予算管理をシステム化したいけれど、費用をかけずに始めたいという方もいるのではないでしょうか。
無料で使える予算管理システムには、期間制限なく使い続けられる「無料プラン」と、一定期間だけ試せる「無料トライアル」があります。
本記事では、両者の違いをふまえておすすめの予算管理システムを紹介します。

「タダだけど使いにくい…」そんな導入失敗は避けたいですよね。ミツモアの自動診断サービスでは会社の規模や欲しい機能を画面で選ぶだけで、相性ぴったりの予算管理システムを自動でピックアップします。後悔しないツール選びのために、まずは1分間の無料診断で最適なシステムを確かめてみませんか?
無料で利用できる予算管理システム4選比較表
予算管理システムを費用ゼロで始める選択肢は限られています。fusion_placeは永年無料ですがIT知識が求められます。CELFは30日間の無料トライアルのため検証に向いています。Manageboardは申込制の無料デモのため営業担当との事前相談が前提です。Workday Adaptive Planningは30日間の無料トライアルがあり自走での検証も見込めます。
| 比較軸 | fusion_place | CELF | Manageboard | Workday Adaptive Planning |
| 無料期間 | 無期限 | 30日間 | 申込制の無料デモ | 30日間 |
| 形態 | オンプレミス | ククラウドおよびオンプレミス | クラウド | クラウド |
| 初期費用 | ― | なし | あり(問い合わせ) | ― |
| 月額費用(税込) | 0円 | 1,980円/月~(10ユーザーから) | 問い合わせ(ユーザー数に応じた従量課金) | 問い合わせ |
| 利用人数 | 3ユーザーまで | 5ユーザーまで | ― | ― |
※「―」はホームページに記載なし
fusion_place[スタンダード版](株式会社フュージョンズ)
fusion_placeは、多次元分析や予算編成機能を備えた経営管理プラットフォームです。スタンダード版は3ユーザまで年1回の継続申請のみで、期間の定めなく無料で利用でき、予算入力フォームの設計自由度が高く経営管理の集計や分析を柔軟に実現します。
4名以上で利用する場合はEnterprise版(有償・要問い合わせ)への移行が必要です。製品サポートはQ&Aサイトに限られ、導入時の環境構築や運用設計は自社で対応する前提のためITに詳しい担当者の確保が求められます。
CELF(SCSK株式会社)

CELFは、エクセルの見た目のまま業務アプリを作成できるノーコードプラットフォームで、1200社以上の導入実績があります。独自の予算管理システムを一から構築したい企業に向いており、有償オプションのRPA機能で定型業務の自動化にも対応可能です。
30日間の無料トライアルでは5ユーザーまで全機能を試せ、契約時と同じサポートを受けられますが、継続利用には有料契約への移行が求められます。
パッケージ製品ではないため構築の手間が発生する点は理解しておきましょう。オンプレミス版は年額1万8,216円税込から、50ユーザー以上の契約です。
Manageboard(株式会社マネーフォワード)
Manageboardは、KPIと財務データを一元管理できるクラウド型の予実管理システムで、1万社以上の導入実績があります。マネーフォワードクラウド会計やfreee会計、勘定奉行クラウドとAPI連携し、会計データをワンクリックで取り込めるほか、PL、BS、CFの財務三表が連動した部門別やプロジェクト別の予実分析にも対応可能です。
公式サイトから無料デモを申し込め、デモ段階から自社データでの検証も期待できます。
料金はプレミアム、スタンダード、エッセンシャルの3プランとも問い合わせが必要で、ユーザー数に応じた従量課金と初期費用による年単位の契約です。
Workday Adaptive Planning(OrangeOne株式会社)
Workday Adaptive Planningは、世界6,500社以上の導入実績を持つクラウド型の予算管理プラットフォームです。為替変動や人員増減など異なる前提条件でのシミュレーションが即座に可能で、予算編成からフォーキャスト、実績分析まで対応できます。中小企業から大企業まで導入されており、海外製ながら日本ではOrangeOne株式会社が20年以上にわたり日本語での導入支援とサポートを提供しています。
公式サイトから無料トライアルを申し込め、導入前に操作性や運用イメージを実証実験で検証できます。料金は問い合わせが必要です。
Googleスプレッドシートで予算管理を無料でシステム化【番外編】
