手書きの経費精算書を使っていて、精算に時間がかかったりミスが発生したりしている。
コストを掛けてシステムを導入するほど経費精算が多いわけではない。
そんな企業は、エクセルを使うだけでも十分に経費精算の効率化を図ることができます。
この記事では、エクセルでの経費精算のメリットとデメリット、具体的な作成手順、そして運用のポイントまでを分かりやすく解説します。
エクセルを使って経費精算を行うメリット
エクセルを使った経費精算には、導入のしやすさと使い勝手の良さという特徴があります。多くの企業ですでに活用されているエクセルだからこそ、導入への心理的なハードルも低く、すぐに始められるという利点があります。以下で具体的なメリットについて詳しく見ていきましょう。
手書きより見やすく作成できる
経費精算書を手書きで作成する場合、丁寧に書いたつもりでも経理担当者にとって読みづらいことが多々あります。数字の判別が難しく、確認作業に時間がかかってしまうケースも少なくありません。
エクセルなら誰が入力しても同じフォントで印刷されるため、担当者は読みやすく処理もスムーズです。
手書きの場合は修正が必要になると書き直しが必要になりますが、エクセルなら簡単に修正できます。過去の申請内容を再利用することも容易で、定期的に発生する経費の申請なども効率的に処理できます。
書式の統一性が保たれることで、チェック作業の効率も大幅に向上します。
ソフトの導入が必要がない
エクセルは多くの企業のPCにすでに標準搭載されているため、新たにソフトを購入する必要がありません。経費精算システムの導入には初期費用やランニングコストが発生しますが、エクセルなら追加費用なしで始められます。
中小企業や、経費精算の件数がそれほど多くない企業にとっては、コストを抑えられる点が大きな魅力となります。
多くの従業員がすでにエクセルの基本的な操作には慣れているため、新しいシステムの導入時のように使い方の研修を行う必要もありません。すぐに運用を開始できる手軽さは、業務の継続性を保つ上でも重要なポイントとなります。
コストを安く抑えられる
エクセルは一般的なオフィスソフトとして広く普及しており、経費精算書の作成のために新たな費用を支払う必要はありません。多くの従業員がすでに基本的な操作に慣れているため、新しいシステムの導入に伴う教育コストも削減できます。
ネット上には無料のテンプレートも多く公開されており、それらを自社の運用に合わせてカスタマイズすることで、開発コストも抑えられます。テンプレートを活用することで、一から作成する手間も省けるため、導入までの時間も短縮できます。
他システムと連携しやすい
エクセルで作成したファイルは、CSVなどの汎用性の高い形式で保存できます。そのため、会計システムなど他のシステムとデータを連携させやすいのが特徴です。
例えば、経費データを会計システムに取り込む際も、CSVファイルとして出力することで簡単に連携できます。データの再入力の手間を省き、正確性を保ったまま効率的に業務を進められます。
エクセルファイルはクラウドストレージでの共有も容易です。複数の担当者間でデータを共有する必要がある場合も、スムーズに連携することができます。こうした柔軟性の高さは、業務の効率化を進める上で大きな利点となります。
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エクセルを使って経費精算を行うデメリット
エクセルでの経費精算には多くのメリットがある一方で、いくつかの重要な課題も存在します。これらの課題を事前に理解し、対策を講じておくことで、より効果的な運用が可能になります。
エクセルの知識が必要
使いやすい経費精算書のテンプレートを作成するには、関数やマクロなどのエクセルのスキルが必要です。単純な表計算だけでなく、入力規則の設定や計算式の組み込み、データの検証機能など、より高度な機能を活用できることが望ましいでしょう。
エクセルに慣れていない担当者の場合、効率的なテンプレートの作成や運用が難しくなります。担当者が異動した際の引継ぎにも課題が生じる可能性があり、運用の継続性に不安が残ります。
カスタマイズしたマクロの引継ぎには詳細な説明が必要となり、スムーズな業務の移行が難しくなることもあります。
人為的なミスが起きやすい
エクセルでは計算を自動化できますが、データの入力は手作業で行う必要があります。人間が作業を行う以上、完全にミスを排除するのは困難です。入力ミスや計算式の誤りなど、様々なエラーが発生する可能性があります。
不正申請を防止する機能もないため、経費の水増し請求などのリスクも存在します。上司や経理担当者による厳重なチェックが必要となりますが、チェック作業自体も人手による確認となるため、完全な防止は難しいのが現状です。
経費精算は会社の会計に直接関わる重要な業務であり、ミスが発生した場合の影響は決して小さくありません。そのため、入力時のダブルチェックや定期的な監査など、追加の管理体制が必要となることも考慮に入れる必要があります。
利用できる機能が限定される
