レジ締めは、小売店やサービス業の店舗運営において欠かせない重要な作業です。しかし、初めて経験する方や手順を忘れてしまった方にとっては、不安や戸惑いを感じる瞬間かもしれません。
本記事では、レジ締めの基本的なやり方を7つの手順でわかりやすく解説します。さらに、作業を効率化するための5つのコツもご紹介。ミスのない正確なレジ締めができれば、店舗運営の効率化にもつながります。初心者の方はもちろん、経験者の方もぜひご参考ください。
レジ締めのやり方を7つの手順で解説
レジ締めは以下の手順に沿って進めます。
〈レジ締めの手順〉
- 開店時のレジ内金額を把握する
- レシートを出力して、その日の売上金額を計算する
- レジ内の現金を数える
- 数えた金額から開店時のレジ内金額を差し引く
- 差し引いた金額とレシートの売上金額を照合する
- 翌日の釣り銭用のお金を残して売上金を回収する
- レジの鍵を閉める
レジ締めは日々の売上を正確に把握して、現金管理を行うための大切な作業です。毎日行い、店舗の適切な運営につなげていきましょう。
1.開店時のレジ内金額を把握する
レジ締めは開店時のレジ内金額を正確に把握するところからスタートします。開店時にレジ内にある現金は釣り銭用として準備しているお金です。3万円や5万円など、一定の金額をルールとして取り決めているケースが一般的です。正確な売上計算の基準となるため、金額を確認したら記録しておきましょう。
2.レシートを出力して、その日の売上金額を計算する
レシートを出力して、その日の売上金額の合計を計算します。現金だけでなく、クレジットカードやQRコード決済、交通系ICカードなど、各種キャッシュレス決済で処理したものも含めて計算しましょう。
その日の売上金額が算出できたら、金額を記録しておいてください。
3.レジ内の現金を数える
レジ内の現金を丁寧に数えます。紙幣と硬貨を分けて数え、それぞれの金種ごとに枚数と合計金額を記録しましょう。セキュリティ面から千円札や一万円札を金庫内に移動している場合は、それらの現金も忘れずに計上します。
現金の合計金額を算出できたら、ここでも金額を記録しておきます。
4.数えた金額から開店時のレジ内金額を差し引く
手順3で数えた現金の総額から、手順1で確認した開店時のレジ内金額を差し引きます。この計算結果が、その日の売上金額になります。たとえば、レジ内の現金が15万円で開店時の金額が5万円だった場合、10万円が当日の売上金額になります。
この計算は慎重に行い、必ず記録しておきましょう。
5.差し引いた金額とレシートの売上金額を照合する
手順4で計算した売上金額と、手順2で出力したレシートの売上金額を照合します。両者の金額が一致していれば、レジ締めは正確に行われたことになります。
もしも金額に差異があって合わない場合は、レジ締めの計算を間違っている可能性があります。手順2に戻ってレシートの再確認や現金の再計算を行いましょう。それでも金額が合わない場合は、渡した釣り銭や受取金額に間違えがなかったかどうかを確認します。
誤差の原因を突き止められたら、取り消し処理や会計修正をして、実際の売上金額とレジ内の売上金額を一致させましょう。
6.翌日の釣り銭用のお金を残して売上金を回収する
照合が完了したら翌日の営業に必要な釣り銭を残し、それ以外の売上金を回収します。
残す釣り銭の金額は店舗の方針や取引金額によって異なりますが、通常は開店時と同額の3万円や5万円を残すとよいでしょう。回収した売上金は金庫など安全な場所に保管するか、金融機関へ入金します。
この作業は慎重に行い、金額を必ず記録しておきましょう。
7.レジの鍵を閉める
最後に、レジの鍵を確実に閉めます。単純な工程ではあるものの、店舗のセキュリティを守るうえで非常に重要です。
鍵を閉める際はレジ内に残した釣り銭の金額を再確認して、レジ周辺に現金や重要書類が放置されていないかどうかチェックします。
