「キャッシュレス決済を導入したいけれど、手数料はいくらかかるのだろう」「決済手数料で利益が削られるため、できるだけ抑えたい」とお悩みではないでしょうか。決済時に発生する手数料は、事業の利益に関わるため経営者にとって切実な課題です。
キャッシュレス決済の手数料は、クレジットカードや電子マネー、QRコードといった支払い方法だけでなく、選択するブランドや料金プランで大きく変わります。手元に残る利益を増やすには、決済時に発生する手数料だけでなく、端末費用や月額固定費を含めた総額での比較が不可欠です。
キャッシュレス決済の手数料はいくらでしょうか。費用を極力抑えるポイントや注意点を含めて解説します。
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キャッシュレス決済の手数料率
キャッシュレス決済の手数料率は、支払い方法や決済会社で差が生じます。クレジットカード、電子マネー、QRコード決済の手数料相場を整理しました。
クレジットカード決済
クレジットカード決済の手数料率は売上の2.48%から3.25%が目安です。VISAやMastercardは固定費無料プランで3.24%前後ですが、月額固定型プランや端末選定次第で1.98%から2.48%程度まで抑えられます。
医療機関には1.5%からの優遇料率が存在する一方、美容サロンの役務契約では4.0%から7.0%程度と高く設定される傾向です。決済費用は経営を直接圧迫するため、業種ごとの適用条件の確認が欠かせません。
電子マネー決済
電子マネー決済の手数料率は売上の1.98%から3.24%が相場です。Suicaをはじめとする交通系ICカードは1.98%から3.25%程度、流通系やスマホ電子マネーは2.50%から3.24%程度に設定されています。
端末にかざすだけで決済が完了する素早さが強みです。1秒程度で会計が終わるため、飲食店や小売店でのレジ渋滞を解消できます。
会計の回転率を高め、レジ対応の人件費削減へ繋げたい店舗にふさわしい支払い方法です。
QRコード決済
QRコード決済の手数料率は一般的に売上の1.60%から3.24%です。クレジットカード決済に比べて手数料率が低く設定されています。
PayPayは店舗との直接契約や特定プランの活用により、1.60%から利用でき、決済費用を極力抑えたい小規模店舗に向いている手段です。その他のQRコード決済サービスも2.60%前後の設定が多く、導入のハードルが低い決済手段として広く定着しています。
主要なキャッシュレス決済サービスの手数料率比較表
クレジットカードや電子マネー、QRコードといった決済手段について、主要なキャッシュレス決済サービスごとの手数料率は、以下のとおりです。
| サービス名 | 取扱可能なクレジットカード決済 | クレジットカード決済手数料率 | 取扱可能な電子マネー決済 | 電子マネー決済手数料率 | 取扱可能なQRコード決済 | QRコード決済手数料率 | 振込手数料(税込) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| stera pack | ・VISA ・Mastercard ・JCB ・American Express ・Diners Club ・Discover |
1.98~3.24%(※1) | ・交通系IC ・iD ・楽天Edy ・WAON ・nanaco ・QUICPay |
3.24% | ・PayPay ・d払い ・楽天ペイ ・au PAY ・メルペイ など |
3.24% | 0円(三井住友) ※その他の金融機関は220円/回 |
| PAYGATE | ・VISA ・Mastercard ・JCB ・American Express ・Diners Club ・Discover ・銀聯 |
1.98%~3.24%(※2) | ・交通系IC ・iD ・QUICPay ・楽天Edy ・WAON ・nanaco |
3.24% | ・PayPay ・d払い ・楽天ペイ ・au PAY ・メルペイ など |
2.00%〜3.24% | 0円 |
| STORES 決済 | ・VISA ・Mastercard ・JCB ・American Express ・Diners Club ・Discover |
1.98%〜2.48%(※3) | ・交通系IC ・iD ・QUICPay |
1.98%(交通系) 3.24%(その他) |
・PayPay ・d払い ・楽天ペイ ・au PAY ・海外系 など |
3.24% | 0円(自動) ※手動時は10万円以上の場合は0円、10万円未満は220円/回 |
| AirPay | ・VISA ・Mastercard ・JCB ・American Express ・Diners Club ・Discover (※4) |
2.48%~ | ・交通系IC ・iD ・QUICPay ・Apple Pay(※4) |
3.24%(※5) | ・PayPay ・d払い ・楽天ペイ ・au PAY ・メルペイ など(※4) |
3.24%(COIN+は1.08%~) | 0円(ゆうちょ銀行は利用不可) |
| Square | ・VISA ・Mastercard ・JCB ・American Express ・Diners Club ・Discover |
2.5%~3.25% | ・交通系IC ・iD ・QUICPay ・Apple Pay |
3.25% | ・PayPay・d払い ・楽天ペイ ・au PAY ・メルペイ ・WeChat Pay ・Alipay+ |
3.25% | 0円 |
| USEN PAY | ・VISA ・Mastercard ・JCB ・American Express ・Diners Club ・Discover |
1.9%~3.24%(※6) | ・交通系IC ・iD ・QUICPay ・nanaco ・WAON ・楽天Edy ・Apple Pay ・Google Pay |
3.24%(※7) | ・PayPay ・d払い ・楽天ペイ ・au PAY ・メルペイ など |
3.24%(※8) | 0円(みずほ銀行/住信SBIネット銀行) ※その他の金融機関は198円/回 |
※ミツモア調べ(2026年7月時点)