「fusion_placeは構築のハードルが高い。かといってトライアルでは期間が足りない」。そんな方に、第三の選択肢を提案します。Googleスプレッドシートを「簡易予算管理システム」として構築する手法です。表計算ソフトとしてではなく、データベースのように設計すれば、予算管理の仕組みを0円でつくれます。
エクセルの手作業から脱却するメリット
従来のエクセル運用では、各部門から届くファイルを管理者が手作業でコピー&ペーストして集計していました。転記ミスや版管理の混乱が起きやすい構造です。
Googleスプレッドシートに切り替えるだけで、1つのファイルを複数人がリアルタイムで同時編集できるようになります。編集履歴が自動保存されるため誤操作時も過去の状態に戻せるほか、シートごとに閲覧や編集の権限を設定でき、入力ミスの防止にも役立ちます。
ファイルの統合作業がゼロになるだけでも、月次の予算集計にかかる工数は大幅に減ります。
【実践】IMPORTRANGE関数で無料の自動集計システムをつくる
「部門ごとの入力シート」と「全社集計シート」を分けたい場合は、IMPORTRANGE関数が有効です。別のスプレッドシートからデータを自動で読み込む関数で、部門用シートを作成して各部門長にURLを配布し、経理用マスターシートに =IMPORTRANGE(“部門シートのURL”, “予算!A1:Z100”)と記述します。
入力直後は「#REF!」エラーが表示されますが、セルにカーソルをあわせると「アクセスを許可」ボタンが現れます。クリックして連携を承認すれば、データが自動で反映されます。
部門長が数字を入力した瞬間、経理用マスターシートに数値が自動反映されます。部門側は自分のシートだけを操作すればよく、経理側はマスターシートを開くだけで全部門の数値を確認できる、実質的な「データベース型予算管理」が0円で実現します。
なお連携先のシートが数十を超える場合は読み込みに時間がかかるため、エリアごとの中間集計シートを挟む設計を推奨します。
Googleフォームで経費予算の申請を吸い上げる
旅費や交際費のように都度発生する予算申請には、Googleフォームが適しています。
フォームから送信されたデータはスプレッドシートに自動で蓄積。新しい行が挿入される形で記録されるため、あらかじめ行に計算式を入れていると行ずれが発生します。
集計用の別シートを用意し、ARRAYFORMULA関数でデータを参照する設計にすると安全です。スマホからも入力できるため外出先の従業員でもすぐに申請を完了できます。
GAS(Google Apps Script)を組みあわせれば、予算超過時にアラートメールを自動送信する簡易ワークフローも0円で実装可能です。
なお無料のGoogleアカウントではメール送信が1日100通に制限されます。申請数が多い組織では、上限が1500通に緩和される有料のGoogle Workspaceが前提です。
無料で利用できる予算管理システムを有料へ切り替えるタイミング
「ずっと無料で運用したい」と考えるのは当然です。ただしスプレッドシートでの予算管理には明確な限界があり、以下の3つの兆候が出たら有料システムへの移行を検討すべきタイミングです。
人件費がツール利用料を上回っている
有料ツールは「高い」と思われがちですが、集計にかかる人件費と比べると安価なケースが大半です。
たとえば経理担当者の時給を3,000円と仮定し、毎月の予算集計に24時間費やしているなら、月間7万2,000円の人件費が発生しています。月額3万円から5万円のクラウドツールを導入して、集計作業の大半が自動化されれば、人件費との差額がそのまま削減効果です。
浮いた時間を分析や戦略立案に充てられるため、費用以上の価値が見込めます。「無料だから得」とは限りません。
構築した担当者しかメンテナンスできない
スプレッドシートによるシステム化は強力ですが、属人化のリスクがつきまといます。関数やGASを設計した担当者が異動や退職をすると、誰も修正できない「ブラックボックス」が残ります。
有料SaaSであればベンダーが保守やサポートを担うため、担当者が変わっても業務が止まらない体制を確保できます。
「集計」ではなく「分析」が求められている
スプレッドシートやエクセルは数字を集める作業には向いていますが、多角的な分析には構造上の限界があります。「なぜ予実差異が生じたのかドリルダウンしたい」「為替レートを変えたシミュレーションを即座に回したい」といったニーズが出た時点で、表計算ソフトの役割は終わりです。
経営判断のスピードを上げるための投資と捉え、専用ツールへの移行を検討してください。
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