IP電話アプリを利用すれば、電話回線を使ったスマホや固定電話に比べ、初期費用や通話料を安く抑えられます。
そこでこの記事では、そもそもIP電話アプリとは何か、クラウドPBXとの違い、さらにおすすめのIP電話アプリを8製品ご紹介。あわせて選び方やメリットも解説するので、ぜひ製品選びの参考にしてください。
IP電話アプリとは
IP電話アプリとは、インターネットの回線を用いて音声通話を可能にした電話アプリのことです。
IP電話アプリは、電話回線を用いて繋げる固定電話と異なり、インターネット回線を通して通話を可能にしています。昔の固定電話のようにアナログの電話回線に接続する必要がありません。音声情報を電気信号へ変換して相手に届けているのが特徴です。
また、固定電話との大きな違いとして、インターネット回線があればいつどこにいても電話をかけられるため接続工事がないうえ、電話回線の契約も必要ありません。さらに通常の電話料金に比べて安価なものが多く、さまざまなシーンで活用できます。
クラウドPBXとの違い
IP電話はサービス名で、クラウドPBXはシステム名、という大きな違いがあります。
主装置とも呼ばれるPBXとは、「Private Branch eXchange」の略で、電話交換機のことです。クラウドPBXは、インターネットのクラウド上に主装置を設置して通話を可能にするクラウドシステムです。
つまり、IP電話アプリとは、050電話番号を取得し声を送るための一つの通話方法であるのに対し、クラウドPBXは業務効率を上げるための電話利用を支援するビジネスツールです。
混同されやすいため、製品を比較するときには注意しましょう。
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IP電話アプリの導入メリット
IP電話アプリを導入すると安価に拡張性の高い電話を持てます。
導入費用、ランニングコストが安価
IP電話アプリは個人のスマホにインストールして使用するため、端末を購入する費用がかかりません。配線工事も不要なので、固定電話の設置に比べると初期費用は安く抑えられます。
固定電話とは異なり、距離によって通話料が変動することはなく、常に全国一律です。また内線として利用する場合に、通話料金がかからないアプリも多くあります。
利用状況次第では、IP電話アプリへの切り替えによって、大幅なコストカットが期待できるでしょう。
また、格安SIMと組み合わせるとお得になることもあるので、検討するのもよいでしょう。
システムの拡張性と柔軟性が高い
IP電話アプリはインターネット回線を利用するため、顧客関係管理を担うCRMや顧客情報の把握に使用されるCTIなど、さまざまなツールと連携しやすいのが特徴です。
自社で使いやすいよう、インターネット上で設定をカスタマイズすることも可能で、業務の効率化を図りやすくなるでしょう。
また050番号はプロバイダに振り分けられた電話番号となるため、オフィスの移転時も変更手続きはいりません。
どこにいても受電できる
スマートフォンで利用できるため、電話を受ける人が外に出ていた場合にも受電対応をすることができます。出張や営業などが多い企業にぴったりです。
また、社内のIP電話と同一のサービスを使っていれば、社内で受けた電話を社外のスマートフォンへ転送できる製品もあります。いつどこにいても顧客対応ができるため、スムーズなやりとりが可能です。
インターネットがあればすぐに使い始められる
IP電話が固定電話と最も異なる点が、インターネット回線で利用できる点です。もともとオフィスにインターネット回線が通じていれば、接続するだけですぐに使えます。また外にいても、スマートフォンの回線やポケットWi-Fiを用いて架電・受電が可能です。
電話回線の契約が不要なうえ、利用料金以外の料金がかかりません。
IP電話アプリ選びのポイント
IP電話アプリを導入する際に確認しておきたいのは、通話品質・機能性・料金形態の3点です。
通話品質が良いか
IP電話はプロバイダが提供するインターネット回線を使用しています。そのためプロバイダの回線速度が遅ければ、音質の低下やファイル送受信の遅延などの問題が発生します。
頻繁にほかの送受信が行われている時間帯には、音声が途切れるといった不具合も起こりやすいです。
またアプリ自体がスマートフォンやパソコンのOSと相性が悪く、通話状況にも影響を及ぼすケースもあります。コスト面だけではなく、必ず通話品質を確認しておきましょう。
留守電などの必要な機能が搭載されているか
通話以外でIP電話に備わる機能はアプリによってさまざまです。
最低限、留守番電話や録音機能、通知機能などがあるとよいでしょう。またIP電話アプリの中には、プッシュ通知付きのものや自社の顧客管理システムと連携できるものもあります。
現状で使用している機能、今後活用していきたい機能をリストアップし、必要な機能を搭載したIP電話を選びましょう。
料金形態が自社に合っているか
IP電話はコストを抑えやすいのが特徴ではありますが、それでも料金設定の確認は欠かせません。会社で使用するとなると、ささいな料金の違いが大きな差となります。
メインで利用するのか、スポットで利用するのかによって、月額制・時間課金制のどちらが適しているか変わってきます。また製品によってはかけ放題プランといった独自のプランを用意しているものも。