※1:「スモールビジネスプラン」の場合、Visa/Mastercardの手数料は1.98%、JCB/Amex等は2.48%、「スタンダードプラン」の場合、Visa/Mastercardは2.70%、JCB/Amex等は3.24%
※2:「中小事業者向けプラン」の場合、Visa/Mastercard 1.98%、JCB/Amex等2.48%、基本プランの場合はVisa/Mastercard 2.90%〜、JCB/Amex等3.24%〜
※3:「フリープラン(月額0円)」の場合、クレカ料率は一律2.48%。「スタンダードプラン(月額3,300円/年間契約)」の場合、Visa/Mastercardは1.98%、JCB/Amex等は2.38%
※4:iPhoneによる「Airペイ タッチ」アプリ利用時は、Visa、Mastercard、JCB、American Expressの「タッチ決済」およびApple Pay等のみ対応(磁気・接触IC決済、Diners、Discover、電子マネー、QRコード決済は非対応)
※5:中小規模の事業者が条件を満たすと「ディスカウントプログラム」等により、一部決済手数料が2.48%に引き下げられる場合あり
※6:医療機関は1.9%~、Visa/Mastercard 2.99%、それ以外のクレジットカードは3.24%
※7:交通系電子マネーとQUIC Payの場合、その他は3.74%
※8:Alipay+、WeChat Payの場合は3.0%
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キャッシュレス決済の手数料を抑える方法
キャッシュレス決済時に発生する手数料は店舗の利益に影響を与えるため、可能な限り負担を軽減したいところです。支払い方法の工夫や契約プランの見直しを含め、毎月の決済費用を抑える具体的な方法を紹介します。
売上規模に応じてプランを見直す
月間のキャッシュレス売上が150万円から200万円を超える店舗は、月額固定費がかかるプランへの変更が効果的です。初期費用や月額固定費が無料のプランは手軽ですが、手数料率は3.24%前後となります。
月額3,000円ほどの固定費を支払うプランに切り替えると手数料率が1.98%程度まで下がるため、毎月の負担を減らせるでしょう。固定費の支払いが発生しても、売上規模が大きい店舗ほど手数料率の差額による削減効果が高まり、年間の支払総額を抑えられます。
業界団体や医療向けの優遇プランを利用する
クリニックなどの医療機関や特定の業界団体には、専用の優遇料率が用意されています。医療機関向けプランであれば、通常より低い1.5%からの手数料率で契約できる場合があります。
医師会や商工会議所、所属するフランチャイズ本部を経由して申し込む方法も有効です。通常より0.3%から0.5%ほど低い手数料率が適用されるケースが少なくありません。
一般加盟店として契約する前に、自店が利用できる優遇制度や提携ルートの有無を確認しましょう。適用条件を満たしていれば、手軽に決済費用を削減できます。
手数料率の低い決済方法の直接契約や導入を検討する
すべてのキャッシュレス決済をひとつの代行サービスで一括管理せず、一部を直接契約にする運用が有効です。利用者の多いPayPayをはじめとするQRコード決済は、代行会社経由だと手数料率が3.24%に設定される場合があります。
PayPayと直接加盟店契約を結べば、手数料率1.60%から利用可能です。利用頻度の高い決済方法だけでも直契約へ切り替えると、店舗全体の平均手数料率を確実に引き下げられます。
補助金制度を利用して初期費用を抑える
POSレジや決済端末の導入時には、国の補助金や助成金を活用すると初期費用を削減できます。対象となる制度は、デジタル化・AI導入補助金や小規模事業者持続化補助金、業務改善助成金などです。
決済端末本体の購入費や関連するシステム導入費用が補助対象に含まれる場合があり、導入時の自己負担を軽減できます。申請時期や条件は制度ごとに異なるため、事前に公募要領を調べることが大切です。
資金面に不安がある店舗でも、制度をうまく利用すれば負担を抑えて導入を進められます。
キャッシュレス決済の手数料で注意すべきこと
キャッシュレス決済を導入するにあたって、手数料率だけでなく、契約内容や規約の確認を怠ってトラブルにならないように、次のポイントに注意が必要です。
利用者の会計に手数料を上乗せしない
クレジットカード会社や決済会社との契約において、決済時に発生する手数料を利用客に負担させる行為は禁止されており、明確な加盟店規約違反です。違反が発覚した場合、即座に契約解除や端末の利用停止といった厳しい措置が取られます。
他社での再契約が困難になるリスクもあるため、手数料は必ず店舗側で負担しましょう。
決済手数料の消費税区分と経理処理に注意する
決済時に発生する手数料の経理処理では、消費税の区分に注意しましょう。クレジットカード決済の手数料は原則非課税ですが、一部の決済手段や代行会社の手数料、端末費用には消費税が課税されるからです。
課税と非課税が混在するため、仕訳時の税区分を誤ると消費税の納付額計算に影響が出ます。正しい税区分で計上し、日々の経理処理を誤らない管理体制を整えましょう。
契約期間の縛りや入金サイクルを確認する
解約条件や資金繰りへの影響にも注意が必要です。月額費用が抑えられているプランの中には、数年単位の契約期間が設定されており、途中解約で高額な解約費用が発生する場合があります。
売上の入金サイクルが月2回など遅い設定のサービスでは、仕入れや人件費の支払いに必要な現金が不足する可能性も高いです。振り込みの頻度や解約条件を契約前に確認しましょう。
振込手数料や決済端末の購入費用など総額でサービスを比較する
キャッシュレス決済の手数料率の低さだけで決めると、支払総額が高くなる可能性があります。決済時に発生する手数料だけでなく、月額固定費や売上金の振込手数料、クレジット決済端末の購入費用など、諸費用も含めた総額で比較しましょう。
いくら手数料率が低くても、振込手数料や維持費用が高ければ手元に残る利益は減ります。発生する費用全体を把握し、総合的な支払額で比較検討しましょう。
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