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原価管理をエクセルで行う方法は?管理のコツや無料のテンプレートを紹介

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最終更新日: 2024年04月24日

原価管理とは、自社サービスの製造および提供にかかる原価を適切に管理する業務です。データに基づいた利益確保や経営の最適化、原価変動による損出リスクへの対策を主な目的としています。

リソースを割かずに原価管理を始めたい場合は、初期コストのかからないエクセル管理がおすすめです。いくつかポイントを押さえることで適切な原価管理を行えます。

そこで本記事では、原価管理をエクセルで行うコツを詳しく解説。原価管理に使える無料のエクセルテンプレートや、エクセルで行うメリットも紹介します。ぜひ、原価管理を実施する際の参考にしてください。

原価管理をエクセルで行うコツ

原価管理をエクセルで運用する際は、無料テンプレートを活用することや、ルールやマニュアルを整備することで効率的に行えます。関数やマクロを活用することもポイントです。

無料テンプレートを活用する

無料のテンプレートを活用することが、エクセルで効率よく原価管理を行うポイントです。テンプレートには書式設定や関数の組み込みが既になされていて、様式の検討や設定は要りません。担当者が自社の原価情報を入力するだけで自動計算を行います。

関数やマクロを一から設定するのは難易度が高い場合でも、テンプレートを使えばエクセルでの原価管理を実現可能です。初期費用がかからないのも利点と言えます。

無料配布されているテンプレートを使う際は、自社に合った原価管理シートを選ぶことが大切です。「自社の業種や事業内容に適した原価項目か」や「入力できる項目数は十分か」などよくチェックしておきましょう。

ルールやマニュアルを整備する

原価管理表の運用と更新に関して、ルールやマニュアルを整備することも欠かせません。エクセルで原価管理をしていると「原価管理表を格納しているファイルが複数あり、最新バージョンがわからない」といった事態が起こりがちです。

原価管理表を社内共有する際には、バージョン管理や編集履歴追跡のできるクラウドストレージを選ぶとよいでしょう。ファイル名の付け方や保存先のフォルダを、明確に指定しておくことも大切です。

また原価管理表の運用について、マニュアルを作成することで教育コストの削減も見込めます。専門用語や費用についての解説や、運用の目的やプロセスを記載するのがおすすめです。新入社員や周囲の社員から、運用ルールへの理解を得やすくなります。

関数やマクロを活用する

原価管理をエクセル上で運用すると、担当者によって作業品質や業務スピードに差が生じることも。手間のかかる計算処理や反復的な作業は、関数やマクロで自動化できる仕組みを作ることが大切なポイントです。

例えば関数を活用すると、セルに入力した額を自動計算したり外部ツールから数値を参照できたりします。またマクロを組み込むことで定型業務をオートマチックにでき、日々のデータ転記や集計処理などの効率化が可能です。

原価管理の方法についておさらいしたい場合は、以下の記事もぜひ参考にしてください。管理方法や原価管理を行う目的などについて詳しく解説しています。

関連記事:原価管理とは?目的やメリット、効率的な管理方法についてわかりやすく解説
ソフトウェア比較のイメージイラスト

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原価管理に使えるエクセルのテンプレート

原価管理のエクセルテンプレートが無料でダウンロードできる4つのサイトを紹介します。

「Microsoftテンプレート」製造業向け、製造原価の自動計算に対応

出典:Activity costs tracker | Microsoft Create

Microsoft社の公式サイトにて原価管理表のテンプレートを提供しています。製造業向けに書式や項目が設計されており、直接原価や間接原価、一般費、管理費の管理が可能です。

製品原価と週あたりの生産単位数を入力すると、製造原価の合計も求められます。製造原価を見直すことで利益拡大につなげるなど、活用しやすいテンプレートです。

ダウンロードページ:活動ベースのコスト管理|Microsoft

「テンプレートの無料ダウンロード」シンプルかつ項目少なめの原価管理におすすめ

出典:原価率計算表(単品向け)

「テンプレートの無料ダウンロード」では飲食業界向けのテンプレート3種と、業界問わず使えるテンプレート1種を配布しています。

飲食店向けテンプレートでは各商品の材料費や販売価格、販売量を入力することで、原価率を算出可能です。単品ドリンクや割り物、フードの計算に対応しています。

業界問わず使えるテンプレートでは材料費や加工費、経費、間接費を入力すると、製品あたりの原価がわかる仕組みです。自由なカスタマイズが可能で、建設業やサービス業でも活用できます。

ダウンロードページ:原価率計算表:単品・割り物・フード向け|テンプレートの無料ダウンロード
ダウンロードページ:原価管理表:Excelで作成|テンプレートの無料ダウンロード

「みんなのexcelテンプレート」確認印欄付きなど様式違いで選べる4種

出典:原価売価計算書01.xlsx

「みんなのexcelテンプレート」では、業種問わずさまざまな様式から原価管理テンプレートを選べます。

項目数や業種、確認印欄の有無など、ニーズに適したテンプレート全4種から選ぶことが可能です。いずれのテンプレートも原価や売価、粗利の目安を項目や案件ごとに計算できます。

ダウンロードページ:原価売価管理 | 無料で使える みんエク!|みんなのExcelテンプレート

「bizocean」関数やマクロを設定済み、業種ごとのニーズに合わせて選べる

出典:原価管理_01

「原価管理の書式テンプレート」では、業種に合った原価管理表のテンプレートを提供しています。建設業や製造業、不動産業、物流業など業種ごとのニーズに合わせたテンプレートから選択が可能です。