無駄なコストを発生させないために、オプション機能の料金まで含め、トータルコストがいくらくらいになるのか明確にしておくことをおすすめします。
かけられない番号がある
IP電話アプリには、かけられない番号があります。
例えば、救急や消防への119や、警察への110、などの緊急ダイヤルや、0120のフリーダイヤルです。
この点に注意して利用しましょう。
最低契約期間がないか
アプリによっては、050電話番号を取得してから最低規約期間を設けているアプリもあります。解約したくてもすぐには解約できないということになるかもしれないので、事前に確認しておきましょう。
おすすめのIP電話アプリ8選
おすすめのIP電話アプリを8製品紹介します。
アプリ名 | 特徴 |
050 plus | ワンタッチで架電可能 |
ビジネスLaLa Call | 万全のセキュリティ |
SMARTalk | 内線は0円で利用できる低価格 |
My050 | 海外でもリーズナブルに使える |
OmniGrid BizTAP | 自動応答ガイダンスが搭載 |
G-Call050 | 海外との電話の安さが特徴 |
MiiTel | 応対メモで引継ぎが楽 |
Skype番号 | 通話転送が簡単にできる |
「050 plus」ワンタッチで架電可能
- 留守番電話を音声ファイル形式にしてメールに添付・通知
- 利用頻度が多い連絡先をワンタッチコールに登録可能
- 着信音を好きな音楽にカスタマイズできる
「050 plus」は留守番電話機能が標準搭載されたIP電話アプリです。最大20件のメッセージを7日間保存できるため、大切なメッセージを聞き逃さずに済むでしょう。
留守番電話センターへ直接電話して再生するほか、着信通知メールに添付された音声ファイルで内容を確認できます。
ワンタッチコールを登録しておけば、連絡するたびに電話帳や履歴を開く必要はありません。また端末に保存済みの音源を着信音に設定すれば、音だけで重要な着信かどうかを認識できます。
月額費用 | 330円 |
国内通話料(1分あたり) |
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国際通話料 |
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「ビジネスLaLa Call」万全のセキュリティ
- 情報漏えいを防ぐセキュリティ機能が充実
- IP電話アプリの基本機能にとどまらない豊富な機能
- 通話の明細がチェックしやすい
「ビジネスLaLa Call」は徹底したセキュリティ機能を備えたIP電話アプリです。遠隔操作でアプリの電話帳を削除でき、スマホの紛失時も顧客情報を守れます。
万が一スマホにパスワードがかかっていなくても、管理者権限で認証設定やログインパスワードを変更することで、第三者にアプリを開かれることもありません。
また転送機能や内線機能、企業内チャットなど、ビジネスに便利な機能が搭載されています。個々の通話明細も簡単に確認できるため、事務処理の手間も大幅にカットできるでしょう。
月額費用 | 330円~ |
国内通話料(1分あたり) |
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国際通話料 |
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「SMARTalk」内線は0円で利用できる低価格
- プッシュ通知機能により、着信をしっかり把握できる
- 内線は0円で利用でき、通常の電話はわかりやすい一律料金
- 通話中のミュート・スピーカーフォン・保留に対応
「SMARTalk」はアプリを完全に落としていても、プッシュ通知機能で即時着信を知らせてくれます。大事な電話がかかってくる予定があっても、IP電話アプリを起動しておく必要はありません。
国内の通話料金は一律で17.6/円とわかりやすい料金設定です。また内線は無料で利用できます。32か国・地域からへの国際電話も料金が一律なので、明朗会計なアプリでしょう。
通話中の機能はスピーカーフォンや保留など、一般的なスマホに標準搭載されたものとほぼ同じです。使い勝手がよく、IP電話アプリへ気軽に切り替えられます。
月額費用 | 0円 |
国内通話料(1分あたり) |
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国際通話料 |
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「My050」海外でもリーズナブルに使える
- 国内でも海外でもお得な料金で利用できる
- 「My050」を使っている人同士は通話料が0円
- プリペイドチャージ式なのでスポット利用にも便利
「My050」は国内外問わず、取得した050番号の使用が可能です。また同じ050番号への通話であれば、固定電話よりもずっとお得な料金で、海外にいる相手へ電話がかけられます。
My050番号を持っている同士なら、通話料金は無料です。海外にも拠点がある、もしくは海外出張が多い企業にぴったりのIP電話アプリといえるでしょう。
プリペイドチャージ式なので、長期で契約する必要もありません。本格的な導入の前に音声やつながりやすさの確認も兼ねて、使用感を試してみてもよいでしょう。
