金は、ソフトウェアおよび付随するハードウェアの導入費用の最大3分の2を補助する制度です。2025年度も複数回の公募が予定されており、交付決定を受けてから発注・支払いを行う必要があります。交付決定前に発注・支払いを行った経費は補助対象外となるため、スケジュールの確認が重要です。(※)
小規模事業者持続化補助金も活用でき、通常枠で50万円、インボイス特例や賃上げ枠を利用すれば最大200万円まで補助を受けられます。(※)
戦略としては、POSレジ本体とシステムをIT導入補助金で申請し、導入に伴う店舗リニューアルや告知チラシを持続化補助金で申請する合わせ技が有効です。まずは対応しているベンダーに見積もりと補助金相談をすることが第一歩です。
データ活用で売上アップ!POSレジ導入後の経営戦略

POSレジは単なる会計機ではなく、顧客データを蓄積しマーケティングに活用できる集客ツールです。
来店履歴に基づいたDM送付により、リピーターを効果的に呼び戻せます。冬に布団クリーニングを利用した顧客に対し、翌年の同時期に案内を送れば、思い出してもらうきっかけになります。季節商材の需要を先回りして喚起できるのは、データを持っているからこそです。
デジタル会員証との連携により、顧客とのデジタル接点を構築できるシステムもあります。スマレジはLINE公式アカウントと連携したデジタル会員証や電子レシート発行、スマートロッカーと組み合わせた24時間非対面受け渡しなど、次世代の店舗体験を実現する機能を提供しています。(※)
時間帯別売上データを分析すれば、最も忙しい時間帯にスタッフを厚く配置し、閑散時間帯は最小人数で回す最適なシフトを組めます。強力なダッシュボード機能を持つシステムを使えば、複数店舗の売上、客層、リピート率を可視化し、データに基づいた経営判断が可能になります。
まとめ:自店に合ったPOSレジを選び、クリーニング経営を次のステージへ
2025年、クリーニング業界は選別の時代にあります。人手不足による倒産ラッシュは、変化を拒んだ事業者から市場退場を余儀なくされている現実を映し出しています。(※)
しかし適切なデジタル投資を行い生産性を高めた事業者は、競合が減る中で生き残りシェアを拡大するチャンスを得ます。
クリーニング店向けPOSレジ選びで押さえるべきポイントは、預かり票・タグ発行機能、顧客管理・履歴参照、直感的なUIという3つの必須条件を満たすタブレット型POSレジを選ぶことです。汎用拡張型のスマレジやPOS+、業界特化型のStarPOSなど、自店の規模とスタッフのITリテラシーに合ったシステムを選定しましょう。
そして2025年度のIT導入補助金スケジュールを確認し、計画的に導入を進めることです。
まずは気になったメーカーの資料請求・デモ体験から始めましょう。実際に触って、スタッフに触らせて、現場で使えるかを確認します。その一歩が、クリーニング経営を次のステージへ押し上げる転換点となります。
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