テンプレートには関数やマクロが組み込まれており、各種項目を入力すると自動で原価計算や集計を行います。ダウンロードには会員登録が必要です。

ダウンロードページ:「原価管理」の書式テンプレート/フォーマットのダウンロード|bizocean(ビズオーシャン)

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エクセルで原価管理を行うメリット

エクセルで原価管理を行うメリットには、コストをかけずに原価管理ができる点や少ない教育期間で運用を始められる点、社内独自の原価管理に対応できる点があります。豊富な無料テンプレートを活用できるのも利点です。

コストをかけずに原価管理ができる

システム導入による初期費用が要らず、手軽に始められるのがエクセルで原価管理を行うメリットです。

企業向けIT製品の総合サイト「キーマンズネット」が2023年8月に実施したアンケートによると、エクセルの利用者は回答者の約98%にものぼることがわかります。

エクセルを活用することにより、システムの購入費用やシステム研修にかかるコストは不要に。原価管理にコストをかける余裕がない場合でも、とりあえず一度試してみようという気持ちで利用できるのが大きな強みです。

参考:「Microsoft Excel」の利用状況に関する読者調査|キーマンズネット

少ない教育期間で運用を始められる

原価管理をエクセルで行うメリットとして、システム研修などの教育期間が少なく済む点も挙げられます。

エクセルは多くの社員にとって身近なツールです。操作方法を指導する必要がなく、ミスや入力漏れも起こりにくい傾向にあります。

原価管理表は基本的な入力操作と関数に関する知識があれば作成可能です。導入までの難易度は比較的低いと言えます。

社内独自の原価管理に対応できる

エクセルで原価管理表を内製することで、自社独自の原価管理に対応できる場合もあります。エクセルに精通した人材を配置することで、自社に合った原価管理表を作成してもらうことも可能です。

またエクセルには関数やマクロといった機能があります。自動化や繰り返し処理を設定して、柔軟かつ効率的に原価管理表を運用できるのも利点です。

豊富な無料テンプレートを活用できる

さまざまな無料テンプレートを活用できるのも、エクセルで原価管理を行うメリットです。テンプレートには書式設定や関数が既に設定されており、社内の担当者は原価情報を入力するだけで済みます。

また社内で統一した書式のテンプレートを活用できることもポイントです。原価管理の画一化を図ることで、業務の効率化が見込めます。

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エクセルで原価管理を行うデメリット

エクセルで原価管理を行うデメリットには、属人化が起こりやすい点やリアルタイムでの共同作業が難しい点、ファイル管理に手間がかかる点が挙げられます。

属人化が起こりやすい

関数やマクロを用いることの多いエクセルの原価管理は、属人化しやすいのがデメリットです。

複雑な関数やマクロを利用する際には、どうしてもエクセルに詳しい人材が必要となります。万が一管理の担当者が不在になった場合に、業務停止のリスクがあることには注意が必要です。

エクセルで原価管理をするときには、属人化しないようにマニュアルの整備や情報共有を徹底しましょう。

リアルタイムでの共同作業が難しい

エクセルで原価管理を行う際、リアルタイムでの共有や共同作業が難しいこともデメリットです。

個人のパソコンに保存したエクセルファイルは、他人と同時編集ができません。ファイルの共有をメールで行うことになり、バージョン管理がなおざりになりがちです。

クラウドサービスで共有するのが1つの方法として有効ではあるものの、誰でもセルの値を変更できてしまいます。データの整合性が損なわれる恐れがあり、注意が必要です。

エクセルによる原価管理で共同作業を行いたいときは、最新情報を保てるようなルール作りをすることが大切になります。

ファイル管理に手間がかかる

エクセルシートの枚数が多いと、原価管理表の管理や更新に手間がかかるのもデメリットです。

特に管理するプロジェクトや項目の多い企業では、原価管理シートの枚数がかさばります。更新のための入力作業に手間がかかったり、最新版の保管場所が不透明になったりする可能性も。

できる限り関数やマクロで自動化するなど、効率的にファイル管理ができるように工夫することが重要です。

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原価管理システムならエクセルよりも効率的な管理が実現

原価管理システムによる原価管理なら、必要な情報を一度入力するだけで多種多様な原価計算を行えます。差異分析や損益分析、予実管理、原価配賦といった高度な計算もリアルタイムで可能です。

会計ソフトや労務システムなど、外部システムとの連携も行えて、原価データの一元管理につながります。初期費用こそかかりますが、原価管理の業務効率化やそれに伴う人件費削減を実現できるのが強みです。

原価管理システムは企業規模や業種、予算にあわせて、さまざまな種類の製品があります。自社に合った原価管理システムを導入して、業務効率化やコスト削減を目指してみてはいかがでしょうか。

以下の記事では、おすすめの原価管理システムを特徴や料金で徹底比較しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。

関連記事:【2024年】原価管理システム比較12選!導入メリットやおすすめ製品の選び方

まとめ

原価管理について、エクセルで行うコツやメリット、デメリットを解説しました。

【エクセルでの原価管理について覚えておきたい3つのポイント】

  • 原価管理をエクセルで行う際は、無料テンプレートを活用することやルールやマニュアルを整備すること、関数やマクロを活用することが大切
  • 原価管理をエクセルで行うメリットは「コストをかけずに原価管理ができる」「少ない教育期間で運用を始められる」「社内独自の原価管理に対応できる」「豊富な無料テンプレートを活用できる」の4点
  • 原価管理をエクセルで行うデメリットは「属人化が起こりやすい」「リアルタイムでの共同作業が難しい」「ファイル管理に手間がかかる」の3点

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