PMF(Product Market Fit)は自社の商品やサービスが、市場に受け入れられている状態を指す概念で、自社の市場におけるポジショニングを確認するのに役立ちます。PMFの重要性や達成方法を理解して、業務に活かしましょう。
PMFとは?
PMF(Product Market Fit)は日本語に訳すと、商品やサービスが市場にフィット(適合)している状態を指す言葉です。
もともとアメリカで生まれた用語ですが、特にスタートアップ企業にとって重要な概念なので、まずは基本となる部分を押さえておきましょう。
製品が市場と適合している状態
自社の提供しているモノやサービスが、市場に適合している状態を指すのがPMFです。
商品が顧客の問題や課題を解決できているかを測る指標であり、PMFといえるためには、商品が顧客の課題を解決できるものであり、さらに市場に受け入れられている必要があります。
これらのいずれかが欠けていると、長期的に安定した売り上げを上げるのは難しく、やがて事業の失敗につながります。特に資本力のないスタートアップ企業にとっては、市場で生き残るために重要な考え方です。
PSFとの違いは?
PMFと同じ文脈で用いられることの多い言葉に、PSF(Problem Solution Fit)があります。PSFは顧客が抱える問題に対して、自社の提供している解決策がマッチしている状態を指します。PMFを実現するには、まずはPSFを実現しなければいけません。
顧客の抱える問題や課題の解決には、さまざまな方法が考えられます。まずは顧客の課題を分析・検証し、自社ができる解決策を考えるのが、PSF実現の第一歩です。
PSFに至らないまま商品やサービスの開発を進めてしまうと、提供するものが顧客ニーズに合致せずPMFに到達できません。
PMFはなぜ重要か?
企業にとってPMFを目指すことは、なぜ重要なのでしょうか。最終的には売り上げアップにつながるからですが、自社の市場におけるポジショニングの確認や、顧客ニーズの変化に対応するために必要な考え方です。
適切な市場の見極めが売り上げに直結する
顧客ニーズの多様化に伴い、自社の製品にマッチした市場を見極めることがより重要になってきています。適切な市場を選び、ユーザーに確実にリーチする商品の開発が、求められるようになったことで、PMFの概念が注目されるようになりました。
自社に最適な市場を見つけ出せれば、商品やサービスのマーケティングもしやすく、売り上げに結び付く施策も積極的に打ち出せるようになります。
ニーズの変化に柔軟に対応する必要がある
顧客ニーズの多様化に加えて、時代によるトレンドの変化もこれまで以上に早くなっています。市場調査を欠かさず、自社の強みを発揮できる市場で戦い続けることが重要です。
顧客へのアプローチの仕方も実践と検証を繰り返しながら、ニーズの変化に臨機応変に対応しなければいけません。
ニーズの変化を敏感に捉え、常に市場から選ばれる製品やサービスを提供し続けるには、試行錯誤を重ねてPMFの状態を獲得し、長期にわたって維持し続ける必要があります。
まずはPSFを達成する
すでに説明したように、PMFの状態を達成するためには、その前提として自社の商品やサービスをPSFの状態にしなければいけません。まずPSFを実現するための手順を解説します。
マーケットニーズの調査
徹底した市場調査を行い、想定リード(見込み顧客)にどういったニーズがあるのかを正確に把握する必要があります。漠然と顧客の問題や課題を理解しているつもりでも、実態はそうとは限りません。
顧客ニーズとズレている商品を提供し、一時的には利益が出るかもしれませんが、よりニーズにマッチした競合商品が登場した途端、シェアを奪われてしまう可能性があります。
しっかりと市場調査を実施して、ニーズの確証を得ておくのがPSF実現の第一歩です。
解決策とコミット率の検証
調査によって明らかになった顧客のニーズについて、自社の強みや特性を生かして解決策を検討します。
提供しようとしている商品やサービスが、本当に顧客の問題や課題を解決できるのか、顧客に対してヒアリングやアンケート調査などをして確認することが大事です。