月額費用 | 0円 |
国内通話料(1分あたり) |
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国際通話料 |
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「OmniGrid BizTAP」自動応答ガイダンスが搭載
- 自動応答ガイダンスを利用できるので、公私の区別を付けやすい
- アプリがインストールされている端末は修理保険を付けられる
- 内線通話としての利用も可能
「OmniGrid BizTAP」は自動音声ガイダンス機能を搭載したIP電話アプリです。業務時間外は自動音声ガイダンス機能により、仕事の電話に煩わしい思いをしなくなります。
年1回・上限3万円の修理保険が付いているため、うっかり画面を割ってしまった際なども出費は最低限に抑えられます。
なお社員同士なら、社内にいなくても内線通話機能を使用可能。リモートワーク中の社員とも無料で通話や転送ができるため、業務をよりスムーズに進められるでしょう。
月額費用 | 800円 |
国内通話料(1分あたり) |
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国際通話料 | – |
「G-Call050」海外との電話の安さが特徴
- 国際通話料が安価なので、海外とのやり取りが頻繁な企業におすすめ
- アプリを落とした状態でも着信が可能
- 「G-Call050」の利用者同士の通話は無料
「G-Call050」は国際通話料金の大幅なコストカットを狙いたい企業におすすめのIP電話アプリです。
1分あたりの通話料はアメリカで5円、中国で10円、シンガポールで10円と、IP電話アプリの中でも安い料金設定となっています。もちろん同じG-Call050番号への通話は無料です。
アプリを閉じているときも、着信があればプッシュ通知で知らせてくれます。無料で使える留守番電話サービスがあるので、電話に出られないときも焦らずに済むでしょう。
月額費用 | 0円 |
国内通話料(1分あたり) |
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国際通話料 |
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「MiiTel」応対メモで引継ぎが楽
- AIによる音声解析で営業トークの品質向上
- 2,000社以上の豊富な導入実績と外部ツールとの連携
- 通話録音・文字起こしで情報共有を効率化
MiiTelは、AIを搭載したクラウドIP電話サービスです。通話録音や文字起こし、音声解析などの機能が集約されており、営業活動に役立ちます。
AIによる音声解析では、トップ営業の話し方の特徴を分析し、フィードバックを得ることで、個々のトークスキルの向上が目指せます。リリースから2,000社以上(2024年4月時点)が利用しており、大手企業からベンチャー企業まで幅広い導入実績があります。
さらにSalesforceやKintoneなどの外部ツールとの連携も可能で、情報共有がスムーズにおこなえます。初期費用は無料で、月額6,578円(税込)から導入できます。
月額費用 | 6,578円 |
国内通話料(1分あたり) | 要お問い合わせ |
国際通話料 | 要お問い合わせ |
「Skype番号」通話転送が簡単にできる
- 1アカウントで最大10個の電話番号を保持できる
- 通話料金込みで月額1,000円以内のプランあり
- 世界25の国と地域で利用可能
Skype番号は、ビデオ通話サービスとして名高いSkypeが提供するIP電話アプリで、1アカウントにつき最大10個まで電話番号を取得できます。
国別コードや市外局番の設定により、国内外の発信者がローカル料金内で気軽に通話が可能です。通話料込みで月額1,000円以内に抑えられるプランがあり、はじめて利用する場合は1カ月の無料期間がついています(※)。
世界25カ国で利用でき、海外進出している企業との相性がよいのも特徴です。また別の電話番号への通話の転送もできます。
※Microsoft(2024年4月時点)
月額費用 | 0円 |
国内通話料(1分あたり) | 要お問い合わせ |
国際通話料 | 要お問い合わせ |
IP電話アプリの導入でコストを手軽に削減しよう
IP電話アプリの機能性は年々高まり、近年ではコストカットにとどまらず、営業機会の獲得にも役立っています。
しかしIP電話アプリもそれぞれ機能が異なるため、メリットを最大限に生かすためには、自社の状況にマッチしたものを導入することが大切です。
通話品質をはじめ、必要な機能と料金設定のバランスを考慮して、最もコストパフォーマンスが優れたIP電話アプリを選びましょう。
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クラウドPBXは製品によって特徴や機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。
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