またレジの電源が適切に切られているかどうかも確認しましょう。この最終チェックにより、安全かつ確実にレジ締めを完了させることができます。
レジ締めを効率化する5つのコツ
レジ締めは日々の業務の中で重要ですが、時間がかかる作業でもあります。ここでは、レジ締めを効率的に行うための5つのコツをご紹介。これらの方法を実践することで作業時間の短縮とミスの防止につながり、店舗運営の効率化に貢献します。
お札は10枚一束、硬貨は50枚1ケースで管理する
現金管理を効率化するには、お札と硬貨をひとつの単位でまとめることが有効です。お札は10枚ごとに束ね、硬貨は50枚ずつケースに入れて管理しましょう。この方法を採用すると、現金を数える時間が大幅に短縮され、計算ミスも減少します。
例えば、1万円札10枚で10万円、100円玉50枚で5000円というように、一目で金額が把握できます。また、この管理方法は銀行への入金時にも便利です。
レジ対応の合間のタイミングを見計らって、それぞれの単位でまとめておくのもよいでしょう。
マニュアルを作成する
レジ締めの手順を記したマニュアルを作成して、レジ付近に常備しておくのもおすすめです。マニュアルには各手順の説明だけでなく、注意点や確認事項も記載しておくとよいでしょう。新人スタッフでも迷うことなくレジ締めを行えるようになり、ベテランスタッフも手順を再確認できます。
マニュアルを定期的に見直し、必要に応じて更新することで、常に最適な手順でレジ締めを行えます。
現金照合表を作成する
現金照合表を作成して運用すれば、レジ締めの正確性と効率性を高められます。エクセルを活用して自作したり、インターネットで公開されているテンプレートを活用したりするとよいでしょう。
〈現金照合表の記載項目〉
- 作成日
- 現金の種類別枚数と金額の内訳
- 現金の合計金額
- 小切手の合計金額
- キャッシュレス決済の合計金額
- 現金とキャッシュレス決済すべての合計金額
- 繰越金
- 入金額
- 出金額
- 繰越金・入金額・出金額の差引合計
毎日この表に記入することで、日々の売上と現金の流れがひと目でわかるようになり、不一致があった場合もスピーディーに発見できます。またこの表を使うことでレジ締めの手順が標準化され、誰が行っても同じ結果が得られるようになります。
閉店の1時間前から準備をはじめる
レジ締めをスムーズに行うためには、閉店の1時間前から準備を始めることをおすすめします。レジ対応の合間を見計らって、レシートの整理や現金の仮集計、必要書類の準備などを行うとよいでしょう。これらを済ませておくと、閉店後のレジ締め作業にかかる時間が大幅に短縮されます。
また、準備中に不明点や異常が見つかった場合も、営業時間内に対応できるというメリットがあります。ただし、お客様対応に支障が出ないよう注意しながら準備を進めることが重要です。
POSレジを導入する
POSレジの導入は、レジ締めの効率化に大きく貢献します。POSレジは売上データを自動的に記録し、日次や月次の売上レポートを簡単に出力できます。これにより手動での売上計算が不要になり、作業時間が大幅に短縮されます。
また、現金以外の決済方法(クレジットカード、電子マネーなど)の売上も自動的に集計されるため、複雑な計算ミスを防ぐことができます。初期投資は必要ですが、長期的には業務効率の向上とコスト削減につながる有効な選択肢です。
まとめ
レジ締めは、店舗運営において欠かせない重要な作業です。本記事では、7つの基本的な手順と5つの効率化のコツを解説しました。正確な手順を踏むことで、ミスのない確実なレジ締めが可能になります。また、効率化のコツを実践することで、作業時間の短縮と精度の向上が期待できます。
これらの知識を活用して日々のレジ締めを最適化していけば、店舗運営の効率化と正確な売上管理を実現できるでしょう。
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