ビジネスにおけるキャッシュフローの原動力といっても過言ではない受発注業務。受発注処理や問い合わせ対応などその業務は多岐にわたり、業務の属人化やヒューマンエラーの発生などの課題を持ちやすい領域でもあります。
最終更新日: 2024年10月23日
そこでこの記事では、受発注業務を効率化する方法を紹介。具体的な3つのTIPSと、改善に導くポイントを解説します。
受発注業務を効率化する方法①：業務フローの見直しとマニュアルの作成
受発注業務の効率化を図るうえで、最初に着手するべきは業務フローの徹底的な見直しとマニュアルの作成です。基本的な部分ではありますが、これらを実施することで現状の課題や無駄を洗い出して標準的な手順を確立することができます。
業務フローの見直し：現状の受発注プロセス全体を可視化する
現状の受発注プロセス全体をまずは可視化していきましょう。工程ごとに要する作業内容と所要時間、投入リソースをリストアップして、どの工程でどのような課題があるのかを把握します。そうすれば、ボトルネックになっている工程や重複作業、合理化の余地がある工程がみえてきます。
たとえば、伝票データの入力を複数の部門で行っていたり、依頼先への発注が個別対応になっていたりする場合は、一元化や標準化を図ることで大幅な効率化が期待できます。部署間の連携がスムーズかどうか、ミスが多発していないかどうかなどの観点からも確認するとよいでしょう。
受発注プロセス全体を可視化するアプローチの例
受発注業務プロセス全体を可視化する方法としては、以下のようなものが考えられます。
| 方法 | 進め方 |
| フローチャートの作成 | 受発注に関わる全工程を箇条書きで洗い出して、順序立てたフローチャートとして視覚的に表現します。開始点から終了点までの流れがひと目でわかるようになります。 |
| バリューストリームマッピング | 製品やサービスの価値創出フローを「川」に見立てて、情報の流れや作業内容、要する時間などをマッピングします。現状の問題点や無駄を的確に特定できます。 |
| 現場観察 | 実際の受発注現場を観察して、作業者への聞き取り調査を行います。紙の書類の行き来や重複入力、待ち時間など、ひと目ではわかりづらい無駄や課題を把握できます。 |
| データ解析 | 業務システムからデータを抽出して、工程ごとの所要時間やリードタイムを分析します。ビッグデータの解析により、客観的な指標で現状を明らかにできます。 |
いずれの方法も、現場主体で着手することが重要です。現場の生の声や状況を反映させることで、より実効性の高い業務改善につながります。
マニュアルの作成：理想的な受発注プロセスの再現性を担保する
業務フローの見直しを経て理想的な受発注プロセスを明らかにしたら、その手順と実施上のポイントをマニュアルにまとめます。マニュアルには具体的なケーススタディを含め、誰がみてもわかりやすい表現を心がけるとよいでしょう。
受発注マニュアルを作成すれば、ミス削減の効果が見込めます。伝票の書式や入力項目、発注先への連絡フローなどを標準化することで、手順のばらつきやデータ入力ミス、発注漏れなどのヒューマンエラーを防げます。
またマニュアルを用意しておけば、業務の継続的な改善にもつながります。実際の運用を通じてマニュアルの課題を洗い出し、PDCAサイクルを回すことで、より適切な受発注プロセスへと更新していけるでしょう。たとえば発注データの入力ルールを改善したり、取引先に応じた個別対応のノウハウを蓄積したりするのが効果的です。
現状整理から継続的な改善までをマニュアルを軸にして進めれば、業務の適正化と生産性向上に大きく貢献します。
受発注業務を効率化する方法②：受発注管理システムの導入
受発注業務を効率化するうえで有効な手段のひとつが受発注管理システムの導入です。システムを活用することで、これまで手作業で行っていた業務を自動化・標準化でき、大幅な生産性向上が期待できます。
受注や発注にかかる一連の業務をシステム上で行える
受発注管理システムは、受注や発注にかかる一連の業務をシステム上で行えます。
システムを活用すれば、受注情報の入力や発注書の作成、納期管理などの業務をひとつひとつ手入力で進める必要はありません。受注データに基づいた自動化によって、入力の手間やミスを低減します。
また受発注の進捗状況はシステム上でリアルタイムに確認できます。在庫状況や納期情報もひと目でわかり、タイムリーな判断や指示が可能になります。
受発注管理システムの機能やメリットについては、以下の記事でくわしく解説しています。ぜひ、あわせて参考にしてくだださい。
受発注業務を効率化する方法③：受発注業務のアウトソーシング
受発注業務の効率化を図る方法として、受発注業務のアウトソーシング（外部委託）も有効な選択肢のひとつです。業務の一部もしくは全体を外部の専門業者に委託することで、内製では対応しきれない課題を解決できます。
受発注業務の人材リソース不足を解決できる
受発注業務には、期末納期や年度替わりなどで繁閑の波があります。アウトソーシングを活用すれば、人材リソース不足が原因で業務が回らない場合でも柔軟に対応可能です。
またアウトソーシングサービスには受発注業務の代行だけでなく、業務プロセスの企画・設計から実施までを委託できるもの（BPO：ビジネス・プロセス・アウトソーシング）もあります。自社の人材リソースでは受発注業務の最適化が困難な場合に有効な選択肢だといえます。
受発注業務の一部を切り出して外部委託するのも効果的
アウトソースを活用する際は、受発注業務の一部を切り出して委託するのも効果的です。
たとえば受発注における伝票データの入力作業はある程度ルール化された定型的な業務です。このような単純作業を委託すれば、社内の生産性が下がることもありません。またそのほかにも、手順やマニュアルに沿って定型化できる発注先への発注業務やクレーム対応の初期窓口などの業務もアウトソースの候補になりえます。
コア業務や専門性を有する業務は社内対応を基本としつつ、必要に応じてアウトソーシングの活用を組み合わせていく使い分けが賢明だといえるでしょう。
まとめ
受発注業務の効率化は企業経営にとって重要な課題です。この記事では、3つの具体的な改善策を紹介しました。
一朝一夕にはいきませんが、まずは現状の業務フローを今一度徹底的に見直すことから着手するとよいでしょう。受発注業務の課題を明確にしたうえでマニュアルの整備や仕組みづくりに取り組むことで、改善の第一歩を着実に踏み出すことができます。
次の記事では、おすすめの受発注管理システム各製品を製品の機能や特徴で比較しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。
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