調査に継続的に協力してくれる人がいれば、積極的に確保しましょう。多くの協力者がいれば、顧客に提供する解決策の有効性が判断しやすくなります。
顧客の購買意欲の確認
提供する製品やサービスが決まったら、顧客がどれぐらいの金額でそれを購入するのか調査・確認しましょう。
低料金でしか十分な数を売れないならば、ビジネスとして成立しない可能性があります。本格的に売り出した際に、確実に利益を上げられるかを調べることが大事です。
顧客の購買意欲を調査するには、既存客にアンケートを取ったり、類似品の販売価格を調べたりする方法が一般的ですが、調査会社に依頼する方法もあります。
いずれの方法を取るにせよ、提供する商品やサービスについて、想定顧客がどれぐらいの価格ならば購入しても良いと考えているか、できるだけ詳細に把握しておきましょう。調査結果に基づいて、事業として問題なければ価格を決定します。
PMFを達成するプロセス
次にPSFからPMFを達成するまでの、プロセスを解説します。まずはPSFに至るまでに得た情報をもとに、MVPの構築を目指しましょう。
MVPの構築
MVP(Minimum Viable Product)は日本語にすると、「実用最小限の製品」となり、自社が勝負する市場において、想定されるユーザーに価値を提供するための最小限の製品を指します。
つまり顧客ニーズを満たすための、最小限の機能を持った商品やサービスであり、最低限の工数で開発・製作されたものです。
まずは最小限の機能を持った製品を市場に投入し、想定顧客からフィードバックを受けながら、仮説と検証を繰り返すことで、完成度を上げていくわけです。
MVPの評価
MVPを市場に投入したら、想定顧客に実際に使ってもらいましょう。利用者の反応を確認しながら、必要な機能の実装や改善を繰り返します。
利用者からの正確な反応を得るためにはアンケート調査も有効ではありますが、直接モニターを募って話を聞くのもいいでしょう。
分析ツールなどを使って、定量的な調査をするのに加えて、実際に想定顧客から情報を集めることが大事です。利用者からの実際の反応を集めたら、それを分析してMVPを評価します。
改善と評価のサイクル
MVPの評価の結果、PMFを達成していないと結論が出たら、再び機能の改善と評価の確認・検証をして、徐々にPMFの状態に近づけるようにします。必要に応じて、機能やオプションの追加も行いましょう。
新たな市場に製品を投入する場合、一度のプロセスでPMFを達成するのは、難しいのが実態です。改善・評価・検証のサイクルを繰り返して、粘り強くPMFの達成を目指す必要があります。
MVPの構築でPMFの実現を目指す
PMF(Product Market Fit)とは何か、基本的なところから解説しました。
PMFとは企業が顧客ニーズに合致した製品やサービスを提供しており、それが適切な市場で、評価されている状態を指す概念です。PMFを実現するには、前提としてPSF(Problem Solution Fit)に到達していなければいけません。
そのためにまずは、自社が勝負したい市場を徹底的に調査して、想定顧客のニーズを洗い出し、それを満たす製品やサービスを開発する必要があります。
ニーズを満たすための最小限の機能を有するMVPを構築し、改善と評価を繰り返しながら、徐々にPMFの実現を目指しましょう。一度のプロセスでPMFを達成できるケースは多くないので、粘り強く改善と評価のサイクルに取り組むことが大事です。
平均2分!MAツールの比較ならミツモアで
PMFの実現のためのマーケティング活動にMAツールは非常に有用です。
前述の通りMAツールは様々な会社が提供しています。またそれぞれ特徴があったり、プランによってもできることが変わってきたりします。
そんな中で自社に最適なMAツールを見つけるのは難易度が高いでしょう。そこでMAツールを検討している方はぜひ、ミツモアのMAツール診断を使ってみてください。
この診断では
- 業種
- MAツールの導入時期
- MAツールの導入目的
などいくつかの項目に答えるだけで、最適なMAツールを診断してもらえます。あなたの会社にピッタリのツールが見つかりますよ。
チャット形式で時間をかけずにできるうえ、無料なのでぜひ一度利用してみてください。