エクセルは汎用的な表計算ソフトのため、経費精算システムと比べると機能は限定的です。
例えば、経費精算システムであれば標準で搭載されている承認ワークフローの自動化や、領収書の電子保存機能、経費精算規程との自動照合機能などは、エクセルでは実現が困難です。
企業の規模が大きくなると、処理すべき経費精算の件数も増加し、エクセルでの運用には限界が見えてきます。近年注目されている経費の可視化やデータ分析といった高度な機能も、エクセルでは十分に対応できない可能性があります。
エクセルで経費精算書を作成する手順
効率的な経費精算の運用のために、具体的な作成手順を確認していきましょう。適切な手順を踏むことで、正確かつスムーズな処理が可能になります。
1.領収証を整理する
まず最初に行うべきは、1ヶ月分の領収書の整理です。経費精算書に添付する領収書は、経費支出の証憑書類として非常に重要な役割を果たします。領収書の紛失や破損を防ぐため、受け取ったらすぐに専用のファイルやフォルダに保管する習慣をつけましょう。
日付順に整理することで、後の入力作業がスムーズになります。領収書の金額や日付が明確に読み取れることを確認し、必要に応じてコピーを取っておくことも推奨されます。
感熱紙の領収書は時間の経過とともに文字が薄くなる可能性があるため、早めにコピーを取っておくことが重要です。
2.勘定科目ごとに分類する
整理した領収書は、次に勘定科目ごとに分類します。一般的な勘定科目には会議費、広告宣伝費、交際費、旅費交通費、消耗品費などがありますが、具体的な分類方法は各社の会計基準に従って決定します。
分類を行う際は、社内で統一された基準を設け、担当者による判断の違いが生じないようにすることが重要です。判断に迷いやすい費目については、具体的な事例とともに基準を明確化しておくと良いでしょう。
3.経費精算書を作成する
実際の経費精算書の作成では、必要事項を漏れなく正確に入力することが重要です。基本的な記載事項として、部署名、氏名、申請日、支払日、内容、金額などがありますが、自社の規定に応じて必要な項目を追加します。
入力の際は、金額の転記ミスがないよう、領収書との突き合わせを慎重に行います。消費税の計算が必要な場合は、正しい税率で計算されているか確認することも忘れてはいけません。
エクセルで経費精算書のテンプレートを作成するポイント
効率的な運用を実現するためには、使いやすいテンプレートの作成が不可欠です。以下では、テンプレート作成時の重要なポイントについて詳しく解説していきます。
関数を活用して計算を自動化する
経費精算書での計算作業は、ミスが起きやすい部分の一つです。複数項目の合計金額を手動で計算するのは非効率であり、単純な足し算でも思わぬミスが発生する可能性があります。
そこで、エクセルの関数を効果的に活用し、できる限り計算を自動化することが重要です。
基本的なSUM関数による合計計算はもちろん、IF関数を使用した条件分岐、VLOOKUP関数による参照テーブルの利用など、様々な関数を組み合わせることで、より使いやすいテンプレートを作成できます。
計算式が複雑になる場合は、セルの保護機能を使って誤って式を消してしまうことを防ぐ工夫も必要です。
記入が必要な項目を分かりやすく示す
経費精算書には、必ず記入しなければならない必須項目が多く存在します。これらの項目の記入漏れは、申請書の差し戻しにつながり、処理の遅延を招きます。そのため、必須項目が一目で分かるようなデザインを心がけることが重要です。
具体的には、セルの背景色を変えたり、太字にしたりするなどの視覚的な工夫が効果的です。入力規則を設定することで、日付や金額の形式を統一し、誤った形式での入力を防ぐことができます。
入力規則の設定により、例えば日付は「YYYY/MM/DD」形式のみ、金額は半角数字のみといった制限を設けることが可能です。
ダブルチェックを行う
経費精算は会社の会計に直接関わる重要な業務であり、ミスが許されません。そのため、複数の目でチェックする体制を整えることが不可欠です。
上司による承認と経理部門のチェックなど、段階的な確認プロセスを設けることで、ミスや不正を防ぐことができます。
テンプレートには承認欄を設け、承認者の確認印や電子署名を記録できるようにしておきましょう。チェックポイントをまとめたシートを別途用意しておくと、確認作業がより確実になります。
件数が多い場合は経費精算システムを活用しよう
経費精算の件数が多い企業では、エクセルでの管理には限界があります。数百件、数千件という規模になると、手作業での確認や承認作業に膨大な時間が必要となります。
経費精算システムを導入することで、これらの作業を自動化し、大幅な時間短縮が可能になります。
この記事で紹介したように、経費精算の効率化には様々なアプローチが存在します。自社の状況を適切に分析し、最適な方法を選択することが重要です。エクセルでの運用を検討する際は、本記事で紹介したポイントを参考に、効率的な運用を目指してください。
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